コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- *叶恋華* +実話+ 【完結】
- 日時: 2011/07/12 23:31
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: JiXa8bGk)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=19180
一生懸命、想いを伝えるよ。
恋を実らせるよ。
愛を描くよ。
華は、優しく貴方を想う。
『いつかは、叶いますように』
※57話〜74話
188〜200話
シリアス注意!
(●´・ω・)ノ☆☆☆HELLO☆☆☆☆ヽ(・ω・`○)
*2010.3/25*第一期『*切恋華*』完結!!
*2010.4/6*第二期、*切恋華*の続編『*君想華*』すたーと
*2011.1/25*『*君恋華*』完結!!
*2011.1/25*『*叶恋華*』すたーと
*2011.7/12*『*叶恋華*』完結!!
+2011.1/23+
作者、長期休養から復活いたしました!!
↑のURLは前スレ←
一応この小説は実話を元にしたお話です^ω^b
現在進行形の、作者の恋愛です。
依麻の思考とかは、少し手を加えています←
あと、セリフも思い出せる限りメモしてるのですが……全てが正確という訳ではないので、ご理解お願いします。
しかし更新がノロすぎて、現在の更新状況は【二年生3月の出来事】になっております0Д0
頑張って現在の【三年生7月の出来事】になるよう、なるべく頑張って更新したいと思いますので、よろしくお願します!
作者の名前一覧*
絵磨◆VRtMSlYWsU
絵磨(携帯)
掲 示 板 編 集 中 !
(今は見づらいですが、次第に見やすくなるように修正していきます><)
☆注意☆
*実話をもとにしていますが、細かいところや市名や名前、全部仮名&フィクションです
*基本フリーダムな書き方です←
*馬鹿な作者は恋すると更に馬鹿になりますので、自意識過剰が酷くなると思います; それにつれ色々むかつく点がチラホラ出てくると思いますが、暖かい目で見守って下さると嬉しいです;ω;
*中傷・ケンカは×!!
*長編なので、ぜひ! 暇つぶしに読んでください♪
*今年受験の身なので、更新が更に亀になる場合も…
*作者は中学生です。精神年齢はそれ以上に低いので絡む際にはお気を付け下さい。
*文章力ないので、勉強中です。描写なども下手くそなので、ぜひアドバイスしてくださると嬉しいです^^*
*コメ返しなどで「w」や顔文字など乱用します(特に「w」)ので、苦手な方はご注意ください。
*小説内でメールや手紙の時だけ絵文字顔文字が使われます。ご理解頂けると嬉しいです!
≪だいすき、≫
この想いは、いつ君に届くのかな?
【*叶恋華*】
〜↑目次↑〜
prologue-ぷろろーぐ->>1
MainCast-めいんきゃすと->>2
classmateⅠ-くらすめーとⅠ->>8
classmateⅡ-くらすめーとⅡ->>121
classmateⅢ-くらすめーとⅢ->>437
第一部≪始まりの華≫
第一章【真夏の転校生】
1.『光葉中学校』>>15 2.『豹変』>>18 3.『転校生』>>21
第二章【六回目の恋】
4.『かっこいい人』>>33 5.『心の変化』>>36 6.『気になる?』>>37 7.『手紙』>>38
8.『二人のセカイ』>>44 9.『恋』>>45 10.『KISS&YOU』>>50 11.『友情と愛情』>>53
12.『自分の生き方』>>60 13.『甦る気持ち』>>66 14.『好きな所』>>71
第三章【短期間の恋、芽生える恋】
15.『恋愛定義』>>73 16.『芽生えゆく環状』>>74 17.『暖かい気持ち』>>75 18.『気になる人』>>76
19.『膨らむ気持ち』>>77 20.『朝の出来事』>>98 21.『眩しい二人』>>100 22.『天然発動』>>102
23.『好きの気持ち』>>117
第四章【七回目の恋】
24.『学校祭一日目』>>118 25.『学校祭二日目』>>119 26.『恋想』>>126 27.『暴露』>>129
28.『天然四天王』>>131
第五章【メール大作戦】
29.『交換大作戦っ!』>>132 30.『メアド交換』>>133 31.『君への想い、加速中』>>134
32.『マイナス思考』>>140 33.『空回り×妄想』>>141 34.『メール』>>148
第六章【君×私÷恋=ピンチ】
35.『天然記念物』>>153 36.『恋にピンチはつきものです』>>154 37.『天然観察』>>156 38.『視界の中のキミ』>>159
39.『思わぬ笑顔』>>166 40.『焦る気持ち』>>168 41.『ちっぽけな勇気』>>173 42.『ワガママな想い』>>174
43.『逃走思考』>>176 44.『進む恋時計』>>179 45.『疑問≒期待』>>181 46.『嘘つきな憂鬱』>>183
47.『明日へのココロ』>>185 48.『confession...?』>>198 49.『Panic!!』>>199 50.『天然王子』>>200
51.『恋時雨』>>217 52.『作戦×策戦』>>218 53.『作戦、実行』>>219 54.『とある理由』>>228
55.『reason』>>257 56.『癒思考』>>263
第七章【恋愛と友情】
57.『呼び出し』>>272 58.『残酷Real』>>273 59.『悲痛』>>274 60.『trouble』>>279
61.『後悔』>>286 62.『despair-絶望-』>>296 63.『謝罪メール』>>297 64.『君の優しさ』>>298
65『過去≒未来』>>303 66.『TimeSlip』>>305 67.『悪口friend』>>309 68.『お手紙friend』>>310
69.『反省friend』>>312 70.『ごめんねfriend』>>316 71.『ぐちゃぐちゃHeart』>>319
72.『feeling』>>326 73.『二つの選択』>>332 74.『トモダチ』>>333 75.『気持ちの真実』>>338
76.『皆の気持ち』>>341 77.『君の気持ち』>>345
第八章【100%の恋心】
78.『甘い妄想』>>346 79.『天然炸裂』>>350 80.『天然lover』>>351 81.『片想いlover』>>356
82.『重なる影』>>360 83.『教訓』>>362 84.『意味深野郎』>>371 85.『嫌々思考』>>372
86.『深々思考』>>373 87.『恋愛思考』>>374 88.『筆談Talk』>>376 89.『一方通行』>>377
90.『気になる発言』>>378 91.『Panic思考』>>379 92.『膨らむ気持ち』>>380
93.『眩しい笑顔』>>381 94.『逃走思考』>>382 95.『Situation』>>399 96.『君の想い人』>>401
97.『欲張りHeart』>>402 98.『私の知らない、』>>403 99.『恋想色』>>408
第九章【200%のもどかしさ】
100.『モドカシイ、』>>417 101.『言えない言葉』>>426 102.『心理テスト』>>432
103.『気になる会話』>>433 104.『好きの行動』>>434
第二部≪膨らむ蕾≫
第十章【君と私の距離】
105.『LuckyTime!』>>438 106.『君の本音』>>447 107.『遠ざかる距離』>>448
108.『届かない距離』>>452 109.『些細な優しさ』>>453 110.『気まずい関係、』>>454
第十一章【クリスマス、冬休み】
111.『LoversXmas』>>455 112.『眩しい姿』>>459 113.『急展開メール』>>460 114.『0.1%の期待』>>462
115.『夜の始まり』>>464 116.『壱の伝言』>>465 117.『壱の質問』>>467 118.『ずるい戦法』>>469
119.『新たな決意』>>470 120.『12月31日』>>473 121.『ドッキリ』>>476 122.『悪戯』>>477
第十二章【新学期】
123.『隣』>>479 124.『○cmの距離』>>482 125.『一筋の想い』>>485 126.『大好きな気持ち』>>486
127.『隣の笑顔』>>487 128.『同じ動作』>>493 129.『視線の先』>>494 130.『君の、』>>495
第十三章【それぞれの恋愛事情】
131.『SweetDream』>>499 132.『君の恋事情』>>500 133.『バレンタインの想い出』>>508
134.『バレンタイン計画』>>509 135.『バレンタイン思考』>>512 136.『彼女にするなら、』>>513
137.『マシな人』>>518 138.『あの子と私』>>519 139.『天然日和』>>522 140.『ドキドキ日和』>>523
141.『速まる鼓動』>>524 142.『問題と解答』>>526 143.『偶然と些細な動作』>>527
144.『救命指導の出来事』>>532 145.『想いの華』>>533 146.『些細な出来事』>>537
第十四章【Valentine†Countdown】
147.『Valentine Countdown』>>539 148.『chocolate』>>540
149.『Valentine Mission』>>549 150.『決戦は月曜日』>>552
第十五章【Valentine】
151.『Valentine当日』>>553 152.『迫る時間』>>554 153.『Bad Valentine』>>559
154.『好きだからこその、』>>560 155.『Valentine後日』>>562 156.『なんともいえない気持ち』>>563
第十六章【諦める方法】
157.『儚い気持ち』>>566 158.『普通』>>567 159.『諦め』>>571 160.『君を嫌いになる方法』>>572
161.『表情』>>576 162.『矛盾≒気持ち』>>577 163.『自然な気持ち』>>582 164.『好きの気持ち』>>583
第十七章【私の気持ち】
165.『嘘をつけない心』>>584 166.『片想いDays』>>586 167.『犬ちゃんとの会話』>>587
168.『偶然≒HAPPY!!』>>588 169.『ほんの些細な出来事』>>589 170.『君を想うだけで、』>>590
171.『単純に、』>>594 172.『抱いた疑問』>>598 173.『健康調査』>>599 174.『片想い的、恋愛論』>>600
175.『私は私なりに』>>603 176.『恋敵出現?』>>604 177.『強い想い』>>607 178.『冷やかし』>>608
179.『思いたくない考え』>>611 180.『志保ちゃんの好きな人』>>612 181.『恋愛の意味』>>619
182.『卒業式』>>621 183.『三月十五日』>>622 184.『Bad Whiteday』>>623
185.『女の勘』>>625 186.『笑顔の理由』>>629 187.『合言葉は、』>>632
188話からを見る際の注意>>633
第十八章【亀裂×波乱】
188.『嫌な予感』>>636 189.『予感的中』>>637 190.『意味深な予感』>>641 191.『謎の理由』>>643
192.『避けたい理由』>>644 193.『その事実、予感的中。』>>645
194.『君の行動』>>647 195.『疾風の言葉』>>650 196.『気になること』>>652 197.『亀裂』>>654
198.『悪夢再来』>>655 199.『暖かい言葉』>>656
最終章【叶恋華】
200(最終話)『叶恋華』>>658
あとがき>>660
依麻の気持ちイメソン>>63
57〜74話のイメソン>>347
.:*゜..:。:.::.*゜お知らせ&イベント.:*゜..:。:.::.*
返信100&参照222突破記念>>109
返信200&50話突破記念>>215
苺羅様とコラボ企画! 番外編『眉抜きの日』
>>233 >>241 >>245 >>251 >>253
返信400突破記念 番外編『龍くんと壱くんのとある会話』
Scene.1 門外龍の場合(龍目線)>>406
Scene.2 珠紀壱の場合(壱目線)>>407
cast追加&第二部突入のお知らせ>>437
返信500記念(学校紹介)>>507
◆お客様◇(>ω<)カンシャ!
◆苺羅様 ◇宇莉様 ◆闇に光様 ◇あやめ.様
◆ちか様 ◇偽者様 ◆、璃瑚.様 ◇のの様
◆さわ様 ◇魔王様 ◆ココ様
皆様の温かいコメントに、手が震えてます←
本当にありがとうございます><
作者のモットー(は
【恋をしている皆さんに少しでも共感してもらえる小説を書く!!】
描写下手ですが、自分の想っている恋の感情を素直に表したいと思うので、少しでも共感していただけると嬉しいです^^*
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- Re: *叶恋華* +実話+ ( No.653 )
- 日時: 2011/07/12 20:20
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: kG5vJqWm)
- 参照: 君の中に 堕ちていく
>>651
真顔とかうけるよねwww
笑って天然発言してたらわざとらしいけど、真顔だし天然作ってるようには見えないからウケる(ぇ
天然すぎて笑えるよね〜〜www
めんどくさいよね0Д0
お互いおかしなこと言って、キリなさそう(は
あるねwwwww
あの歌、小3の学習発表会っていう学芸会のやつで流れて縄跳びした(ぇ
波○wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww←
最近全然聞いてなかったから、聞いてみるわwww←
壱と同じ名前の人……///(肝
ちょwwwwwwwwwwぶwwwwwwwwwwwww
吹いたwwwww
優志が熱唱wwwwおっさん熱唱(は
- Re: *叶恋華* +実話+ ( No.654 )
- 日時: 2011/07/12 21:32
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: kG5vJqWm)
- 参照: 君の中に 堕ちていく
第百九十七話『亀裂』
今日は何だか、色々あった一日だった。
「愛奈〜、一緒に帰れる?」
大掃除も終わり、教室から出た私は愛奈に話しかけた。
愛奈は大きく頷き、笑みを浮かべる。
「いいよ〜。——……あ、でもまなも居るけど……大丈夫?」
「……あ、うん。大丈夫!」
大丈夫だろう、多分。
昨日普通の態度だったし、掃除の時に廊下歩いてたら手振ってくれたし——……。
そう思っていると、ちょうどまながやってきた。
「お、ナイスタイミング」
「……愛奈、帰ろ」
まなはバッグを持ち、愛奈に向かってそう言う。
何やら急いでるようだったので、私は慌てて口を開いた。
「まな、一緒に帰ってもいい?」
「知らないし。勝手にすれば」
まなから返ってきた返答は、予想以上に冷たいものであった。
……さすがに、イラッときた。
イラッとしちゃったよ、今。
「ちょ、まな……!」
愛奈は驚いた顔でまなを見る。
そりゃそうだろう。
いきなり私への態度が冷たくなっているのだから——。
それをこの時点で察した私は、同時に抑えきれないものが心の中に込み上げてきた。
思えば、この時でやめとけばよかったんだ。
ムキになんて、ならなければよかった。
そうすれば、こんなことにならなくてすんだのに——。
「……愛奈、やっぱ私一人で帰るわ」
イライラしていた私は、そう言い放って玄関に向かおうとした。
しかし、その動きを愛奈に止められる。
その私の態度を見ていたまなは表情が変わり、私に向かって睨んできた。
「二人で帰れば?」
まなもそう言い放ち、歩き出し始めた。
しかし、その動きも愛奈に止められる。
愛奈はまなに負けないくらいの鋭い目つきで、まなの腕を引っ張った。
「三人で帰ればいいのに、お前は何でそういう言い方すんのよ」
愛奈の口調が、怒っている。
元々サバサバとした口調の愛奈だが、今日はいつもと違った。
ピリピリモードが、こっちにまで伝わってくる。
「……っ私、言われたくないし!!」
「は?」
まなはそう叫び、思いっきり愛奈の手を振りほどいた。
愛奈は「何言ってんだコイツ」みたいな目でまなを見る。
私もまなを見ると、まなは鋭い目つきで私を睨んでいた。
——多分、まなが私と話したり仲良くしてるところを優が見たら怒って、今度は私じゃなくてまなが陰口言われる……って思ってんだろうね。
まぁ、そうなんだけどさ。
私と一緒に居たら、その子まで何か言われる。
……でも。
だからって、そんな言い方はないだろ。
「……あのさ。私一人でいいって言ってるし、私と一緒に居て色々言われるのが嫌なら、愛奈と二人で帰ればいいんじゃないの? 言いたいことあるなら言えば?」
私は真っ直ぐまなの方を見て、そう言った。
キレてはいないけど、少し強めの口調になってしまった。
……ついつい、カッとなった。
だけど、今まで波乱な出来事があった中で、ここまで相手にハッキリと言えたのは初めてかもしれない。
今までは、言いたくても言えない。
自分の考えを口に出来ない、泣くことしか出来ない弱虫だったから——。
「勝手に愛奈と二人で帰ればいいじゃん。何キレてんの」
まなは私を睨みつけたまま、そう強めの口調で言った。
その一言で、何かが一気に渦巻き始める。
愛奈は呆れたような顔で、私とまなを交互に見た。
「……あのなぁ、まな。依麻も少し落ち着
「キレてないし。勝手に逆ギレしてんのそっちでしょ。ふざけんなよ」
……あ。
勢いで、つい本音が。
心の中の本音が、ここまでポロッと口から出たことに驚きだった。
これはキレたも同然だよね、逆ギレしてるのは私だよね。
自分矛盾してるなぁ、と思いながらもまなを見た。
隣の愛奈は私の顔を見て、驚いている。
まなも「は?」と呟いて立ち尽くしていた。
そして、その一言&騒ぎに気付いた生徒が——……。
「——修羅場だ修羅場だ!!」
「何、女子同士?」
「誰と誰?」
「町上VS転校生だ」
教室から顔を出す人、廊下に居た人が私たちに注目した。
皆、こっちを指差して騒いでいる。
……めんどくさいことになりそう……。
ちょうどそう思った瞬間、
「——あれ、まな?」
ま さ か の 優 登 場
「優……っ」
まなは優を引っ張って、私の方を睨みながら何か呟いていた。
……くだらない。
そう思いながら心の中で小さく舌打ちをし、廊下や教室からのギャラリーの視線を無視して、愛奈の方を見た。
愛奈は少し呆れたような顔で、私を見る。
「めんどくさい事になりそう」
「……うん、ごめん」
「なんで依麻が謝るのさ」
まなと私の口論に巻き込んでしまったのに。
私がカッとならなければ、こんなことにならなかったかもしれないのに——。
愛奈は、優しい。
- Re: *叶恋華* +実話+ ( No.655 )
- 日時: 2011/07/12 21:36
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: kG5vJqWm)
- 参照: 君の中に 堕ちていく
第百九十八話『悪夢再来』
そう思っていると、優が私達を睨みながらこう言った。
「お前等、いちいち細かい事でキレんなよ。亀裂いれるような事しないで」
その優の一言に、また抑えきれない気持ちとなった。
……亀裂?
亀裂起こしてんのは誰だよ。
私の事避けてるのは、どっち?
亀裂入れてんのは、どっち?
本音がどんどん溢れてくるが、ここは抑えて……。
私と愛奈は、順番にしっかりと意見を口にした。
「私は自分の意見、言っただけだから」
「私もさ、三人で帰ろうって言っただけなのに」
「だからー! それはまなが嫌なんだって」
「いや、だから私が一人で帰るから、愛奈とまなは二人で——」
「依麻」
溢れた言葉が爆発する前に、愛奈に止められた。
私は慌てて口を閉じ、愛奈を見る。
愛奈は小さく息をつき、優を見た。
「……何それ。大体、なんで依麻を一人にしようとするの?」
愛奈の鋭い口調に、優は黙る。
辺りに一気に沈黙が流れ始めた。
「……」
優と目が合ったと思いきや、すぐ逸らされ、優はゆっくりと口を開いて沈黙を破った。
「知らねぇよ、私にも」
優と由良が一番知ってる、くせに。
そう言おうと思ったが、これ以上めんどくさくさせる訳にもいかないので、心の中にしまっておいた。
「……もういい……。勝手に二人で帰ればいいじゃん!!」
「泣くなまな〜!!」
突然廊下中に響く声で叫び、まなは泣き出した。
それを優しく包み込むように、優はまなを抱きしめる。
そして鋭い目つきで私を睨み、
「まなの気持ち、考えなよ」
私と愛奈に向かって、そう言った。
私の気持ちは無視ですか。
そりゃあ、まなの気持ちも大事だと思うけどさ。
私も私なりに考えて『二人で帰りな』って進めてる訳だし、愛奈も私たちの事を考えて『三人で一緒に帰ろう』って言ってるのにさ——。
それを拒絶してるのは、まなじゃん。
この時、どんだけ自分が嫌われてるのかがわかった。
途端に、悲しみがこみ上げてきた。
こみ上げてくる怒りと悲しいがごちゃまぜにされて、なんだか泣きそうになる。
「——とりあえず、玄関行くべ」
俯いて必死で感情を抑えていると、優がまとめるようにそう言った。
玄関で、何をされるのか。
今度こそ、本当にめんどくさいことになるかもしれない。
色んな感情と思考が混ざり合い、頭の中はパンク寸前だった。
**
玄関につき、外の冷たい空気が辺りを包んだ。
まだ、三月。——もう、三月。
季節が過ぎるのって、あっという間だよね。
「……」
私達の周りでは沈黙が流れる。
外からは運動部の賑やかの声が聞こえてくる為、少しだけ変な感じがした。
「——喧嘩してたよね?」
俯いたまま過ごしていると、野球部軍団がやってきた。
まなと同じクラスの男子と、健吾。
ユニフォームを着て、片手にはグローブ。
もう片方の空いている手で、まなに向かって指を差していた。
「お前、そんな小さいことで怒るなって」
「怒ってないし」
まなはいつもの口調とは違う、冷たい口調でそう言い放った。
野球部の男子は少し眉を下げ、首を傾ける。
すると、
「ねぇ、水城って変態? 純粋?」
突然、私の方に健吾が近づいてきた。
な、なんか関係ない質問が……。
しかも何それ、変態に純粋って。
そう言えば前、健吾が言ってたっけ。
『クラスで純粋な女性の例は、優香!』なんて。
やっぱ男子から見ても、優香ちゃんは純粋で綺麗な女の子……なのかな。
健吾の目でそう映ってるって事は、壱の目にもそんな風に映っているのかな?
なんだか、そう思うとイライラしてきた。
イライラ、再発。
「そんなの私にも知らないよ。自分でわかるわけないじゃん」
ヤキモチと優とまなに対しての怒りが混ざり、健吾に少し当たってしまった。
……ごめん、健吾。
言ってしまった後に心の中で謝ったが、健吾は気にしない様子で。
私をスルーして、またまなの方に近づいて行った。
「ねぇまな、この人純粋?」
「知らないし」
まなにも冷たくあしらわれ、野球部はお手上げ状態で去って行った。
野球部は野球部なりに私達の中を元通りにしようとしてくれたのかもしれないが——……。
余計、まなの不機嫌な態度はパワーアップした。
「結局どうすんの!? めんどくせぇ奴らだな」
優のイライラもどんどんパワーアップしているのか、優は強い口調で言った。
一番めんどくさいのは、汚い手をつかってる優だと思う。
そう思う私は、おかしいのかな——?
「……ばいばい」
そしてとうとう、まなはキレて帰りだした。
優は慌ててまなを追いかけようとしたが、すぐに足を止めて私と愛奈を見る。
……やっぱ、私と一緒にいる愛奈も巻き込まれちゃうし、迷惑かけちゃう。
愛奈まで、私みたいに悪口言われちゃう。
急にそんな不安に襲われ、私は愛奈の背中を軽く押した。
「……愛奈、私は大丈夫だから。まな、追いかけなよ」
笑顔を作ってみたけど、ぎこちなかったかもしれない。
だけれど、これが精一杯だ。
今ならまなを追いかければ、間に合う。
早く、早く行って——……。
「……いいよ。一緒に帰ろう」
愛奈はゆっくりと首を横に振り、優しい声と笑顔でそう言ってくれた。
まなと愛奈の方が、友達歴が長いのに。
それなのに、友達歴が一年も経ってない私を選んでくれた。
嬉しくて、涙が出そうになった。
「……あーあ、まな可哀想」
そのやり取りを見た優が、私を睨みながら嫌味ったらしくそう言った。
——本当、腹立った。
殴ってやろうかと思うくらい。
それと同時に、すごく悲しかった。
私のせいで愛奈も巻き込んじゃったし。
また、同じことの繰り返しだ。
何やってんだ、私。
友達にも迷惑かけて、
また喧嘩して、
何度も同じこと繰り返して。
「……依麻、とりあえず帰ろう?」
「……うん」
愛奈は優しく私の腕を掴んだ。
……友達だけじゃない。
また、壱にも迷惑かけてたら——?
そう考えたら、すごく怖くなった。
- Re: *叶恋華* +実話+ ( No.656 )
- 日時: 2011/07/12 21:37
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: kG5vJqWm)
- 参照: 君の中に 堕ちていく
第百九十九話『暖かい言葉』
「お前等——……、——!」
玄関から出て、早足で歩く。
それと同時に、優が遠くで何か早口で叫んでいた。
聞こえないって、そんなぐちゃぐちゃな事言われても。
あの聖徳太子でも聞き取れないわ。
「……依麻、優なんていった?」
「わかんない、聞き取れないよあんなの」
やっぱり、愛奈も聞き取れなかったみたいだ。
二人とも聞き取れなかったって言うのが、なんだかおかしくて。
私達は小さく笑った。
「——捨て台詞、だね。優のは」
愛奈は小さく鼻で笑い、私の腕から手を放す。
そのまま学校の角を曲がり、人気の少ない通りへと向かった。
**
愛奈と歩く、いつもの人気の少ない帰り道。
いつもなら、うるさいくらいに騒ぐまなが横に居た。
それにツッコむ愛奈が居た。
今日は、ぽっかりと穴が開いたように静かだ。
「……」
——友情って、こんなことで簡単に壊れるのかな。
こっちは何もしてないのに、理由もなく避けられるのかな。
理由もなく、喧嘩になるのかな。
どうして、悪い方向へと悪化していくのかな……?
私だって、たくさん悪いところがある。
十分弱虫で、最悪な女だ。
だけど、私だって……。
好きで嫌われてる、訳じゃない。
もう二度と、こんな事は起こらないようにしたかったのに。
やっぱ、私には無理だったのかな?
色んな人に、迷惑かけちゃうのかな。
自分が何かされるのはいい。
辛いけど、そんなの耐える。
だけれど——……。
私は、周りを傷つけている?
周りを巻き込んでいる?
なんだか急に、悲しくなった。
「——……依麻?」
私が足を止めて立ち止まると、それに気づいた愛奈も止まった。
私は顔を上げ、愛奈を見る。
冷たい風が私と愛奈の長い髪を揺らすのと同時に、私は口を開いた。
「愛奈に迷惑……かけてるし、私と一緒に居たら色々、されると思うよ?」
自分ではちゃんとはっきり言ってるつもりだったが、思った以上に声が震えた。
喉の奥が、つっかえる。
「……それでも、いいの……?」
迷惑かけてる。
私と一緒に居たら、愛奈にまで何か言われるし何かされる。
愛奈の周りの友達だって、みんな愛奈を避けていくかもしれない。
「……別に、それでもいいよ」
愛奈は、冷静な口調でそう呟いた。
その意外な答えに、私は目を見開く。
愛奈は小さく笑い、頬に張り付く髪を払った。
「一人の子を、あんな風に避けるなんておかしいじゃん」
愛奈の意見が、もっともの正論だ。
一人の子を、避けるなんておかしいと私は思う。
自分に同情する訳じゃないけど……、だってそうだよね?
もし愛奈が一人になったとしても、私は愛奈を避けない。
周りの子が一人でも、私は一緒に居たいと思う。
だけど——……。
「でも、私が悪いんだよ? ……前回の件でも、そうだった。優にも由良にも壱にも、迷惑かけた。今回の件も、壱の事で皆怒ってる。私馬鹿だから自覚ないけどさ、そうやって周りを傷つけてるんだよ? 無意識のうちに。だから、さ——……っ」
『これ以上、愛奈に迷惑かける訳にはいかない』
そう言おうとしたけれど、言葉がなかなか出てこなかった。
「……」
「……依麻、」
これ以上言葉を言ってしまえば、全てをぶちまけてしまう気がする。
大声で泣いてしまうかもしれない。
本当は、すぐにでも泣きたかった。
誰かに聞いてほしい。助けてほしい。一緒に居てほしい。
そんなの欲張りになるかもしれないけれど、味方が欲しかった。
「——依麻は悪くないよ。悪いのは、周り」
愛奈の言葉が、頭の中に響く。
悪いのは、周り——?
体に入っていた力が抜け、一気に泣きそうになる。
「周りがこうさせちゃってるんだよ」
「……周り……」
「周りが全部、悪いんだよ。周りが悪いと、自分もそれに流されちゃうじゃん。——……やっぱ、人間なんだし」
人間——。
深い言葉を聞かされているようだが、頭の悪い私でもすんなりと耳に入った。
「……だから、大丈夫。私は一緒に居るよ」
「……ありがとう」
『一緒に居る』
たったそれだけだけど、暖かい言葉。
私は、その言葉をずっと必要としていたのかな?
- Re: *叶恋華* +実話+ ( No.657 )
- 日時: 2011/07/12 21:39
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: kG5vJqWm)
- 参照: 君の中に 堕ちていく
あと一話で二百話!!
そして二年生編が完結いたします!!パフーッ←
今日中に三年生編、入れるかな?
入れるように更新頑張ります☆ミ
うっしゃあっ(何
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