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第19話「シャキーン!アサギジム、VSミカン!」パート4
ヒビキ現在の手持ち
アリゲイツ(戦闘中)、オオタチ、オニドリル、ウソッキー(ひんし)、コンパン、メタモン(戦闘中)
雨雲を生み出すことで陽の光を遮断させた。これである程度ハガネールのボディの温度を下げられるがそれでも微々たる差でしかない。更なる決定打を作るべくヒビキはアリゲイツに指示を出した。
「アクアリングだ!飛びっきりのデカイやつを作るんだ!」
「ゲイッツ!ググググググ・・・!」
体内にエネルギーを溜めてアクアリングを生み出した。先程よりも一回りも巨大なサイズのリングが上空に浮いている。
「このリングは、一体?」
「ハイドロポンプだ!」
上空のリングにハイドロポンプを発射した水を勢いよく飛ばして水流を溜めていく。
「は、まさか・・・!」
「そう、そのまさかった奴さ!」
ヒビキが合図を出すと、リングが光って溜まっていた水が流れだした。円を書くように水が覆われてハガネールを濡らしていく。水が止まってリングが消えると、ハガネールは元の体色に戻ってしまっていた。
「陽の光を遮ったのは熱を下げるため・・・、そしてあのリングは・・・」
「ああ、最後のひと押しって言う奴さ、こっから俺のゼンリョクで行くぜ、アリゲイツ!」
Zリングを付けた腕をクロスしてあくタイプのアクZをアリゲイツに発動させた。両腕の肘を曲げて力こぶを作り、拳を軽く握り、状態を前方にかがめて両腕の力を抜いてだらりと上げていき、左、右と肩を上げて状態を起こして後方へ反らし、両手を挙げて指先を前方に向けて獲物に襲いかかるようなポーズを取った。
「真っ暗闇で噛み砕いてやるぜ!」
アリゲイツはアクZのZ技ブラックホールイクリプスを発動した。
「ゲルルルルル・・・!!!」
頭痛がしたように頭を両手で抑えて、すぐに手を放すと腕から赤黒いイカヅチを纏わせて、上空に飛ばした。すると、巨大なブラックホールが出現、ハガネールを吸い込んでしまった。アリゲイツもその中へと入っていく。
そして、ブラックホールの中でハガネールは動けずにいるとアリゲイツが水中遊泳するように動いて牙を向いてかみつくを連続していく。そして、顎を大きく開けて急所に噛み付き、大ダメージを与えるのだった。
やがてブラックホールが晴れて、ハガネールが地面に崩れ落ちるように倒れ込んだ。そしてアリゲイツも着地する。一方、メタモンもラッキーからアローラディグダに変身してアイアンヘッドでミカンのアローラディグダを倒すのだった。
「よし!」
「私、負けたみたいね・・・」
ミカンに遂に勝利した。応援していたツクシとアカネが歓声を上げる。
「おっしゃあ、ツクシくん、アカネちゃん、勝ったぜ!」
ヒビキが二人にグーサインを送った。
「よく頑張ったわ、後でリフレしてあげるわね」
ミカンは倒れているハガネールを撫でて戦いの疲れを労いアローラディグダの毛についた泥を拭いてあげてボールに戻すのだった。
「とても素晴らしい勝負でした。ツクシくんとアカネちゃんが貴方に興味を抱くのも解ったような気がする・・・。では私に勝った証としてこれを渡すわね」
アサギジム公認のスチールバッジがヒビキに手渡された。
「そしてこれも」
もう一つ、茶色のクリスタルが渡された。
「これは・・・?」
「それはイワZ、いわタイプのZ技が使えるようになるわ。私がまだいわタイプの使い手だった頃に使っていたけれど貴方なら使いこなせるようになるわ、受け取って」
「おう、ありがたくもらっていくぜ」
受け取り、ヒビキは嬉々としてアリゲイツ達にミカンからもらったイワZを見せて自慢した。ミカンが微笑ましく見ている。
「あの、ヒビキくん」
「何だ、ミカンさん?」
「貴方は、これからもジムに挑戦をしてポケモンリーグに挑むの?」
「もちろんさ、チャンピオンになった俺の姿を見て欲しいってツクシくん達に約束してるからな」
「そうなんだ、あの、うまく言えないけど・・・」
「うん?」
「頑張ってね・・・」
そっとヒビキの頬にキスをするミカン。ツクシはびっくりして、アカネは恨めしそうに見ていた・・・。