二次創作小説(新・総合)

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逃走中#CR07 白猫温泉物語 混沌編【完結】
日時: 2021/01/21 23:08
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 6..SoyUU)
参照: https://www.kakiko.cc/novel/novel7a/index.cgi?mode=view&no=1611

どうもです、灯焔です。
のらりくらりと7回目の開催を迎えた逃走中#CR07。ニアの不穏な言葉の裏でグレン達5人は温泉旅行へと旅立つ。彼女の言っていた言葉の真意、そして裏でうごめいている『もう1つの物語』にも遂に決着の火蓋が…?
今回の舞台は、白猫プロジェクトより『アオイの島』。温泉事業で有名な四季折々の景色が見える島を舞台に、逃走者とハンターとの7回目の逃走劇が今、幕を開ける―――!


※注意※
 ・登場するキャラクターは全て履修済みの作品からの出典です。かつ基本的な性格、口調等は原作準拠を心掛けております。が、表記上分かり易くする為キャラ崩壊にならない程度の改変を入れております。
 ・原作の設定が薄いキャラクター等、一部の登場人物に関しては自作設定を盛り込んでおります。苦手な方はブラウザバックをお願いいたします。
 ・誤字、脱字、展開の強引さ等ございますが温かい目でお見守りの方をよろしくお願いいたします。



<ルール>
【逃走エリア】
『アオイの島』 出典:白猫プロジェクト
和風な景色が広がる、情緒豊かな島。
四季のルーンの力によって、変化にとんだ風景を楽しませてくれる。
今回逃走エリアに使用するのは、天守閣周りの『温泉街エリア』と呼ばれる場所となる。
エリア紹介 >>1




逃走時間:85分

賞金:51万(1秒100円)

ハンター:初期3体or4体(OPゲームの結果に基づき変更)

自首方法:『侍の寄合所』にいる侍に『自首届』を記載し、小判を1枚添付した状態で提出する。


<参加者>

【pop'n musicシリーズ】より (3人) 詳細>>2
ウーノ
アン
クアトロ

【ファイアーエムブレムシリーズ】より (3人) 詳細>>3
アルフォンス
シャロン
アンナ

【ダンガンロンパシリーズ】より (3人) 詳細>>4
大和田紋土
弐大猫丸
獄原ゴン太

【スーパーマリオシリーズ】より (3人) 詳細>>5
ワリオ
ヨッシー
ドンキーコング

【光神話 パルテナの鏡】より (3人) 詳細>>6
ピット
パルテナ
ブラックピット

【作者枠】 (3人) 詳細>>7
junris
YUMA


【逃走中#06 MVP】 (2人) 詳細>>8
及川徹
エフラム

計20名



◎AfterBreakTime

 ①『非日常は唐突に訪れる』 >>9
 ②『香る赤い松の気配』 >>26
 ③『溝を乗り越える勇気を持って』 >>36
 ④『魔族と神と人間の関係』 >>47
 ⑤『鳥をも落とす霊刀でも』 >>53
 ⑥『支配から手を伸ばせ!』 >>68
 ⑦『神と邪神は紙一重』 >>71
 ⑧『立ち向かえ!悪魔の手の元に』 >>76
 ⑨『松の絆は永遠に』 >>83
 ⑩『理は人知を超えて』 >>90
 ⑪『打ち上げ』 >>112-113 >>116-118



○逃走中#CR09 シード枠争奪アンケート実施中!
※締め切りました
結果発表 >>99


○逃走中#CR08 MVP投票受付中!
※締め切りました
次回参加者 >>103
MVP発表 >>111


以上、逃走中#CR 運営本部がお送り致します。

Re: 逃走中#CR07 白猫温泉物語 混沌編 ( No.33 )
日時: 2020/12/10 22:01
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: okMbZHAS)

【78:25】






~城下町 下町 旅館『青空館』前~





クアトロ「ココ、ネ♪黄色いハンカチを配っているのはアナタかしら?」

セオリ『健康的な小麦色やな~…。せや!逃走者はん、黄色いハンカチが必要なんやろ?」



 距離が近かったクアトロが最初に旅館の前にいるセオリに話しかけました。セオリはクアトロの小麦色の肌に驚きますが、そこは観光で見慣れていたのかすぐに笑顔に戻り、黄色いハンカチが必要なことを尋ねます。
 彼女がそれに頷くと、後ろからウーノともう1人、旅館に辿り着いた逃走者と鉢合いました。



ウーノ「流石はクアトロだよ。私が旅館を目にした時は既にいたんだからね」

大和田「よう!オメーももしかしてミッションやりに来たのかよ?」

クアトロ「立派なリーゼントネ♪素敵だと思うワ。勿論、ミッションに参加する為にここまでやって来たのヨ♪」



 ウーノと同時刻にやってきたのは大和田くん。『超高校級の暴走族』と言われていますが、気を許した相手には非常に気さくで頼りになる男です。
 今回のミッションもハンターが増えると面倒臭いと考えていたのか、積極的に参加を決めて走っていたようです。人が増えたことにセオリもにっこりと笑い、黄色いハンカチを1枚ずつ手渡しで見せてくれました。



セオリ「これが『黄色いハンカチ』な!で、注意事項なんやけど…。このハンカチ、『エリアにいる逃走者の人数分』しか残ってへんねん。だから、もし無くしたり落としたり飛ばされたりしてもウチは責任とれへんし、『同じ逃走者に渡せるのは1回まで』だから気を付けてな!」

ウーノ「つまり、『ハンカチの再取得は不可能』ということだね。野外だし、時折強い風が吹くみたいだから無くさないように気を付けないと…」

クアトロ「何枚も持って行って装置を目隠しできれば良かったんだけれど、それも無理みたいネ…」

大和田「かったりーな。3人でもらって違う場所の装置を止めに行けばいいだけの話だろうが」

ウーノ「再度取得が出来ないのならばそうするしかないだろうしなぁ。それに、私達の他にも向かっている逃走者がいるはずだ。まだ人数が多いし、最悪私達が躓いても後続が何とかしてくれるだろう」

クアトロ「そう…ネ♪なら、さっさと貰って装置まで急ぎましょ♪」



 あらあら。前回と同じようなうたい文句がまーた出てきました。ハンカチ、どうやら『エリアにいる逃走者分』しか枚数が無いようで。その関係上、仮に『ハンカチを何らかの理由で無くした場合』でも再取得はできません。恐らくハンカチを持ったまま捕まってもハンカチごと牢獄に転送されるでしょうね。
 ウーノの言う通り、まだまだ逃走者は多い。ミッションに向かっている逃走者が多いと読み、早く自分達で行ける場所は行ってしまおうということに。

 善は急げとばかりに、3人はセオリからハンカチを1枚ずつ受け取ったのでした。





【77:58】

ウーノ クアトロ 大和田紋土
『黄色いハンカチ』取得





ウーノ「それで…。どうしようか?止める為には3か所回る必要があるけど…。一番近いところにクアトロに行ってもらおうか」

クアトロ「アラ?私が女性だからそんなことを言っているのかしら?ノンノン、ワタシの身体能力を舐めないでちょうダイ♪」

大和田「俺もオメーよりは体力に自信あるしよぉ、一番ちけーところをオメーが行った方がいいんじゃねーか?ここからだと……『侍の寄合所』ってのが一番ちけーな。そこから走ったところに『田園街道』がある」

ウーノ「では、私とクアトロで侍の寄合所の方向へ行こう。大和田くんは『からくり忍者屋敷』の方をよろしく頼むよ」

大和田「オメー達の方とは反対側なんだろ?分かった!やってやんよ!!」



 話し合った結果、ウーノとクアトロが『侍の寄合所』『田園街道』側の装置を。大和田くんが町中の『からくり忍者屋敷』方向の装置を止めに向かうことになりました。
 3か所行かなくてはならない割には10分しか時間がありません。動いた方が賢明です!3人はお互いのミッション成功を祈り、向かうべき方向へと散ったのでした。



 その後……。





シャロン「あ!ヨッシーさーん!もしかしてミッションへの参加ですか?なら一緒に『からくり屋敷』の方に行きましょう!」

ヨッシー「ヨッシーヨッシー♪(ハンターにもし見つかってもどっちかが塞ぎにいけばいいもんね!任せて!)」

シャロン「それにしても、この『翻訳アプリ』というものは便利ですね!もしかしてドラゴンさんにも使えるのでしょうか?」

ヨッシー「アウアウ…(ボクもドラゴンだよ…?)」



エフラム「ここか。早いところ貰わないとな」

ゴン太「あ、エフラムさん!ドンキーコングさんも来てくれたよ!3人いるし、バラバラの場所を止めに行かない?」

DK「ウホー!ウホホー!(ならオレは一番遠い場所に行くぜ!体力には自信があるからな!)」



柊「ここか。ん?誰かいるな。確か彼女は…」

アン「あら、作者さん!ハンカチを貰いに来たのですよね?それでは一緒に装置の場所まで行きませんか?」

柊「わかった。ハンターに見つかっても厄介だからな…。単独での行動は危険だ」





【77:32】

シャロン ヨッシー


【76:54】

獄原ゴン太 ドンキーコング エフラム


【76:51】

アン 柊

『黄色いハンカチ』取得





 以上の7名がハンカチを入手し、ハンター放出を止める為装置へと各々向かっていきました。












【76:41】





~城下町 『侍の寄合所』前~





ウーノ「……ここが『侍の寄合所』の近くみたいだね。装置らしきものは……もしかして中にあるとか、かな?」

クアトロ「行ってみればわかるわヨ♪」




 侍の寄合所がある付近までやって来たウーノとクアトロ。しかし、道を見回してもそれらしきものはありません。からくり忍者屋敷の方はわざわざ『前』と書かれているのに、こちらはそうではないのを見ると中にありそうですよね。
 クアトロが早く確認しようとウーノを連れて中に入ろうとしますが、そんな彼らに忍び寄る影―――。その正体は……?!

Re: 逃走中#CR07 白猫温泉物語 混沌編 ( No.34 )
日時: 2020/12/11 22:04
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: okMbZHAS)

ウーノ「時間も刻々と迫ってるし、早く確認しようか」

クアトロ「そうネ♪」



 侍の寄合所に立ち入ろうとした彼らに迫る『影』。その正体は―――。










































ハンターCA「…………!!」





ダッダッダッダッダ!!!!!





ROCK ON【QUATTRO】





ピーーーーーーーーーーーー





 うわーーー?!ハンターがクアトロを察知しこちらに近付いてきていますよ?!しかし、彼女は装置の方に気を取られてハンターに気付いていません。その隙にも着々とクアトロとハンターとの距離は狭まっていきます。
 いくら運動能力の高い彼女でも、ハンターに気付かないとその能力を生かせません!



ウーノ「……そういや先程から足音が聞こえていないかい?」

クアトロ「え?風が強く吹いたんじゃ……」

ウーノ「まずい、ハンター!!」



 ウーノの耳にハンターの足音が届いた時にようやくハンターに気付き寄合所から離れる2人。しかし、クアトロの一瞬反応が遅れ足を踏み込むタイミングがずれてしまいました。
 その隙をハンターは見逃さない。その手はクアトロの背中を捉えていました…。









ポンッ







【76:29】
クアトロ 確保 残り17名





クアトロ「装置に気を取られすぎたワ…」



 ミッションに気を取られハンターに気付けなかったクアトロでした…。いくら運動神経が良くとも、生かせなければ意味がありません。
 その頃、同時に逃げてハンターの視界から逸れたウーノは、というと…。



ウーノ「すまない、クアトロ。君の悔しい気持ちは私が最後まで持っていく。―――ここだと、引き返して寄合所に向かうより街道に行った方がいいな。……よし、行こう!」



 ハンターが引き返してくる危険性を考え、『田園街道』の装置を塞ぎに走っていきました。その行動が吉と出るか、凶と出るかは―――。神様にも分かりません。








ピリリ ピリリ








アン「あら、通知ですね。『クアトロ 確保 残り17名』 クアトロ…?!正直私より生き残ると思っていましたのに…」

及川「あんなに運動神経よさそうな人も序盤脱落する…。これが『逃走中』って奴だし、油断は禁物だよね」

ワリオ「ナイスバディーでもその体格を生かせなければ意味がないのだーーー!!」



 ミッションに向かう。すなわちハンターに見つかる危険性が上がるということ。それを意識して動かなければなりませんね。












【75:53】





~城下町 『侍の寄合所』前~





 ハンターが通り過ぎた後の『侍の寄合所』前に、逃走者がまたやって来たようですよ!





アン「こちら、ですよね。外にないということは中。柊さん、寄合所に入ってみましょう」

柊「ああ、分かった」



 先程一緒に行動しようとハンカチを貰ったアンと柊ですね!本人は分かりませんが、アン的にはクアトロのリベンジということになりそうです。
 ハンターが周りにいないかを確認し、2人は素早く寄合所の中へと入っていくのでした。






~『侍の寄合所』~





アン「ええと…装置の形が分かりませんから、どれがどれなのか分かりません…」

柊「和風の島なんだから、和風には似合わないものを探せばいいんじゃないか?」

アン「でしたら…。あれ、とかですか?小さなアンテナのような形をしていますが…」

柊「それだな。それじゃなかったらどれって感じでそれだな」



 予測通り、寄合所の入ってすぐ左に分かりやすくありました。『装置』が。160cmくらいの長さのアンテナで、先端に丸いセンサーのようなものがくっついています。
 センサーからは赤外線のようなものを出して、ハンターを規定時間に放出させるよう指示を送っているようですね。ならば…!



柊「この『赤くて丸いやつ』をハンカチで塞いでしまえば、センサーは止まるってことか!」

アン「はい!早いところやってしまいましょう!」



 柊とアン、2人でそれぞれ持っていたハンカチを工夫して使い、先端の赤い玉を布で覆いました。すると……?赤く光っていた先端が、光を失い黒くなりましたね。



柊「おお、色が変わった」

アン「これで1つ、センサーを塞げたということですね。やりましたね、柊さん!」

柊「これで最悪躓いても2体…。いや、6体は多いよなあ…」





【75:38】

アン


『ハンターボックス放出装置』 解除



 お見事!これでハンターが放出されるのが2体に減りました。ただ、柊も言っている通り6体は多い。序盤から躓いては後が大変になってしまいます。早めのクリアを天の声も祈っています!








ピリリ ピリリ








YUMA「『アン、柊の活躍により、『侍の寄合所』のハンター放出装置のセンサーが塞がれた。これにより、放出されるハンターは2体に減少する。残りのセンサーの数は2つだ。』
   おお、早速作者さんがやってくれたか!私も早くハンカチを取りに行かないとな」

弐大「やるのう、柊よ!!!儂もそろそろ貰いに行かんと間に合わんわ!!!」

及川「ぼちぼち行った方がいいかなー?多人数が動いてるからハンターに見つかる確率も高くなるだろうしね。誰かと合流して別の場所に向かえたらいいんだけど…」




 センサー1つ解除!様子を見ていた逃走者達もハンカチを貰いに動き始めます。残り約5分30秒で2つです。力を合わせてミッションクリアを目指してくださいね!

Re: 逃走中#CR07 白猫温泉物語 混沌編 ( No.35 )
日時: 2020/12/12 22:09
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: okMbZHAS)

【75:22】





~城下町 下町 旅館『青空館』前~





アルフォンス「すみません。ハンカチはまだありますか?」

及川「おっと。確かアスクの王子様だったよね~?それにマネ君も後ろから来てるみたいだし」

弐大「応ッ!!!お前さん達も来とったのか。儂と同じく様子見をしておったのか?」

アルフォンス「そうだね。OPゲームの動きからして、結構積極的に動きそうな人達がいたから様子を見ようかな、って。大勢で動いてハンターに追いかけ回されたら逆効果だしね…」



 柊とアンが装置を塞いでから数刻後。様子を見ていたと思われるアルフォンス、及川、弐大くんが旅館の前までやってきました。まあ、確かに彼らの言うことも一理ありますからね。逃走者がどう動くかは逃走者に委ねられています。
 現在多数の逃走者が残り2つの装置を塞ぎに行っている中、あまり話し込んでいては駄目だと会話を切り、セオリからハンカチを素早く受け取ったのでした。





【75:01】

アルフォンス 弐大猫丸 及川徹

『黄色いハンカチ』取得





及川「…それで、どうする?結構な人数向かってるとは思うけど、俺達も分かれた方がいいよね?」

弐大「そうじゃのう。お前さん達は体力には自信がありそうじゃしのう…。どちらか儂と共に『田園街道』に向かってはくれんか」

アルフォンス「からくり忍者屋敷は城下町の中にあるし、距離が近いからね。なら僕が弐大殿と一緒に行くよ。及川殿はからくり忍者屋敷の装置を塞ぎに向かってほしい」

及川「おっけ~。道中誰かと合流したらその子達と何とかするよ」

弐大「それでは……任務、開始じゃああああああ!!!!!!」

アルフォンス「(弐大殿の声大きいからハンターに見つからないといいけど…)」



 知力と体力には自信ありの3人。素早くどちらの装置を塞ぎに行くかを話し合い、弐大くんとアルフォンスが『田園街道』へ。及川が『からくり忍者屋敷』へ向かうことになりました。
 ちなみに現在田園街道にはウーノが、からくり忍者屋敷には大和田くん、シャロン、ヨッシーが向かっているのが判明しています。
 弐大くんの声にハンターが反応しないか不安に思いつつ、3人はそれぞれ止める為の道のりを走っていきました。











【74:49】





~城下町 交差点~





大和田「チッ…。道が複雑すぎて『からくり忍者屋敷』ってのが見えねーじゃねーか」



 一方。最初にからくり忍者屋敷へと走っていった大和田くんですが…。どうやら忍者屋敷への道を迷ってしまったらしく、今まで右往左往していました。似た様な景色の道が続きますし、目星になりそうな場所もありません。『忍者』と名がついているのですから目立たないのもわかる話ではありますが…。
 既に探し始めてから4分経過。大和田くんのイライラはピークに達していました。



大和田「町の連中もいねーし…。このまま見つけられなかったらどーすんだ…」



 何かに当たりたいのを抑えるかのように頭をかく大和田くん。そんな彼に、『明るい声』が木霊してきたのです。










シャロン『大和田さーん!!もしかして『からくり忍者屋敷』を探しているんですか?』

ヨッシー『ヨッシー!ヨッシー!(おーい!こっちだよ、こっち!)』

大和田「……んあ?」



 唐突に彼の耳に響いてくる高らかな声。声の方向を向いてみると、そこには自らに向かって手を振っているシャロンとヨッシーの姿がありました。
 自分がまさに探していた施設の名前を聞き、『もしかしたらわかったのかもしれない』と一筋の希望を見出した彼は、シャロンの元まで走っていきました。



大和田「おう。なんだ?大した用じゃなかったらぶっ飛ばす」

シャロン「大した用ですよ!『からくり忍者屋敷』の場所なんですけど…。ヨッシーさんが見つけてくれたんです!」

大和田「このトカゲが?!」

ヨッシー「ヨッシー!(ボクはトカゲじゃなくてドラゴンだよ!)」

シャロン「ま、まぁまぁ…。『忍者』って名前がつくくらいですし、人目につく場所にはきっと建ってないんです。それで私も参ってまして…。そうしたら、ヨッシーさんが匂いで場所の目星をつけてくれたそうで!これからその場所に行こうと思ってるんですけど、一緒に行きませんか?」

大和田「ニオイ…。確かにコイツは人間じゃねーから分からんでもないが…」

ヨッシー「ヨッシー!(大丈夫!ボクに任せて!)」



 シャロンも大和田くんと同じく、目立たないところにある忍者屋敷を見つけられずにいました。そんな中、ヨッシーが『匂い』で場所の目星を察知し、一緒に行こうと誘ってきたのです!どこの鬼殺隊ですか。
 大和田くんもそう言われ一瞬目を見開きましたが、アプリの翻訳曰くヨッシーは自信満々。残り時間も5分を切っている為、彼に託した方がいいかもしれませんね。



大和田「……わーった。オメーらについていく。その代わり、見つからなかったら…」

シャロン「その時は私がおとりになってハンターさんから逃がしてあげます!こう見えて走力には自信がありますので!」

大和田「いやそれとこれとは関係ねーだろ?!それにオメーを囮にするなんて柄でもねえ。すぐに取り消しやがれ!!」

シャロン「むむっ。私の身体能力を甘く見てはいけません!これでも傭兵のお仕事も沢山こなしていますからね!」

大和田「そういう意味じゃねえ!!」

ヨッシー「ヨッシー♪(絶対見つかるから一緒にいこー!)」



 ヨッシーに頭で背中を押される形で忍者屋敷へと向かうことになった大和田くん。果たして本当に見つかるんでしょうかね。



















【73:36】





~城下町 外れ付近~





ヨッシー「ヨッシー!(こっちだよ!)」

大和田「……オイ、本当に大丈夫なのかよ?あっちと違って寂れてるような気がすんだけどよ」

シャロン「こういう場所って人が中々寄り付きませんし、むしろありそうな気が私はします!」



 ヨッシーに連れられたのは、賑やかな町から少し遠ざかった寂れた場所。いわゆる『外れ』と呼ばれる場所に近いところですね。町の様子が変わるにつれ眉にしわを寄せる大和田くんと、それとは対照的に未知なるものにわくわくしているシャロン。ヨッシーは笑顔で目の前を指さします。
 ―――しばらく歩いたところでヨッシーが止まりました。そして、ボロ屋のような建物を指さして『ヨッシー!』と自信満々に鳴いたのでした。



大和田「な……な……」

シャロン「成程!廃屋と見せかけることによってカモフラージュをしていたのですね!」

大和田「ちょっと待て?!ここがもし本当に『からくり忍者屋敷』だとしたら…装置はどこにあんだよ?!」

ヨッシー「ヨッシー!(ここにあるよ!)」



 信じられないと声に出そうな表情で目を見開く大和田くん。シャロンはこんな戦術があるのだと感心しています。そこじゃないです。装置があるはずだとヨッシーに説明を求めますが、ヨッシーはポンポンと『とある機械』を触りました。あ、機械って…。



大和田「―――装置じゃねーか!!」

シャロン「わぁ!このアンテナみたいなのが装置なんですね!先端に赤い球体のようなものがついているので…。ここからハンターさんを放出してしまうセンサーが発動しているんでしょうか?」

大和田「だったら話ははえーや。ハンカチでくくっちまえばいいんだろ。3枚もありゃ十分だと思うしよ!」



 ヨッシーが叩いていたのは『装置』でした。3人いるので、ハンカチも3枚。それだけあれば充分だろ、と大和田くんは器用な手つきで装置の先端の赤い球をハンカチでくくってしまいました。彼、学園卒業後は大工を目指すことにしたんですもんね。
 黄色いハンカチに覆われた先端は光をなくし、黒く変色しましたね。お見事、これで2つ目の装置を塞ぐことが出来ましたね!





【73:11】

シャロン
大和田紋土
ヨッシー

『ハンターボックス放出装置』 解除



シャロン「後は他の皆さんにお任せしましょう!人がいないとはいえ、結構道が開けているのでハンターさんに見つかってしまえば大変です」

大和田「そうだな。―――オメー、中々良い鼻持ってんじゃねーか!!」

ヨッシー「ヨッシー♪」



 ヨッシーの嗅覚のお陰でまた1つミッションクリアに近付いた逃走者達。あと1つですよ、1つ!








ピリリ ピリリ








ゴン太「通知だね!『シャロン、大和田紋土、ヨッシーの活躍により、『からくり忍者屋敷前』のハンター放出装置のセンサーが塞がれた。これにより、放出されるハンターは1体に減少する。残りのセンサーの数は1つだ。』
    ええ、どこにあったの?!結構ゴン太探してたけど見つからなかったよ?!大和田君達はすごいなあ…」

及川「おっと。探してる間に装置を塞いでくれたみたいだね。……ってことは、あと1つだけど。王子様とマネ君、うまいことやってくれればいいんだけどね~」

エフラム「あと3分か…。この距離だと残りの場所に間に合いそうにない。申し訳ないが、他の逃走者に任せるしかないな…」




 ヨッシーいきなり大活躍!2つ目の装置を塞ぎ、ミッション失敗時のハンター放出数が1体に減少しました。残りは『田園街道』ですが、そこにも逃走者が向かっています。
 ミッション①終了まで残り3分。放出まで時間が迫っています。急いでくださーい!

ABT③『溝を乗り越える勇気を持って』 ( No.36 )
日時: 2020/12/12 22:15
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: okMbZHAS)

本部に無断でアオイの島にやってきてしまっていた保留組の3人。理由は勿論家族がらみなんですが…。
本音を隠して喧嘩もせずに、上っ面の友情や家族愛のまま過ごすって…。彼らにはどう写っているんでしょうね?

------------------------



~アオイの島 中央部~



チョロ松「……だぁーーーっ!!!アイツ逃げ足速すぎんだけど?!どこ行きやがったんだよあのクソ長男…!」

カラ松「こっちを確認してから逃げるように消えたし、オレ達のことは認識してるとは思うんだけどな…」

十四松「にーさん、ぼく達を見てこうげきしようとしてこなかったからまだ大丈夫だよ!さがそうよ!」



 アオイの島で絶叫しているチョロ松をカラ松は宥めていました。アクラル達が本部で確認した通り、3人は現在アオイの島でおそ松と追いかけっこをしていました。しかし、悪魔と人間…。人ならざる力を持つ存在に、たった3人のちっぽけな存在が適うはずもなく。おそ松には逃げられ、見失ってしまっていました。
 『おそ松は自分達を見て攻撃してこなかった。だからまた探せばいい』と十四松もチョロ松を落ち着かせようとしますが、チョロ松は『それもそうだけど!』と2人に向かって指を指しました。



チョロ松「って、ちょっと!今更だけど言わせてもらうよ。なんでカラ松達まで無断でこの場所まで来てんの?!絶対怒られるから僕だけで兄さんのところまで行くって言ったよね?!」

カラ松「何を言うんだ。おそ松の問題はオレ達松野家の問題だぞ?お前1人で抱えられる問題じゃないだろ」

十四松「自分達を置いていったらあきまへんがな!それに…チョロ松にーさん、無いと信じてるけどおそ松にーさんに変なこと言われて、また気分悪くして倒れたらどうするの?」

チョロ松「そ、それは…。でもっ、カーディガンだってちゃんと着てきたし!神様の加護がついているんだったら、僕の気分の悪さだって守ってくれるはずだよ。今の今までカーディガン着てる時に気分悪くなったことないし…」

カラ松「それはそうだが…。確かに、このカーディガンを着ている間はオレも他の人と同じように動いたり出来るな」

十四松「だからって1人でおそ松にーさん追いかけるのは駄目でっせチョロ松にーさん!」



 どうやら事の発端はチョロ松だそうで。『おそ松がここにいる』という情報を得て、当初は1人でおそ松に会いに行こうとしていたんですね。まぁ…いくらカーディガンの加護があるとはいえ無茶というものです。3人でも結構無茶な気はしますが。
 ちなみにカーディガン云々のお話は1回目のABTで語られているので、そちらを参照してくださいね。チョロ松の精神的なものやカラ松の身体的な後遺症もこのカーディガンの加護で相殺され、現在は普通に動けているという訳ですね。
 おそ松を見失ってしまった3人は、とりあえず観光客の邪魔にならないよう道の端によけて話を続けたのでした。



チョロ松「それにしても…。こんなところに来てまでなんだけど、ニアさんの言っていることは本当なのかな。『おそ松兄さんがこの島でなんかやらかすかもしれないから、止めるならその時では?』って言葉…」

カラ松「おそ松がここに来ていたのを見たから『おそ松がここに来る』ということは本当だったんだろう。だけど…『この島でなんかやらかす』って。どういうことだ?」

十四松「悪魔になったおそ松にーさんが、プレロマの時みたいに悪いこと企んでるとか?」

チョロ松「考えたくない…。おそ松兄さんの悪さは僕達でもなんとかなるレベルでいてほしい…」

カラ松「今は人間じゃなくて悪魔なんだから、そんな希望を持ったって無駄だぞチョロ松」

チョロ松「わかってるよっ!言ってみただけ。だけどニアさん含み笑いしてたっぽいし、それが嘘で僕達騙そうとしてるんじゃないかって心配でさ…」

十四松「何言ってんのさチョロ松にーさん!ニアさんが悪いことするはずないよ!」

カラ松「そうだぞチョロ松。ニアさんが悪さをするなら今までだってたっぷり時間があったじゃないか。それに、美女に悪い奴はいないんだぜ~?」

チョロ松「お前そんなこと言って何人悪女に引っかかってぼったくられたんだよ。はぁ…。カラ松はすぐに人を信じて騙されるんだから…」

カラ松「信じて穴に落ちるのと信じないで穴に落ちるのだったら、前者の方がいいだろう!」

チョロ松「そうじゃねえ!!!」



 どうやら『おそ松がいる』という情報源はニアらしく。サクヤが懸念した件といい、彼女は何を考えているんでしょうか。勢いでアオイの島にやって来たものの、チョロ松は彼女の言葉を未だに信じられずにいました。
 しかし、今まで仲間として助けてくれたんだから『ニアが悪さをするはずない』と反論するカラ松と十四松。まぁ、彼らは松野家の中で特に人を信じて騙されるタイプの人間ですからね…。お前の信用は身を滅ぼす、と正論で突っ込みましたが、カラ松には見当違いの受け答えをされた上、久々にかっこつけられました。



カラ松「それに、ニアさん…オレ達におそ松のことを話してくれた時、『かなり確信を持って』オレ達に言ってくれたように見えたんだ。だから……オレは、余計にニアさんが悪いことを考えているようには思えないんだ」

チョロ松「ハァ…。あの人常に笑顔で何考えてるか結構わかんないところあるの分かってる?」

十四松「あははー!ぼくといっしょだね!」

チョロ松「合わせるな十四松。ニアさん…。わざわざ僕達におそ松兄さんのことを喋ってくれたってことは、『僕達とおそ松兄さんを鉢合わせたい』はずなんだよね。説得であいつを元に戻せるとは思わないから、最悪殴り合いの喧嘩をしてでも元に戻さなきゃダメだけど…」

カラ松「……チョロ松。おそ松を殴るだけじゃ駄目だと思う。怒りに任せて自分の気持ち『だけ』を伝えたら、プレロマの時と同じになってしまう。堂々巡りだ」

チョロ松「それは…わかってるんだけど。なんでおそ松兄さんが拗ねてんのか僕には理解が出来ないんだよ…」

十四松「うーん…」



 ニアがわざわざ自分達に告げたということは、ニアは『おそ松と保留組を合わせたい』と思っているのではないかとチョロ松は推察。それに関してはカラ松も十四松も同じ考えを持っていましたが、会った後彼女がどうしてほしいのかまでを推測することは出来ませんでした。
 結局はおそ松を元に戻さなければここへ来た意味がありません。ニアの策略に乗ってしまうのは気持ちが悪いと思っていましたが、最悪殴ってでも元に戻さないといけないとチョロ松は告げました。
 しかし…。カラ松は『それでは駄目だ』と。こちらの一方的な都合で元に戻しても堂々巡りだ、と。そう返しました。6回目の時にマルクも同じことを言っていましたね。



十四松「おそ松にーさん…。ぼく達がみんないなくなっちゃって、つらかったのかな?」

チョロ松「辛いもんか。会ったら会ったで『僕達をニートに戻そうと』してくるしさ。自分の周りに兄弟がいないのが寂し……あっ」

カラ松「気付いたか」

チョロ松「……うん。おそ松兄さん、もしかして寂しかったのかな?カラ松を置いて松野家に逃げ帰ったあの日。サクヤさんにカラ松が受け入れられて、就職先まで提供してくれたあの日。……僕達が松野家を去った、あの日。
     おそ松兄さんはあの日から『松野家の日常が崩れた』って言ってたよね」

カラ松「あぁ。その後チョロ松と十四松も一緒に就職することになっただろ?その関係上で『松野家には帰れない』ことも告げられて…。オレ達はあの家に帰るとまたニートに逆戻りしそうだったし、しばらく本部でお世話になった方がいいと思ったからそうしたわけだが…。
    きっと、おそ松にはそれが寂しかったんだろうな。オレ達が戻ってこないと知って、『自分を置いて離れていった』って思ったんだろうな」

十四松「―――その後、ハスノさんに一松にーさんとトド松がスカウトされて…。トド松はカフェで仕事が出来るってきっと嬉しそうに面接受けに行ったし、一松にーさんも心のどこかで『このままじゃいけない』って思ってたんじゃないかな?
    おそ松にーさんは、それを『自分から離れて行っちゃう』っておもっちゃったんだろうなあ…。そうじゃないのになあ」

カラ松「あぁ。あいつは盛大な思い違いをしている。そして決めつけている。それをオレ達が和らげてあげないと、仮に無理やり元に戻したとしても…。すぐに悪魔に逆戻りだぞ?だから…オレは、ニアさんの策略に乗っかる形でもおそ松に気持ちを伝えた方がいいと思う」

チョロ松「兄弟なのに…。上っ面の感情で過ごすなんて僕はごめんだし。あいつに勘違いされて性質が悪いことなんて分かりきってることだし。―――ちゃんと、分かってもらわなきゃ。仲直りしなきゃ、だよね」

十四松「うん!おそ松にーさんとずっと喧嘩したままはぼくいや!だから、ぼくもおそ松にーさんと仲直りしたいです!!」

カラ松「……なら、早いところおそ松を探しに行かないとな。そしてちゃんと話をして…。おそ松に元に戻ってもらうんだ」



 やっとおそ松の『拗ねていた原因』に気付いた保留組。自分を見捨てたと思い込んだ寂しさから、兄弟に戻ってきてほしい、ニートに戻ってほしいとずっと思っていましたものね。そうではないとちゃんと言葉にして伝えなければ、お互いの感情はすれ違いのままになってしまいますよね。
 おそ松に『伝える言葉』をしっかりと胸に刻んだ3人は、再びおそ松を探そうと顔を上げました。すると―――。ふと、十四松の目に『とあるもの』が映ります。



十四松「…………」

チョロ松「十四松?道をぼーっと見てどうしたの?」

十四松「……見えるっす」

カラ松「何が?」

十四松「あっちに角と羽としっぽと青いスーツが飛んでいくのが見えたよ!」



 誰もいないはずの道を指さした十四松。その場所をカラ松とチョロ松も凝視。……確かに目を凝らすと、小さく角と羽と尻尾を生やした青スーツの男が見えます。男はこちらに気付いたのか、足を前に出して走り始めていました。



『…………』



 少しの沈黙の後。


















『―――おそ松じゃねぇかああああああ!!!!!』














~アオイの島 下町 商店街~





サクヤ「―――!」

大典太「……声、か。探してる連中のもので間違いなさそうだな」



 保留組を追っていた2人。チョロ松が不意に叫んだ声はしっかりこちらまで届いていました。声の方向から、大体の彼らの位置を割り出すサクヤ。特に危険そうな場所にいないとはいえ、この声が原因で敵に見つかる可能性も無きにしも非ずです。



大典太「……主。声の方向に追えばきっと会えると思う。追ってる奴に襲われてなければいいんだがな」

サクヤ「言葉の分析から、追っている側の台詞としか思えないので大丈夫だと思います。……これを逃せば完全に見失うかもしれません。行きましょう」

大典太「……承知した」




 チョロ松の声を頼りに、1人と1振も3人を追う!彼らは無事に合流することは出来るのでしょうか…。
 そして、松野家の三つ子はおそ松にちゃんと気持ちを伝えることが出来るのでしょうか…。

Re: 逃走中#CR07 白猫温泉物語 混沌編 ( No.37 )
日時: 2020/12/13 22:03
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: okMbZHAS)

【72:51】





~城下町 田園街道との境目付近~





ウーノ「うーん…。ハンターに気を付けながら向かってるうちに残り時間が3分を切ってしまったな…」



 残りの装置は1つ。しかし、城下町が結構広く、田園街道までの道のりは少し距離があります。クアトロと共に追われてしまったことから少しずつ警戒しながら進んでいたウーノでしたが、流石に迫るミッションの終了時間を気にして早くいかねばと焦り始めます。
 しかし、先程のハンターのこともあり中々足が前に進みません。時間がないのはわかっているのに。



ウーノ「残り1箇所だし、私が動かなければハンターが増えてしまうかもしれない…。しかし、動いた瞬間にハンターと鉢合ってしまえば捕まるリスクは大。どうすればいいんだ…」



 しかし、止まっている暇はありません。ハンター放出阻止を諦めて逃げることに専念するか、リスクを冒してでもハンターを止めにいくか。選択は自由ですが、ウーノは果たしてどうするのでしょうか…?



ウーノ「うーん…。―――いや、迷っていても仕方がない。動かなければハンターが増えてしまうというのなら動くしかない。他に誰かがこちらに向かってきているかもしれないし…。あの旅館からここまでは結構距離があるが、それを信じて進んでみよう」



 ウーノ、ハンターを止めることを決意。勇気を振り絞って田園街道に繋がる道に向かって進み始めました。心配しなくとも、現在アルフォンスと弐大くんも一緒にこちらに向かっています!うまいタイミングで合流できるといいですね。



 さて、ここで牢獄ルームの様子を見てみましょう。











~牢獄ルーム~





ピット「逃走エリアにすら入れなかったんですけど。勝負以前の問題だよ!」

jun「ブラピと戦いたがってたもんね…。僕もヨッシーやウーノと話、したかったなぁ…」

クアトロ「哀愁溢れる牢獄ルーム…。パッションを跳ね上げていかなきゃノンノン、よ♪」



 ミッション①の終了時間が迫る中、牢獄ルームではなんだか哀愁たっぷりな空気が流れていました。それもそのはず。まさかの初手確保になってしまいショックを受けているピットと、折角推しと話が出来ると意気込んだその瞬間に確保されてしまったjunris。
 どんよりとした空気を吹っ飛ばそうと明るくクアトロが声を掛けますが、それも上手くいっていないようで。

 困り果てていた彼女の前に、『恒例のあれ』を手に近付いてくる影がおりました。





天海「な、なんなんでしょうかあの哀愁は…。近づかない方がいいんですかね」

マルス「待って蘭太郎。ぼく達の仕事は『差し入れを届けること』だから。ここで去っては仕事をほっぽったことになってしまうよ」

アルベール「何かあったんだろうか…」



 おっと。現れたのは天海くんにマルスにアルベール。見事に生態がグリーンリバーライトなお方ですね。天の声が大好きな声優さんです。
 クアトロが彼らの接近に気付き、こちらに手を振って来たので彼らも近づくことにしたのでした。



クアトロ「アラ!もしかしたら『差し入れ』の時間かしら?」

マルス「うん。序盤確保の人達にも配慮をって本部の意向だからね。という訳で、恒例の差し入れタイムだよ!」

ピット「差し入れ?!確かに牢獄ルームはあまり写ってませんでしたけど、裏でこんなことしてたんですか?!」

アルベール「ああ。俺も最初は驚いたものだが…。回を重ねていくうちにすんなりと馴染んだな」

jun「今回は何を持ってきてくれたの?」

天海「今回もヴィルヘルムさんが『シュークリーム』を作ってきてくれたんですよ。皆さんの分ちゃんとあるんで、ごゆっくりどうぞ」



 はいきました恒例の『おやつタイム』こと差し入れ。ただ待機だと思っていたピットは驚いて箱を見て、他人と会話をしたのか多少悲しい気分が和らいだjunrisも差し入れを貰うことにしました。
 今回持ってきたのは『シュークリーム』。どうやら彼、作り立てを持っていけと指令したらしく中のシュークリームの香りが食欲をそそります。生地はサクサク、カスタードと生クリームのものが両方あるみたいですね。



ピット「わ、シュークリームだー!美味しそうですね!」

マルス「出来立てだし、カスタードクリームと生クリームが両方あるから沢山食べてね!」

jun「わぁ…。じゃあ早速…いただきます」

クアトロ「ワタシはカスタードからいただくわネ♪」



 ピットとクアトロはカスタードのシュークリームを。junrisは生クリームのシュークリームを取って、揃って『いただきます』と口にします。
 サクサクの生地と、作り立てのクリームが絶妙にマッチして口の中で美味しさが広がっていく…。流石本部でトップクラスに料理の上手い男。3人共シュークリームの味に感動しています。



jun「お、美味しい…!打ち上げパーティの料理もそうだったけど、あの人スイーツも作れるんだ…」

クアトロ「クリームも甘すぎないちょうどいい美味しさだワ!これなら何個でも食べられちゃいそうネ♪」

ピット「これが食べられるなら捕まっても文句ないや!パルテナ様も早くこっちに来てくれないかなー」

マルス「全く…。身内の確保を祈るものではないよ」

ピット「言葉のあやだよ、あや!でも、誰が捕まるか全く分からないし…。ボクはここから応援してようっと!」

クアトロ「大事に食べないとネ♪」



 今回も美味しいスイーツに舌鼓をする確保者達なのでした。















【71:48】





~田園街道~





アルフォンス「残り2分切ってるね…。ハンターが見つかっても隠れられるのは1度くらいと考えた方が良さそうだ」

ウーノ「君たちが来てくれて助かったよ…。私1人ではどうしようかと悩んでいたんだ」

弐大「任務は協力してなんぼじゃろう!!!皆の為に行くぞおおおおお!!!!!」




 ミッション①終了まで残り2分を切りました。ウーノは無事アルフォンス、弐大くんと合流!3人で田園街道にある装置を塞ぎに向かいます。無事に間に合うのでしょうか…。
 次回、ミッション①完結!ハンター放出は阻止できるのか…?!


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