コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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*叶恋華* +実話+ 【完結】
日時: 2011/07/12 23:31
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: JiXa8bGk)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=19180

一生懸命、想いを伝えるよ。
恋を実らせるよ。
愛を描くよ。


華は、優しく貴方を想う。



         『いつかは、叶いますように』







※57話〜74話
188〜200話
シリアス注意!

(●´・ω・)ノ☆☆☆HELLO☆☆☆☆ヽ(・ω・`○)

*2010.3/25*第一期『*切恋華*』完結!!
*2010.4/6*第二期、*切恋華*の続編『*君想華*』すたーと
*2011.1/25*『*君恋華*』完結!!
*2011.1/25*『*叶恋華*』すたーと
*2011.7/12*『*叶恋華*』完結!!


+2011.1/23+
作者、長期休養から復活いたしました!!


↑のURLは前スレ←
一応この小説は実話を元にしたお話です^ω^b
現在進行形の、作者の恋愛です。
依麻の思考とかは、少し手を加えています←
あと、セリフも思い出せる限りメモしてるのですが……全てが正確という訳ではないので、ご理解お願いします。
しかし更新がノロすぎて、現在の更新状況は【二年生3月の出来事】になっております0Д0
頑張って現在の【三年生7月の出来事】になるよう、なるべく頑張って更新したいと思いますので、よろしくお願します!

作者の名前一覧*
絵磨◆VRtMSlYWsU
絵磨(携帯)


       掲 示 板 編 集 中 !
(今は見づらいですが、次第に見やすくなるように修正していきます><)

☆注意☆
*実話をもとにしていますが、細かいところや市名や名前、全部仮名&フィクションです
*基本フリーダムな書き方です←
*馬鹿な作者は恋すると更に馬鹿になりますので、自意識過剰が酷くなると思います; それにつれ色々むかつく点がチラホラ出てくると思いますが、暖かい目で見守って下さると嬉しいです;ω;
*中傷・ケンカは×!!
*長編なので、ぜひ! 暇つぶしに読んでください♪
*今年受験の身なので、更新が更に亀になる場合も…
*作者は中学生です。精神年齢はそれ以上に低いので絡む際にはお気を付け下さい。
*文章力ないので、勉強中です。描写なども下手くそなので、ぜひアドバイスしてくださると嬉しいです^^*
*コメ返しなどで「w」や顔文字など乱用します(特に「w」)ので、苦手な方はご注意ください。
*小説内でメールや手紙の時だけ絵文字顔文字が使われます。ご理解頂けると嬉しいです!



≪だいすき、≫
この想いは、いつ君に届くのかな?


【*叶恋華*】
         〜↑目次↑〜

prologue-ぷろろーぐ->>1
MainCast-めいんきゃすと->>2
classmateⅠ-くらすめーとⅠ->>8
classmateⅡ-くらすめーとⅡ->>121
classmateⅢ-くらすめーとⅢ->>437

第一部≪始まりの華≫
第一章【真夏の転校生】
1.『光葉中学校』>>15 2.『豹変』>>18 3.『転校生』>>21

第二章【六回目の恋】
4.『かっこいい人』>>33 5.『心の変化』>>36 6.『気になる?』>>37 7.『手紙』>>38 
8.『二人のセカイ』>>44 9.『恋』>>45 10.『KISS&YOU』>>50 11.『友情と愛情』>>53
12.『自分の生き方』>>60 13.『甦る気持ち』>>66 14.『好きな所』>>71

第三章【短期間の恋、芽生える恋】
15.『恋愛定義』>>73 16.『芽生えゆく環状』>>74 17.『暖かい気持ち』>>75 18.『気になる人』>>76 
19.『膨らむ気持ち』>>77 20.『朝の出来事』>>98 21.『眩しい二人』>>100 22.『天然発動』>>102 
23.『好きの気持ち』>>117

第四章【七回目の恋】
24.『学校祭一日目』>>118 25.『学校祭二日目』>>119 26.『恋想』>>126 27.『暴露』>>129
28.『天然四天王』>>131 

第五章【メール大作戦】
29.『交換大作戦っ!』>>132 30.『メアド交換』>>133 31.『君への想い、加速中』>>134 
32.『マイナス思考』>>140 33.『空回り×妄想』>>141 34.『メール』>>148

第六章【君×私÷恋=ピンチ】
35.『天然記念物』>>153 36.『恋にピンチはつきものです』>>154 37.『天然観察』>>156 38.『視界の中のキミ』>>159
39.『思わぬ笑顔』>>166 40.『焦る気持ち』>>168 41.『ちっぽけな勇気』>>173 42.『ワガママな想い』>>174
43.『逃走思考』>>176 44.『進む恋時計』>>179 45.『疑問≒期待』>>181 46.『嘘つきな憂鬱』>>183
47.『明日へのココロ』>>185 48.『confession...?』>>198 49.『Panic!!』>>199 50.『天然王子』>>200
51.『恋時雨』>>217 52.『作戦×策戦』>>218 53.『作戦、実行』>>219 54.『とある理由』>>228
55.『reason』>>257 56.『癒思考』>>263

第七章【恋愛と友情】
57.『呼び出し』>>272  58.『残酷Real』>>273 59.『悲痛』>>274 60.『trouble』>>279 
61.『後悔』>>286 62.『despair-絶望-』>>296 63.『謝罪メール』>>297 64.『君の優しさ』>>298
65『過去≒未来』>>303 66.『TimeSlip』>>305 67.『悪口friend』>>309 68.『お手紙friend』>>310 
69.『反省friend』>>312 70.『ごめんねfriend』>>316 71.『ぐちゃぐちゃHeart』>>319 
72.『feeling』>>326 73.『二つの選択』>>332 74.『トモダチ』>>333 75.『気持ちの真実』>>338 
76.『皆の気持ち』>>341 77.『君の気持ち』>>345

第八章【100%の恋心】
78.『甘い妄想』>>346 79.『天然炸裂』>>350 80.『天然lover』>>351 81.『片想いlover』>>356
82.『重なる影』>>360 83.『教訓』>>362 84.『意味深野郎』>>371 85.『嫌々思考』>>372
86.『深々思考』>>373 87.『恋愛思考』>>374 88.『筆談Talk』>>376 89.『一方通行』>>377
90.『気になる発言』>>378 91.『Panic思考』>>379 92.『膨らむ気持ち』>>380
93.『眩しい笑顔』>>381 94.『逃走思考』>>382 95.『Situation』>>399 96.『君の想い人』>>401 
97.『欲張りHeart』>>402 98.『私の知らない、』>>403 99.『恋想色』>>408

第九章【200%のもどかしさ】
100.『モドカシイ、』>>417 101.『言えない言葉』>>426 102.『心理テスト』>>432
103.『気になる会話』>>433 104.『好きの行動』>>434

第二部≪膨らむ蕾≫
第十章【君と私の距離】
105.『LuckyTime!』>>438 106.『君の本音』>>447 107.『遠ざかる距離』>>448
108.『届かない距離』>>452 109.『些細な優しさ』>>453 110.『気まずい関係、』>>454 

第十一章【クリスマス、冬休み】
111.『LoversXmas』>>455 112.『眩しい姿』>>459 113.『急展開メール』>>460 114.『0.1%の期待』>>462
115.『夜の始まり』>>464 116.『壱の伝言』>>465 117.『壱の質問』>>467 118.『ずるい戦法』>>469
119.『新たな決意』>>470 120.『12月31日』>>473 121.『ドッキリ』>>476 122.『悪戯』>>477

第十二章【新学期】
123.『隣』>>479 124.『○cmの距離』>>482 125.『一筋の想い』>>485 126.『大好きな気持ち』>>486
127.『隣の笑顔』>>487 128.『同じ動作』>>493 129.『視線の先』>>494 130.『君の、』>>495

第十三章【それぞれの恋愛事情】
131.『SweetDream』>>499 132.『君の恋事情』>>500 133.『バレンタインの想い出』>>508
134.『バレンタイン計画』>>509 135.『バレンタイン思考』>>512 136.『彼女にするなら、』>>513 
137.『マシな人』>>518 138.『あの子と私』>>519 139.『天然日和』>>522 140.『ドキドキ日和』>>523
141.『速まる鼓動』>>524 142.『問題と解答』>>526 143.『偶然と些細な動作』>>527
144.『救命指導の出来事』>>532 145.『想いの華』>>533 146.『些細な出来事』>>537

第十四章【Valentine†Countdown】
147.『Valentine Countdown』>>539 148.『chocolate』>>540
149.『Valentine Mission』>>549 150.『決戦は月曜日』>>552

第十五章【Valentine】
151.『Valentine当日』>>553 152.『迫る時間』>>554 153.『Bad Valentine』>>559
154.『好きだからこその、』>>560 155.『Valentine後日』>>562 156.『なんともいえない気持ち』>>563

第十六章【諦める方法】
157.『儚い気持ち』>>566 158.『普通』>>567 159.『諦め』>>571 160.『君を嫌いになる方法』>>572
161.『表情』>>576 162.『矛盾≒気持ち』>>577 163.『自然な気持ち』>>582 164.『好きの気持ち』>>583

第十七章【私の気持ち】
165.『嘘をつけない心』>>584 166.『片想いDays』>>586 167.『犬ちゃんとの会話』>>587
168.『偶然≒HAPPY!!』>>588 169.『ほんの些細な出来事』>>589 170.『君を想うだけで、』>>590
171.『単純に、』>>594 172.『抱いた疑問』>>598 173.『健康調査』>>599 174.『片想い的、恋愛論』>>600
175.『私は私なりに』>>603 176.『恋敵出現?』>>604 177.『強い想い』>>607 178.『冷やかし』>>608
179.『思いたくない考え』>>611 180.『志保ちゃんの好きな人』>>612 181.『恋愛の意味』>>619
182.『卒業式』>>621 183.『三月十五日』>>622 184.『Bad Whiteday』>>623
185.『女の勘』>>625 186.『笑顔の理由』>>629 187.『合言葉は、』>>632

188話からを見る際の注意>>633
第十八章【亀裂×波乱】
188.『嫌な予感』>>636 189.『予感的中』>>637 190.『意味深な予感』>>641 191.『謎の理由』>>643
192.『避けたい理由』>>644 193.『その事実、予感的中。』>>645
194.『君の行動』>>647 195.『疾風の言葉』>>650 196.『気になること』>>652 197.『亀裂』>>654
198.『悪夢再来』>>655 199.『暖かい言葉』>>656 

最終章【叶恋華】
200(最終話)『叶恋華』>>658

あとがき>>660






依麻の気持ちイメソン>>63
57〜74話のイメソン>>347

.:*゜..:。:.::.*゜お知らせ&イベント.:*゜..:。:.::.*
返信100&参照222突破記念>>109
返信200&50話突破記念>>215
苺羅様とコラボ企画! 番外編『眉抜きの日』
>>233 >>241 >>245 >>251 >>253
返信400突破記念 番外編『龍くんと壱くんのとある会話』
Scene.1 門外龍の場合(龍目線)>>406
Scene.2 珠紀壱の場合(壱目線)>>407
cast追加&第二部突入のお知らせ>>437
返信500記念(学校紹介)>>507


◆お客様◇(>ω<)カンシャ!

◆苺羅様 ◇宇莉様 ◆闇に光様 ◇あやめ.様 
◆ちか様 ◇偽者様 ◆、璃瑚.様 ◇のの様
◆さわ様 ◇魔王様 ◆ココ様


皆様の温かいコメントに、手が震えてます←
本当にありがとうございます><




作者のモットー(は
【恋をしている皆さんに少しでも共感してもらえる小説を書く!!】
描写下手ですが、自分の想っている恋の感情を素直に表したいと思うので、少しでも共感していただけると嬉しいです^^*

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Re: *叶恋華* +実話+ ( No.603 )
日時: 2011/06/18 01:16
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: SG2pzqrf)
参照: 大好きだぁあぁぁぁぁ←

第百七十五話『私は私なりに』


たくさんの人に愛されるよりも、


たった一人、貴方から愛されたい。


そう思う私は、我侭ですか?


















『壱、恋しちゃったの?』


犬ちゃんのその言葉が、ずっとぐるぐると頭の中を回っている。
恋、こい、コイ……?
あの後の家庭科の時間も、結局作業をほったらかしのまま、ずっとこのことを考えていた。
最近、犬ちゃんと壱は仲いいし——……。
どっちかっていうと、犬ちゃんが壱にべったりしてる感じだけど。
そんな二人は意外に息もピッタリなので、周りからは「さすが、W珠紀」なんて言われている。
まぁ私から見ても、二人はいいコンビで——……。


……って、二人の事じゃなくて!!





そんなこんだで思考がズレながらも、昨日のモヤモヤとした一日終わり——。
現在、朝の会の最中。
しかし、壱は珍しく朝の会で爆睡していた。


……しかも、ジャンパーを着たまま。


「——あの、できればジャンパーを脱いでほしいんですが……」


ジャンパーを着たまま爆睡している壱に、福野は声をかけた。
しかし、壱は爆睡している為、全く反応なし。
それを見た福野は、日誌を教卓に叩きつけた。
朝から派手な音が、鳴り響く。


「壱!!」
「っ!? ——……?」


大きな音と福野の怒声で、壱は慌てて飛び起きた。
そして寝ぼけているのか、辺りを見回して茫然としている。


「……壱、ジャンパー脱いで」
「…………」


周りから笑い声が聞こえ、状況を理解したのか壱は前を向いた。
そしてまだ寝ぼけた顔で、目を擦りながら無言で頷く。
その横顔が見えた私は、思わず目を見開いてしまった。


……っね、寝起きの顔……っ!!
やばい、めっちゃ寝起きの顔可愛い……!!
家でもこうなのかな、こんな寝起きの顔するのかな?
やばい、今日は朝からツイてる気がする——!!


私のテンションは、その出来事で一気に上昇することになった。


**


「——……眠いの?」


朝の会が終了し、一時間目。
壱の前の席の志保ちゃんは、珍しく壱の方を向いてそう呟いた。


「……」


壱は無言で、ゆっくりと頷く。
志保ちゃんは軽く吹きだし、壱の机を軽く叩いた。


「ちょ、壱ー! 目瞑ったまま返事しないでよ!」
「……」
「壱、何時に寝たの?」
「——……時半」
「ふぅーん。志保が殴って起こしてあげよっか?」
「いや……遠慮します」


壱は眠そうな顔で、小さく笑った。
志保ちゃんも壱の方を見て笑みを漏らす。
いいなぁ、志保ちゃんはあんな風に壱と話す事が出来て——。
私にとっては、本当羨ましい。
私もあんな風に、壱と話してみたいよ……。


両想いになりたいなら、まず会話からだろ。
もう半年近く壱が好きなのに、私は会話をするという壁ですら乗り越えていない。
こんなんで壱に好きになってもらえるはずが、ない。
わかってる、そんなのは十分にわかってるけど。


やっぱり、君に好きになってもらわないと意味がないよね。
好きの気持ちがこんなに積もって行く、恋心。


「……」


——君が恋したっていうのが気になるところだけど——。
私は私なりに、頑張ってみるか!!


Re: *叶恋華* +実話+ ( No.604 )
日時: 2011/06/20 21:31
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: GuSqVW3T)
参照: 大好きだぁあぁぁぁぁ←

第百七十六話『恋敵出現?』


昨日はあの後、特に何もなく……。
壱の恋バナを聞くこともなく、普通に平凡な一日だった。


しかし、その平凡もつかの間——。



















「壱、目ぇ瞑ってー?」


数学の時間。
一人の女子が、一人の男子に向かって急接近していた。
ぱっちりとした二重の瞳に、ふっくらとした形のいい唇。
誰が見ても「可愛い」と言える、愛らしい顔の女子。


その少女が顔を近づけている、男子の方は——。
クールでキリッとした瞳に、女子に負けないくらい可愛らしいが、何処か涼しげな感じの唇。
誰が見ても「かっこいい」と言える、クールな感じの男子。


そんな二人は、お互いに見つめ合っていた。
女子の方は男子の方に向かい、可愛らしい笑みでどんどん距離を近づけていく。
しかし男子の方は、それに戸惑う様に両手を前に出していた。


「——ちょ、待って」
「いいから! 目、瞑ってってばぁー!」
「ちょい待ち、待て!」


必死に抵抗する男子——珠紀壱。
そして必死に壱に接近する女子——高木志保。
この会話だけみたら、彼氏にキスを迫る彼女……みたいだよね。


というか、どう見ても美男美女カップルにしか見えないのですが。


「志保、犬じゃないから待て出来ない」
「ちょ、待て! 待て待て」
「目瞑ってよ〜!」


最近……というか、昨日から。
志保ちゃんは、なんだか壱にベタベタしていた。
今まで志保ちゃんは授業中も爆睡していたのに、今はちゃんと起きて、後ろの席の壱と楽しくお喋りをしている。
昨日はそこまで気にならなかったが、今日はボディータッチしたり、授業中は毎回振り向いて壱の事を見つめたり……。


「壱、目瞑ってーっ!!」
「待ってってば、待て!」


こんな、キスを迫る恋人みたいな会話をしたり。
……正直、バリバリ二人が見える席に居る私にはキツイ光景であった。
しかも一昨日、壱が恋をしたっていうのを聞いたばっかりだし。


これが噂の、不幸のダブルパンチってやつですか?


「——いやぁ〜っ! 壱のケチ!! もういい、叶汰にやるぅ」


志保ちゃんは拗ねて、壱からターゲットを叶汰に変えた。
第一のイケメン壱の次は、第二のイケメン叶汰かいっ!!
心の中でそうツッコミを入れながらも、何処か安心している私が居た。


しかし、これはまだ序の口。
そう、朝メシ前くらいの不幸だって事を——。


私は、後から知ることになる。




















**


「——ね、壱ぃ〜。ホテル行こぉ?」


ホ テ ル !?
ちょ、まっ、え!?
今、聞いてはいけないものを聞いてしまったような……。


只今、国語の時間。
私は福野の授業そっちのけで、志保ちゃんと壱に注目した。
見れば壱も驚いた表情をしており、言葉を発した志保ちゃんと、壱の隣の優が笑っている。


「……っごめん、俺、門限だからっ」
「門限って、早〜!!」
「うける壱〜! ……ね、ちょっと優、壱に『ホテル行こ』って言ってみて〜!!」


何 言 っ て る の こ の 人
ホテルって、え、え、え、え。
思春期の私達が、授業中にそんな話をしてもいいのだろうか。
うん、しかも志保ちゃんが可愛らしい顔に似合わない事を言うなんて——。


そう思っていると、優は手を伸ばした。
手を伸ばした先は——……。


「……ね、壱」


壱の背中、だった。
その優しげに見えるけれど男の子らしい背中に向かって、優は手を置いた。
一瞬の出来事だったが、私にとってはとてもゆっくりな動作に見えた。


「一緒に、ホテル行こう?」


——優のその声が、やけに大きく聞こえたのは気のせいだろうか。
一気に私の頭の中は真っ白になり、その優の言葉だけが木霊していた。


「——ちょ……っ! なんで壱、何も言わないのぉ!?」


壱がずっと黙ったままなので、優は壱の背中を軽く叩いた。
その光景に、少しだけ胸が痛む。


「……いやぁ、俺、門限だから! もう十分も過ぎちゃってる」
「ちょ」


優は吹き出し、大声で笑った。
壱も笑みを浮かべている。
すると志保ちゃんが壱の顔を見つめたまま、こういった。







         「壱、絶対照れてるしょ〜!」








……照 れ て る?


「……って、照れてない!」


志保ちゃんの言葉に、壱はそう言い放って顔を伏せた。
志保ちゃんは笑いながら、壱の顔を覗き込む。


「照れてるよね?」


壱は伏せたまま、首を横に振っている。
しかし志保ちゃんも優もそれを信じず、笑みを浮かべたまま壱に指を差した。


「絶対照れてるっしょ〜」
「壱、ホテル行こうよ?」


志保ちゃんのからかいに、優のホテル行こう発言。
それに対し壱は、信じられない一言を言った。


















       「……ちょ、照れるからやめてっ」
























照 れ る か ら や め て !?
な、なぁぁぁぁぁぁぁ!?
照れ、照、て……?
が———ん。


「あはははは、壱うける〜!!」


優と志保ちゃんは、壱に向かって大爆笑していた。
しかしその楽しそうな光景も目に入らず、ただ茫然とする私。
……お遊びでふざけてんのはわかるけど、ちょっとダメージが……。
しかもただでさえ壱に向かって接近してさ。
顔がクラス一可愛い志保ちゃんが上目遣いで言うんだから……。
優もなんだかんだ言ってモテてるし、二人してやめてほしいよ……。


ただそこから見てることしか出来ない私は。
勝手に嫉妬して、勝手に傷つくことしかできなかった。

Re: *叶恋華* +実話+ ( No.605 )
日時: 2011/06/21 00:44
名前:   苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: xe6C3PN0)
参照:   ▼ はやく7月になれ!




ちょ、志保ちゃん壱になにしてるっっっ←
こんなことされたら、嫌だよね……
やばいな(汗)

Re: *叶恋華* +実話+ ( No.606 )
日時: 2011/06/27 16:15
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: qNIh9ax1)
参照: 大好きだぁあぁぁぁぁ←

>>605
本当ね、壱に何してるんだ←
もうこの時は辛かった;ω;
ヤキモチ焼いちゃいけない、と思いながらも……←
二年生の三月の話だから、大分前の事だけどね(ぇ

Re: *叶恋華* +実話+ ( No.607 )
日時: 2011/06/27 16:43
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: qNIh9ax1)
参照: 大好きだぁあぁぁぁぁ←

第百七十七話『強い想い』


こんなにも強く想ってるのに。


どうして、あなたには届かないの?











次の日——。


「ねぇ、壱〜!」


今日の授業中も、志保ちゃんは壱にベタベタしている。
私がヤキモチを焼く資格なんてないけれど——。
でもやっぱり、イライラしてしまう。


だって、壱があんな風に女の子と話す姿、初めて見たから。
壱は普段、女の子とあんな風に喋らない。
なのに——……。


「俺、チラ見されるの——なんだよね」


頭の中の想いを遮られるように、壱の声が聞こえてきた。
ふと顔を上げて壱の方を見ると、志保ちゃんと何やら話している。
……何、話してるの?


「イライラする」


耳を傾けていると、そんな壱の声がはっきり聞こえてきた。
チラ見……イライラ、する?
——私のこと?
私が壱に対して、チラ見しちゃうから?


一瞬にして、不安がいっぱいになる。
もしかして、ずっと壱は私に対してイライラしてたの——?
そうじゃないと、信じたい。
信じたいけれど——……、


「壱さぁ、彼女とか作らないの?」


志保ちゃんのその言葉に、おかしなくらい心臓が飛び跳ねた。
壱は何かを呟いているが、声が小さくて聞こえない。


「壱、彼女いてもおかしくないのに」
「……」
「モテ——……」


志保ちゃんの声も、壱の声も聞き取れない。
いや、もしかしたら私は聞き取らないようにしていたのかもしれない。


「壱、面白いし優しいし……」


やめて。


「ていうか、優しすぎるもん〜!」


やめてよ。
心の中が、ざわざわして。
志保ちゃんの言葉だけが、妙にはっきりと聞こえてきた。


「……っ」


志保ちゃんは、壱のことが好きなの?
やだやだやだ。
そんな笑顔で、壱を褒めないでよ。
そんなに壱に近づかないで。


心に黒い塊が留まるような感覚がするのと同時に、急に切なくなった。
……私、嫉妬してる。
自分が近づけないからって。
片想いだからって。
彼女じゃないのに、嫉妬している。


「——じゃあさ! その人だけに好きって言われるのと、皆から好きって言われるの、どっちがいい?」
「……その人だけ」


志保ちゃんのはっきりした声に、今度は壱のはっきりした声が聞こえた。
一気に胸が、締め付けられる。
私の『好き』は、壱にとっては皆から『好き』って言われる中の一つなのかな。
その人だけに『好き』って言われる気持ち。
そんな気持ちは、どんな気持ちなのかな。


私は、壱が好き。
だから壱だけに『好き』って言われたい。
だけど壱は、どう思ってる?
私の事を、どう見てる?
ただのクラスメート?
転校生?


恋愛って、難しいよね。
自分だけが想っていても、相手が想っていなければ——。
自分の想いは、ただの一方通行になる。
つまりは、ただの片想い。
私の想いは、一方通行。


「……」


がむしゃらに進むくせに、砕けるのが怖くて、ただ見てるだけの想い。
溢れる気持ちを止められないくらい、『好き』って想う。


……それだけの想いじゃ、駄目なのかな。


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