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第16話「アサギのとうのアカリちゃん」パート4
ヒビキ現在の手持ち
アリゲイツ、オオタチ、イシツブテ、オニスズメ、コンパン(戦闘中)、ウソッキー
「マリル、すてみタックルよ!」
「リル!」
レミの指示でマリルは転がってすてみタックルをしてコンパンを攻撃した。
「コンパンーーーーっ!」
コンパンは空高く吹っ飛ばされて地面に激突した。落下した衝撃でとうだいの破片や砂埃が飛び散った。
「中々、押しの強い攻撃してくれるじゃねえか。コンパン!」
コンパンは起き上がると、ふさふさの体毛をまさぐって中から櫛を取り出すと、それを使って体毛を解かして体についた汚れを落としていった。
「隙あり、バブルこうせんよ!」
マリルがバブルこうせんを飛ばして来た。コンパンは体毛の中から吹き矢を取ってこれを吹き、無数の泡を割っていく。
「コンパン、ずつきだ!」
「コンパン!」
ヒビキの指示でコンパンはずつきをしてマリルを吹っ飛ばした。
「リルーーーっ!」
「マリル!」
マリルはコンパンと同じように空高く吹っ飛ばされて地面に激突した。
「まだよ、マリル、れいとうビームよ!」
「リル!」
マリルは起き上がってれいとうビームを飛ばして来た。コンパンはひらりとかわしたが、マリルは再びれいとうビームを飛ばして来た。コンパンは反転してこれをかわし、三度目のれいとうビームが来ると体毛からドライヤーを取り出して熱気を飛ばしてれいとうビームの冷気を溶かした。
「コンパン、しねんのずつきだ!」
ヒビキの指示でコンパンはしねんのずつきをしてマリルを吹っ飛ばした。
「同じ展開にはならないわよ、マリル!」
レミが叫ぶと、マリルは体勢と整えて壁を蹴ってその反動で空中からころがるをしてコンパンに迫った。
「コンパン、まもるだ!」
コンパンはまもるでこれを防いだ。
「まだまだよ、マリル、もう一度ころがるよ!」
「リル、リル・・・!」
レミが指示を出すがマリルはどこか疲れていた。それを伝えようとするが、
「マリル、弱気になっちゃダメよ、一気に攻めるの!」
主人は戦うことに必死で聞いてくれそうにはなかった。マリルは疲れを押してころがるに出た。コンパンは赤いハンカチを取り出すと闘牛士のように華麗なみのこなしでマリルのころがるをかわしていった。
ころがるを止めたマリルだが、様子を見ても明らかに体が疲労しているのが見て取れた。
「おいおい、もうこのくらいにしてやったらどうだ・・・。そいつ、凄く疲れてるぜ・・・」
見かねたヒビキがもう終わりにしてやろうと言うが、レミは聞く耳を持とうとしない。
「そうやってミカンちゃんに会わせないつもりなんでしょ!絶対に降参なんかしないわよ、マリル一番の奴を決めて!」
マリルは気力を振り絞ってハイドロポンプを放って来た。コンパンはひかりのかべを張ってこれを防ぐ。マリルは立て続けにハイドロポンプを連射するが全て防がれてしまった。
「リ、リル、リルウ・・・」
やがてハイドロポンプは小さくなっていき遂に打つことができなくなってしまい、マリルは力尽きてしまった。
「マリル?マリル、どうしたの!」
レミが抱きかかえるとマリルはか細い声でレミに涙を浮かべていた。
「スタミナ切れになったんだ・・・」
「それでもう戦えなくなったんや」
ツクシとアカネの台詞にレミはハッとする。ミカンを連れ戻すことしか考えず、自分のポケモンの気持ちを何も考えていなかったことを。マリルが自分に伝えようとしていた不安を自分は。
「う、うう・・・ごめんね、マリル、ごめんね!」
目に涙が浮かんでマリルを優しく抱きしめる。
「苦しかったんだよね、なのに私、貴方のこと・・・ごめんなさい・・・」
マリルを抱いて自分の気持ちを思いで伝える。そうすると、安心したのかマリルはスヤスヤと眠ってしまっていた。
「そうだよね、大切なポケモンが苦しんでいたら、放っておけないよね・・・」
レミは涙を拭いてヒビキ達にお願いした。
「私が言えたことじゃないけど、お願い、ミカンちゃんの元に行ってあげて。アカリちゃんを助けて欲しい・・・」
「あたぼうよ、弱ってるポケモンを放っておいていいはずがねえさ。俺達に任せておけよ」
ヒビキは笑顔でサムズアップしてコンパンを頭に乗せるとツクシ達と共に最上階を目指していった・・・。
続く・・・。