キミといた夏 作者/愛子


第15話 海?



「帰るか・・・」直人そう言いながらすずみの手を握った。

「うん。」すずみは優しくほほ笑んだ。

「あのさ、今度の土曜日空いてる?」

「うん―――。特に用事はないけど・・・」すずみが言った。

「良かった・・・。じゃあ、海行かない?」

直人からの誘いだった。

「い、いいよ―――」すずみは嬉しさの余り泣いていた。

「泣くな・・・。それぐらいでよー。」

「ごめんね。ちょっとその前に、愛海の事なんだけど・・・」


「大丈夫。」

直人が一言言った。

「そっか~。何で大丈夫って分かるの?」すずみが聞き返した。

「だって、俺の事は俺で決めるから・・・。いくら愛海が俺の事好きでも、俺が好きじゃなかったら何の問題もないだろ?」

「うん・・・。じゃあ直人の好きな人って―――?」


「すずみ」

直人もすずみも、顔が真っ赤だった。

「じ、じゃあ今日は・・・」

「そ、そうだね・・・。じゃあ、土曜日!」