キミといた夏 作者/愛子


第20話 引越し



「荷物用意しておいてね」

「うん・・・。」

「ごめんね。すずみ・・・。」

「いいよ。っていうか大丈夫だって」

「でもね―――」

「しょうがないよ。お父さんの仕事の都合なんだから」

「そうね・・・。」


今日も、この事直人に言えなかった。せっかく恋人同士になれたのに―――。
本当に運悪いね・・・。私―――。


 ☆次の日☆

今日こそ伝えなくちゃね―――。でも、直人の顔見て言うと涙出てきそうだよ・・・。


 ☆帰宅☆
「ダメだ・・・。言えないよ」

「すずみー。入るわよ」お母さんの声だった。

「何?」

「うん。すずみ、この家に残ってもいいのよ。もう高校生だから・・・。」

「残りたいよ。でも、私は家族と別れるのもヤダ」

「そう・・・。じゃあ、友達にもその事言うのよ」

「分かった・・・」


友達には引っ越す事を話せた。愛海を含めクラスの皆が泣いてくれた。
でも―――、直人だけには言えなかった。

直人に言えないまま、引越しちゃうのかな?
皆には言わないでって言ったから、まだ直人には伝わってない・・・。


引越しまで、あと3日