キミといた夏 作者/愛子


第16話 海岸



今日は土曜日―――。直人との約束の日。

チリリりン×2

目覚まし時計が鳴ってもすずみは起きなかった。

「すずみー。お友達よ、起きなさい」お母さんがそう言いながらすずみの部屋に入ってきた。

「うん・・・。」

すずみは眠たい目をこすりながら下りて行った。

「おい。すずみ・・・。」

「へ?あッッ。ヤバ・・・」すずみは急いでしたくした。


「ごめんね―――。昨日良く眠れなくってさ、それでね・・・」

「もういいよ。でも、早く行かないと帰りが遅くなるよ」直人が時計を見た。

「そうだよね。じゃあ、急ごうッッ」


「あ~。やっと着いた・・・。ずい分遅くなったなぁ・・・。誰かさんのセイで」

「そ、そうですね―――。」すずみが苦笑いした。

「それより、何で人がいないんだ?」

「不思議だね・・・。誰1人いないから」

海には誰もいなかった。まだ6時だっていうのに――――。