二次創作小説(新・総合)

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逃走中#CR07 白猫温泉物語 混沌編【完結】
日時: 2021/01/21 23:08
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 6..SoyUU)
参照: https://www.kakiko.cc/novel/novel7a/index.cgi?mode=view&no=1611

どうもです、灯焔です。
のらりくらりと7回目の開催を迎えた逃走中#CR07。ニアの不穏な言葉の裏でグレン達5人は温泉旅行へと旅立つ。彼女の言っていた言葉の真意、そして裏でうごめいている『もう1つの物語』にも遂に決着の火蓋が…?
今回の舞台は、白猫プロジェクトより『アオイの島』。温泉事業で有名な四季折々の景色が見える島を舞台に、逃走者とハンターとの7回目の逃走劇が今、幕を開ける―――!


※注意※
 ・登場するキャラクターは全て履修済みの作品からの出典です。かつ基本的な性格、口調等は原作準拠を心掛けております。が、表記上分かり易くする為キャラ崩壊にならない程度の改変を入れております。
 ・原作の設定が薄いキャラクター等、一部の登場人物に関しては自作設定を盛り込んでおります。苦手な方はブラウザバックをお願いいたします。
 ・誤字、脱字、展開の強引さ等ございますが温かい目でお見守りの方をよろしくお願いいたします。



<ルール>
【逃走エリア】
『アオイの島』 出典:白猫プロジェクト
和風な景色が広がる、情緒豊かな島。
四季のルーンの力によって、変化にとんだ風景を楽しませてくれる。
今回逃走エリアに使用するのは、天守閣周りの『温泉街エリア』と呼ばれる場所となる。
エリア紹介 >>1




逃走時間:85分

賞金:51万(1秒100円)

ハンター:初期3体or4体(OPゲームの結果に基づき変更)

自首方法:『侍の寄合所』にいる侍に『自首届』を記載し、小判を1枚添付した状態で提出する。


<参加者>

【pop'n musicシリーズ】より (3人) 詳細>>2
ウーノ
アン
クアトロ

【ファイアーエムブレムシリーズ】より (3人) 詳細>>3
アルフォンス
シャロン
アンナ

【ダンガンロンパシリーズ】より (3人) 詳細>>4
大和田紋土
弐大猫丸
獄原ゴン太

【スーパーマリオシリーズ】より (3人) 詳細>>5
ワリオ
ヨッシー
ドンキーコング

【光神話 パルテナの鏡】より (3人) 詳細>>6
ピット
パルテナ
ブラックピット

【作者枠】 (3人) 詳細>>7
junris
YUMA


【逃走中#06 MVP】 (2人) 詳細>>8
及川徹
エフラム

計20名



◎AfterBreakTime

 ①『非日常は唐突に訪れる』 >>9
 ②『香る赤い松の気配』 >>26
 ③『溝を乗り越える勇気を持って』 >>36
 ④『魔族と神と人間の関係』 >>47
 ⑤『鳥をも落とす霊刀でも』 >>53
 ⑥『支配から手を伸ばせ!』 >>68
 ⑦『神と邪神は紙一重』 >>71
 ⑧『立ち向かえ!悪魔の手の元に』 >>76
 ⑨『松の絆は永遠に』 >>83
 ⑩『理は人知を超えて』 >>90
 ⑪『打ち上げ』 >>112-113 >>116-118



○逃走中#CR09 シード枠争奪アンケート実施中!
※締め切りました
結果発表 >>99


○逃走中#CR08 MVP投票受付中!
※締め切りました
次回参加者 >>103
MVP発表 >>111


以上、逃走中#CR 運営本部がお送り致します。

Re: 逃走中#CR07 白猫温泉物語 混沌編 ( No.23 )
日時: 2020/12/05 22:05
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: okMbZHAS)

ミミ「それでは次に参りましょう!及川さん、カードを選んでください!」

及川「おっけ~。パパっと決めて戻ってきちゃうからね」

ヨッシー「ヨッシーヨッシー!(前回の逃走成功者の人だよね!王者の貫禄って感じ?)」

ゴン太「頼りになる人が同じチームでゴン太、嬉しいよ!」

エフラム「まぁ、妹に軽い口調で話してきたことだけはいまだに許していないがな。前回も言わせてもらった、俺の妹はお前みたいな軟派な奴に下るような人間ではない!」

及川「ちょっとちょっと、色々勘違いさせる台詞やめてくれる?!だってさぁ、エイリークちゃん超かわいいじゃん!だからお話ししようと思っただけだよっ!もちろんそこにいるシャロンちゃんもとっても可愛いと俺は思ってるけどね☆」

シャロン「ふぇ?!私ですか?!面と向かって可愛いと言われると照れてしまいますよ~」

アルフォンス「それが君なりの社交辞令なことは分かったよ…。まぁ、シャロンも仲良くなる気は満々みたいだし別にいいけれど。彼女、僕が言うのもなんだけど相当元気な妹だから、振り回されて体力が尽きないように気を付けてね」

及川「だいじょーぶ!及川さんはバレー部の主将なんだから!」

大和田「本当にこいつ実力で逃げ切ったのかよ?」

柊「人は見た目によらないからなぁ…。YUMAさんが随分と嫌悪オーラぶちまけてるけどさ」

YUMA「あんな軟派でチャラチャラした男は嫌いだ!」



 随分と軽い言葉を放つ及川に各々戸惑う逃走者達。エイリークといい、シャロンといい、可愛い女の子なら誰にでも話しかけるんでしょうねぇ…。まぁ、実力があるのは前回で証明されていますし。
 及川は周りのヤジも気に留めず、真ん中のテーブルから1枚カードを取って、素早く自分のいた場所まで戻ってきました。



ニャミ「あれっ?吟味しなくていいんですか?」

及川「うん。結局結果発表まで数字が分からないんでしょ?なら、考えても無駄かなぁって。それに、君結構な混ぜ方してたでしょ?それを見てたら悩むなんて選択肢は無くなるよね~」

弐大「味方であれば頼りになる考え方じゃのう。儂が面倒を見た部活にもこういう輩はいたが、こうはっきりと見えてくるとこちらも気持ちよく感じるぞッ!!!」



【青チーム】6人目
 及川徹 カード取得
 残り 9枚





ニャミ「よーし。それでは次行きます!アンナさん、よろしくお願いします!」

シャロン「アンナ隊長、行ってきちゃってください!」

アンナ「ええ。私ももう引くカードは決めてあるのよ」

ピット「マルスに前聞いたことがあるんですけど、確かアンナって『世界中に同じ顔で同じ名前の別人』がいるって。これって本当なんですかね?」

パルテナ「ポルターガイストという現象も、人間界にはあるようですしねぇ。あり得ない話ではありませんよ、ピット」

アンナ「ポルターガイストじゃないわよ!ちゃんと、世界中、そして異界中に私の姉妹は存在しているんだから。みんな今日は私の活躍を見る為に、販売を行いながら異界で『逃走中を見る会』というのを企画しているらしいわ!」

ウーノ「逃走中を、見る会…。それにかこつけて商売だとは随分アコギな女性なんだね…」

アルフォンス「アンナ隊長に関わらず、『アンナ』って名前の付く姉妹はみんなこんな感じなんだよ…。多分賞金系のミッションが入ったら、迷惑をかけると思うからあらかじめお詫びさせてもらうよ」



 FEシリーズを知っている方ならばわかると思いますが、アンナさん皆勤賞なんですよね。マルスに並ぶ『FEの顔』と言っても過言ではありません。
 そんなアンナの代表としても今回参加を表明したアンナ隊長。ここで負けるわけには行きませんね。



アンナ「それじゃ、ささっとカードを取りに行っちゃうわね!お喋りならゲームが開始した後でも出来るもの!」

シャロン「いってらっしゃーい!」



 そのままアンナは駆け足でテーブルに向かい、自分の取ろうとしていたカードを取って元の場所に戻ったのでした。






【赤チーム】6人目
 アンナ カード取得
 残り 8枚





 その後……。






【青チーム】7人目 ドンキーコング


DK「ウホー!ウッキー!!(オレはこれにするぜっ!)」

ミミ「わーっ!テーブルを揺らさないで~!」

ワリオ「これがホントの『ドンキーコンガ』ってな!ワッハッハ!」

ブラピ「(何をネタにしたんだ…?)」



【赤チーム】7人目 大和田紋土


大和田「願掛けてもしゃーねーからなー。適当にこれ持っていくぜ」

柊「随分とした自信だ…。それでこそ大和田くんだ!」

弐大「がっはっはっはっは!!!お前さんもやるのう大和田よ!!!」



【青チーム】8人目 アン


アン「私はこれにします!考えましたが、結局何も分かりませんでしたから!」

jun「自信満々にそれを言うとは…」

ウーノ「アンらしいよね」



【赤チーム】8人目 ウーノ


ウーノ「そうだね…。残りのカードも少ないし、私はこれを取ろう」

クアトロ「残り物が良い縁を運んできてくれるといいわネ♪」

アン「ぐぬぬ…。やはり兄貴分のミラクル☆4。取る姿も華麗ですっ!」



【青チーム】9人目 パルテナ


パルテナ「あら。私の番ですね?ならば、これを取っていきましょうか」

ピット「奇跡を使ったらその場から消えるから使っていないのは分かるとはいえ、パルテナ様のことだからなぁ。こっそり透視とかしてるんじゃないかって心配になります」

パルテナ「あらピット。せっかくの楽しいゲームに水を差すようなことは私しませんよ?いたって私は公平なんですから♪」

ブラピ「どの口が言うんだよ…」



【赤チーム】9人目 エフラム


エフラム「さーて。俺はこれを取ろう。いい数字が残っているといいがな」

アンナ「今回、決断力があるメンバーが結構多いわよね。……意図的なものなのかしら?」

及川「どうだろうねぇ。でも、消極的な面子ばっかりよりはまだマシじゃない?」

クアトロ「ワタシも賑やかな方が楽しいと思うワ♪」





 以上の6名がカードを取り、残りのカードの枚数は2枚となった。



ミミ「あっという間に残り2枚!では青チーム最後の挑戦者、ワリオさん!カードを選んでください!」

ワリオ「ワッハッハ!オレ様は優しくて寛大だからな!そこの…ええと……おい、アルフォート!!」

シャロン「『アルフォンス』です!『アル』しか合ってないじゃないですか!」

アルフォンス「(散々エクラに間違われたんだよなあ…)」



 ミミにカードを引くよう促されたワリオは、なんとアルフォンスを指名してこっちに来るように指示しました。何をされるんだと少し不穏に思いましたが、全国に流れているこの大会で変なことはしないだろうと、恐る恐るワリオに近づく彼。
 向かいに立つと、ワリオはこんな提案をしてきたのでした。



ワリオ「オマエ!どっちのカードが欲しい?今から同時にカードを指さして、『被らなかったら』お互い取っていこうぜ!」

アルフォンス「……『被ったら』?」

ワリオ「被ったら全部オレ様のも『だめです!2枚選んだらルール違反なので駄目です!』……ちぇーっ!被ったらオレ様が選んだカードを貰う。残ったカードはオマエのものだ!!」

シャロン「結局それ『ワリオさんが選んで、残ったカードがお兄様のものになる』ってことじゃないですか…」

アンナ「まぁまぁ。青チームが先攻になったことで、アルフォンスには選択の余地は最初からなかったんだから、ね?」

アルフォンス「わかったよ。被ったら残ったカードを僕が持って帰る」



 真剣な目をしてカードを吟味しているアルフォンスと、余裕な表情を崩さないワリオ。数刻の沈黙の後―――。彼らは同時にカードに指を指しました!





ワリオ『お?お?おおお?』

アルフォンス『…………』





 ワリオが指を指したのは―――右。対して、アルフォンスが指を指しているのは左。被らなかったようですね。彼はニヤニヤと彼を見上げた後、指を指したカードを取って自分の居場所まで戻っていったのでした。
 それを確認した後、アルフォンスも残ったカードを手に取り、赤チームの場所まで駆けていきました。



【赤チーム】10人目 ワリオ
【青チーム】10人目 アルフォンス
 カード取得
 残り 0枚





ニャミ「ありゃ?ワリオさんの粋な計らいでアルフォンスさんの番も一緒に流れちゃったよ!」

ワリオ「ワッハッハッハ!そうだろうそうだろう!もっとオレ様を褒めなさい!!」

パルテナ「これで小さい数字であった時の彼の顔を見るのが今から楽しみですね」

エフラム「……一応同じチームなんだよな?」



 カードを引き終わり、がやがやとし始める逃走者達。さぁ、結果発表の時間ですね!



ミミ「結果発表は、今みんなが見ているOPゲーム会場のモニターに表示されるから、よーく見ててね!それじゃあ、早速みんなに引いてもらった数字の合計を始めたいと思いまーす!」

シャロン「勝てますように…!」

YUMA「今回こそは負けたくない…!」




 OPゲームに勝つと、ハンターからかなり遠ざかってゲームを始めることが出来ますからね。誰しもが自分のチームの勝利を願っています。
 次回、OPゲーム決着!勝利の女神が微笑むのはどちらだ…?

Re: 逃走中#CR07 白猫温泉物語 混沌編 ( No.24 )
日時: 2020/12/06 22:00
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: okMbZHAS)

ニャミ「それではみんなにカードを引いていただいたので、これからカードに書かれていた数字の『透過』を解除しまーす!これで全員に見えるようになるから、引いた順…ゴン太くんとヨッシーさんから1人ずつ数字を宣言していってね!」

ミミ「宣言した数字は、わたし達が今立っている傍のモニターに加算されていきます!左にある青い数字が【青チーム】の得点。右にある赤い数字が【赤チーム】の得点になるからね!気を付けてねー!」

ピット「どきどき…どきどき…」

ヨッシー「ワウウ…(緊張する…)」

ニャミ「それでは行きますよー!カードの数字、オープン!!」



 ニャミが高らかに宣言したと同時に、逃走者達の手に持っているカードが光り出し、見えなくなっていた数字が見えるようになりました!その数字を見て、各々反応を見せる一同。おや、これは……?



ミミ「反応色々あって察せそうな気がしますが、ではゴン太くんとヨッシーさんから数字の発表をお願いします!」





1人目 【赤チーム】ヨッシー 【青チーム】獄原ゴン太


ヨッシー「イェーイ!(ボクの引いたカードは『7』だったよ!)」

ゴン太「ゴン太は『4』だった!ごめん、青チームのみんな…」

エフラム「おお、こっちが先手を取ったか!」

アン「ですが、まだ大きな差はついていません。これから巻き返せることを祈りましょう!」



2人目 【赤チーム】シャロン 【青チーム】YUMA


シャロン「やりましたよみなさん!『19』です!」

YUMA「こちらも大きな数字を引けたぞ。『15』だ!」

パルテナ「女性陣は大きな数字が出たのですか。ですが、数字の差は広まってしまいましたねぇ」

アンナ「このままの勢いで行けばこっちが勝てるわ!」



3人目 【赤チーム】弐大猫丸 【青チーム】junris


弐大「『16』じゃああああああ!!!!!」

jun「…………、です」

ミミ「ん?ごめんjunさん、計算できないからもう一度言ってくれるかな?」

jun「……『2』です」

ブラピ「点差が広まったな」

大和田「序盤からこんな感じで巻き返せんのかよ、そっち?」



4人目 【赤チーム】柊 【青チーム】ブラックピット


柊「私は『9』を引いた。よくもなく、悪くもなく…平凡だなあ」

ブラピ「『10』だ。平均値だな」

及川「なんか引いてる数字のバランスがいいよね?」

ウーノ「まだ最大値である『20』が出てないからな…。油断は禁物だ」



5人目 【赤チーム】クアトロ 【青チーム】ピット


クアトロ「『18』ヨ♪ワタシの直感にかかればこんなものヨ!」

ピット「みなさん、見てください!『20』!引けましたよー!」

DK「ウホーーー!!!(すげーなピット!流石オレのライバルだぜ!)」

パルテナ「ふふふ、これでこちらにも勝機が見えてきたでしょうか?」

シャロン「で、でも!クアトロさんだって大きな数字を引いていますよっ!」





 5人目までの数字の発表が終わり、モニターには以下の数字が表示されていました。

【赤チーム】 69
【青チーム】 56



アルフォンス「僕達のチームが優勢みたいだね」

シャロン「前半で大きな数字を沢山引けたのが功をなしてますね!」

ウーノ「このまま赤チーム優勢で勝ってほしいところではあるけれど…。中盤の数字がまだ出てないし、『1』がまだ出てないんだよな。油断してはいけない」



及川「13点差かぁ。まぁ、追いつけない差ではないよねぇ」

パルテナ「序盤から落ち込まないでください。大きな数字はほぼ出尽くしてしまったとはいえ、まだ1桁台の数字をあちらが全員持っている可能性もあるんですから」

jun「そうだね…それにかけてみるよ…」



 赤チームが少し優勢のようですね。大きな数字は前半で全て出尽くしてしまったとはいえ、青チームにも逆転の可能性はまだ十分残っています。さぁ、後半の10人の数字も見ていきましょう!」





6人目 【赤チーム】アンナ 【青チーム】及川徹


アンナ「『6』よー!これ、8だったら末広がりで縁起が良かったのに…」

及川「『14』だね。中々良い数字を引けたんじゃないかな?」

アルフォンス「アンナ隊長、それは漢字の『八』です。今はそれ関係ないです」

ピット「こっちのチームが大きい数字を引けましたよ!これは逆転あるかもですね?」



7人目 【赤チーム】大和田紋土 【青チーム】ドンキーコング


大和田「『12』だな。ま、10よりデカい数字引けたし文句ねーぜ!」

DK「ウホー!ウホホー!(『13』だぜー!オレも役に立てて嬉しい!)」

ウーノ「7人目はほぼ同じ数字だけど…。徐々に迫られている感があるなあ」

jun「もしかしてこれ、本当に逆転できるかも?」



8人目 【赤チーム】ウーノ 【青チーム】アン


ウーノ「私は『11』を引いた。安定した数字だね。1が2つで私としても嬉しい数字だな」

アン「『8』でした。うーん、今の状況だと少し微妙なかんじですかね…」

柊「お、こっちの方が数字が大きいな」

ゴン太「まだまだ!勝負は最後まで分からないよ!」



9人目 【赤チーム】エフラム 【青チーム】パルテナ


エフラム「『3』だった。不甲斐ない…」

パルテナ「『5』でしたね。あら?と、なりますと…。最後の数字で結構な差になりそうなのでは?」

シャロン「大丈夫ですよエフラムさん!お兄様がバシッと決めてくれますから!」

DK「ウホホー!ウッキー!(ワリオもやるときゃやる男だ!舐めるなよ!!)」





 9人目までの数字の発表が終わり、残りはアルフォンスとワリオのみとなりました。この時点での数字の合計は以下になります。

【赤チーム】 101
【青チーム】 91



ブラピ「少しではあるが、差が縮まったな。本当に少しだがな」

及川「でも、残ってる数字って『17』と『1』だよね?まさか最後まで1が残るだなんて…」

アンナ「アルフォンスかワリオ、どちらかが『1』を持っているのよね。十分逆転される数字の差だわ」

大和田「だがよ、シャロンの自慢の兄貴なんだろ?なら大丈夫だ!!俺も応援してやっからよ!」

弐大「儂もアルフォンスの背中を叩いてやるわい。自信を持て!!!がっはっはっはっは!!!」

ゴン太「ワリオさんなら大丈夫!そんな気がゴン太はするんだ!虫さん達もそう思ってるはずだよ!」

ピット「いっつも美味しいところ持っていきますし、ワリオの勝負強さには流石のアルフォンスでもかなわないんじゃない?」

ニャミ「はいはーい!残る数字の発表も2人になりました!では2人共、元気よく数字の発表に行っちゃってくださーい!!」



 ざわざわとし始める周囲をよそに、アルフォンスとワリオは各々数字を大きい声で発表したのでした。





10人目 【赤チーム】アルフォンス 【青チーム】ワリオ


アルフォンス「……『17』だよ!!」

ワリオ「お、オマエーーー!!!なぜオマエが数字の大きいカードを持っているのだアルベリウスーーー!!!」

シャロン「アルベリウスはアルベリア王国を建国なされた別人です!あ、あれ、ということは…?」

パルテナ「ワリオが『1』を持っているということが確定しましたねぇ」



ミミ「それでは全員発表が終わりましたので、結果発表と行きたいと思いまーす!勝利チームは~~~?」



 ワリオの落胆の声を華麗にスルーし、いざ結果発表!どこからともなく流れたドラム音と共に、ミミが勢いよく発言を続けます。さぁ、勝ったチームは―――。










































【赤チーム】 118
【青チーム】 92





ミミ「―――『赤チーム』の勝利です!おめでとうございまーす!!」



柊「やった!やったぞーーー!!!実は作者が2人共向こうにいたから心配だった!!」

弐大「うむっ!!!幸先の良い勝利じゃああああああ!!!!!」

シャロン「やったあ!やりましたお兄様!流石お兄様です!!」

アルフォンス「もしかしたら、ワリオ殿が最後にかっこつけて僕を呼ばなかったら逆転されてたかもしれないし…。どういう行動が何を起こすのか、本当によく分からないよね」

アンナ「でも、彼の勢いは尊敬に値する程だったわ…。大会が終わったら声をかけにいかないと」

大和田「おっしゃあああああ!!!見てるか兄弟!!!この調子でぜってー逃げ切るからなーーー!!!」

石丸『見ているとも兄弟!!!頑張ってくれたまえよ!!!』

ウーノ「アンには申し訳ないけれど、これも勝負だからね。私達の勝ちで締めくくられたわけだ」

クアトロ「アン、絶対最初に捕まらないでネ♪ゲームが始まったらまた協力しましょ♪」

ヨッシー「イェーイ!ヨッシーヨッシー♪(うれしいなっ♪ うれしいなっ♪)」



及川「あっちゃ~。しかもハンター放出のタイミングをあっちのチームに握られちゃったねぇ。これは警戒しつつスタートしないと」

パルテナ「確か『最後の逃走者が逃走エリアにワープした5秒後』にハンターが放出されるのでしたよね?」

ニャミ「うん、そうだよ!確かに、最後にエリアにワープする逃走者さんに委ねられてるともいえるね」

YUMA「運だとはいえ、ここでの敗北は悔しいな…。せめて最初に狙われないように遠くにいよう。junrisさんもそうしたほうがいい。落ち込むのはゲームの後でもいいさ」

jun「せっかく意気込んで来たのに…。これじゃかっこ悪いよ…」

ピット「最大の数字と最小の数字両方こっちのチームが引いてたんですよね。あっちゃ~…。これって運がいいんだか悪いんだか…」

ブラピ「フン。結局は結果が全てなんだ。勝負に負けた以上、ハンターに警戒しかないだろ」

DK「ウホホ…(負けちまった…)」

ゴン太「ゴン太も負けて悲しいけど、ハンターさんが放出されたら頑張って逃げればいいんだよ!ドンキーコングさんは足には自信があるんだよね?」

アン「あぁ…。序盤でもつれないことを祈りたいものですが…」



 勝って喜ぶもの。負けて悔しがるもの。反応は様々ですが、勝負は勝負。予定通り勝った赤チームの10名は、『特別なゲート』を通って直接先に逃走エリアにワープすることが出来ますよ!
 ミミとニャミが揃って指を鳴らすと、逃走エリアにつながる扉の近くに光のゲートが出現しました。



ミミ「わたし達もMZDから軽く説明を聞いただけで詳しいことは分からないんだけど…。一応注意書きを貰ったから読んでおくね。『ゲートを潜る前に、逃走エリアの中で行きたい場所をイメージしながら潜れば一瞬で望んだ場所にワープができます。なお、ワープ場所の再指定は出来ないので、慎重にお願いします』だって。行きたい場所をイメージしながらゲートを潜ればいいみたいだね!」

アルフォンス「成程。一応ゲーム前にマップは確認したからどこに行こうかってのは予測できるけど、今回土地に強い参加者がいないからなぁ…」

エフラム「なるようにしかならんのだから、それはゲームが始まってからでもいいだろう。俺達は確実にハンターを回避出来るんだからな」

大和田「ま、こんなとこさっさとオサラバしちまおうぜ」




 赤チームの10人がゲートを潜った5秒後にハンターが放出されます。これは油断も隙もへったくれもありませんね。
 さてさて。次回、いよいよハンターが放出されます。OPゲーム会場に残る10人は無事にハンターを搔い潜って逃走エリアまで行けるのでしょうか…。

Re: 逃走中#CR07 白猫温泉物語 混沌編 ( No.25 )
日時: 2020/12/07 22:04
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: okMbZHAS)

シャロン「これがエリアにワープできる扉なんですね!なんだか、神様が使いそうな雰囲気をひしひしと感じます!」

アンナ「売り買いしたらいくらなのかしら…。アスク王国から様々な場所に一瞬で行ける扉なんて、絶対に欲しい人がいるはずよ」

柊「言い方が某猫型ロボットの某道具にしか思えないんだが…。まぁいいや。とにかく、これを潜ればエリアに行けるという訳だよな」

大和田「おう。これを潜ったらハンターが放出されるまで個人戦、ってこった。でもよ、きっと今回も協力するタイプのミッションが来ると思うし、もし来て鉢合ったらカチコミしようじゃねーか!」

ウーノ「カチコミの意味が違う気がするが、今はいい。この勝利を糧とし、逃走中も逃げ切ってみせるよ」

エフラム「ああ。みんな悔いのない逃走中を送ろう!」



 逃走エリアへの移動手段であるゲート。赤チームだった10人は、その前で意気込みを各々口にしていました。そうなんですよね。ハンターの放出は結局は『彼ら』に委ねられているんですから。
 ハンターがいつ放出されるかタイミングを読まねばならない青チームだった10人は割と複雑な気持ちの様子。



クアトロ「それじゃ、そろそろ行きましょ♪大会の時間を遅らせてしまっても仕方ないからネ」

シャロン「はーい!それじゃあシャロン、いっきまーす!お兄様も早く来てくださいね!」

ヨッシー「ヨッシー!ヨッシー♪(頑張るぞー!えい、えい、おー!)」



 そう言葉にした直後、クアトロ、シャロン、ヨッシーがまずゲートを潜ってOPゲーム会場から姿を消しました。そして…。



柊「それじゃお先に。……みんな、頑張ろう!」

アンナ「ええ!貴方も頑張っていい成績を残すのよ!」

大和田「ハンターの野郎、合ったらメッタメタのギッタギタにしてやんよ!」

弐大「……大会の始まりじゃあああああ!!!!!」

エフラム「それでは俺も先に行くぞ。アルフォンスも遅れないようにな」



 次に柊、アンナ、大和田くん、弐大くん、エフラムがゲートを潜り、OPゲーム会場から姿を消しました。その様子を見ていたウーノとアルフォンスも彼らに続きます。



ウーノ「向こうの10人、こちらの出方を伺ってるね。……もしかしなくともハンター絡みだよね?」

アルフォンス「彼らに変に読ませるような動きはしたくないからなぁ。僕達も行こうか」



 そう言葉にし残りの10人をちらりと見やった後、ウーノとアルフォンスもゲートを潜りOP会場から姿を消したのでした。




















 一方、OPゲーム会場に残っている10人はというと。



及川「―――2人がゲートを潜ったみたいだね。あと8秒くらいでハンターボックス開くと思うよ」

ピット「うぅ…。この距離だと確実に誰か1人は狙われますよね?」

YUMA「ハンターボックスから離れようとしたら彼女達に止められてしまったからな。ルール上仕方ないとはいえ、なんだか不甲斐ないぞ」

パルテナ「一応移動できる最長の距離を取っています。狙われたらその時ですね」



 ウーノとアルフォンスがゲートを潜ったことを確認した10人。と、いうことは。残り5秒でハンターボックスからハンターが放出され、ゲームがスタートします!
 ミミニャミに『離れすぎはだめ!』と規定のギリギリの場所でハンターの放出を待っています。その距離およそ10m。放出されたら確実に誰かが狙われますね。
 そして―――。











ゲーム開始まで残り 【00:05】





【00:04】





【00:03】





【00:02】





【00:01】




















【85:00】





プシューーーーーーーーーーー





ハンターAK「…………!!」

ハンターIE「…………!!」

ハンターCA「…………!!」

ハンターKY「…………!!」





DK「ウ、ウホーーー!!(うおおーー?!)」

ワリオ「オイオイオイオイあんなに速いのかよ?!」

ブラピ「早く逃げるぞ!!」





 ハンターが放出され、ゲームが開始されました!と同時に開いた逃走エリアへ通じる扉へ一直線に逃げる10人。ハンターは彼らの誰かをターゲットに定め、確保しようと駆けてきます!狙われたのは―――。





































ダッダッダッダッダ!!!!!





ROCK ON【PIT】





ピーーーーーーーーーーーー





ピット「わーっ!!ボクだぁーーーっ?!」

ブラピ「真ん前にいたからだろうが!!」



 ハンターが狙いを定めたのは、ハンター側から見て一番最後尾に位置していたピット!4体ともピット目掛けて一直線。その間に残りの9人は逃走エリアへと全速力で走ります。
 ピットも負けじとOPゲーム会場を抜け出そうとしますが―――。





ハンターAK「…………!!」

ハンターIE「…………!!」


ピット「4体もは無理だーーー!!!」



 1vs4。戦力は明らかにあちらの方が上。迫りくる黒い影を避けられるはずもなく……。









ポンッ







【84:49】
ピット 確保 残り19名





ピット「ヤラレチャッタ……。こんなんじゃマリオさんに合わせる顔がないよーーーっ!!」



 逃走中#CR07、飛べない天使が最初の脱落者となってしまいました。ヤラレチャッタ。そういいますとも、マリオも参加時結構序盤での確保だったのはピットの頭の中から抜け落ちていた様子。








ピリリ ピリリ








アルフォンス「おっと。通知か。『ピット 確保 残り19名』 ああ、確保者が出てしまったんだね…」

ブラピ「先頭に立っていたのが運の尽きだ。フン、競い甲斐のない奴め」

パルテナ「あらあら。ピットが捕まってしまったら私、どうやって逃げればいいのでしょう。まぁ、これから考えましょうか」




 確保者の通知が来て、各々反応を見せる逃走者。しかし油断してはなりません。一瞬の油断が、ゲームからの脱落を意味しますからね。
 さてさて、今回はどんな逃走劇を見せてくれるのか。楽しみですね!

ABT②『香る赤い松の気配』 ( No.26 )
日時: 2020/12/07 22:11
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: okMbZHAS)

色々波乱なOPゲームの終焉を迎えましたが、今回も無事に始まった逃走中#CR07。
さてさて、アオイの島へと赴いたサクヤ達の様子を見てみましょうか。

------------------------



~アオイの島 城下町・下町~



サクヤ「……ふぅ。何とか周りに気付かれず到着は出来ましたが…。我々がカメラに写るのも時間の問題なので、後は兄貴がどう説明を遅らせてくれるかにかかっていますね」

前田「わぁ……!これが『アオイの島』なのですね!紅葉やイチョウがとても綺麗です…!」

大典太「……『四季折々の景色が楽しめる』と名打っていた島だったんだよな。そうか、今は秋だから…」

サクヤ「はい。落ちる葉も多いのでそろそろ冬がこちらに顔を覗かせている頃でしょうが」



 紅葉色付くアオイの島へ到着したサクヤと刀二振。目の前に広がる赤と黄色のコントラストに、前田の目が見開かれます。大典太もこんなに美しいとは思っていなかったのか、思わず自分を包み込む景色にうっとりとしてしまいます。
 大典太は長い間蔵に『封印』されていたので物珍しさを覚えるのは納得できるのですが、前田も彼相当にうっとりしていることにサクヤは不思議に思っていました。
 そのことをつい彼に聞いてみると、前田は少し考えた後こう返したのでした。



前田「僕も当時は清い方の守り刀をしていることが多かったのです。その関係で外に出ることが珍しくて…。四季折々の景色をのんびり眺めるなど出来ませんでしたから」

サクヤ「そうだったのですか。ならば景色を楽しみながら任務を遂行しなければ、ですね」

前田「はい!大典太さんも折角の外なんですから、景色を楽しんで帰りましょう!」

大典太「……ふふ。そうだな…。しめ縄で厳重に封印されて、どうせ俺のことなんか誰も気にしてなかったからな…。結局蔵に戻されるんだ。なら…思い出は作っておくに越したことはない」

サクヤ「もう。大典太さん、何度も申し上げておりますが私は貴方を封印したり蔵に保管したりするつもりは毛頭ございませんからね」

大典太「……冗談、だと…。言える日が来ればいいんだがな…。―――主、話を戻そう。逸らしてすまなかった」

サクヤ「おっと、そうでしたね。それでは今回の任務についての説明を始めます」



 話を自分で逸らしてしまったと詫びを入れ、話を戻す大典太。その言葉にサクヤも我に返り、二振に今回エリアでやることについての説明を始めたのでした。



サクヤ「今回我々が行うことは、『ニアの動向の調査』と『グレンさん達5名の陰からの援護』になります。彼女の言っていたことが本当ならば、ニアも既にこの地に到着しているはず。恐らく5名に近づいてくると思われます。彼女が変なことをしないか陰から見張りつつ、彼女の動向を探りましょう」

大典太「……そういや、まだあの連中が来ていないな。『気付かれないように尾行』が主な任務なのだから、遅れては意味がないのも分かるが」

サクヤ「それと、旅行の集合場所だと思われる地点がこの近くにあります。気付かれないように動かなければならないので、先に来て確認を行っておく必要があったのです」



 そう言って、彼女は神の力でアオイの島の全体図をホログラムで出しました。説明を受けながら、どの位置にどの時間移動すべきかを話し合う3人。……そんな折、前田が『つまり、偵察ということになるのでしょうか?』と確認の弁を述べました。
 サクヤがそれに頷くと、彼は自信満々にこう返したのです。



前田「斥候任務ならば僕にお任せください!5名の動向を陰から確認し、主君と大典太さんにお伝えします!」

サクヤ「それは嬉しい提案ですが…大丈夫なのですか?私達と一緒の方が…」

大典太「……主。前田は短刀だ。図体のデカい俺が仮に偵察を行ったとしても、あの5人に察知能力の高い奴がいれば、いずればれる。なら、前田が一振で5人の動向を追って…。俺達が随時援護に向かう形でもいいんじゃないか?」

サクヤ「しかし、それではニアが直接被害を出した時…」

大典太「……仮にもあんたと同じ『世界の守護』を任されている奴が、邪神だとはいえそう易々と事を起こすようには思えない。なら…偵察自体は前田に任せた方がいいと俺は思う」

前田「はい。僕の得意分野ですので。餅は餅屋、これに限りますよ主君!」

サクヤ「……わかりました。それでは、前田くんは5名の後を追い、ニアの動向と5名の監視を陰から行ってください。チタさん辺りが気づきそうな気もしますが…それに関してはなるだけ気付かれないように偵察をお願いします。
    私と大典太さんは、前田くんの報告を元に先回りして行動しましょう」

大典太「……承知した。俺はあんたの近侍なんだ…。俺なんかの力が役に立つのなら、力を振るうさ」



 どうやら前田、自分が短刀で守り刀をしていた経験を活かし偵察任務を自分から買って出たのです。確かに室内戦だと短刀の方が有利ですからね。それに夜目も利きますし。……何のことを言っているかって?原作をやってみてね。
 それは置いといて、大典太の助言も受けサクヤは前田に自分達でやろうとしていた『偵察』部分を一任することに決めました。彼からの報告を元に、先回りして5人を援護するという方向性で決まったようですね。

 一連の流れを決めた後、前田はサクヤと大典太に向かってこう言ったのでした。



前田「それでは行って参ります、主君。何かありましたらすぐに連絡しますね!」

サクヤ「はい。お願いいたします」



 その言葉と共に、前田は一瞬でその場から姿を消してしまったのでした…。



サクヤ「刀ってこんなことも出来たんです?」

大典太「俺に聞くなよ…。少なくとも俺には出来ない」

サクヤ「もしかしたら、短刀だけの固有能力だったりして…」

大典太「……斥候が得意なのだとしたら、確かに頷ける話だ。ふふ…前田も張り切っていたしな。主、そろそろ俺達も動いた方がいいと思う」



 そうサクヤに言いつつ周りを見た大典太。ふと、遠目に『援護をする5人ではない人影』を遠目で見ます。
 影は3つほどであり、広い道を『誰かを追いかけている』かのように走っているのが見て取れました。そのことをサクヤに報告しようとしたその時。自分達の耳元で勢いのある声が聞こえてきたのです。



アクラル『おうよ。風の音が聞こえるってこった、もうアオイの島に着いてる頃合いか?』

サクヤ「兄貴。どうしたのですか?OPゲームの様子はこちらでも確認しましたが、特に進行に支障はなかったように思えるのですが…」

アクラル『あー。違う違う。エリアの確認してたらよ、逃走者でもグレン達でもない人影を見つけて。それをお前達に教えてやろうと思って念話繋げたの』

サクヤ「―――『人影』?」

大典太「……あぁ。俺も見かけた。明らかにあの5人ではない、もっと人数の少ない影が『何かを追いかけている』光景を遠目でな…」

アカギ『光世も見かけたのか…。その身長がうらやましい…』

大典太「……デカくて陰気な奴なんて羨むものじゃない」

アクラル『話をずらすな!!―――んでよ、その人影…。松野家の三つ子だ。間違いねえ』

サクヤ「……カラ松くん達がこの島に来ているのですか?」



 なんと。アクラルからとんでもない報告が。どうやらカラ松、チョロ松、十四松の3人がアオイの島に無断で来ているようなのです。それを知ったサクヤは目を丸くします。
 何か目的があって来た。ならば―――『おそ松』が関わっているかもしれない。そう判断した彼女は、アクラルに自分の考えを述べます。



サクヤ「あの3人が無断でこの島に来る、だなんて…。おそ松さんもこちらの島に来ている可能性が高いでしょうね」

アカギ『あ…そのことなんだけど。多分サクヤの考えで合ってると思う…。おそ松の方は邪悪な気配を察知しただけだが…。多分、あの3人もその気配に気付いて、『自分達で何とかしよう』って3人だけで来たんじゃないかと思っている…』

アクラル『今のあいつ、話ができねーような状態なら3人束になっても適わないんだぜ?ったく、心配かけさせたくないからって黙って向かったら余計に心配かけるだろ!な、サクヤ!!』

サクヤ「ふむ。そうですか…。ならば、私と大典太さんでカラ松くん達を追います。恐らく…『彼』と接触するつもりであれば…。生身の身体では恐らく体力も、精神ももちません。3名にも危害が加わる可能性がある場合、より可能性が高い方に直接行った方がいいと思うのです」

アクラル『俺も今まさにそのことをお願いしようとしてた。察せるなんてさっすが俺の妹だぜ!!―――頼む。カラ松達を―――出来れば『おそ松も』。救ってやってくれ』

大典太「…………」

サクヤ「―――わかりました。こちらで何とか策を練ってみます。ご報告ありがとうございました」

アカギ『あぁ…。俺達もゲームの進行頑張るから…。みんな無事で打ち上げしような…』



 そうアカギが返したと同時に、念話がぷつりと切れました。さてさて。松野家の三つ子がおそ松を何とかする為に自分達だけで行動している可能性が高いと分かった今、彼らと『今のおそ松』を直接対峙させてはならないことは目に見えています。
 おそ松は現在、メフィストのせいで人ならざる者になっています。どう考えても怪我をしてしまう可能性の方が高い。ならば、5人はとりあえず前田に任せ、三つ子を追った方がいいとサクヤは判断したのでした。
 大典太にもそれでいいかと判断を仰ぐと、彼は無い眉をひそめながらこう返します。



大典太「……確かに主の言い分は分かる。だから、俺も否定はしない。だが…もし5人の方に危害が加わると分かったら…どっちを優先するんだ。主」

サクヤ「同時に2つの脅威が迫っている…。ならば、今は『確実に敵対する』方を優先して動いた方が私はいいと思ったまでです。大典太さんも先程仰っていたでしょう?『『世界の守護』を任されている奴が、邪神だとはいえそう易々と事を起こすようには思えない』と。
    その言葉に乗ってみてもいいと思ったまでです」

大典太「主…」

サクヤ「それに、ニアがこんなに早く直接行動を起こすとは思えません。しばらく泳がせても影響はないと思います。もし『この時点で直接的に動いている』のなら―――。彼女の仕業ではないという可能性を、高められます」



 サクヤとニア。四神同士結構な付き合いがありますからね。彼女がすぐに行動はしてこないだろうと悟っていました。ニアという女は、ターゲットを『調子に乗らせた最高潮で絶望に突き落とす』という、敵に回したら迷惑甚だしい寸法を好む邪神。大典太が先程告げたアドバイスで、彼女はそのことを思い出していました。
 そして、大典太の言葉に乗り、ニアはしばらく前田に任せて自分達は三つ子を追おうと言ったのでした。……その言葉を聞いた大典太は、『ならば』と続けます。



大典太「……あの兄弟が兄を追っているんだとしたら…。もしかしたら『元に戻せる方法』を見つけたから追っているかもしれん」

サクヤ「―――確かに。その線はあり得ます。理由もなく突っ走る人達では…あるかもしれませんが。わざわざ無断で出向くということは、彼らに何かしらの思索があってもおかしくはありませんね」

大典太「ならば…俺の霊力が役に立つかもしれない。この霊力のせいで今の今まで蔵に入れられていたわけだが……。『病も怪異も退ける』のは自分自身で分かってるからな…。―――行こう。主」

サクヤ「…………。はい。行きましょう、大典太さん」



 大典太が珍しく『自分の霊力が役に立つかもしれない』とぼそっと告げたのです。その強すぎる力でいのちを殺してきた、と自分で言っていた彼が『誰かを助ける為に』その霊力を使えるかもしれない、と口にするとは。彼の場合、病を治癒する霊力があるという逸話がありますからね。もしかしたら悪魔と化したおそ松にも何かがあると言ってもおかしくはないでしょうね。
 その言葉に少しだけ心が嬉しくなった彼女は、口角を上げて『行こう』と告げたのでした。





サクヤ「前田くん。すみません、作戦変更です。しばらくは前田くんお一振での偵察をお願いしてもいいですか?どうやらアオイの島にカラ松くん達が来ているみたいで…。我々はこれからそちらを追いますゆえ」

大典太「……前田一振に当初の任務を負わせる形になってしまってすまないが、何かあればすぐに俺達に連絡をしてほしい…」

前田『承知しました。こちらはお任せください。こちらに向かってきている船が見えますので、もうじき5名も到着するかと思われます。また何かあれば主君と大典太さんに連絡をいたしますね!』

サクヤ「はい、お願いしますね」

前田『それはそうと。主君、1つだけよろしいでしょうか?』

サクヤ「? 何でしょうか?」



 カラ松達を追うことになったことを前田に告げると、ふと彼からこんな一言が。



前田『主君、なんだか嬉しそうですね!良いことでもあったのでしょうか?』

サクヤ「うれ、しい……?」

大典太「………?」

前田『え、えっと。申し訳ありません、何かお気に障ることでもしてしまいましたでしょうか?』

サクヤ「―――! いえ、何でもありません。それでは、お互い任務遂行頑張りましょうね」

前田『は、はい…』

大典太「…………」




 サクヤが小さく発した『うれしい』という言葉。そこに、震えを含んでいたのを大典太は聞き逃していませんでした。しかし―――その震えが『何を』意味するのかまでは、今のサクヤにも大典太にも想像も尽きませんでした。
 何か気に障ったのかと謝る前田に気にしないでと伝え、そのまま念話を切り影が走っていった方向に走り始める二振。


 ―――どうやら今回、『もう1つ』何かが進展しそうな気がしますね。

Re: 逃走中#CR07 白猫温泉物語 混沌編 ( No.27 )
日時: 2020/12/08 12:30
名前: YUMA (ID: ftBbV6FU)

ユマです。

OPゲームは我々のチーム敗北...なんてこった。及びピットきゅんよ、確保原因作ってごめんなさい...

そしてスタッフ関係者も目的地到着...これから調査と監視任務ですね...そして...はい?某洗脳された長男の影とサクヤさんの、ありえへん爆弾発言...だと

では次回も楽しみにしてますぞ。


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