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第32話「尖った性格のジムリーダー、VSフスベジム」パート6
ヒビキ現在の手持ち
オーダイル、アローラロコン、コンパン(戦闘中)、ルージュラ、ホウオウ、アクジキング
転倒したキングドラが体勢を整えて浮遊した。
「小癪な真似をしてくれるものね、キングドラ!」
「キーン!」
イブキの指示でキングドラがれいとうビームを放った。だがコンパンにではなくステージの床に放って凍らせて来た。
「地面を凍らせた?!」
コンパンがツルツル滑る氷にあたふたしている。
「これではまともに動けないでしょう?」
キングドラがタックルしてコンパンにたいあたりをした。更にターンしてコンパンにたいあたりをかました。
「あかん、このままじゃやられてまう!」
「慌てないで、ヒビキくんのコンパンの事だ、きっと何か策があるはず・・・」
キングドラが優勢になっている状況でもヒビキは落ち着いていた。
「コンパン?」
コンパンが頭を掻き分けてアイテムを取り出した。スケートシューズを取り出して足に装着した。
「何をするつもり?」
いぶかしがりながらもイブキがれいとうビームを放つ様キングドラに指示を出した。スケートシューズを履いたコンパンは軽快に氷を滑ってかわしていく。キングドラは続けて氷のビームを飛ばしていくが、コンパンは回転したり滑りながら体を反らしてかわしていった。
「ぬう・・・!」
遊んでいるのか真面目に戦っているのかすら解らないヒビキ達の戦い方にイブキは歯ぎしりしていた。
「コンパン、飛べ!」
「コンパン!」
コンパンが回転しながらジャンプした。回転した体がトルネードになってキングドラを巻き込み地面に叩き付ける。コンパンはシューズを脱いで火炎放射器を取り出して、氷を溶かした。起き上がったキングドラに飛びかかると頭に乗って鞭を振るった。
「あら、可愛い・・・」
アカネが見ると頭にはカウボーイのハットを被ってベルトを巻いていて手には馬に打つ鞭を持っている。ジャンプして暴れるキングドラに鞭を回している、まるでロデオをしている様だった。
「キングーっ!」
怒り狂ったキングドラに振りほどかれるが、今度は手に赤い旗を持って来た。口から蒸気を吐くとキングドラはコンパン目掛けて突進して来たがひらりとかわしてこれを凌いだ、再び突進して来ると、ひらりと旗を翻してかわしていった。
「コンパン、そろそろだ!」
「コンパン!」
ヒビキの指示で旗を投げ捨てると、サイケこうせんをキングドラに放った。命中したかと思われたが、
「何?」
見るとキングドラは腹部にある穴から光線を吸収していたのだ。そしてそれを穴から飛ばしてコンパンに返した。
「腹から飲み込みやがった?!」
「キングドラの様なポケモンは子供を腹で育てる、それを使った作戦よ!」
イブキの指示でキングドラは片方ずつの角かられいとうビームとりゅうのはどうを飛ばして来た。コンパンは素早く動いてこれをかわしていった。再びサイケこうせんを飛ばしたが腹部に吸収されてしまう。
「器用なお腹やな・・・」
「ヒビキくん、あの腹を何とかしないと」
「解ってらあ、けどどうやる?」
様々な考えが浮かぶ、そして吸収するシーンが頭に浮かんで来た。
「コンパン、光線を飛ばせ!」
何かを閃いたのかヒビキはコンパンに指示を出した。コンパンは三度目のサイケこうせんを飛ばした。
「何度やっても無駄よ!」
イブキの指示でキングドラは腹の穴から光線を吸収した。コンパンは再び光線を飛ばした。キングドラはまた吸収する、そして光線をまた飛ばして、それが吸収される、それが続いて、
「懲りないわね、何度来ようと・・・は!」
イブキは驚いていた。キングドラの腹が膨れ上がっていて苦しそうにしていた。吸収のし過ぎで満杯になってしまっていたのだ。
「よし、これで動きが鈍るはずだ」
「くう、でも溜めた分を吐き出してしまえばいいだけの事よ!」
「どうかな、コンパン!」
コンパンが栓を飛ばして穴を塞いだ。
「何?!」
「一気に決めるぜ!」
コンパンが下敷きを取り出して頭を擦って電気を溜めた。下敷きを投げ捨てて触角から電気を放ってキングドラを攻撃した。追撃としてダイナマイトを投げてヘルメットを被った。爆風が飛んで視界が晴れるとキングドラは倒れていた。
「よっし、やったぜ!」
勝利してコンパンは嬉しそうに飛び上がった。
「随分とふざけた戦いをしてくれるじゃない、ここまで虚仮にされたのは始めてだわ・・・!」
キングドラが破れた事にイブキが歯を剥き出しにして怒りを露わにしていた。
「ジムリーダーとしてこれ以上の負けは許されない、今度こそ私の本気を見せてあげるわ、行け!」
ボールを高らかに投げると、大柄の体躯をしたポケモンが地面に振動を出して着地した。頭や体中に無数の鱗を生やした灰色のボディ、尻尾の先の鱗がガチガチと金属音を立てて鳴っている。
「私の切り札、ジャラランガよ、これで完全に勝利して見せるわ!」
「それだったら俺はこいつで!」
コンパンを戻すと、ヒビキはホウオウを出した・・・。
続く・・・。