二次創作小説(新・総合)

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逃走中#CR07 白猫温泉物語 混沌編【完結】
日時: 2021/01/21 23:08
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 6..SoyUU)
参照: https://www.kakiko.cc/novel/novel7a/index.cgi?mode=view&no=1611

どうもです、灯焔です。
のらりくらりと7回目の開催を迎えた逃走中#CR07。ニアの不穏な言葉の裏でグレン達5人は温泉旅行へと旅立つ。彼女の言っていた言葉の真意、そして裏でうごめいている『もう1つの物語』にも遂に決着の火蓋が…?
今回の舞台は、白猫プロジェクトより『アオイの島』。温泉事業で有名な四季折々の景色が見える島を舞台に、逃走者とハンターとの7回目の逃走劇が今、幕を開ける―――!


※注意※
 ・登場するキャラクターは全て履修済みの作品からの出典です。かつ基本的な性格、口調等は原作準拠を心掛けております。が、表記上分かり易くする為キャラ崩壊にならない程度の改変を入れております。
 ・原作の設定が薄いキャラクター等、一部の登場人物に関しては自作設定を盛り込んでおります。苦手な方はブラウザバックをお願いいたします。
 ・誤字、脱字、展開の強引さ等ございますが温かい目でお見守りの方をよろしくお願いいたします。



<ルール>
【逃走エリア】
『アオイの島』 出典:白猫プロジェクト
和風な景色が広がる、情緒豊かな島。
四季のルーンの力によって、変化にとんだ風景を楽しませてくれる。
今回逃走エリアに使用するのは、天守閣周りの『温泉街エリア』と呼ばれる場所となる。
エリア紹介 >>1




逃走時間:85分

賞金:51万(1秒100円)

ハンター:初期3体or4体(OPゲームの結果に基づき変更)

自首方法:『侍の寄合所』にいる侍に『自首届』を記載し、小判を1枚添付した状態で提出する。


<参加者>

【pop'n musicシリーズ】より (3人) 詳細>>2
ウーノ
アン
クアトロ

【ファイアーエムブレムシリーズ】より (3人) 詳細>>3
アルフォンス
シャロン
アンナ

【ダンガンロンパシリーズ】より (3人) 詳細>>4
大和田紋土
弐大猫丸
獄原ゴン太

【スーパーマリオシリーズ】より (3人) 詳細>>5
ワリオ
ヨッシー
ドンキーコング

【光神話 パルテナの鏡】より (3人) 詳細>>6
ピット
パルテナ
ブラックピット

【作者枠】 (3人) 詳細>>7
junris
YUMA


【逃走中#06 MVP】 (2人) 詳細>>8
及川徹
エフラム

計20名



◎AfterBreakTime

 ①『非日常は唐突に訪れる』 >>9
 ②『香る赤い松の気配』 >>26
 ③『溝を乗り越える勇気を持って』 >>36
 ④『魔族と神と人間の関係』 >>47
 ⑤『鳥をも落とす霊刀でも』 >>53
 ⑥『支配から手を伸ばせ!』 >>68
 ⑦『神と邪神は紙一重』 >>71
 ⑧『立ち向かえ!悪魔の手の元に』 >>76
 ⑨『松の絆は永遠に』 >>83
 ⑩『理は人知を超えて』 >>90
 ⑪『打ち上げ』 >>112-113 >>116-118



○逃走中#CR09 シード枠争奪アンケート実施中!
※締め切りました
結果発表 >>99


○逃走中#CR08 MVP投票受付中!
※締め切りました
次回参加者 >>103
MVP発表 >>111


以上、逃走中#CR 運営本部がお送り致します。

Re: 逃走中#CR07 白猫温泉物語 混沌編 ( No.38 )
日時: 2020/12/14 22:24
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: okMbZHAS)

【71:22】





~田園街道~





アルフォンス「見渡す限りの緑だ…。機械的な装置だろうから、人目見れば分かると思うんだけど…」

ウーノ「障害物も何もない散歩道だそうだから、道のど真ん中には置いてはいないだろうね」



 意を決して田園街道へと歩みだした3人。柔らかな緑がそよそよと風に揺れる、散歩に打ってつけの街道になっております。町の賑やかな雰囲気とはまた違う穏やかな空気を纏っていますね。
 そんな中に似合わない『装置』があるはずなのですが…。広がる草原と散歩道に、1分で探せるだろうかとアルフォンスの脳裏に不安がよぎります。



弐大「ふむ!!!つまりは手分けをして探せばええのじゃろう。見つけたら大声で呼べい!!!!!」

ウーノ「いや、大声で呼んだらハンターまで呼び寄せてしまうかもしれない。見つけた人がチャットで私達に連絡するようにしよう」

アルフォンス「そうだね。チャットの方がすぐに気付ける。それじゃあ時間もないし、急いで装置を探そう!」



 しかし、1人ではないことを逆手に取り手分けして装置を探すことに。見つけた人がチャットで残りの2人に連絡をして呼ぶことにしました。弐大くんがちょっと大丈夫か危ういですが、そんなことを言ってられる余裕はありませんね。
 時間を無駄にしてはいけないとその場を解散する3人。無事に装置は見つかるんでしょうか…。











【70:45】





シャロン「わわわ、ミッション①終了まで1分を切ってしまいましたよ?!大丈夫なんでしょうか…」

YUMA「ハンカチを貰ったはいいものの、街道まで遠すぎる…。あと1分あっても私の足で届いたかどうかだな」

ワリオ「ナニーっ?!オレ様が走ってる間にもうこんな時間だとーーーっ?!」



 残り1分を切ってもクリアの通知が届かないので、逃走者の一部の面子はハンター放出に備える動きを始めました。2つの装置を止められているので、最悪ミッションを失敗しても放出されるハンターは1体で済みますが…。



DK「ウホ、ウホホ…(ハンターが増えるのはいやだぜ…)」

ゴン太「ゴン太は最後までみんなのことを信じてるよ!だって紳士だからね!」

アンナ「ハンター放出まで時間がない。何とかしのがないと…」



 逃走者を信じる者、自らの安全を優先する者。選択は各々に委ねられています。そんな彼らを救うのもまた逃走者。
 ―――さぁ、3人は装置を無事に見つけられたのでしょうか…?

















【70:31】





~田園街道~





弐大「見つからん…見つからん…。このままではハンターが放出されてしまうんじゃあああああ!!!!!」

ウーノ「ここら辺はあらかた探したからあとはあちら…。くっ、こんなにも街道が広かったとは…」

アルフォンス「人が歩いている道のど真ん中に置くはずがない。だから手分けして探して……あっ!」



 ミッション①終了まで残り30秒!必死に装置を探す3人ですが、こんなに障害物がない広い場所なのに中々見つからない!ハンターを放出してはならないと気力だけが前に出て、焦りが見え始めています。
 そんな中、アルフォンスが街道に生えている木の後ろに何か『違和感』を察知。近づいてみると……。



アルフォンス「―――あった!大きな木でカモフラージュされていたのか…!細長いアンテナのような装置だから中々見つからなかったんだ!」



 ―――なんと、最後の装置は街道に生えている木の近くに一緒になるように置かれていました!なんだこれ。アルフォンスは素早くチャットを流し、近くで探していた弐大くんと合流し装置を塞ぐ為行動を始めます。ちなみにウーノは少し離れた場所まで行ってしまったらしく、時間内の合流は難しいとのこと。



弐大「がっはっはっはっは!!!この位置にあれば見つからんのも仕方がないわい!!!」

アルフォンス「時間もないし、早いところ装置を塞いでしまおう。この赤い玉をハンカチでくくってしまえばいいんだよね?」

弐大「応!!!嫌ーな感じがひしひしと伝わってくるわ!!!」



 お互いに協力し、かつ焦らずに赤い球体にハンカチを覆う2人。弐大くんの持っていたハンカチで飛ばされないよう縛ると……先端の赤い球体は光をなくし、黒く変色しました。
 ―――これで全ての装置を塞ぐことが出来ましたね!



アルフォンス「これで…いいのかな?」

弐大「黒くなっておるからのう。間違いないッ!!!これで正しいッ!!!」









~城下町・下町 商店街~




 ―――シュン。
 商店街からハンターボックスが消滅した…。





【70:08】

アルフォンス
弐大猫丸

『ハンターボックス放出装置』 解除


ミッション① クリア








ピリリ ピリリ








ブラピ「通知か。『アルフォンス、弐大猫丸の活躍により、『田園街道』のハンター放出装置のセンサーが塞がれた。これにより、『城下町・下町』に設置されたハンターボックスが消滅した。ハンター放出阻止成功。ミッション①クリア』
    ……ハンター放出なしか。ま、オレは逃げ切る自信はあったんだがな」

ヨッシー「ヨッシー!ヨッシー!(やったー!これでハンターは増えないんだね!)」

アン「ふぅ…。ギリギリではありましたが、皆さんの力が合わさったからこその成功です。このままハンター数を維持して逃走成功を目指したいところですね!」



 ハンター放出は無事阻止されました!ですので、70分以降も4体を維持。野外エリアとはいえ障害物がある場所とない場所の差が激しい上、大部分が『障害物がない』エリア。ハンターが1体増えるだけでも大変な今回の逃走中。幸先の良いミッションクリアでしたね。お見事!





ウーノ「すまない…。無事ミッションクリアできたみたいで良かったよ」

アルフォンス「ううん。僕1人では絶対に成し遂げられなかったことだ。弐大殿、ウーノ殿。本当にありがとう!」

弐大「困った時はお互い様じゃあ!!!がっはっはっはっは!!!」




【70:00】 ミッション①終了時 逃走者詳細


●確保者 3名


 ピット junris クアトロ




○既存逃走者 残り17名


 ウーノ アン

 アルフォンス シャロン アンナ

 大和田紋土 弐大猫丸 獄原ゴン太

 ワリオ ヨッシー ドンキーコング

 パルテナ ブラックピット

 YUMA 柊

 及川徹 エフラム




 逃走者全員の力を合わせ、お見事です。ミッション①クリア!ハンターの恐怖は何体でも変わらないものですが、できれば少ない方が鉢合う可能性も低くなりますもんね。
 しかし。ハンターは4体。いつ狙いを定めて追いかけてくるか分かりません。逃走者の皆様、十分にお気をつけてくださいね!


To be continued……

Re: 逃走中#CR07 白猫温泉物語 混沌編 ( No.39 )
日時: 2020/12/15 16:58
名前: YUMA (ID: 3NeFJuEp)

ユマです。

ミッションは完結、温泉旅行のドラマの件は目的地に到着した付近で終わりましたが...このハンター放出阻止にハンカチが必要だった件...何の為になんでしょうね?ユマも描写から手に入れてたらしいですが。

2枚程風で飛ばされたモノの行方が本題なのか、ニアさんの事と長男の件の指摘絡みありますし...本心はいかに、って奴かな?

次回どうなのやら。ドラマに進展がある可能性...

Re: 逃走中#CR07 白猫温泉物語 混沌編 ( No.40 )
日時: 2020/12/15 22:09
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: okMbZHAS)

どうもです。灯焔です。
冬が本格的にやって来たという感じで連日体調を崩しております。こんなんで年越せるのか。助けて光世さん。



>>YUMA 様

どうもです。コメントありがとうございます。
ミッション①は無事クリアできました。ハンカチに関しては作中で『ミッションに使用する』描写がしっかりなされていますので、今一度読み返しの方をお願いいたします。

後、温泉旅行パートの中で飛んで行ったハンカチと松野家は関係ありません。そこらも今一度読み返していただければと思います。

Re: 逃走中#CR07 白猫温泉物語 混沌編 ( No.41 )
日時: 2020/12/15 22:14
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: okMbZHAS)

【69:44】





~天守閣前~





ワリオ「うーむ。高く売れそうな城だが、まだここには入れんのかー?」



 大和城より何倍も大きな天守閣の前でワリオはそんなことを言っていました。いやいや、天守閣勝手に売らないでください。ミッション①が終了し、少し時間も経ちましたが今現在入れる様子はなさそうですね。入れるようになったら別途通知が来ると思うのですが…。



ワリオ「何だとー?!このワリオ様を前にして天守閣に入るのに許可がいるとはおかしいだろーーー!!今すぐオレ様だけでも中にいれなさーい!!」



 駄目ですよ。無理やり入ろうとしたら何されるか分からないんですから。貴方も強制失格でお金を貰えずみじめに変なイメージ持たれたくないでしょう。
 勝負事はフェアに行きましょう。わざわざ『今は入れない』と通知があるのですから、絶対に突入出来る時が来ます。



ワリオ「ムムッ!確かにそうだな!!ワーハッハッハ、もし通知が来たら一番乗りにこのワリオ様が乗り込んでやるから待ってろよ~~~!!!」



 ……どこかの悪役のような台詞を天守閣に叫び、ワリオは別の場所に移動をしたのでした。















【67:25】





~城下町 商店街~





アンナ「それにしても活気づいてるわねー。ここに姉妹を誘ってお店を開くのも悪くなさそうね!」



 こちらも呑気に商店街を見て回るアンナ。逃走中のゲームでの怪我の可能性を避ける為、現在はアオイの島での商売をしている人、そして一部の観光客以外はいません。しかし、彼女には『この商店街は日頃から活気づいている』と思う要素があったのでしょう。正直ミッションの時よりも気持ちが浮かんでいるような気がするのですが。



アンナ「あら、そんなことないわよ!ちゃんとハンターも警戒しながら店を見て回っているわ。そうでなければ『ヴァイス・ブレイヴ』なんて名乗れないもの!
    それに、自首するにはまだまだ金額が低すぎるからね!」



 さいですか。まぁ王子と王女に呆れられないようにしてくださいね…。そんな陽気な彼女に近づく影が。アンナもそれに気付いたようで、近づいてくる足音に警戒します。その正体とは―――。










大和田「……何やってんだオメー?」

アンナ「ハンターじゃなかったわ!一安心ね」

大和田「あん?俺をハンターと勘違いするなんていい度胸じゃねえか」

アンナ「貴方、腕っぷしも強いのね!ぜひ我が『ヴァイス・ブレイヴ』にスカウトしたいくらいだわ!」

大和田「話が噛み合ってねえぞ?!」

アンナ「貴方の話に乗っかったらキリがなさそうだもの。こういうことは軽く流しておくのが一番よ!」

大和田「(葉隠のヤローを思い出すな…)」



 やって来たのは大和田くん。呑気に店を見て回るアンナに違和感を感じたのでしょう。それでいいのかと忠告しに来たようです。突然喧嘩腰に話された為、アンナは軽くあしらってその場を切り抜けようとしていたようです。
 彼女の反応とかみ合わない話にテンションが下がってしまった大和田くん。改めて本題に移ることにしたのでした。



大和田「オメー、何やってんだよ?」

アンナ「商店街を見てたのよ!私、隊長だけじゃなくて商人でもあるんだから」

大和田「へー。俺の学級の奴にも商売…っつーか、ぼったくりの値段で道具売ってくる奴がいるんだよ」

アンナ「そうなの?ぼったくりは良くないわね!商人は『信用』が第一なんだから。例えば、清潔感のなく、掃除もままならないお店がいくら『美味しい』と評判でも、行きたいとは思わないでしょ?」

大和田「そ、そうなのかよ?」

アンナ「そうよ。だからお友達にも言ってあげて!商品を売りさばきたいなら『適切で』『的確な』価格が大事だって!勝負するつもりなら多少高くても問題ないけれど、それは信用できる相手にだけよ!」

大和田「お、おう…?」



 あのですねー。そんなこと話し合っていていいんですか?大和田くんが問いかけたと同時に、商売の大事さを彼に詰め込むように教えるアンナ。他に業務をやっているパターンもありますが、基本的に彼女商人ですからね。
 そろそろ彼女を止めないといけないと思いいたった矢先、彼らに近付く『影』…。








































ハンターIE「…………!!」





ダッダッダッダッダ!!!!!





ROCK ON【MONDO OWADA】





ピーーーーーーーーーーーー





大和田「……おお?!」

アンナ「話し込んでいた間に…!」



 ハンターが彼らを捉え追ってきていますよー?!ターゲットは大和田くん。自分が狙いではないことにアンナは気付き、素早く大和田くんから離れ別方向へと逃げました!



大和田「俺のほうが近ぇのかよ……クソっ!!」



 大和田くんは体力には自信がありますが、走力は平均的。ちなみに石丸くんと比べると微かに彼の方が速い。自慢の体力で何とか撒こうとしますが、商店街の中ですらハンターは器用に大和田くんを追いかけてきています。徐々に迫る距離…。



大和田「複雑すぎるが距離が迫ってきてんな…。一か八か、右に曲がるぜ!!」



 ハンターから逃れる為右に曲がりましたが―――。








大和田「―――行き止まりかよォ!!!」


ハンターIE「…………!!」



 まさかの袋小路だった……!!









ポンッ







【66:53】
大和田紋土 確保 残り16名





大和田「違う道を選びゃよかったぜ…」



 いくら体力に自信があろうとも、行き止まりを選択してしまえば意味がありません!選択ミスも確保へと繋がってしまいます。難しいとは思いますが、逃げる時も慎重に、ですね。





 そして、アンナの方はというと―――。
























~城下町 下町付近~





アンナ「ふぅ。ここまでくれば大丈夫かしら…」



 大和田くんを囮にしたような形で下町方面まで逃げてきたアンナ。ハンターから逃げてきたこともあって、安心しきっている様子。もう少し離れようと角を曲がった瞬間でした。









ハンターAK「…………」


アンナ「……あ、あぁっ?!」









ポンッ







【66:32】
アンナ 確保 残り15名





 ハンターと曲がり角で出会い頭に会ってしまい確保!警戒を薄めてしまった瞬間を狙われてしまいましたね…。








ピリリ ピリリ








柊「な、何だ何だ。『大和田紋土 アンナ 確保 残り15名』 お、大和田くん?!逃げ切りそうだと思っていたのに!!まだこのエリアで一度も会えてないぞ…!!」

エフラム「一気に2人確保か。ハンターが4体というのはやはり恐ろしいな…」

アルフォンス「アンナ隊長、後半で自首するとばかり思ってたよ…。もしかしてこの金額で自首に動こうとしてた?」

ゴン太「大和田君の分もゴン太頑張るね!お疲れ様!」




 まさかの2人確保!前回はハンター『ほぼ』3体でしたものねえ…。悪い流れを引きずらないでほしいものですが…。
 次回、温泉旅行の様子を見てみましょう。そして、ミッション②スタートです!

温泉旅行の進捗 ② ( No.42 )
日時: 2020/12/16 22:02
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: okMbZHAS)

ルーニー「こちらの道を通り、グレン様達のお泊まりになられる旅館へと案内いたします」

クレア「わぁ…!紅葉もイチョウも綺麗ですね!じーくんさんの為に写真撮らないと、写真」

チタ「チャンクレ!パシャるならエモい場所オレがばっちし教えたげるから任せといて!」

クレア「大丈夫です!私は撮り鉄でもあるので!」

チタ「チャンクレに振られたぁ~…テンサゲ…」

グレン「いつものことだろう…。ほら、ついてこないと置いていかれるぞチタ殿」

チタ「だぁ~かぁ~らぁ~!!その『殿』っていうのや~め~て~よ~!!」



 ルーニーの案内で赤と黄の葉が舞い落ちる道を歩いている5人。その景色があまりにも綺麗で、クレアは写真に納めてGa.にお土産の1つとして持ち帰ろうとしていました。本部でお話が出来ない代わりという訳ですね。
 そんな中、シェリルが連なる脇の木々をじーっと見つめてぼそりとこう口にしました。



シェリル「しゃちょーさん、わたし何となく気になったんだけど…」

ルーファス「どうしたんだい?」

シェリル「モミジよりイチョウの方が多いような気がするんだよねー?気のせいかな?」

ルーファス「確かに言われてみればそうとも見えるけれど…。うーん…。同じようにも見える…」

ルーニー「あぁ。それはタケモト様の趣味なんですよ」

グレン「……『趣味』だと?」



 シェリルの疑問にルーニーはきっぱりと『主催者の趣味』と答えました。更に深く聞いてみようと思ったのか、グレンが続けざまに彼女に問いかけます。すると、彼女は歩きながらも優しくこう答えました。



ルーニー「タケモト様とセオリ様は最近知り合ったらしいのですが、双方趣味等の共通点があることから協力体制にあったようなのです。こちらのイチョウの木も、ほぼ全てがタケモト様のご提案で植えられているものなのですよ」

クレア「えーっ?!あの方、そんなに偉い人だったんですか?!そうだと知っていればルーントレインの宣伝にも一役立ってもらおうと思いましたのに~」

ルーファス「最近…ってことは、もともとは紅葉の方が多く植えられていたのかな?それにしてはちょっと入れ替えすぎのような気がするんだけど…」

グレン「それも彼の『趣味』なのだろうな。あの御仁はそんな権力も持っていたのか…」

チタ「チャンセオとズブズブだったもんねー」

シェリル「ずぶずぶー!なんか土砂降りの雨みたいだね!」

ルーファス「カラッと晴れた青空に土砂降りはないと思うよシェリル」

ルーニー「ふふふ。皆様、とても賑やかで私も気分が高揚してしまいますね。……さて、もうじき右側に見えてまいりますのが本日宿泊いたします『青空館』となります」

クレア「大きい…!こんなに立派な旅館に泊まれるだなんて!」

ルーファス「セオリさんの根回し…というか力の入れようが凄いよね…」



 ルーニーが右手を旅館の方に差し伸べ、5人を案内します。立ち止まった目の前には、威厳のある老舗の大きな旅館が点在していました。ここが、今日5人が泊まる『青空館』という旅館のようですね。
 船での長旅の疲れを部屋で癒す為、彼女の案内を素直に聞き入れ5人は旅館へと入っていきました。









~『青空館』 館内~



『いらっしゃいませ。『青空館』へようこそいらっしゃいました』

クレア「中も立派ですね~♪」



 中に入った5人は各々感嘆の声を出します。落ち着いた風貌の『和』と『洋』が絶妙に混ざりあった現代的なデザインのフロントを彼らは歩いていきます。土足でも気持ちいい床材を使っているのか、ここから動きたくないとさえ思わせてしまう程でした。
 誘惑をどうにか振り切ったグレン。チェックインをする為にフロントにいる受付に話しかけます。



グレン「すみません。ツアーの一環で、ここに宿泊する為に来訪した『グレン』という者です」

受付『はい、少々お待ちください。……『紅葉満喫一泊二日ツアー』にご参加のグレン様ご一行でございますね!ようこそおいでくださいました。こちらが今回宿泊されます部屋の鍵となっておりますので、大切に保管の方をお願いいたします』

グレン「ありがとうございます」

受付『チェックアウト時にご返却いただければ結構ですので。それではごゆっくり宿をお楽しみください』



 受付でのチェックインを済ませ4人とルーニーが待っている場所へと戻ると、既に部屋に向かおうとしているチタとシェリルの姿がありました。今にも走りそうな2人を寸のところでルーファスが止めています。
 グレンが鍵を見せて場所を伝えると、2人はルーファスの手を振りほどき、彼から鍵を受け取り我先にと部屋へ走っていってしまいました。



ルーファス「あぁ、旅館は走っちゃダメなんだってば!!……はぁ~…」

グレン「それだけ楽しみだったということなのだろう。私達も早く部屋へ向かい、荷物を置こう」

ルーニー「ツアーのご説明は部屋の中でさせていただきます」

クレア「わーい!ということはルーニーさんも一緒ですね♪」



 グレン達が泊まるのは1階の奥の角部屋『桜の間』。この旅館の中でも相当にランクの高い部屋なのだそう。ルーニーの説明を受けながら、先に向かった2人を追うように歩いて部屋へと向かったのでした。









チタ「見てみてチャングレ~!!部屋めっちゃ広い!おふとんふっかふか!ヤッバ!マジヤバ!!」

シェリル「クレアちゃーん!しゃちょーさーん!着物がいっぱいあるよ!着替えていい?着替えていい?」

ルーファス「ちょっと待って。ガイドさんの説明受けてからね」



 『桜の間』へと到着すると、既にチタは自分で布団を敷いていたのかごろごろとその上を転がっています。シェリルは箪笥に入っている宿泊者用の着物を物色しています。大丈夫なんでしょうか。
 今にも暴れだしそうな彼らを何とか宥め、部屋の入口で5人はルーニーの説明を受けることにしたのでした。



ルーニー「これより皆様は明日の朝まで自由行動となります。食事の時間も旅館の方にお任せしておりますので、ツアーの受付時にお渡ししたパンフレットのお時間までにフロントの方でお待ちください」

クレア「ルーニーさんはお仕事ですか?」

ルーニー「はい。タケモト様のご意向で、ツアーの参加者様には出来るだけ『ご自由に』散策するように申し付けられておりますので。是非ごゆっくり温泉を楽しんでくださいませね」

チタ「オッケー!明日の朝ね!忘れないでねチャングレ!」

グレン「忘れる前提なのか君は…」

ルーニー「それでは私は一旦ここで失礼いたします。どうぞごゆっくり旅行をお楽しみください」



 その一言を最後に、5人に丁寧にお辞儀をしたルーニーは部屋を去っていったのでした。―――背後に『笑み』をちらつかせたまま。



 彼女が部屋から去ってしばらくした頃。興奮気味のチタが『早く温泉に入りたい!』とグレンに詰め寄ります。しかし、パンフレットによると温泉は8つ程あるとのこと…。恐らく彼は全部入りたそうなのですが、夕食の時間までに間に合うでしょうか。



ルーファス「温泉と温泉の間が結構距離があるし、温泉を回りがてら景色を見たり、お土産を探したりするのもいいかもしれないね。計画を立てれば回れない数じゃないと思うよ」

クレア「どんな温泉があって、どんな効能があるのか私も知りたいですし!ルーントレインに温泉車両を実装する参考にします!」

シェリル「そんなことはいーよー!みんな、早く着替えて温泉いこー!」

チタ「そーだそーだ!チャンシェリの言うとおりだ!」

グレン「わかったわかった。皆、どこを回るかは着替えてからにしよう。大体の目星をつければその場で決めても問題なさそうだからな」

クレア「用意されているのは夜ご飯だけですし、ランチは外で食べてもいいですからね!」



 チタとシェリルが早く行こうと3人をせかします。そんな彼らに背中を押されるように、5人は旅館の着物に着替え早速温泉を満喫することにしたのでした。

















 ……そんなこんなで温泉を楽しみ、時は日が暮れる頃になっていました。ほぼ全ての温泉を制覇できた5人は、ほかほか気分で旅館への帰路についていたのでした。



シェリル「わはー!気持ちよかったー!全部温泉の色が違うし、それぞれに『こうのう』ってのがあるんだね!わたし、またかし子になれた!」

ルーファス「僕は入りすぎてのぼせそうだよ…」

グレン「3人が次に、次にと興奮してたからな…。だが、どの温泉も景色が綺麗に見えて素晴らしかった」

クレア「温泉を管理している方にも温泉の効能を調査出来て良かったです!……流石にルーントレインへの持ち込みは駄目だと言われてしまいましたが…」

チタ「お土産もいっぱい買えたしじゅんちょーじゅんちょー!チャンクレ、ちゃんとじーくんパイセンへのお土産買った?」

クレア「勿論です!どうですかー?この懐中時計。サイズが手ごろなので身に着けるのに邪魔にならなくて、紅葉の彫り物がお洒落でしょ?」

シェリル「すごーい!クレアちゃん、それどこで見つけてきたのー?」

クレア「流れの行商人さんが格安で譲ってくださったんです!確か『アンナ』という名前だったような…」

ルーファス「(異世界の『アンナ』な気がするけど突っ込まないでおこう)」



 グレンが腕時計を確認すると、夕食の時間まであと少し。今から急いで旅館に戻って間に合うか、間に合わないかというところですね。それを皆に伝えると、慌てた表情をしながら各々戻ろうと提言したのでした。
 落ちていく夕日を背中に受けながら、5人は旅館へと走って戻っていったのでした。














~青空館 『桜の間』~



グレン「何とか間に合ってよかったな…」

クレア「あと1分で制限時間でしたね…。うう、外を歩きすぎたかな…」

チタ「間に合ったんだからいいってことっしょ!ってうわぁーーーー!!!カニだ!カニだーーー!!」

シェリル「美味しそう~!これ全部食べていいの?!」

ルーファス「ちょ、ちょっと待って。さっきフロントで『料理の説明』が食事前に入るって言われたし、座って待ってよう」



 自分達が泊まる部屋に戻ると、5人の目の前に広がっていたのは美味しそうな食事の数々。お刺身の生け作りに、新鮮な野菜が添えられた個々の鍋。そして、美しく飾られた日本料理の数々がテーブルに並んでいました。
 もうすぐ『料理の説明に来る』と発したルーファスの言葉通り、各々席につく5人。そのまま少し待っていると、静かに襖が開く音が聞こえてきました。
 そこにいたのは、正座をして現れた着物姿の女性と、『見惚れてしまうような美貌』を持った、板前の恰好を着た褐色で白い髪の青年でした。

 着物姿の女性は彼が『今回調理を担当した板前』だと紹介し、料理の紹介を促します。青年は5人に正座のまま一礼した後、料理の説明を始めました。



料理人『今回皆様にご提供させていただきます料理は、全て『アオイの島』が原産の食材を使用しております。アオイの島は四季折々の季節が特徴の島で、その季節によって『旬の食材』が異なります。今期は秋ですので、さつまいもご飯やキノコをふんだんに使用した鍋、秋が味覚の魚を使用した料理等をご提供させていただきます。
    どうぞごゆっくりご堪能くださいませ』

チタ「わっしょい?」

ルーファス「それは違うものを引き寄せかねないからやめようねチタ。というか君は猪頭の方じゃないのかい?」

チタ「パイセンそれはご法度っす!」

グレン「…………」



 猪頭は猪頭だと思いますがツッコミは厳禁です。板前の説明が終了し2人が部屋を去った後、5人揃って『いただきます』と口にし各々豪華な夕食を食べ始めたのでした。



チタ「う、うめー!!これ全部アオイの島で採れたものなんだっけ?!」

シェリル「しゃちょーさん、これどうやって使うの?突き刺すの?」

ルーファス「アオイの島は自然豊かだからね…。山菜も絶妙な味付けで箸が止まらないよ…!ってシェリル、箸をそんな風に使っちゃ駄目だから!箸ってのは…」

クレア「成程。これが『和食』…。落ち着く味です~…。これは我がルーントレインの駅弁の新規レパートリーに増やしてもいいかもしれませんね!帰り際にでもあの板前さんに調査をしないと…」

グレン「クレア殿。ルーントレインもいいが、早く食べないと折角の美味な料理が勿体なくなってしまうぞ?」

クレア「わ、分かってますよ!でも…どれもこれも美味しすぎてほっぺたがとろけてしまいそうです~!」



 口に広がる柔らかな味。本部での料理が得意な連中、みんなどちらかというと洋食が得意な面子ばかりですものね。『日本料理』ならではの秋の味覚を心まで楽しんだ5人なのでした。














 夕食を楽しみ、旅館内の温泉も堪能した5人。既に夜が顔を覗かせており、月は空でまん丸に輝いていました。



チタ「ふぃー…。色々楽しみすぎて疲れた…。オレもうヘトヘトのヘト…」

シェリル「わたしもおねむだよ…。ふわぁ~…」

グレン「先程旅館の方が布団を敷いてくれていたから、すぐに眠れると思う。……明日の帰宅準備もある。早めに床につくとしよう」

クレア「勿体ないですが、夜更かしは身体によくありませんからね!」

ルーファス「それじゃ電気消すよー」



 部屋では旅館のスタッフが布団の準備をしてくれていたようで、チタとシェリルが倒れこむように布団になだれ込みました。グレンとルーファスがチタ側の布団に。クレアがシェリル側の布団側に入り、明日も早いと床に着くことにしたのでした。
















 ―――その夜のこと。


 すぅすぅと吐息が広がる静かな夜。

 その夜を『壊す』かの如く、3つの影がゆらゆらと布団から起き上がった。

 人影は片手に『黄色い布』を持ち、そのまま襖を開けて部屋から去って行った。


 ―――残った2人はそんなことが起きているとはつゆ知らず、ぐっすりと夢の中へと旅立ってしまっていたのだった…。


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