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第30話「雅なる決戦!激突、おねえはん!」パート1
ヒビキ現在の手持ち
オーダイル、オオタチ、オニドリル、ゴローニャ、メタモン、デンジュモク
・今回の注目ポケモン
・ヒビキのポケモン
・コチョウのポケモン
・今回の注目ポイント
・まいこはんのおねえはんとのバトル
・前哨戦に続く激しいバトル
・一筋縄では行かない戦い
・戦局を左右する仕掛け
・戦いの先に待つポケモン
ヒビキがエンジュシティでまいこはん達と戦っていた頃、コガネシティでは。
「はあ・・・・」
結界の中で封じられているアクジキングを見てミナキは溜息を吐いて見上げていた。隣にいたマツバも目を鋭くさせて見つめていた。
「マツバ、驚きだよ。スイクンに凄くドキドキしていた僕もこんな強烈な存在が現れるなんて、今まで以上に驚いている」
「ああ、山すらも飲み込んでしまうと言う怪物、アクジキング。現にコガネシティもかなりの被害を受けている」
アクジキングの降臨により、コガネシティの街並みは破壊されてしまっていた。人々の賑やかな声はなく、多くの人達が地下に避難している。多くの建物が倒壊し、壊れた破片が散乱していた。
「それで、お前さん達はこの化け物を追って、この世界に来たと言うのか」
シジマがリラ達から話を聞いていた。
「しかし驚きだな、別の世界から人間が現れるとは・・・」
ヤナギは不思議そうにリラ、ハンサム、クチナシを見ていた。
「ヤナギさん、古文書にも別の世界から来た人がジョウトに現れたと言う記録がある。何らおかしくはないと思います」
「こいつには色々と手こずらされたからな、何とか追い詰めたんだが」
「その時に起きた時空の歪みで我々はこの世界に飲み込まれたのだ」
クチナシとハンサムがこの世界に来た訳を説明した。ある地方でアクジキングと最後の決戦を挑んだが、その時発生したウルトラホールに巻き込まれてやって来たのだと。
「ですが、そのために皆さんにこのような事態を・・・」
リラが申し訳なさそうにする。自分達が止めを刺せずに別の世界に吸い込まれ、何の関係も無い世界の人々を危険にさらしてしまっている。そのことに罪悪感を感じていた。
「まあ、そう気にするな。今はまず、ヒビキが戻って来るのを待とうじゃないか。その時に蹴りを着ければよい、それにワシ、凄くビックリしておるよ」
「ビックリ?」
リラが驚くとシジマが痛快に笑い出した。
「ジム内で滝の修業をしておったら突然見たことも無いポケモンが現れおってな。中々強かったわ!」
「シジマさん、そのポケモンって、もしかして!」
ツクシがシジマにビーストなのかと尋ねた。
「ふむ、ほっそりした虫みたいな奴だったな。とても強かったぞ」
「やはり、他の場所でもビーストが・・・」
他の街でもビーストの襲撃が起こっていた事態にハンサムはジョウト地方が大変なことになっていることを知る。
「俺のキキョウシティでもその虫のような奴が出て来たぞ」
「私は大きな鉄塔みたいなポケモンだったわ」
「ハヤトさんやミカンさんの所にも・・・」
ハヤトとミカンの話を聞いてアカネは息を呑んだ。
「アカネちゃん、ツクシくん、貴方達は大丈夫だった」
「僕達にもそいつらが現れました」
「初めて会った時はヒビキくんとツクシくんが敗けて・・・」
「そうだったの、辛くはない?」
ジムリーダーと言えどもまだ子供である。ミカンは心配になって気遣った。
「敗けた時は凄く悔しくて、もう旅を止めそうになった事もありました。でも、ヒビキくんに元気付けられて、励ましてもらえて、彼と一緒にいると何をやっても頑張れるようになれたんです。だから、僕も強くなれて、旅を続けられて良かったって言えるんです」
「そう、子供はいつの間にか大きくなっているのね。強くなったわね、貴方達」
ミカンの言葉にツクシとアカネは笑顔になった。彼等は待っていた、ここへ戻って来る少年が戻って力になってくれることを。
<エンジュシティ かぶれんじょう>
「さあ、ヒビキはん、行きましょうか」
リーフィアが前に出てヒビキの動向を待っていた。
「皆が待ってるんだ、オオタチ、行くぜ!」
「タチ!」
ヒビキの熱意を受けてオオタチがリーフィアに目掛けて走り出した。
「リーフィア、おいき」
コチョウが片手をゆっくりと上げて前へ出す仕草をした。
「フィア!」
するとリーフィアの耳が触手のように伸び出した。一触戦に伸ばしてオオタチを巻き付けると持ち上げて地面に叩き落とした。
「耳が伸びた?!」
「うちのリーフィアはそこらのリーフィアとは違いますえ?」
「おう、こんな展開はよくあることだ!」
オオタチが走るとリーフィアは耳を再び伸ばして来た。オオタチはこれをパンチで払いのけると、リーフィアがはっぱカッターを連射、これを掻い潜るとリーフィアが口からソーラービームを発射して来たが、オオタチはだいもんじを出してシールド代わりにしてこれを弾いた、弾き終えるとだいもんじが中の字、小の字と変わって消えて行った。
「タチ!」
オオタチがほのおのパンチを振るったが、リーフィアはこれをかわしてかみつくで攻撃した。オオタチが再びほのおのパンチで攻撃に出た。
ガキイイイン!
パンチを放つと金属音が聞こえて来た。目の前を見てオオタチとヒビキは驚く。リーフィアの前に剣があってパンチを受け止めていたのだ。
「こいつは?」
「リーフィアのつるぎのまいどす、この剣を」
コチョウが素の腕を出すように片手を前に伸ばした。するとリーフィアの廻りに無数の剣が浮かんで来た。剣は意志を持ったように動き出してオオタチに襲いかかって来た。
剣をかわしていくオオタチだがジャンプした時に集中攻撃を受けてしまう。地面に落下した所でコチョウが手先を下に動かした。リーフィアが大きな声を上げると剣が地面に潜っていった。そして地面から物凄い勢いで出て来て連続的に攻撃していく。
「さあて、お次は・・・」
コチョウが親指と人差し指で輪っかを作る仕草をした。それを見てリーフィアはやどりぎのたねを三つ飛ばした。
「フィアー・・・!」
目を光らせると種が小刻みに動き出した。種から苗が出て来て絡み合って形を作っていく。
「何?!」
現れた存在を見てヒビキは驚愕した、そこにいたのは三体のリーフィア、ではなく種が苗を編んでリーフィアを模した姿だった。
「フィア!」
リーフィアが鳴き声を上げると、植物状のリーフィア達は意志を持ったように動き出してオオタチに襲いかかって来た・・・。
続く・・・。