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ポケモンストーリー ハートゴールド編
作者: たくと七星  (総ページ数: 215ページ)
関連タグ: ポケモン 冒険 友情 第7世代要素有り 
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第30話「雅なる決戦!激突、おねえはん!」パート2


ヒビキ現在の手持ち
オーダイル、オオタチ(戦闘中)、オニドリル、ゴローニャ、メタモン、デンジュモク



 蔦で出来た三体のリーフィアを象った生物がリーフブレードを振るってオオタチを攻撃していく。オオタチはこれをかわしていくがはっぱカッターが飛んで来た。
「オオタチ!」
 オオタチはほのおのパンチでこれを払い落としていった。しかしマジカルリーフが飛んで来る。葉っぱが突き刺さってダメージを受けてしまった。
「フィーっ!」
 リーフィアが合図を出すと二体の蔦のリーフィアが体の蔦を伸ばしてオオタチの両腕を拘束した。そこへ本体のリーフィアが走り出してリーフブレードの連続攻撃でダメージを与えた。一体の蔦のリーフィアがとっしんで攻撃すると反対側へと飛ばされた。だが蔦がゴムのように伸びており、パチンコのように上空へと飛ばされてしまう。
「さあ、リーフィア」
「フィア!」
 コチョウが右手を下に下ろすとリーフィアは耳を伸ばして地面に突き刺した。すると一直線に地面から蔓が這うように出て来てオオタチの頭上に来ると、硬い幹の枝が出て来てオオタチを突き刺して攻撃した。
「オオ、タチ・・・」
 ダメージを受けるオオタチ、するとどこからか笛の音色が聞こえて来た。
「これって笛の音か?!」
 すると真ん中にライトが当たった。
「リーフィア!」
 コチョウが叫ぶとリーフィアがライトの中に入った。すると笛の音色と同時に光が照らされて精気を取り戻したような顔つきになった。
「何だ、さっきより元気になってるのか?!」
 ライトの上を見ると、レディアンが笛を吹いている。リーフィアはその音色で体力を回復していたのである。
「笛の音色には相手を癒す効果がある。それを使わせてもらいましたえ」
 また笛の音色が聞こえて来た。再びライトが当てられる。
「よっしゃあ、これで体力を回復だ!」
 ヒビキに言われてオオタチがライトに入る。
「ヒビキはん、ちゃんと確認しはった方がええどすえ」
「何?!」
 ヒビキが見るとオオタチはうとうとしている。笛が吹き終わると、泥のように眠ってしまった。ヒビキが上を見るとロゼリアが笛を吹いていたのだ。
「くさぶえの技どす」
「く、くさぶえか・・・」
 くさぶえは相手を眠らせる効果がある。よく考えるとリーフィアの時と笛の音色が違っていた。それに早く気付くべきだった。
「時間はありませんえ!」
 コチョウの指示でリーフィア達が動き出した。リーフィアは剣を召喚して切り刻み、蔦のリーフィア達がパワーウィップを連打して叩きのめしていく。きゅうしょに当たった所でオオタチが目を覚ました。しかし蔦のリーフィア達がパワーウィップで執拗に攻撃して来る。
「畜生、蔓には火だ!オオタチ、燃やせ!」
「オオタチ!」
 オオタチはほのおのパンチで拳を叩いて火花を飛ばした。火花は蔓に当たって蔓のリーフィア達を瞬く間に燃やしてしまった。
「あらまあ、燃えてしまいましたわ、ですが・・・」
 コチョウが指の爪を鳴らした。リーフィアが四方に種をまいて来た。リーフィアがけたたましい声を上げると蔓が伸びて来た。
「おいおい、成長しすぎだろ!」
 ヒビキが見ると蔓は見上げるほどに大きくなっていて先には花が咲いていた。中央の花粉が光っていて意志を持ったように蔓が動いている。すると一本の蔓が伸びて来てオオタチを巻き付けると地面に叩き付けた。
「フィアーっ!」
 リーフィアの合図で蔓は薙ぎ払いをして攻撃して来る。そして先端が光り出してソーラービームを飛ばして来た。これをかわしていくオオタチだが蔓は止まることなくビームを飛ばしていく。
「くそ、何かいい方法は無いか!」
 ヒビキは考える、あの蔓をどうやって攻撃出来ないようにすればいいのか、考えに考えた末にある考えに着いた。
「オオタチ、にほんばれだ!」
「タチ!」
 ヒビキの指示でオオタチはにほんばれをした。かぶれんじょう一帯が陽の光に照らされて熱が感じられた。見守っている子供達も熱そうにしている。
「にほんばれ?」
 にほんばれはソーラービームを短時間で放つことが出来る、まるで敵側を有利にさせているように見えた。しかしオオタチをみるとだいもんじのポーズで炎を上げている。それを見てコチョウは蔓の方を見た。
「なるほど・・・」
 コチョウは気付いた。光は植物を育てるには欠かせない、しかしあまりにも光が多いと・・・。リーフィアの巻いた四本の蔓がみるみる内に萎れていき、枯れて倒れてしまった。
「さすがは・・・どすな」
「へん、どんなものも過ぎれば、てな!オオタチ、にほんばれで熱くしただいもんじを食らわせてやれ!」
「タチーっ!」
 ヒビキの掛け声と共にオオタチが強化させただいもんじをリーフィアに放った。こうかばつぐんのダメージを受けたリーフィアは力尽きてしまった。
「うおっしゃあ!」
「タチ!」
 まずは一体を倒した。
「ようやりました、戻ってお休み」
 コチョウはリーフィアを戻した。
「おいき、グレイシア」
 二番手としてグレイシアが前に出た。
「おし、メタモン、行くぜ!」
 オオタチに代わってメタモンが前に出た。
「ますは挨拶を、グレイシア」
「グレシア」
 グレイシアが軽めの技としてこなゆきを飛ばして来た。メタモンはしなやかに動いてかわした。次にグレイシアがれいとうビームを飛ばしたがこれも軟体の体を生かしてかわしていく。だが次に飛んで来たふぶきをかわす事が出来ず凍らされてしまった。
「グレフフ」
 相手にならないなと軽く笑うグレイシアだったがコチョウは違った。氷が砕けると中からもう一体のグレイシアが出て来た。
「ふふ、そうこなくては・・・」
 メタモンがへんしんしたのだ。そのまま跳んでこおりのキバに出る。コチョウのグレイシアもこおりのキバに出てぶつかり合いバック転して着地した。
「次はこちらを」
 グレイシアは二つのシャドーボールを作ると雪で包んで雪兎を作り出した。
「へえ、こいつは芸達者だ」
 ヒビキが感心したのも束の間、雪兎はオオカミのような顔になって牙を向いて襲いかかって来た。メタモンはふぶきを飛ばして吹っ飛ばし、つららばりを飛ばして粉々にした。
「はあ、びっくりしたぜ・・・!」
「ふふ、今のはほんのサプライズどすえ」
「サプライズって、ありゃあ一種のホラーだぜ」
「さて、お遊びはここまで、さあ、見せておやりグレイシア、お前の力を」
 コチョウが両腕を輪のように広げて水平にさせるとグレイシアはジャンプした。そして自身に雪や氷を集めさせて纏っていく。やがて大きな吹雪になって姿が見えなくなっていった。視界を奪われ、ようやく晴れると目の前には巨大な存在が映っていた。
「な、何い?!」
 ヒビキとメタモンが見上げると、そこにいたのは一回りも大きなポケモン、きょだいポケモンのレジギガス、に似せた氷像が立っていた。艶のある氷の中にグレイシアが入っていて念動力でレジギガスの氷像を動かしていた。
「へえ、中に入ってるのか・・・」
 ヒビキは考える。あの巨大な相手にどう立ち向かうのか・・・。


続く・・・。

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