コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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*叶恋華* +実話+ 【完結】
日時: 2011/07/12 23:31
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: JiXa8bGk)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=19180

一生懸命、想いを伝えるよ。
恋を実らせるよ。
愛を描くよ。


華は、優しく貴方を想う。



         『いつかは、叶いますように』







※57話〜74話
188〜200話
シリアス注意!

(●´・ω・)ノ☆☆☆HELLO☆☆☆☆ヽ(・ω・`○)

*2010.3/25*第一期『*切恋華*』完結!!
*2010.4/6*第二期、*切恋華*の続編『*君想華*』すたーと
*2011.1/25*『*君恋華*』完結!!
*2011.1/25*『*叶恋華*』すたーと
*2011.7/12*『*叶恋華*』完結!!


+2011.1/23+
作者、長期休養から復活いたしました!!


↑のURLは前スレ←
一応この小説は実話を元にしたお話です^ω^b
現在進行形の、作者の恋愛です。
依麻の思考とかは、少し手を加えています←
あと、セリフも思い出せる限りメモしてるのですが……全てが正確という訳ではないので、ご理解お願いします。
しかし更新がノロすぎて、現在の更新状況は【二年生3月の出来事】になっております0Д0
頑張って現在の【三年生7月の出来事】になるよう、なるべく頑張って更新したいと思いますので、よろしくお願します!

作者の名前一覧*
絵磨◆VRtMSlYWsU
絵磨(携帯)


       掲 示 板 編 集 中 !
(今は見づらいですが、次第に見やすくなるように修正していきます><)

☆注意☆
*実話をもとにしていますが、細かいところや市名や名前、全部仮名&フィクションです
*基本フリーダムな書き方です←
*馬鹿な作者は恋すると更に馬鹿になりますので、自意識過剰が酷くなると思います; それにつれ色々むかつく点がチラホラ出てくると思いますが、暖かい目で見守って下さると嬉しいです;ω;
*中傷・ケンカは×!!
*長編なので、ぜひ! 暇つぶしに読んでください♪
*今年受験の身なので、更新が更に亀になる場合も…
*作者は中学生です。精神年齢はそれ以上に低いので絡む際にはお気を付け下さい。
*文章力ないので、勉強中です。描写なども下手くそなので、ぜひアドバイスしてくださると嬉しいです^^*
*コメ返しなどで「w」や顔文字など乱用します(特に「w」)ので、苦手な方はご注意ください。
*小説内でメールや手紙の時だけ絵文字顔文字が使われます。ご理解頂けると嬉しいです!



≪だいすき、≫
この想いは、いつ君に届くのかな?


【*叶恋華*】
         〜↑目次↑〜

prologue-ぷろろーぐ->>1
MainCast-めいんきゃすと->>2
classmateⅠ-くらすめーとⅠ->>8
classmateⅡ-くらすめーとⅡ->>121
classmateⅢ-くらすめーとⅢ->>437

第一部≪始まりの華≫
第一章【真夏の転校生】
1.『光葉中学校』>>15 2.『豹変』>>18 3.『転校生』>>21

第二章【六回目の恋】
4.『かっこいい人』>>33 5.『心の変化』>>36 6.『気になる?』>>37 7.『手紙』>>38 
8.『二人のセカイ』>>44 9.『恋』>>45 10.『KISS&YOU』>>50 11.『友情と愛情』>>53
12.『自分の生き方』>>60 13.『甦る気持ち』>>66 14.『好きな所』>>71

第三章【短期間の恋、芽生える恋】
15.『恋愛定義』>>73 16.『芽生えゆく環状』>>74 17.『暖かい気持ち』>>75 18.『気になる人』>>76 
19.『膨らむ気持ち』>>77 20.『朝の出来事』>>98 21.『眩しい二人』>>100 22.『天然発動』>>102 
23.『好きの気持ち』>>117

第四章【七回目の恋】
24.『学校祭一日目』>>118 25.『学校祭二日目』>>119 26.『恋想』>>126 27.『暴露』>>129
28.『天然四天王』>>131 

第五章【メール大作戦】
29.『交換大作戦っ!』>>132 30.『メアド交換』>>133 31.『君への想い、加速中』>>134 
32.『マイナス思考』>>140 33.『空回り×妄想』>>141 34.『メール』>>148

第六章【君×私÷恋=ピンチ】
35.『天然記念物』>>153 36.『恋にピンチはつきものです』>>154 37.『天然観察』>>156 38.『視界の中のキミ』>>159
39.『思わぬ笑顔』>>166 40.『焦る気持ち』>>168 41.『ちっぽけな勇気』>>173 42.『ワガママな想い』>>174
43.『逃走思考』>>176 44.『進む恋時計』>>179 45.『疑問≒期待』>>181 46.『嘘つきな憂鬱』>>183
47.『明日へのココロ』>>185 48.『confession...?』>>198 49.『Panic!!』>>199 50.『天然王子』>>200
51.『恋時雨』>>217 52.『作戦×策戦』>>218 53.『作戦、実行』>>219 54.『とある理由』>>228
55.『reason』>>257 56.『癒思考』>>263

第七章【恋愛と友情】
57.『呼び出し』>>272  58.『残酷Real』>>273 59.『悲痛』>>274 60.『trouble』>>279 
61.『後悔』>>286 62.『despair-絶望-』>>296 63.『謝罪メール』>>297 64.『君の優しさ』>>298
65『過去≒未来』>>303 66.『TimeSlip』>>305 67.『悪口friend』>>309 68.『お手紙friend』>>310 
69.『反省friend』>>312 70.『ごめんねfriend』>>316 71.『ぐちゃぐちゃHeart』>>319 
72.『feeling』>>326 73.『二つの選択』>>332 74.『トモダチ』>>333 75.『気持ちの真実』>>338 
76.『皆の気持ち』>>341 77.『君の気持ち』>>345

第八章【100%の恋心】
78.『甘い妄想』>>346 79.『天然炸裂』>>350 80.『天然lover』>>351 81.『片想いlover』>>356
82.『重なる影』>>360 83.『教訓』>>362 84.『意味深野郎』>>371 85.『嫌々思考』>>372
86.『深々思考』>>373 87.『恋愛思考』>>374 88.『筆談Talk』>>376 89.『一方通行』>>377
90.『気になる発言』>>378 91.『Panic思考』>>379 92.『膨らむ気持ち』>>380
93.『眩しい笑顔』>>381 94.『逃走思考』>>382 95.『Situation』>>399 96.『君の想い人』>>401 
97.『欲張りHeart』>>402 98.『私の知らない、』>>403 99.『恋想色』>>408

第九章【200%のもどかしさ】
100.『モドカシイ、』>>417 101.『言えない言葉』>>426 102.『心理テスト』>>432
103.『気になる会話』>>433 104.『好きの行動』>>434

第二部≪膨らむ蕾≫
第十章【君と私の距離】
105.『LuckyTime!』>>438 106.『君の本音』>>447 107.『遠ざかる距離』>>448
108.『届かない距離』>>452 109.『些細な優しさ』>>453 110.『気まずい関係、』>>454 

第十一章【クリスマス、冬休み】
111.『LoversXmas』>>455 112.『眩しい姿』>>459 113.『急展開メール』>>460 114.『0.1%の期待』>>462
115.『夜の始まり』>>464 116.『壱の伝言』>>465 117.『壱の質問』>>467 118.『ずるい戦法』>>469
119.『新たな決意』>>470 120.『12月31日』>>473 121.『ドッキリ』>>476 122.『悪戯』>>477

第十二章【新学期】
123.『隣』>>479 124.『○cmの距離』>>482 125.『一筋の想い』>>485 126.『大好きな気持ち』>>486
127.『隣の笑顔』>>487 128.『同じ動作』>>493 129.『視線の先』>>494 130.『君の、』>>495

第十三章【それぞれの恋愛事情】
131.『SweetDream』>>499 132.『君の恋事情』>>500 133.『バレンタインの想い出』>>508
134.『バレンタイン計画』>>509 135.『バレンタイン思考』>>512 136.『彼女にするなら、』>>513 
137.『マシな人』>>518 138.『あの子と私』>>519 139.『天然日和』>>522 140.『ドキドキ日和』>>523
141.『速まる鼓動』>>524 142.『問題と解答』>>526 143.『偶然と些細な動作』>>527
144.『救命指導の出来事』>>532 145.『想いの華』>>533 146.『些細な出来事』>>537

第十四章【Valentine†Countdown】
147.『Valentine Countdown』>>539 148.『chocolate』>>540
149.『Valentine Mission』>>549 150.『決戦は月曜日』>>552

第十五章【Valentine】
151.『Valentine当日』>>553 152.『迫る時間』>>554 153.『Bad Valentine』>>559
154.『好きだからこその、』>>560 155.『Valentine後日』>>562 156.『なんともいえない気持ち』>>563

第十六章【諦める方法】
157.『儚い気持ち』>>566 158.『普通』>>567 159.『諦め』>>571 160.『君を嫌いになる方法』>>572
161.『表情』>>576 162.『矛盾≒気持ち』>>577 163.『自然な気持ち』>>582 164.『好きの気持ち』>>583

第十七章【私の気持ち】
165.『嘘をつけない心』>>584 166.『片想いDays』>>586 167.『犬ちゃんとの会話』>>587
168.『偶然≒HAPPY!!』>>588 169.『ほんの些細な出来事』>>589 170.『君を想うだけで、』>>590
171.『単純に、』>>594 172.『抱いた疑問』>>598 173.『健康調査』>>599 174.『片想い的、恋愛論』>>600
175.『私は私なりに』>>603 176.『恋敵出現?』>>604 177.『強い想い』>>607 178.『冷やかし』>>608
179.『思いたくない考え』>>611 180.『志保ちゃんの好きな人』>>612 181.『恋愛の意味』>>619
182.『卒業式』>>621 183.『三月十五日』>>622 184.『Bad Whiteday』>>623
185.『女の勘』>>625 186.『笑顔の理由』>>629 187.『合言葉は、』>>632

188話からを見る際の注意>>633
第十八章【亀裂×波乱】
188.『嫌な予感』>>636 189.『予感的中』>>637 190.『意味深な予感』>>641 191.『謎の理由』>>643
192.『避けたい理由』>>644 193.『その事実、予感的中。』>>645
194.『君の行動』>>647 195.『疾風の言葉』>>650 196.『気になること』>>652 197.『亀裂』>>654
198.『悪夢再来』>>655 199.『暖かい言葉』>>656 

最終章【叶恋華】
200(最終話)『叶恋華』>>658

あとがき>>660






依麻の気持ちイメソン>>63
57〜74話のイメソン>>347

.:*゜..:。:.::.*゜お知らせ&イベント.:*゜..:。:.::.*
返信100&参照222突破記念>>109
返信200&50話突破記念>>215
苺羅様とコラボ企画! 番外編『眉抜きの日』
>>233 >>241 >>245 >>251 >>253
返信400突破記念 番外編『龍くんと壱くんのとある会話』
Scene.1 門外龍の場合(龍目線)>>406
Scene.2 珠紀壱の場合(壱目線)>>407
cast追加&第二部突入のお知らせ>>437
返信500記念(学校紹介)>>507


◆お客様◇(>ω<)カンシャ!

◆苺羅様 ◇宇莉様 ◆闇に光様 ◇あやめ.様 
◆ちか様 ◇偽者様 ◆、璃瑚.様 ◇のの様
◆さわ様 ◇魔王様 ◆ココ様


皆様の温かいコメントに、手が震えてます←
本当にありがとうございます><




作者のモットー(は
【恋をしている皆さんに少しでも共感してもらえる小説を書く!!】
描写下手ですが、自分の想っている恋の感情を素直に表したいと思うので、少しでも共感していただけると嬉しいです^^*

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Re: *叶恋華* +実話+ 47話あっぷ! ( No.198 )
日時: 2011/02/13 03:18
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: C/uisxMB)
参照: 動けないアタシが こんなに嫌いで仕方ない (by.自己嫌悪

第四十八話『confession...?』


次の日——。
いよいよやってきました、九日!!


「……っ」
「待っててね、依麻! 今、壱呼んでくるから」


ついに告白か……!
放課後の騒がしい廊下の隅で、私は壁に寄りかかって深呼吸をしていた。
由良たち壱を呼んでくれるみたいだけど……、うまくいくかな?


今日はいつも以上に視線を送ってみたけど……。
少しでも、意識してもらえたかな?
——なんて、そんなに人の気持ちは簡単じゃないよね。
簡単にうまくいく恋愛なんて、長続きしないに決まってる。
そんなの、本気の恋じゃないに決まってる——。


……ていうか、なんか私の周りに人群がりすぎじゃない?
!!
由良達、壱を呼びに行ったまま帰ってこないし……。
や、やばい心臓が飛び出そう……!!


「——依麻!」


心拍数が半端ない位になった瞬間、由良の声が聞こえてきた。
由良を見て、私は目を見開く。


壱 い な く な い ?


「い、壱は……?」
「壱ね、なんか——……」
「っ!?」


由良が喋るのを遮るように、私の中での時が止まった。
そう、私の目の前に——……。


壱がいるからだ。


「……っ」


ふ、不意打ち……ですか?
そう思いながら壱の顔を見上げると、壱の顔は見事に真っ赤であった。
わ、そ、そんな、告白する前に真っ赤になるなんて……。
こっちまで、顔が真っ赤に——……。


そう思った瞬間、


「——……っあーっ!!」


壱がそう叫び、私に背を向けて去って行ってしまった。
え、ちょ待って!?
私まで告ってないんだけど……なぁ……。


「……依麻、今日はやめた方がいいかも」
「え?」


横から由良が小さな声で呟き、私は勢いよく顔を上げた。
今日はやめた方がいいって……、どういうこと?


「壱、キレモードみたいだから」
「……はい?」


キ レ モ ー ド ?


「え、な、なんで?」
「よくわかんないけど……。——今、もう一回聞いてくる」


由良はそう言って、壱の後を追った。
私は壁に寄りかかったまま力が抜け、その場に座り込んだ。


キレモード?
私、何かした?
え、告白しようと思って呼び出したのが駄目だったの——?


め、迷惑だったのかな……?
さっき顔赤くなってたのは、怒ってたからなのかな……!?
何はともあれ、私……。


壱 を 怒 ら せ た ?


「——依麻、聞いてきたよ!」
「……由良……、」
「なんか壱がね、『部活だから無理』って言って走ってっちゃった」


ぶ、部活があったのか……。
なんてこった、計算ミス。


「壱ね、呼び出してもなかなか来ないんだよね〜。どうしても来い! って説得しても、全然聞かないし。だから最初、『二秒ならいいよ』なんて言い出すし」
「……」


無茶苦茶やん。
二秒って、沈黙で終わっちゃうじゃないか。


「だからね、志保に頼んで無理矢理……」


……って、おい!
志 保 ち ゃ ん に 言 っ た ん か い !


「……あぁぁ……」


終わった……。
志保ちゃんに知られるなんて。
しかも絶対色んな人みてたよね、その一部始終を——。


絶対、クラスのほとんどの人に知られた。
もう、明日どんな顔して学校行けば——……!?


告白は失敗するわ、
クラスのほとんどに知られるわ……。




         水城依麻、最悪な状況であります。

Re: *叶恋華* +実話+ 47話あっぷ! ( No.199 )
日時: 2011/02/13 04:02
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: C/uisxMB)
参照: 動けないアタシが こんなに嫌いで仕方ない (by.自己嫌悪

第四十九話『Panic!!』


次の日——……。


「——依麻の席、ここだってー!」
「…………」


新しくなっている、席——。
私は教卓の近くで、茫然としていた。
なんで、なんでよりによって——……。


私 の 席 の 斜 め 後 ろ に 壱 が い る の !?


「……っ」


告白未遂した次の日という、気まずい時に——。
こんなツイてない事ってない。
席近いのは嬉しい、嬉しいけど!!
でもよりによって、なんで今の時期なのかなぁ……。


右隣には、秋野弘人——……無口なヒロだね。
私の後ろは……、イカつい坊主頭の門外龍。
そして前の席が、立嶋冬香ちゃん。
左隣が黒島直樹で……。
直樹の後ろ……つまり、私の左斜め後ろが壱かぁ……。
そんな壱の左隣には、優がいる。


何なんですか、この周り。
私はそう思いながら恐る恐る席に着き、カバンの中から筆箱などを取り出した。
すると、


「——壱、昨日なんで帰ったの〜?」


龍が、笑みを浮かびながらそう言った。
坊主ぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!
私の心の中は、一瞬にして凍りついた。


「……別に」


壱は龍に向かって、そう冷たく言い放った。
私はこれでいいと思った。
しかし、龍はまだ爆弾を放り込むのです。


「ふふふっ、壱昨日さ〜」


龍は笑みを浮かべ、しつこく壱に言う。
やめてください、龍さん。
そんな私の願いも虚しく——。
周りの男子も群がってきた。


「壱昨日何言われたの?」
「壱さぁ、」
「ねぇ、壱」


男子達が壱を囲み、次々と口を開いた。
こ、こんなに見られてたのか昨日の出来事……!!
新手の嫌がらせにしか思えない、この空気。


「まじで昨日、何言われたの?」
「……何も言われてない」


壱はそう一言だけ呟き、あとは黙ってしまった。
やばいよ、これ。
この壱の態度、絶対怒ってるよね。
クラスに居づらいよ、私。


告白未遂だし、壱はキレるし、周りはうるさいし——。
もう駄目だ、頭がパニックあははははははは。




私はただ、混乱することしか出来なかった。


Re: *叶恋華* +実話+ 47話あっぷ! ( No.200 )
日時: 2011/02/13 05:20
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: C/uisxMB)
参照: 沈む夕日に秋の綿雲が溶け合うように恋は哀しい (by.BadSweets

第五十話『天然王子』


**


二時間目、国語の授業——。
この最悪な状況の時に限って、福野の授業が入っているとは……。
とことんツイてない……、とほほ。


「——今日の授業は、実演してもらいたいと思います」


実演……。
楽な授業の内容なのに、上がらないテンション。
私は小さく溜息をつき、溶けそうな勢いで伸びていた。


「——じゃあ、ちょっきの班ね! 実演してみて」
「えぇ!?」


隣の班——……直樹の班が当てられた。
直樹の班って事は……つまり、壱が居る訳で。


「遅刻して怒られる役を一人決めて。誰がいい?」
「えぇぇ……。——ここは、いっちゃんでしょ」
「は? な、なんで俺?」


直樹が役を壱に押し付ける。
すると直樹の横に居た犬ちゃんも笑みを浮かべた。


「壱、やってよ! 俺も壱推薦するわー」
「犬ちゃんまで……。——わかったよ、やるよ」


犬ちゃんと直樹に勧められ、壱は『遅刻して怒られる役』を引き受けた。
すると福野は一人、目を輝かせて喜んでいた。


「じゃあ壱! あんたは『毎日遅刻して怒られてる上に、態度が最悪な奴』の設定ね!! あたしも本気で怒るから、ちゃんと演技しろよ!」
「わかりましたよ」


福野は壱を椅子に座らせ、そう言った。
壱は軽く頭をかき、だるそうに返事をする。


「直樹たちもエキストラね! そこに居て! 犬ちゃんは壱の親友役!」
「俺、壱の親友設定?」
「ここは放課後の教室ね! よし、始めるよ! 皆ちゃんと見てろよー!!」


福野は声を張り上げてそう言い、辺りが一瞬静まり返った。


「……てめぇ、わかってるのか?」


おぉっと、いきなり始まったみたいですね。
福野は壱に一歩一歩近付きながら、低い声で怒る演技をしている。
……結構、本格的な感じだ。


「お前、今月に入って何回遅刻してると思ってんのよ?」
「……」
「毎日だぞ? 毎日! やる気あんのか?」


福野はそう言って、壱を睨んだ。
壱はよそ見をし、態度の悪い役を演じている。


「お前のせいで、同じ班の奴らがどれだけ困ってるのかわかってんのか?」
「……はぁ……」


壱は溜息をつき、足組んでだるそうに頬杖ついた。
え、演技だとしてもかっこいい……。


「毎回、親に起こされなきゃ起きねぇのか? お前は」
「……」
「中二にもなって、カッコ悪いと思わねぇのか?」
「……はいはい」


壱はだるそうに返事をし、机の上に足を乗っけた。
壱の態度の悪い迫真の演技に、皆真剣な顔で吸い込まれている。
すると、


「聞いてんのかてめぇ!!」


福野も迫真の演技で、壱の机を思い切り蹴っ飛ばした。
派手な音が教室に響き、張りつめた空気に皆は息をのむ。


「……」


福野の演技に対し、壱も負けじと睨みをきかせて態度を悪くしている。
い、壱も福野も演技うまい……。
私も気づかぬうちに、二人の演技を真剣に見入っていた。


「——てめぇ、少し頭冷やして考えてろ。……じゃあ、ここであたし退場すっから。壱は独り言よろしく」
「え? 独り言?」
「明日は絶対遅刻しないぞーみたいな」


福野はそう言い、壱を一人残した。
壱は一瞬戸惑うが、


「……はぁ〜……」


溜息をついて、また演技モードに入った。
皆は再び壱の演技を見入り始める。


「明日はぁ、絶対遅刻〜しなぁいっ!」


壱はそう言って、椅子の背もたれに寄りかかる。
壱の言い方がなんだか面白くて、皆は笑い始めた。
しかし壱は、演技を続ける。


「はあぁぁーあ、明日は絶対! 遅刻しなーぁい」
「——はい、じゃあここで親友の犬ちゃん登場!」
「え? あ、」


福野の指示に戸惑いながらも、親友役の犬ちゃんは壱に近付いた。
何故か犬ちゃんの手には、水のりが装備されている。


「……大丈夫?」


犬ちゃんが水のりを持ったまま、壱にそう言った。
壱は犬ちゃんの顔を見上げ、二人は数秒間見つめ合う。


「——はい、じゃあここでアドリブ会話!」
「えぇ!?」


またまた福野の突然の指示で、犬ちゃんは戸惑い始める。
壱と犬ちゃんの間に沈黙が流れた。


「……おはよ」
「……っあ、壱おはよ」


沈黙を破った壱は、爽やかに挨拶をした。
犬ちゃんも笑みを浮かべ、挨拶し返す。


「ごめん、壱。設定放課後だから」
「え」


福野が笑い出し、皆も笑い始めた。
壱も小さく笑い、新しいアドリブを口に出した。


「怒られちゃった」


そう無邪気に笑う壱。
そ、その笑顔やばい……!
私は身を乗り出すような形で、壱の演技を見ていた。


「……う、ウん。——あ、コレ水のりデス」
「え、あ……。ありがと」
「元気ダシテネ」


親友を慰める為のプレゼント……、水のり。
その犬ちゃんの発想と、棒読みに近いカタコトが面白さを引き立たさせた。


「——はい、カット! 犬ちゃん演技下手!!」
「だ、だって俺〜……」
「犬ちゃんクビ! はい、ちょっき達!! 壱の班員、皆で壱のところ行って!」


福野がそうテキパキと指示を出す。
あーあ、犬ちゃん耳垂れちゃってるし……。
可愛い。


「じゃあちょっき、壱に何か言葉をかけて」
「え、あ……。えーと、」


福野の指示、突然過ぎますよ。
ちょっきは少し戸惑いながら、壱の前に立った。


「……いっちゃん、明日は頑張って」


ちょっきはそう言って、ぎこちない笑みを浮かべた。
すると壱は立ち上がり、


「明日は絶対、遅刻しないぜ☆キラッ」


わざわざ星マークをつけて、そう笑った。
それと同時に教室は大爆笑が巻き起こる。
福野が拍手をし、皆も拍手をする。
こうして、壱の決め台詞で実演は幕を閉じた。


「お疲れ様〜。いやぁ、壱の演技うまいわ! あたしも演じやすかった!!」
「うんうん、めっちゃうまかった!」
「凄いわ〜」


福野はそう言って笑みを浮かべた。
周りの皆も次々に壱を褒める。
……でも、本当に壱の演技はうまかったなぁ……。
思わず見入っちゃったもん。


「壱かっこいいわー」
「まじ惚れるわ、壱」


男子たちが壱に向かって次々とそう言った。
私も惚れたよ、うん。
壱の演技、本当かっこよかった。


「光葉のプリンスだべ〜。まじ全部がイケメン」


吉澤がそう言い、クラスは笑いに包まれた。
光葉のプリンス……。
王子様、かぁ——……。


「……」


壱が王子様になった事を想像して、小さくニヤけた私は、変質者だと思う今日この頃。

Re: *叶恋華* +実話+ 47話あっぷ! ( No.201 )
日時: 2011/02/13 05:27
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: C/uisxMB)
参照: 沈む夕日に秋の綿雲が溶け合うように恋は哀しい (by.BadSweets

200&50話達成←
なんか早いですねえ……www

更新は、まだまだたまっております←
もうバレンタインに間に合わないわこれ←
明日はいよいよバレンタインですね0Д0
今日、起きたらチョコ作る予定です←

とりあえず、眠いので寝ます!ww
明日は忙しいのでパソコン出来るかわかりませんが、出来たらしますw
その時に200&50話達成記念、やろうかな(ぇ

……では、おやすみなさい!
もう皆さん寝てると思いますけど←
では(・ω<)ノ

Re: *叶恋華* +実話+ 50話達成! ( No.202 )
日時: 2011/02/13 12:58
名前:  苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: 7zw0g7CO)
参照:   ▼ 全力で生きるし!(は



うぉおお〜国語でそんな授業あるんだ!!
楽しそうだね←
いいなぁ〜ってか、福野怖い(ぇ


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