コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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オタクな生徒会長は絶好調!?『参照1200突破とか…』
日時: 2012/06/09 11:42
名前: 棋理 (ID: SGJxjeZv)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode=view&no=15788

初めまして!そうでない方はこんにちは!
現在シリアス・ダークで小説を書いています、棋理と言います。
こちらでは何度か書いたことはあるんですが…あまりにも
ぱっと来ないので、書き直すことにしました!

ジャンルは生徒会ものです。
二次元にしか興味がないオタクな女生徒が何故か生徒会長になってしまうという、
すでに危険な匂いしかしませんが、どうか暖かく見守ってくれると嬉しいです。

———————書いている小説———————
シリアス・ダーク
【Voice of the devil〜悪魔の声〜】
※名前は星都です 参照URL

【椿原小学校探偵部、始動】

コメディ・ライト
【*田中さん家の日常*】

———————書いている小説———————

————————注意事項————————
1 荒らし、中傷分の書き込みはご遠慮くだ
  さい。
2 更新はかなり遅いです。
3 駄文です。
4 アドバイスは好物ですが、とげとげしい
  言葉はやめてください…。
5 感想とかくれると嬉しいです。

————————注意事項————————

————————目次————————
目次【>>0
登場人物【>>1
プロローグ【>>2

参照400突破記念【>>83
参照500突破記念のスレ主からのコメント【>>104
参照500突破記念【>>107
参照600突破記念【>>157
参照700突破記念【>>159
参照800突破記念【>>179

オリキャラ募集と人気投票について【>>110
オリキャラ用紙【>>111
投票用紙【>>112
アピールポイント
・星宮玲【>>117
・星宮龍【>>118
リク依頼掲示板にて
・玲に質問【>>198

第1話【>>3】   第21話【>>52】   第41話【>>162
第2話【>>4】   第22話【>>53】   第42話【>>166】     
第3話【>>5】   第23話【>>54】   第43話【>>167】      
第4話【>>8】   第24話【>>55】   第44話【>>169】    
第5話【>>9】   第25話【>>56】   第45話【>>172】      
第6話【>>13】   第26話【>>57】   第46話【>>174】   
第7話【>>15】   第27話【>>60】   第47話【>>177】   
第8話【>>18】   第28話【>>65】   第48話【>>178】    
第9話【>>20】   第29話【>>71】   第49話【>>181】      
第10話【>>21】  第30話【>>86】   第50話【>>182
第11話【>>22】  第31話【>>87】   第51話【>>185
第12話【>>23】  第32話【>>89】    第52話【>>190
第13話【>>24】   第33話【>>94】   第53話【>>194
第14話【>>32】   第34話【>>102】  第54話【>>195
第15話【>>35】  第35話【>>108】 第55話【>>201
第16話【>>36】  第36話【>>131
第17話【>>43】   第37話【>>137
第18話【>>47】  第38話【>>142
第19話【>>49】  第39話【>>151
第20話【>>50】   第40話【>>152
   【>>51】  

番外編1【>>58】          
番外編2【>>61
番外編3【>>70
番外編4【>>85
番外編5【>>88
番外編6【>>93
番外編7【>>97
番外編8【>>103
番外編9【>>123
番外編10【>>134
番外編11【>>140
番外編12【>>141
番外編13【>>143
番外編14【>>147
番外編最終話【>>148
————————目次————————
—————来てくれた方々—————
♪凜風さん
♪インク切れさん
♪nataさん(なっちゃん)
♪ユゥさん(ユゥ)
♪野宮詩織さん
♪野祓さん
♪王翔さん
♪咲世革 未澪さん
♪友梨さん
♪柴揮さん
♪ゆみさん
♪玲奈さん
♪緋賀アリスさん
♪ ダイヤモンド(^^♪さん
♪梓さん
♪ぱるさん
—————来てくれた方々—————

どうかよろしくお願いします!!


  

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Re: オタクな生徒会長は絶好調?      『第20話更新』 ( No.51 )
日時: 2011/03/06 17:09
名前: 棋理 (ID: Fn07flnU)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode

第20話『この思いでは永遠に——(後編)』

目的地を知らされないまま20分が過ぎた。しかし、目的地には近づいているらしく、心なしか勇翔が緊張の面持ちで歩いていた。

「……着いたぞ」
「へ?こ、ここ?」

勇翔が立ち止まった場所、それは——なんとも豪華な邸だった。俺にはそういう知識はないけれど、何となく西洋のお城みたいな印象がある。そして、一番の特徴はなんと言っても広さ。邸だけでも相当大きいけど、それを囲んでいる庭の広さが尋常じゃない。左側には薔薇園があって、白と赤の薔薇が何とも綺麗に咲き誇っている。そして中央には石畳と大きな噴水。なんというか……本当にどこかの国に来てしまったのかと思った。

「ゆ、勇翔?ここは——?」
「…表札を見てみろよ」
「表札?」

俺の背丈の何倍もある大きな門の隣に、木彫りの表札を見つけた。

——星宮——

「……ほ、ほしみや?」
「そうだよ、ここが会長と龍先輩の家、星宮邸だ」

開いた口がふさがらないというのは、このことだと俺は思った。そして、あのリムジン登校を見た以来、会長と龍先輩は本当にお金持ちで、俺たちとは生きている世界が全く違う、雲の上の人だなと、改めて痛感した。そして、少し寂しかったりもして……。

「颯人、中に入るぞ」
「え?あ、ああ……」

寝癖と服についた埃とかをはたくと、俺はいつもよりも背筋をぴしっと伸ばした。



「お待ちしておりました、大多喜颯人様。お帰りなさいませ、暁様」
「……………………」

絶句。今の俺から言える言葉はそれだけだよ。

「悪い颯人。俺ちょっと便所行ってくるわ。先行っててくれ」
「え?あ、ちょっ、お、置いていかないでくれよ!」

こんなに美人なメイドさんと一緒に何処かに行くなんて……。
ちらりと見ると、メイドさんは俺に天使の微笑みのような笑顔を見せると、こちらへどうぞ、と歩を進めた。



無言で歩くこと数分。広い。本当に広い。多分この廊下で100メートル走の練習が出来ると思う。
そして、1つの大きな扉の前に来た。メイドさんは扉に手を掛ける。

「お嬢様、大多喜颯人様がご到着しました」
「分かったわ、入ってちょうだい」
「かしこまりました」

中から会長の声が聞こえる。そして扉が開くとそこには——。

パン!パン、パン!!

「……へ?」
「「「お誕生日おめでとう、大多喜(颯人)(先輩)!!」」」

クラッカーを持って俺に笑顔を見せている、生徒会のメンバーが居た。
さっき便所に行ったはずの勇翔もそこにいる。
シャンデリアの下には、とても大きなバースデーケーキが置いてあり、とても美味しそうなパーティーの定番料理が並べられている。そして壁には横断幕。書かれている文字は—



——Happy birthday  HAYATO OSAKI ——



「……まさかこれ、俺の…?」
「鈍い!鈍いわよ大多喜。それとも何かしら?お誕生日おめでとうの意味から教えてあげましょうか?」

中央でふんぞり返っているのはもちろん、会長だった。

「颯人、せっかくのお前の誕生日に何で泣きそうな顔をしてるんだ?」

龍先輩が爽やかな笑顔で俺の顔をのぞき込んでくる。その後ろでは、ニコニコしている瑞樹と呆れたような笑顔を見せている終都の姿があった。いつもの生徒会だ。

「さぁ、照明を消して!大多喜、さっさとバースデイケーキのろうそくを消しなさい!」

そして会場の照明が消えて、あちらこちらにあるアロマキャンドルが灯る。中央のケーキの上のろうそくが、電気より明るく俺たちの顔を照らす。

「「ハッピーバースデイ トゥ ユー ハッピーバースデイ トゥ ユー」」

名前のところをそれぞれ俺の呼び名で歌う。そして歌が終わり、ろうそくを消す——。

「ふぅ——」

すべて消した後、拍手がなる。いつの間に来ていたのか、メイドさんやコックさん、執事さんも拍手をしている。そして、俺は言いたくても言えなかった言葉を、やっとの事で口に出す。



「会長、龍先輩、蒼井、月島。そして準備をしてくれた皆さん……俺なんかのために、本当にありがとうございます」



「俺なんかのためにですって?私たちが大多喜『なんか』にこんな盛大にするわけ無いでしょ?」
「へ?」

会長の言葉に、俺だけではなく部屋にいるすべての人たちが首をかしげる。
そして、会長は俺の目の前に来るとふんぞり返った。

「大多喜『だから』盛大にお祝いしたのよ」
「「「…………」」」

あぁ、俺は本当に恵まれているな、と実感した。本当に、俺は生徒会には行って良かったと思う。そしてそのチャンスを与えてくれた会長に、心からお礼を言いたい。
俺は改めて思う。


——俺は“世界一幸せな高校生”だと。

Re: オタクな生徒会長は絶好調?      『第20話後編更新』 ( No.52 )
日時: 2011/03/06 17:52
名前: 棋理 (ID: Fn07flnU)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode

第21話『祭りの後の祭り……?』

「いやぁ、昨日は本当に有り難うございました」
「何言ってんのよ、大多喜らしくない」

朝登校したら、俺はすぐさま会長のクラスに行ってお礼を述べた。

「別に良いわよ。ほら、ホームルームが始まるから、さっさと教室に戻りなさい」

……昨日の面影はいずこへ。といった感じに、今日の会長は不機嫌だった。……何でだろう?



——放課後——
「おーい、颯人。今日一緒に帰ろうぜ?」
「お、そうだな久しぶりに2人で帰るか山田」

なんて、帰り支度をしていると——。

ピンポンパンポーン……

《えー、マイクのテスト中。マイクのテス——へ?そういうのは要らない?…分かったわよ。
 ごほん。えー、生徒会長星宮玲からの呼び出しよ!生徒会副会長としての威厳がみじんもない大多喜颯人。さっさと生徒会室に来なさい!!ウ○トラマンが戦っている時間内に来なさい!あ、カップラーメンが出来る時間内でも良いわよ?面造○じゃなくて、カップ○ターよ?面○りは4分だからねぇ。え?あ、ちょっと蒼井、なんで睨むのよ……。はい、分かりました。まじめにやります。
 気を取り直して。生徒会副会長大多喜颯人!生徒会室にすぐ来なさい!忘れ物があるわよ!えーっと、何々?『少年サ○デー』…あ、これ面白いわよねぇ。ちなみに私が好きなのはハ○テのごとく!よ?あ、もしかしてジャ○プ派?あ、ちょっと、月島、マイク奪わないで——》

そしていったん間が空く。

《と、とにかく大多喜先輩!会長の暴走を止めるためにも、3分以内で生徒会室に来てください!》

ピンポンパンポーン……

「「「……………………」」」

うん、お願いだからそんな冷たい目で見ないでくださいよクラスメイトさん達。一番辛いのは俺なんだから。

「と、とにかく颯人。すぐに言った方が良いぞ?」
「……………………だな」

俺もそうした方が良いと思う。



——生徒会室——

「会長ー、俺サ○デーなんて持ってきてないですよ?」

俺が生徒会室に入ると、会長がハイビジョンTVの前の椅子に足を組んで座っていた。
そしてその周りに執事達のように龍先輩達が立っている。

「確かに、サン○ー なんて持ってきてないわね」
「じゃあなんで呼び出したんですか?良い迷惑ですよ……」

迷惑という単語のところで、会長の耳がピクッと動く。
やべ、なんか言わない方が良かったかも……。

「そう。じゃあ、これも迷惑だって言うのかしら?」

そう言うと、会長はこっちへ来い言うように手招きした。
な、なんだろう……??

「はい、これ」
「へ?」

渡されたのは赤いラッピングがされている両手に乗るサイズの箱。
…なんだこれ。

「開けてみなさいよ」
「わ、分かりました…」

俺は綺麗な包装紙をなるべく破かないように開くと、箱を開けた。 
その中には——

「写真立て…?」

ガラス製で出来ている、一発見ただけで高価だと分かる綺麗な写真立てが入っていた。
これって……。

「勇翔…」
「俺が会長に伝えたんだよ。お前が写真立てをほしがっているって」
「会長…良いんですか?」
「良いも悪いも、あんたが欲しがっていたものをただプレゼントしただけじゃない。
 四の五の言わずに受け取りなさい」

その会長らしい言い方に、俺は思わず男泣きしそうになった。
いけないいけない。美少女たる会長の前で泣くなんて…男のプライドが木っ端みじんだぜ。

「ありがとうございます、会長」
「ふふッ。だからお礼を言うなんて大多喜らしくないって」

ふふっと天使のように笑う。
ああ、変わっていないな。あのとき夕日に染まった屋上で見せてくれた笑顔は変わっていない。

「あ、そうだ!写真撮りましょうよ!龍先輩、たしかデジカメありましたよね?」
「へ?あ、うん…あるけど?」

龍先輩から受け取ったカメラを机にセットして、俺は会長の椅子の近くに立つ。
そしてシャッター音が生徒会室に響く。

「じゃあちょっと待っててくださいね!」

俺は職員室に行って現像すると、すぐに生徒会室に戻る。
そしてもらった写真立てにいれて、後ろのロッカーにある花瓶の横に置いた。

「大多喜…これって」
「これが、写真立てを欲しがっていた理由です」

キザなことを言っているということは分かる。でも、残しておきたいから。
今はまだ先だけど、いつか必ず来る『卒業』と言う別れの為に、みんなが笑っている思い出を残しておきたかったから——。

Re: オタクな生徒会長は絶好調?      『第21話後編更新』 ( No.53 )
日時: 2011/03/13 13:23
名前: 棋理 (ID: p81XYxhw)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode

第22話『そしてまたカオスな展開』

「さて、今日の会議を始めるわよ」

約1週間ぶりの生徒会室での会議だ。それまで、俺の誕生日パーティーの準備をしてくれていたみたいで、会議どころか生徒会室に来ることさえなかった。……果たしてそれで良いのかという問いにはこう答えておこう。——いい訳あるかッ!

「えー、みんな知っているとおり。生徒会に放送当番が回ってきたわよ」
「げッ、マジかよ……」

会長の言葉に勇翔がげんなりする。
放送当番とは、その名の通り放送当番だ(おい)。詳しく説明すると、毎週金曜日には放課後に放送当番というものがあり、各委員会が30分間の放送をする。そこでの内容は様々だ。たとえば委員会からのお知らせや、質問の回答等々。図書委員会は本の貸し出し状況を永遠と述べていた気がする。このように、本当に30分間好きに放送しても良いのだ。同じ音楽を何回も繰り返していたり——。

「それで、僕たち生徒会は何をやるんですか?」
「ふふッ、よくぞ聞いてくれたわね月島」

その言葉を聞いたとたん月島が聞かなければ良かったという顔をしたけれど、後の祭り。会長は自信満々のような顔をして声高々に言った。



「もちろん、ラジオよ!!」



「「「「却下」」」」
「何でよ!!」

即座に全員で却下の判定を下す。たちまち反論する会長。
代表して、俺が会長に理由を述べる。

「だってこのメンバーでラジオとか、もうカオスな展開にしかならないじゃないですか」
「そんなこと無いわよ!せめて私は普通にラジオ出来るもの!」
「無理ですって、そんな普通じゃない人が普通にラジオなんか出来るわけ無いですよ」
「普通の人に言われたくはないわよ!」
「そうだとしても、会長は絶対無理ですって。俺が保証しますよ」
「あんたに保証なんかされたくないわよ!」

そしてまた始まっていく泥沼会話。全く収集が着かなくなったところで、ようやく龍先輩がフォローに入ってくれた。

「まぁまぁ、落ち着いて2人とも。確かにラジオは楽しそうだけど、颯人の言い分も一理あるからさ」
「じゃあ龍、あんたが何か案を出しなさいよ」
「え、俺が?」

会長の急な切り返しに驚いていたが、龍先輩は爽やかな笑みを浮かべたまま「そうだな…」とひとしきり考えると言った。

「姉さんの魅力を語るとか?」
「「「「却下」」」」
「あれ、駄目?」

意外な反応だったのか、龍先輩はきょとんとした顔で会長に言う。

「良い案だと思ったのになぁ、姉さん」
「私のよりも駄目じゃない!」
「じゃあこの案は却下だね。ちなみに第2希望は『会長からのありがたいお言葉〜流行のゲームについての抗議〜』なんだけど…」
「承認。それで行くわよ」
「「「ちょっと待てぃ!!」」」

結論!この姉弟は本当に自分の欲でしか動かない駄目人間だった!

「龍先輩だけはまともだと思っていたのですが……」

終都、それは言ってはいけない言葉だ。

「でもどうすんだよ。このままじゃまた決まらないで終わるぜ?」

勇翔の言葉で我に返る俺たち。確かに。と言うか、すでにこの状況がカオスだ。
今出ている案は『ラジオ』『会長の魅力語り』『会長からのありがたい言葉〜流行のゲームについての抗議〜』

「もうラジオで良いじゃない!考えるの面倒だし」
「そこぶっちゃけないでくださいよ!でも…確かにラジオしかありませんよね……。
 …………会長のことだからまともなラジオにはならないでしょうが」

瑞樹が最後ボソって言った言葉を無視すると、会長は元気よく立ち上がった。
……瑞樹、俺も同感だ。

「それじゃあ、ラジオに決定!!さっそくお便りの募集するわよ!金曜日まであと3日、なんとしてでもお便りを募集しなさい!以上!」

言うだけ言うと、会長はまたゲームを始める。
……結局面倒事は俺たちなんだよなぁ……。



Re: オタクな生徒会長は絶好調?      『第22話更新』 ( No.54 )
日時: 2011/03/24 20:58
名前: 棋理 (ID: p81XYxhw)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode

第23話『カオスなメンバーでやると必然的にカオスな展開になる』

——金曜日——

「ふふっ…ふふふ……」
「…………」

生徒会室で会長は、ちょっと危ない笑いをしていた。……あれはきっと、自分の力を示すときが来た!とかほざいている悪役の目だ!

「か、会長…?」
「やってきたわよ私の時代が!龍、お便りの数は!!」
「ざっと30通かな」

少なっ!あ、いや…3日で30通は良い方…かな?

「30通!?……私の予想を遙かに下回ったわね」

ああ…やっぱり会長は残念そうに肩を落としている……。
そんな会長を見かねたのか、月島がフォローに入る。

「だ、大丈夫ですよ会長。3日で30通は集まった方です!カオスな展開になること間違い無しのラジオに、30通ですよ!すごいと思いませんか?!」
「……瑞樹、お前フォローになってないから」
「ぐっ…しゅ、終都は黙ってて。会長、ラジオが始まったらまたお便りが来るんじゃないですか?」
「…そ、そうよね……」

自分を納得させるように頷くと、会長は胸を張った。



「私の予想を270通下回っても、どうってことないわよね!!」
「こころざし高っ!!」

会長の志は高すぎて理解不能だ!だいたい3日で300通来るとか、本気で思ってたのかよ!

「ふっふっふ…。さぁ、ラジオ始めるわよ!」


——放送室——

会長「さぁ始まりました、生徒会のラジオ放送『放課後の紅茶時間』」
颯人「紅茶時間を英語にしたら、軽音部に怒られますよ」
勇翔「でも、まともそうだから良いじゃねーか」
会長「さて、まずは自己紹介を。全世界の共通認識、丘の上高校生徒会長兼放課後紅茶時間のMC星宮玲で
  す」
颯人「全世界の共通認識って、どんだけこの学校有名なんですか」
終都「ごくごく普通の高校ですけどね」
会長「ああぁぁあもう!ごちゃごちゃ煩いわね!もう良いわよ、はい、その他多数でお送りします!」
颯人「まぁ別に良いですけど……」
会長「さて、今週も始まりました放課後紅茶時間。なんとお便りが300通も来ました!みんな、本当にあり
   がと!!」
颯人「さば読むなよ!実際はその10分の1だっっていうのn——むぐっ!!」
会長「では、さっそくふつおた読むよー」
勇翔「さっそく犠牲者を出したな」
会長「1年A組ラジオ好き♪さんからいただきました。生徒会長、こんにちは!突然ですが、会長って彼氏と
   か居るんですか?(笑)まぁそれは冗談として、僕は今悩みがあるんです。それは、宿題の答えが   ったく分からないんです。いっそY○HOO!の某掲示板に書き込んじゃおうかなぁみたいな(笑)それ   じゃ、僕は犯罪者になってしまうので、どうすればいいでしょうか?教えてください」
会長以外全員「「「「てめーで考えろ!!!」」」」
会長「うわぁ、ちょっとあんたたち酷くない?そりゃ確かにちょっとアレな質問だったけど、答えてあげま
   しょうよ」
瑞樹「じゃあ会長はどう答えるんですか?」
会長「そうねぇ。強いていうなら、自分で考えなさい!!」
瑞樹「答えになっていませんよ!それって一種の答え放棄ですからね!?」
会長「えぇー?じゃあ、警察に相談よ♪ついでに某掲示板を使った事件の自首でもしてくれば良いわよ」
瑞樹「もっと悪いですよ!もう捕まっていますから、ほじくりかえすのはやめましょう!」
会長「別に良いじゃない。さーて、次のお便りっと。3年C組いい加減生徒会仕事しろよさんからいただきま
   した」
瑞樹「まっとうな意見をラジオネームで言うなんてすごすぎますね」
会長「生徒会長、あんたさぁいい加減仕事してくれない?風紀委員長の俺に全部仕事回ってくるんだけど」
瑞樹「自分の正体言っちゃいましたよ!?この人絶対全校生徒を前に愚痴を言う気満々ですよ!?」
会長「煩いわねぇ。って言うか、蒼井以外喋ってすら居ないじゃない」
勇翔「あ、ばれちまったか。瑞樹にツッコンでもらって、こっちは楽しようとしてたんだけどな」
終都「瑞樹、もっとツッコんでくれよ。こっちまで火の粉が飛んできたんだけど」
瑞樹「終都は僕の友達だよねぇ!?ねぇ!?」
会長「そういえば大多喜の声が聞こえないわね…」
龍「……姉さんに殴られたきり、ずっと倒れてるけど」
会長「…………さぁ、次のコーナーいってみよう!!」
龍「犠牲者無視!?いたたまれないよ!!」
会長「会長の名言!!のコーナーです。このコーナーは、リスナーの悩みに対して私のありがた〜いお言葉
  と名言で解決してしまうという、とてもありがた〜いコーナーです」
終都「これがありがたいんだったら、蝉の声もありがたく聞こえますね」
会長「それでは最初のお便りよ。2年A組世界をおおいに悲しくさせる団略してSOK団団長さんからいただき
   ました」
終都「何故でしょう。ラジオネームに突っ込まなくてはいけない気がするのですが」
会長「実は、宇宙人やエスパーとかちょっとアレな人を探しているのですが、全然見つからないんです。ど
   こで見つかるのでしょうか」
龍「とりあえず中二病患者を受け入れてくれる病院に行った方が良いと思うな」
終都「右に同じです」
会長「それじゃ、名言いってみよう!!(少し間を開けて)
  『ちょっとアレな人を見つけるには、自分がアレな人になればいいのよ!!』。以上!!」
龍「意外と的確なアドバイスだ!さすがだね」
終都「そのさすがだねの後には、『頭がアレな人の質問には頭がアレな人が答えた方が良いんだね』という
   言葉が続くんですよね?」
会長「最近生徒会の後輩達が先輩に厳しいんだけど!?」
終都「嫌ですねぇ会長。愛の鞭ですよ」
会長「そんな愛の鞭は嫌だ!!」
瑞樹「あ、あの会長……。そろそろ30分絶つんですけど…」
会長「うっそ!?もうそんなになるの!?じゃあしょうがないわねぇ。お別れの曲はこれ!『丘の上高校校歌』   です!!」
会長以外全員「「「誰も望んじゃいないだろ!!」」」



「「「…………」」」

放送し終わった後、念のために録音しておいたものを生徒会全員で聞いた。
…あのね。うん、本当にカオスだったね。なんていうか、フォローしきれないし、同情したくもないぐだぐだ感?批判とか受け付けないよ。だって……批判が来るって分かってるもん!!

「会長。全部責任は取ってもらえるんですよね?」
「……な、なんでよ!?大多喜だって終始気を失っていただけじゃない!!」
「気を失うようにしたのは会長ですって!!」



結論。……慣れないことはするもんじゃないね。うん。今日のは本当に教訓になった。

Re: オタクな生徒会長は絶好調?      『第23話更新』 ( No.55 )
日時: 2011/03/25 11:54
名前: 棋理 (ID: p81XYxhw)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode

第24話『目標達成おめでとう!!……達成したくなかったけど』

「生徒会に寄せられた苦情件数270件です」
「…………」

瑞樹と終都が集計したデータを俺が読み上げると、会長は聞いてない振りをした。
……軽く現実逃避してるな。

「よかったじゃねーか。これとラジオのお便り件数を合わせると、300件だぜ?
 目標達成じゃん」
「暁先輩…それはあまり言わない方が良いかと……」

KYな勇翔の言葉に瑞樹が慌ててフォローをいれる。終都は知らん顔していて、龍先輩は相変わらずニコニコしている。

「良かったね、姉さん。300件で目標達成おめでとう」
「……補足しますが、ラジオに対するお便り30通。苦情に関するお便りが270通です。まともな人は分かりますが、これは喜んで良い結果ではありません」
「…………」

さらに追い打ちを掛けるように終都のとどめの一言。
その一言で、会長の口からいっきに魂が飛び出した。

「か、会長?!」
「…………」

だめだ。完全に現実逃避している。……いや、まぁ魂の方は現実どころか別の世界に行ってるけど。

「慣れないことはするもんじゃねーな」
「そうですね。僕も今日の朝一番に言われた一言が、生徒会に対する同情と苦情でした」
「勇翔も終都も、それぐらいにしてやれよ。会長の魂戻ってくる気配が全然ないぞ」

さいわい、会長の魂は生徒会室を一周したら戻ってきた。
そして、会長は———。

「失った信頼を取り戻すため、夏休み強化合宿を行うわよ!!」
「「「「…………」」」」

もうしばらく現実逃避しててもらいたかった。


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