完結小説図書館
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~ 100~ 110~ 120~ 130~ 140~ 150~ 160~ 170~ 180~ 190~ 200~ 210~
*20*
第7話「金曜日のポケモン、レイ再び」パート2
ヒビキ現在の手持ち
ワニノコ、イシツブテ、オニスズメ、オタチ
「ここの洞窟ではね、金曜日にこの水辺であるポケモンが目撃されているらしいんだ」
「それってどんなのだ?」
ヒビキが聞いている間、アカネは靴と黒いソックスを脱いで足を水に浸かせて、オタチとイーブイが追いかけっこをしていた。
「見た人の話によるとね、青い色の首長竜のようで突起のついた甲羅があって、そして何よりも歌が美しいみたいなんだ。その歌の音色に心を奪われてこの洞窟に来る人も多いみたい」
「へえ、おとぎ話の人魚姫みてえだな」
「でしょう、ただ、それがどんなポケモンなのかは良く解っていないんだよね・・・」
「そのポケモン、詳しく聞かせてもらおうか?」
突然、ヒビキ達ではない声が聞こえてきた。ヒビキとツクシが声のした方を向くと、そこにいたのは赤い髪に黒い長袖の服、紫の長ズボンを履いた、あのレイがいた。岩の壁に腰掛けてボールを弾ませていた。
「お前、あん時の!」
「何、ヒビキくんのお友達?」
レイとは初対面のアカネはヒビキの友達ではないかと思っていたが、ツクシが否定した。
「いや、そうではないよ」
「そやね、何か悪そうな面しとるし、性格も悪いんちゃう?」
アカネはレイを見て嫌そうな顔をしたが、レイは表情を表情を一つも変えないでいた。
「レイ、何しに来やがった!」
ヒビキが言うと、レイは見向きもせずに、
「ふん、いつぞやの弱いトレーナーか」
相手にもせんとばかりに冷淡に言った。
「弱いじゃねえ、俺はヒビキだ!」
「生憎、弱い奴の名前など覚える気にもならないんでね」
ヒビキが名前を言うもレイは振り向きもせず素っ気ない態度でいた。
「んだと!」
「ヒビキくん、落ち着いて!ここへ、何しに来たのかな?まさか、僕達の話を聞いて・・・?」
「その通りだ、ここにいる金曜日に現れるとされるポケモン、そいつを頂きに来た。どうせお前等もそいつが目当てでここに来たんだろう?弱い奴が考えそうな浅知恵だな・・・」
レイはふふふとニヤついてヒビキ達を嘲笑った。
「うわ、凄く嫌そうな顔!ド頭来たわ!」
アカネがボールを取ってレイに挑もうとした。
「待った、アカネちゃん、こいつは俺とツクシくんで何とかする」
「せやけど・・・」
「心配すんな、こんなヤバそうな奴に可愛い女の子を向かわせちゃ男が廃っちまう。任せとけよ」
ヒビキとツクシが前に出てレイと対峙した。
「ふん、弱い奴など相手にはしない、だが今日の俺は気分がいいからな。軽い運動で付き合ってやるよ」
「へん、相変わらず刺のある野郎だぜ。ツクシくん、必ず勝つぜ!」
「うん、こう言う人にゲットされたら、そのポケモンも可哀想だしね」
ヒビキとツクシはボールを投げてイシツブテとトランセルを出した。
「始めるか、ゴース」
レイもボールを投げて、ゴースを繰り出した。
「ゴースゴス!」
紫の霧状の物質から黒い球体の尖った目をしたポケモン、ゴースが出てきた。
「ズバット」
そして二匹目であるズバットを繰り出して来た。
「ズバ、ズバズバ!」
「さあ、来いよ・・・」
レイが人差し指をくねらせて挑発する。
「野郎、イシツブテ、ロックブラストだ!」
「イシ!」
ヒビキの指示でイシツブテはロックブラストをズバットに向けて放った。
「飛べ、ズバット!」
「ズバ!」
しかしレイの指示で空を飛んでかわされてしまった。
「エアカッターだ!」
ズバットはエアカッターを飛ばしてイシツブテとトランセルを怯ませた。そして、針のように細い足を突き出してイシツブテ目掛けて急降下した。イシツブテの体にズバットの足が突き刺さる。
「イシツブテ!」
「俺のズバットの足は岩を貫くほど硬いんだ。そのまま吸い取ってしまえ」
ズバットは足からきゅうけつをしてイシツブテのエネルギーを吸い取った。
「トランセル、いとをはいて!」
ツクシの指示でトランセルはいとをはくでズバットを引き抜こうと出たが、
「ゴース、おどろかすだ!」
ゴースがおどろかすをして怯まされてしまう。そしてゴースは分身を作ってトランセルを囲み、シャドーボールを連射して攻撃、トランセルは吹っ飛ばされて倒されてしまった。
「う、トランセル・・・」
「まずは一匹、ズバット、あの技で止めをさせ!」
「ズバズバ!」
ズバットは足を引く抜いて、それを三角にするように付けると、回転して、イシツブテを攻撃した。回転することで強力なドリル攻撃になりイシツブテを宙に上げながら回転攻撃を続け、イシツブテを翼で叩き落とした。地面に落とされたイシツブテは力尽きてしまった。
「すまねえ、イシツブテ・・・」
ヒビキは苦悶の表情を浮かべてイシツブテを戻した。
「あわわ、ヒビキくんとツクシくんのポケモンが・・・」
アカネが心配そうな顔をした。
「どうした・・・、初戦だって言うのにこのザマなのか?」
「て、てやんでえ、こっからが本番よ。オタチ!」
ヒビキが叫ぶとオタチは駆け寄って戦闘に出た。
「僕も、コクーン!」
ツクシもコクーンを出した。
「ズバット、もう一度突き刺してやれ!」
ズバットは再び空を飛んで足を三角にして回転しながら急降下した。そしてオタチの目の前に来たその時、
「ふん・・・」
レイがなるほどな、と言う顔をした。ズバットが突き刺したのはオタチではなく、オタチが素早く置いたみがわり人形だったのだ。ズバットは抜こうとしたが動くことができない。
「コクーン、いとをはく!」
ツクシの指示でコクーンが糸を吐いてズバットを動けなくした。そしてオタチがでんこうせっかをしてズバットを倒した。
「よっしゃあ!」
「よし!」
一体目を倒して、ヒビキとツクシはガッツポーズをした。
「ふん、弱い奴なりに抵抗してくれる、ならこいつはどうだ?」
レイはズバットを戻すと、あるポケモンを繰り出して来た。
「ベイーーーっ!」
「こいつは・・・」
ヒビキ達の前に現れたのは、葉っぱの触角に首長竜の姿をしたポケモン、ベイリーフだった。
「そうだ、俺のチコリータが進化した姿だ。俺の実力があれば当然のこと、さあ、行け!」
レイが叫ぶと、ベイリーフは咆哮を上げて突進してきた。ゴースもこれに続いて動き出す。ベイリーフは走りながら、はっぱカッターを飛ばし、ゴースもあくのはどうを飛ばして来た。二重攻撃を喰らいオタチとコクーンはダメージを受けてしまう。
「巻き付けろ、ベイリーフ!」
レイの指示でベイリーフはつるのムチでオタチを拘束させて地面に叩きつけると、踏みつけをして怯ませた。
「このままじゃ、コクーン!」
ツクシがコクーンにいとをはくをさせてベイリーフの首に巻きつかせたが、ベイリーフは首を振り回して、コクーンを回して地面に叩きつけてこれを倒してしまった。
「あかん、ツクシくんのポケモンが・・・」
「頼む、イトマル!」
ツクシはコクーンを戻してイトマルを出した。
「ジャンプしろ!」
レイの指示でベイリーフがジャンプしてきた・・・。
続く・・・。