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ポケモンストーリー ハートゴールド編
作者: たくと七星  (総ページ数: 215ページ)
関連タグ: ポケモン 冒険 友情 第7世代要素有り 
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第32話「尖った性格のジムリーダー、VSフスベジム」パート7

ヒビキ現在の手持ち
オーダイル、アローラロコン、コンパン、ルージュラ、アクジキング、ホウオウ(戦闘中)


 周囲を虹色のオーロラが漂い始める、その中を降下しながら羽ばたき、ホウオウが降り立った。
「伝説のポケモン?」
 エンジュの塔に伝わるポケモンだとすぐに察した。
「伝説のポケモンが相手であろうと勝利する、それがジムリーダーよ。貴方に思い知らせてあげる、格の違いと言うものを、ジャラランガ!」
「ジャーン!」
 ジャラランガが咆哮を上げる。頭や背中に生えている鱗が光り出した。エネルギーを溜めるとそれを一斉に発射してホウオウに放って来た。
「ギャシヤーオオ!」
 ホウオウは虹色のバリヤーを張ってこれを防いだ。
「ヒビキ君、あのジャラランガは鱗を連射して来る、うかつには近寄れないよ!」
「確かにな、けど、かわしちまえば問題ないぜ、なあ!」
 ヒビキが言うとホウオウが頷いて羽ばたいた。
「かわせるものですか、ジャラランガ撃墜なさい!」
「ジャラーン!」
 イブキの指示でジャラランガは無数の鱗をミサイルの様に連射して発射して来た。羽ばたいているホウオウ目掛けて向かって来る。
「ヒョロロロ!」
 これにホウオウは素早く動いてかわしていった。鱗が当たったかと思えば残像で中々当たらない程の素早さでジャラランガの鱗をかわしていく、ジャラランガはそのまま連射し続けたがホウオウは忍者の様な目にも止まらぬ速さでかわしながら火炎弾をジャラランガに放って攻撃していく。
 中々命中しない事に苛立って来たジャラランガが体内放射でりゅうのはどうを放ち、更に両手の爪を鋭利な刃に伸ばして来た。伸ばした爪を地面に突き刺して岩を飛ばすがホウオウはこれをかわしていく。
「ギャシャオオオオ!」
 ホウオウが光を纏って一直線に急降下してジャラランガに体当たりをした。その衝撃でジャラランガが崩れ落ちる、刃の様に伸びた爪が割れてしまっていた。
 旋回して空中に舞い戻るホウオウ。ジャラランガが起き上がって炎を纏った尻尾を振るって叩き付けに出ようとしたがホウオウはこれをかわして尻尾を掴み、空中に上げて落下させる、ジャラランガがりゅうのはどうを飛ばしたがこれを急降下で打ち消してドリルくちばしで地面に叩き付けた。
「く、おかしいわ、何故、何故私が押されているの、こんなのないわ!」
 劣勢に立たされている状況にイブキは否定する、ジャラランガがグロッキーになりながらも何とか起き上がって戦いに出ようとする。
「ホウオウ、せいなるほのおだ!」
 ヒビキの指示でホウオウがせいなるほのおをジャラランガに放った。すさまじい炎の力に遂にジャラランガが力尽きた。
「いやったーっ!」
 イブキに勝利してヒビキがツクシ達の元へ戻って行く。
「やったぜツクシ君、これで全ジム制覇だ!」
「良かったよ、後はポケモンリーグだけだね」
 勝った事でようやくリーグに挑む事が出来るとこの時は思っていた。
「この私が、あり得ない、何かの間違いだわ、おかしいわよ・・・」
 敗けたイブキが不満そうに納得していない顔をしていた。
「何?」
 ヒビキが手を差し伸べる、握手をしようと言うのだ。
「バトルが終わればノーサイドだろ?いい勝負だったぜ」
「く、認めないわ、こんな勝負、こんなのまぐれよ、私が勝つはずなのに・・・」
「え、敗けは敗けだろ、潔く認めた方がいいぜ」
「ふざけないで、子供の遊びみたいな戦い方をして、伝説のポケモンを使う何て正々堂々としていないわ、これでポケモンリーグに行けると思ってる頭が恐ろしいわ」
「あ、あんだってえ・・・!」
 ヒビキの顔に青筋が立って来た、勝ったはずなのに認められず馬鹿にされた様な気持ちだった。
「けど、結果と実力だろう!」
「あれで実力ですって、あんな真似しておいて、何と言おうと私は決して認めないわ」
「イブキさん!」
 見かねたツクシがヒビキのフォローに出た。
「ヒビキ君は僕を始めとしたジムリーダーに勝利しました、それは全てヒビキ君の独力によるものです、ビーストもヒビキ君の力で勝って来た、ヒビキ君の強さが本物です!」
「だから何?言いたい事はそれだけなの、勝ったとは言うけれど、それは貴方がジムリーダーとして弱かったからじゃないの?」
「・・・・・」
「無理もないわね、むしポケモンなんて弱点の多いタイプじゃ大して強くもない相手に敗けるのも当然ね。いっそのこと科学者にでもなればよかったんじゃないの?」
 イブキの言葉に全否定されたツクシ、彼の瞳から涙が溢れて来た。
「取り消せよ・・・今の言葉、取り消せよ!」
 親友を馬鹿にされた事にヒビキが怒りを爆発させた。
「ツクシ君だって充分強いんだぞ、一緒に旅してかなりの腕を上げたんだ、それを弱いって何だ、もうバッジはどうでもいい!謝れ、ツクシ君に謝れ!」
 激しい怒りの表情でイブキに詰め寄る。明らかに相手の言葉に怒りを露わにしていた。
「あらあらムキに怒って、まだまだ子供ね。こんな子供のために旅のお供をするなんて物好きなジムリーダーがいたものだわ」
「手前、べらぼうが!」
「待ってヒビキくん、これ以上は・・・!」
 今にも殴りかかろうとするヒビキを止める。
「ツクシ君、悔しくねえのか!」
「悔しいよ、けどここで事を荒立てても何もならないよ・・・」
「ぐぐ・・・」
 ツクシの言葉にヒビキは握り拳を降ろした。
「仕方ないわね、そこまで認めて欲しいのなら条件を出すわ」
「条件だ?」
「この街の奥にりゅうのあながある、そこにいるちょうろうに強さを認められたのなら、渡すのを考えてあげるわ・・・」
 りゅうのあなにいるちょうろう、そこでの試練に合格すればバッジを渡すとイブキは言った。
「ヒビキ君、ここはイブキさんの言う事に従おう、それが最善だよ、悔しいけれど・・・」
「ああ、べらぼうに腹は立つけど、そうした方がいいな。取り敢えず、味噌汁で顔を洗いやがれ!」
 イブキの言う事に癪を覚えつつもヒビキ達はジムを出てりゅうのあなへと向かうのだった・・・。

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