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ポケモンストーリー ハートゴールド編
作者: たくと七星  (総ページ数: 215ページ)
関連タグ: ポケモン 冒険 友情 第7世代要素有り 
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第27話「ジョウト地方の脅威、ビーストの降臨!」パート3


ヒビキ現在の手持ち
オーダイル、オオタチ、オニドリル、ゴローニャ、ウソッキー、メタモン



 場所は変わってエンジュシティ。とある保管庫で、ミナキがごそごそと本を探していた。周りには彼がほっぽり投げた書物が散らかされていた。そう、ここはエンジュシティにあるジョウト地方にまつわる古文書が保管されている書物庫である。何故彼がここにいるのか・・・。
「ミナキ、見つかったか」
 一緒に探していたマツバが声を掛ける。彼もミナキに誘われてこの書物庫へ来ていたのだ。そう、今ジョウト地方で怒っている異変を探るために。
「いや、まだだよ。中々見つからないなあ。確かにこの棚にあるはずなんだが・・・」
「かなり古い書物だからね、見つけるのは至難の業だ」
「マツバ、ラジオでも知っているだろう?」
「ああ、ジョウト地方の空を特殊な穴が無数に現れている・・・」
「それだ、あの時のように穴が出て来て、未知なる存在が現れた。そして僕達は敗けた。あの穴からまたあいつが現れるかもしれない。過去に似たようなことが起きていないか調べる必要があるんだ」
「あの時・・・」
 サファリゾーンでの事、不思議な穴から現れた不思議なポケモン。あのポケモンにヒビキを始めとして皆が敗北してしまった。敗れた時、彼等には大きな悔しさが残った。次に会う時は敗けないと決めてからは二人とも鍛錬を重ねて来た。ロケット団の脅威が去った今、新たな危機が迫ろうとしている。過去の事例を調べれば次に同じようなことが起こった時の対策が手に入るかもしれない。
「あった、あったぞ!」
 ミナキが遂に探している本を発見した。
「これは、じょうと風土記か?」
「ああ、ジョウト地方にまつわる文献が数多く記されているんだ。そこに何かあるはず」
 開いてみると、古い文章でジョウト地方の歴史が綴られていた。文の合間に絵が描かれていてどのような風物があったのかが丹念に描かれていた。
「どれだどれだ、あったぞ、この記述だ!」
 そして遂にウルトラビーストに纏わる記述を発見した。そこには空に浮かぶ無数の竜巻、そして降り立つビーストらしきポケモン達。遥か昔にもビースト達がジョウト地方に現れた。確かな証拠がここにあった。
「マツバ、君は古来の文章が読めるんだよね」
「ああ、どこまで読めるかは自信は無いけどね。でも調べてみるよ。どれどれ」
 本を手に取るとマツバはビーストに纏わる文献を読み始めた。
「さる平安の時代、じょうとの空に百もの竜巻が空を覆う。竜巻よりいでしし物、禍々しき異形の徒達なり。頭に羽衣を纏いし天女の如き麗仙、不老謝(ふろうしぇ)、早きこと風の如く、その速さ、かまいたちの如くなり、全ての命を穢れたものとみなし、無慈悲を持って襲わん・・・」
 更に話は続いた。竹林より降臨しもの、鉄輝夜(てつかぐや)。竹の如き円筒の体、内裏よりも遥かに巨大なだいだらぼっちの如き巨体で全ての大地を地獄の業火で包み、始まりの大地に戻す。
 荒れ狂う雷獣、電樹木(でんじゅもく)。風に薙がれる草木の如き蔓。雷を纏わせて目の前にありし敵を焦がし殺める。
 蔵の如き鋼鉄の猛獣、津伝津伝(つでつで)、無数の土塊により作られた巨体に姿を変えて全てを押し潰す。
 そして・・・。全ての異形の王。悪鬼王(あっきおう)。ジョウトに降臨し最悪の大王。ジョウトに末法が訪れた時に降臨し、この世の全てを食い尽くさんとする。悪鬼王に見えし者は全て餌に過ぎん。見える物全てを食らい世に終焉をもたらす。
「こいつは・・・」
 文献の最後に書かれていた物、黒く無数の触手が生えた禍々しき瞳をした巨獣が描かれていた。触手には木や建物、動物などが描かれていて全てを食らう恐ろしい光景、まさに無間地獄とも言える惨状が描かれていた。
「ああ、かつてジョウト地方を滅ぼそうとした巨獣、悪鬼王だ。この巨獣が現れた時、ジョウト地方は滅びの時を迎えようとしていた、とある」
「何だって、それじゃあ?!」
「ああ、その可能性は否定出来ない・・・」
「く、もし現れたとしたらなす術がないぞ!僕達でそいつを倒せるのか・・・!」
「待つんだ、まだ記述がある」
 マツバが続きを読もうとしたが、突然、轟音が鳴り響いた。
「何だ、今のは?!」
「どうやら、あの時の奴が来てしまったようだね」
 マツバとミナキは急いで外へ出て行った・・・。


続く・・・。

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