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第27話「ジョウト地方の脅威、ビーストの降臨!」パート2
ヒビキ現在の手持ち
オーダイル、オオタチ、オニドリル、ゴローニャ、ウソッキー、メタモン
「ヒビキくん、ヒビキくん!」
「へ?」
ツクシの声が聞こえて来てヒビキは目を覚ました。ベンチにもたれかかっていた体を跳ねて体を起こした。
「あ、あれ、ここは、俺、森にいたはずじゃあ・・・」
辺りを見るとそこは森ではなく見慣れた公園だった。
「ここはしぜんこうえんだよ、ヒビキくん、僕達ここに来て、ヒビキくん、寝ちゃったじゃないか」
「あ、そう言えば・・・?」
それまでのことを思い出した。ロケット団を倒してしぜんこうえんに足を運んだ時、アカネがある準備をすることになり、それまでツクシと一緒にベンチに座っていたのだが、いつの間にか眠ってしまっていたようだ。
「あれは、夢だったのか?」
頭を掻いて思い出した。夢の中で、セレビィと言うポケモンが見せたもの、それはこれから起こると言うジョウト地方の異変、それは誰にも止めることは出来ない、術を知っているのは自分だけと聞かされてそこで夢は終わっていた。そんな中、ツクシはポケギアでニュースを聞いていた。
『臨時ニュースです、ジョウト地方を謎の空間が出没する事例が起きています。空間からは見たことのないポケモンが現れ、人々を襲う事件が後を絶ちません。研究家の間では異常気象の前触れか時空の歪みによるものではと言う論争が繰り広げられています』
ニュースでは不思議な穴による事件が流れていた。
「おいツクシくん」
「またこのニュースか・・・」
サファリゾーンでの出来事が脳裏によぎった。サファリゾーンで発生した不思議な穴。そこから強力なポケモンのような存在が現れて自分達に立ちはだかった。あのポケモンにはまるで歯が立たず敗北してしまったのだ。
「あの時、変な奴が現れたよな・・・」
「うん、あの時は僕達は全く勝てなかった。あの時開かれた穴が各地で出没しているらしい」
「ヒビキさ〜ん、ツクシく〜ん!」
考えていると、アカネが走って来た。
「あ、アカネちゃん」
「はいこれ」
二人にイチゴとソーダのかき氷を差し出した。
「おお、かき氷か、て言うことは」
「コン!」
察した通りにアローラロコンが走って来た。ヒビキ達の前でしゃがんで可愛らしく吠えた。
「お前が作ってくれたんだな、ありがとよ」
「うん、この子にかき氷作らせてな。ほんま上手やで」
「ああ、味もいいし、いい氷が作れてるぜ」
一口してロコンのかき氷を褒める。しばらくアローラロコンを見ていると、このポケモンに出会ったことを思い出した。
「それにしても、お前、どこから来てんだろうな・・・」
アローラロコンと目線を合わせて語りかける。当然、人の言葉を解るはずもなく、アローラロコンは首をかしげる。
「そうやったそうやった、あの不思議な穴から出て来たんやろう」
「うん、38番道路で出て来た・・・」
38番道路に足を運んだ時、それから出て来た歪みの穴の中から落ちて来たポケモン、それが今いるこのこおりタイプのロコンだった。ジョウトのポケモンではない存在が何故この地方に現れたのか。
「お前、元いた世界じゃどう暮らしてたんだろうな・・・ま、喋れないから言えないよな」
「うん?」
ツクシが目をやるとあの時の歪みの穴が現れた。場所はしぜんこうえんの隣の37番道路の方だった。
「ツクシくん、あの穴って」
「うん、あの時の、あの不思議なポケモンが現れた時と同じだ」
「あれ、何か人が落ちて来てるで」
アカネの言うとおり、穴から人と思われる存在が二人、ゆっくりと落ちて来ているのが解った。
「一体、どうなってんだ?」
「取り敢えず、行って調べてみないと。アカネちゃんはここにいてて」
「うん」
万が一を考えてアカネを公園に残し、ヒビキとツクシは急いで37番道路へと走って行った・・・。
続く・・・。