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*110*
特別編「強きポケモンを求めて、レイとウルトラビーストの激闘!」パート2
「ラッキーーーーっ?!」
しぜんこうえんの近くの36番道路でラッキーがダメージを受けて吹っ飛ばされた。
「あ、あわわ、僕のコレクションが・・・」
敗北したことにポケモンコレクターが腰砕けになって慌てふためいていた。
「ち、どいつもこいつも、よわっちい奴等ばかりだ・・・」
レイが目を血走りさせて歯ぎしりをしながら相手を鋭い眼光で睨んでいた。
「わああ、待って!僕の負けだよ!僕の一番のコレクションをあげるから、ひいい!!!」
目の前にいる赤紙の少年はつばめがえしよりも早い動きでボールを弾いた。
「うるせえ!!!俺が欲しいのはこんな弱いポケモンじゃねえ!最強のトレーナーになれるほどの最強のポケモンなんだ!!!」
その時、しぜんこうえんからアナウンスが流れて来た。
『緊急速報、緊急速報!しぜんこうえんに謎のポケモンが出現しました。いたく凶暴で公園内を破壊しています、急ぎ避難してください!』
「何・・・?」
突然流れたアナウンス、それを聞いたレイの口元が緩み始めた。
<しぜんこうえん>
のどかだった公園は惨劇と恐怖の空間に包まれていた。
「シャーラララララ!シャーララ!」
公園の草むらに立っていたのはウルトラビーストのフェローチェ。細くしなやかな体を左右にくねらせて触角や両腕からむしのさざめきを飛ばして地面を爆発させた。すさまじい爆風が響いて地面が砕かれ、外灯がさざめきに当たって真っ二つに割れてしまった。
更に両手の先から糸を飛ばしていき、公園にある木々に絡ませると根っこごと引っこ抜いて乱雑に投げ飛ばしていった。
「うわああああ!」
「逃げろーーーーっ!」
「うわあ、助けてーーーっ!」
逃げ惑う人々の悲鳴や叫び声が響いていた。少しでもあのビーストから離れようと逃げていく。所が、一人だけ逃げる人々とは反対の方向へと歩いていく少年がいた。レイである。慌て泣きわめいている人達と違い彼は不気味に薄笑いを浮かべていた。そこに自分の望んでいた者がいる。その喜びと期待感に満ちていた。
そして公園の広場に来ると、そこは倒れた木々が散乱していて地面もひび割れるなど荒れ地と化してしまっていた。その中をレイは歩き続けていく。中央に差し掛かると、
「シャーラン?」
倒れた木に座りへし折ったカイロスのハサミで頭の羽根を解かしているフェローチェが退屈そうにしているのが見えた。凶暴ではあるが片足をクロスさせ一寸のずれのない手付きで頭の羽根を髪を解かすような仕草をしているこのポケモンから優雅さと可憐さが感じられた。
「お前、強さそうだな・・・」
「シャーラ?」
ハサミを置くとフエローチェは頬杖を付いてレイをつぶさに観察した。他の人間達は自分を恐れて逃げていく中、この少年だけは恐れず自分の目の前に現れている。瞳はいかにも獲物に狙いを定めた野獣のようで、挑戦的で野心に満ちている。
「シャンシャラ・・・。(この男、私を満足させてくれるのかしら?少し遊んでも、いいわよね?)」
気まぐれか、好奇心からか、立ち上がると爪を伸ばして目の前にいる少年、レイに鋭い視線を浴びせた。
「くくく、やっとその気になったか・・・。いいぜお前。すぐに俺のものにしてやる!」
レイはボールを投げてユンゲラーを繰り出した。
「ユン・・・!」
「サイケこうせんだ!」
レイの指示でユンゲラーはサイケこうせんを飛ばした。
「シャラ、シャンシャララ・・・!」
フェローチェは両手を水平にして美しく美麗に回転した。美しく舞うフェローチェの姿は神秘的に見えてサイケ光線が舞いにたなびかれて消滅していった。
「ほう、一筋縄では行かないわけか・・・・!ふふふ、そうでないとな!!!」
続く・・・。