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第7話「金曜日のポケモン、レイ再び」パート3
ヒビキ現在の手持ち
ワニノコ、イシツブテ(ひんし)、オニスズメ、オタチ(戦闘中)
ジャンプしたベイリーフはそのままオタチ達にふみつけに出た。
「オタチ、避けろ!」
「イトマル!」
ヒビキとツクシの指示でオタチは緊急回避をして避けて、イトマルは頭上に向かって糸を吐いてこれをかわした。
「イトマル、どくばり!」
ツクシの指示でイトマルはぶら下がった状態で上からどくばりを連射した。
「リフレクターだ」
レイの指示でベイリーフはリフレクターをしてこれをガードされてしまった。そしてどくのこなをオタチに浴びせて苦しませて、やどりぎのタネで体力を奪いにかかった。
「まずい、このままじゃ確実に僕達が負ける・・・」
ツクシはどうすればいいか考えるもいい知恵が浮かばない。
「ふん、こんな弱さじゃ運動にもならんな・・・」
「ちくしょう、まだ終わりじゃねえぞ・・・!」
「すぐに止めを刺してやる、やれ・・・!」
レイの指示でベイリーフとゴースがエネルギーを溜め始めた。
「ヒビキくん、ツクシくん、やっぱうちも!」
アカネが助太刀に入ろうとした時、後ろから何かが放たれた。それはベイリーフとゴースに命中して二体はまたたく間に凍りついて動かなくなった。
「な、何・・・?」
突然の出来事にレイは何があったのか解らずにいた。ヒビキとツクシ、アカネも同じだった。
「ち、これだから弱い奴と関わるとロクなことが起きないぜ。まあいい、そのポケモンなどまた後で捕まえられることだ。お前等、運が良かったな、次に会った時は俺の本気を見せてやる。精々頑張るがいいさ」
レイは凍りついたベイリーフとゴースを戻すと、振り向くことなく去っていった。
「はあ、負けちまうかと思った・・・」
ヒビキは助かった安心感で座り込んでしまった。
「あの少年、前よりも強くなってたね・・・」
「ああ、俺ももっと頑張らねえとな・・・」
ツクシに手を差し出され、ヒビキはその手を握って立ち上がった。
「ヒビキくん、ツクシくん、大丈夫?!」
アカネが走って二人に安否を確認した。
「おう、心配ねえさ。まあ、さすがに危なかったけどな・・・」
「ほんまに間一髪やったわ。二人のポケモン、うちが回復させてあげるね」
アカネは笑顔でヒビキとツクシの全ポケモン達を回復させた。そこへ、水辺から何かが近づいてきた。現れたのは、
「このポケモン・・・」
「うわあ、もしかしてこれが金曜日に出てくるポケモンやの?!」
ヒビキ達が目にしたのは、のりものポケモンのラプラスだった。ラプラスはヒビキ達を温かい眼差しで見ていた。
「もしかしてあれは、れいとうビームだったのかな・・・」
「じゃあ、俺達を助けてくれたのか?」
ヒビキが言うと、ラプラスは静かに頷いた。
「ホンマにありがとう、ヒビキくんとツクシくんを助けてくれて。いやあ、うちいいもん見れて感激やわ。じゃあツクシくん、早く次の街に行かへん?」
「そうだね、このどうくつを抜けた先にヒワダタウンがあるよ」
「ヤドンが一杯いるあの町やね。早う行こか」
アカネはラプラスに礼を言うとツクシと一緒に歩き出した。ヒビキもその後に付いていこうとしたが、
(ヒビキさん・・・)
「うん?」
何かの声が聞こえてきた。
(これから先、貴方は大きな事件に巻き込まれるでしょう、そして様々な困難が待ち受けています。しかし恐ることはありません、貴方が勇気と優しさを失わない限り、貴方を導く光が消えることはありません。貴方の旅が実り多いものであることを祈っています・・・)
「もしかして・・・」
ヒビキは、ラプラスが自分に語りかけているのではないか、と思っていた。
「おーい、ヒビキくん!」
「ヒビキくん、早く追いでや」
考える暇もなく、ツクシとアカネが手を振って早く来るよう言ってきた。
「まさかな、じゃあ俺は行くぜ」
ヒビキはラプラスにお辞儀をすると、二人の後を追いかけていくのだった・・・。