コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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*叶恋華* +実話+ 【完結】
日時: 2011/07/12 23:31
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: JiXa8bGk)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=19180

一生懸命、想いを伝えるよ。
恋を実らせるよ。
愛を描くよ。


華は、優しく貴方を想う。



         『いつかは、叶いますように』







※57話〜74話
188〜200話
シリアス注意!

(●´・ω・)ノ☆☆☆HELLO☆☆☆☆ヽ(・ω・`○)

*2010.3/25*第一期『*切恋華*』完結!!
*2010.4/6*第二期、*切恋華*の続編『*君想華*』すたーと
*2011.1/25*『*君恋華*』完結!!
*2011.1/25*『*叶恋華*』すたーと
*2011.7/12*『*叶恋華*』完結!!


+2011.1/23+
作者、長期休養から復活いたしました!!


↑のURLは前スレ←
一応この小説は実話を元にしたお話です^ω^b
現在進行形の、作者の恋愛です。
依麻の思考とかは、少し手を加えています←
あと、セリフも思い出せる限りメモしてるのですが……全てが正確という訳ではないので、ご理解お願いします。
しかし更新がノロすぎて、現在の更新状況は【二年生3月の出来事】になっております0Д0
頑張って現在の【三年生7月の出来事】になるよう、なるべく頑張って更新したいと思いますので、よろしくお願します!

作者の名前一覧*
絵磨◆VRtMSlYWsU
絵磨(携帯)


       掲 示 板 編 集 中 !
(今は見づらいですが、次第に見やすくなるように修正していきます><)

☆注意☆
*実話をもとにしていますが、細かいところや市名や名前、全部仮名&フィクションです
*基本フリーダムな書き方です←
*馬鹿な作者は恋すると更に馬鹿になりますので、自意識過剰が酷くなると思います; それにつれ色々むかつく点がチラホラ出てくると思いますが、暖かい目で見守って下さると嬉しいです;ω;
*中傷・ケンカは×!!
*長編なので、ぜひ! 暇つぶしに読んでください♪
*今年受験の身なので、更新が更に亀になる場合も…
*作者は中学生です。精神年齢はそれ以上に低いので絡む際にはお気を付け下さい。
*文章力ないので、勉強中です。描写なども下手くそなので、ぜひアドバイスしてくださると嬉しいです^^*
*コメ返しなどで「w」や顔文字など乱用します(特に「w」)ので、苦手な方はご注意ください。
*小説内でメールや手紙の時だけ絵文字顔文字が使われます。ご理解頂けると嬉しいです!



≪だいすき、≫
この想いは、いつ君に届くのかな?


【*叶恋華*】
         〜↑目次↑〜

prologue-ぷろろーぐ->>1
MainCast-めいんきゃすと->>2
classmateⅠ-くらすめーとⅠ->>8
classmateⅡ-くらすめーとⅡ->>121
classmateⅢ-くらすめーとⅢ->>437

第一部≪始まりの華≫
第一章【真夏の転校生】
1.『光葉中学校』>>15 2.『豹変』>>18 3.『転校生』>>21

第二章【六回目の恋】
4.『かっこいい人』>>33 5.『心の変化』>>36 6.『気になる?』>>37 7.『手紙』>>38 
8.『二人のセカイ』>>44 9.『恋』>>45 10.『KISS&YOU』>>50 11.『友情と愛情』>>53
12.『自分の生き方』>>60 13.『甦る気持ち』>>66 14.『好きな所』>>71

第三章【短期間の恋、芽生える恋】
15.『恋愛定義』>>73 16.『芽生えゆく環状』>>74 17.『暖かい気持ち』>>75 18.『気になる人』>>76 
19.『膨らむ気持ち』>>77 20.『朝の出来事』>>98 21.『眩しい二人』>>100 22.『天然発動』>>102 
23.『好きの気持ち』>>117

第四章【七回目の恋】
24.『学校祭一日目』>>118 25.『学校祭二日目』>>119 26.『恋想』>>126 27.『暴露』>>129
28.『天然四天王』>>131 

第五章【メール大作戦】
29.『交換大作戦っ!』>>132 30.『メアド交換』>>133 31.『君への想い、加速中』>>134 
32.『マイナス思考』>>140 33.『空回り×妄想』>>141 34.『メール』>>148

第六章【君×私÷恋=ピンチ】
35.『天然記念物』>>153 36.『恋にピンチはつきものです』>>154 37.『天然観察』>>156 38.『視界の中のキミ』>>159
39.『思わぬ笑顔』>>166 40.『焦る気持ち』>>168 41.『ちっぽけな勇気』>>173 42.『ワガママな想い』>>174
43.『逃走思考』>>176 44.『進む恋時計』>>179 45.『疑問≒期待』>>181 46.『嘘つきな憂鬱』>>183
47.『明日へのココロ』>>185 48.『confession...?』>>198 49.『Panic!!』>>199 50.『天然王子』>>200
51.『恋時雨』>>217 52.『作戦×策戦』>>218 53.『作戦、実行』>>219 54.『とある理由』>>228
55.『reason』>>257 56.『癒思考』>>263

第七章【恋愛と友情】
57.『呼び出し』>>272  58.『残酷Real』>>273 59.『悲痛』>>274 60.『trouble』>>279 
61.『後悔』>>286 62.『despair-絶望-』>>296 63.『謝罪メール』>>297 64.『君の優しさ』>>298
65『過去≒未来』>>303 66.『TimeSlip』>>305 67.『悪口friend』>>309 68.『お手紙friend』>>310 
69.『反省friend』>>312 70.『ごめんねfriend』>>316 71.『ぐちゃぐちゃHeart』>>319 
72.『feeling』>>326 73.『二つの選択』>>332 74.『トモダチ』>>333 75.『気持ちの真実』>>338 
76.『皆の気持ち』>>341 77.『君の気持ち』>>345

第八章【100%の恋心】
78.『甘い妄想』>>346 79.『天然炸裂』>>350 80.『天然lover』>>351 81.『片想いlover』>>356
82.『重なる影』>>360 83.『教訓』>>362 84.『意味深野郎』>>371 85.『嫌々思考』>>372
86.『深々思考』>>373 87.『恋愛思考』>>374 88.『筆談Talk』>>376 89.『一方通行』>>377
90.『気になる発言』>>378 91.『Panic思考』>>379 92.『膨らむ気持ち』>>380
93.『眩しい笑顔』>>381 94.『逃走思考』>>382 95.『Situation』>>399 96.『君の想い人』>>401 
97.『欲張りHeart』>>402 98.『私の知らない、』>>403 99.『恋想色』>>408

第九章【200%のもどかしさ】
100.『モドカシイ、』>>417 101.『言えない言葉』>>426 102.『心理テスト』>>432
103.『気になる会話』>>433 104.『好きの行動』>>434

第二部≪膨らむ蕾≫
第十章【君と私の距離】
105.『LuckyTime!』>>438 106.『君の本音』>>447 107.『遠ざかる距離』>>448
108.『届かない距離』>>452 109.『些細な優しさ』>>453 110.『気まずい関係、』>>454 

第十一章【クリスマス、冬休み】
111.『LoversXmas』>>455 112.『眩しい姿』>>459 113.『急展開メール』>>460 114.『0.1%の期待』>>462
115.『夜の始まり』>>464 116.『壱の伝言』>>465 117.『壱の質問』>>467 118.『ずるい戦法』>>469
119.『新たな決意』>>470 120.『12月31日』>>473 121.『ドッキリ』>>476 122.『悪戯』>>477

第十二章【新学期】
123.『隣』>>479 124.『○cmの距離』>>482 125.『一筋の想い』>>485 126.『大好きな気持ち』>>486
127.『隣の笑顔』>>487 128.『同じ動作』>>493 129.『視線の先』>>494 130.『君の、』>>495

第十三章【それぞれの恋愛事情】
131.『SweetDream』>>499 132.『君の恋事情』>>500 133.『バレンタインの想い出』>>508
134.『バレンタイン計画』>>509 135.『バレンタイン思考』>>512 136.『彼女にするなら、』>>513 
137.『マシな人』>>518 138.『あの子と私』>>519 139.『天然日和』>>522 140.『ドキドキ日和』>>523
141.『速まる鼓動』>>524 142.『問題と解答』>>526 143.『偶然と些細な動作』>>527
144.『救命指導の出来事』>>532 145.『想いの華』>>533 146.『些細な出来事』>>537

第十四章【Valentine†Countdown】
147.『Valentine Countdown』>>539 148.『chocolate』>>540
149.『Valentine Mission』>>549 150.『決戦は月曜日』>>552

第十五章【Valentine】
151.『Valentine当日』>>553 152.『迫る時間』>>554 153.『Bad Valentine』>>559
154.『好きだからこその、』>>560 155.『Valentine後日』>>562 156.『なんともいえない気持ち』>>563

第十六章【諦める方法】
157.『儚い気持ち』>>566 158.『普通』>>567 159.『諦め』>>571 160.『君を嫌いになる方法』>>572
161.『表情』>>576 162.『矛盾≒気持ち』>>577 163.『自然な気持ち』>>582 164.『好きの気持ち』>>583

第十七章【私の気持ち】
165.『嘘をつけない心』>>584 166.『片想いDays』>>586 167.『犬ちゃんとの会話』>>587
168.『偶然≒HAPPY!!』>>588 169.『ほんの些細な出来事』>>589 170.『君を想うだけで、』>>590
171.『単純に、』>>594 172.『抱いた疑問』>>598 173.『健康調査』>>599 174.『片想い的、恋愛論』>>600
175.『私は私なりに』>>603 176.『恋敵出現?』>>604 177.『強い想い』>>607 178.『冷やかし』>>608
179.『思いたくない考え』>>611 180.『志保ちゃんの好きな人』>>612 181.『恋愛の意味』>>619
182.『卒業式』>>621 183.『三月十五日』>>622 184.『Bad Whiteday』>>623
185.『女の勘』>>625 186.『笑顔の理由』>>629 187.『合言葉は、』>>632

188話からを見る際の注意>>633
第十八章【亀裂×波乱】
188.『嫌な予感』>>636 189.『予感的中』>>637 190.『意味深な予感』>>641 191.『謎の理由』>>643
192.『避けたい理由』>>644 193.『その事実、予感的中。』>>645
194.『君の行動』>>647 195.『疾風の言葉』>>650 196.『気になること』>>652 197.『亀裂』>>654
198.『悪夢再来』>>655 199.『暖かい言葉』>>656 

最終章【叶恋華】
200(最終話)『叶恋華』>>658

あとがき>>660






依麻の気持ちイメソン>>63
57〜74話のイメソン>>347

.:*゜..:。:.::.*゜お知らせ&イベント.:*゜..:。:.::.*
返信100&参照222突破記念>>109
返信200&50話突破記念>>215
苺羅様とコラボ企画! 番外編『眉抜きの日』
>>233 >>241 >>245 >>251 >>253
返信400突破記念 番外編『龍くんと壱くんのとある会話』
Scene.1 門外龍の場合(龍目線)>>406
Scene.2 珠紀壱の場合(壱目線)>>407
cast追加&第二部突入のお知らせ>>437
返信500記念(学校紹介)>>507


◆お客様◇(>ω<)カンシャ!

◆苺羅様 ◇宇莉様 ◆闇に光様 ◇あやめ.様 
◆ちか様 ◇偽者様 ◆、璃瑚.様 ◇のの様
◆さわ様 ◇魔王様 ◆ココ様


皆様の温かいコメントに、手が震えてます←
本当にありがとうございます><




作者のモットー(は
【恋をしている皆さんに少しでも共感してもらえる小説を書く!!】
描写下手ですが、自分の想っている恋の感情を素直に表したいと思うので、少しでも共感していただけると嬉しいです^^*

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Re: *叶恋華* +実話+ ( No.33 )
日時: 2011/01/26 21:26
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: jSS95WES)
参照: まーぐなーむ(・3・)

第四話『かっこいい人』


想えば、この時から——。


すべてが、始まっていたのかもしれない。





学校にまだ慣れないまま、数週間が経った。
一つ変わったことは、友達ができたこと。
由良と優と愛奈だ。
由良達は手紙をくれたりして、私と仲良くしてくれた。
三人のお陰で、なんとか少しずつ。
少しずつだけど、人の名前くらいは覚えられるようになった。


でも、やっぱりたまに思い出す。
刹那の皆、どうしてるかな……?


会いたいよ。
失ってから、こんなに悲しくなるなんて。
皆、今頃何してるんだろう。


そう思ってしまう。
刹那でだって、嫌なことはたくさんあった。
だけど私、なんだかんだいって刹那が好きだったんだ。


今更気づくなんて。
遅すぎる、よね。


立ち止まり空を見上げると、ぽつりと君の顔が思い浮かんだ。
君と出会った日も、こんな綺麗な青空だったよね。


君の声——。
最後の『ごめんね』が頭の中で木霊した。


でももう、君を想像しても最初よりドキドキしなくなったのは——。
君と本当に、お別れしたからだね。


——って、振り返ってどうする!!
私は小さく頬を叩いた。


新しい青春を見つけてやるよ。
絶対に。
そして、笑顔で刹那の皆に会いに行く。




そう、決めたから——。




**


「好きな人できた?」
「へ?」


教室でボーッとしていると、由良が話しかけてきた。
好きな人……かぁ……。
うーん……残念ながら、


「まだかなぁ?」
「じゃあさ、クラスの中でかっこいい人は?」
「え〜?」


まだ全員の顔と名前覚えてないのに、わからないよ!
かっこいいと思う人……うーん。


「誰だろう?」
「じゃあ叶汰とかは!?」
「「え?」」


由良が明るい声を出すと同時に、近くにいた坂上叶汰という男子と声がハモった。
叶汰は私たちの会話に気づき、笑みを浮かべて近づいてきた。


「なになに、なんの話?」
「どう、依麻ちゃん! 叶汰はかっこいいと思う?」
「うっ……」


思わず顔が赤くなる。
叶汰は、世間から見たららかっこいい方だろう。
見た感じ明るいし、いつも笑顔だし——。


でも、本人の前でなんて答えればっ……!


「……おい、由良。転校生が困る質問すんなよ!」
「うっさいね、叶汰は」
「うるさいのはお前だ!」


思考回路がショート寸前の私を置いて、揉め出す二人。
次第に二人は追いかけっこみたいな形になり、私はその場に取り残された。


「……」


かっこいい人……か。
私は頬杖を突き、由良と叶汰のやり取りを眺めていた。




その時は、深く考えなかった。
そう、深く考えなかったんだ——。

Re: *叶恋華* +実話+ ( No.34 )
日時: 2011/01/26 21:39
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: jSS95WES)
参照: まーぐなーむ(・3・)

第五話『』


数日後——。
その日、私は由良と一緒に教室の黒板に落書きをしていた。


「ちょ、依麻! 何その顔〜」
「変な顔を書いてみた」
「これ叶汰そっくりでしょ」


私が書いた変な顔に、由良が横から『きょーた』と付け足した。
私は思わず吹き出してしまう。



「こっちも叶汰にするか」
「ぶはっ、ちょ、由良ぁ〜」
「——おい、誰だよ俺の顔書いたの」


笑っていると、後ろから男子の声が聞こえてきた。
聞き覚えのある声に振り向くと……わーお、叶汰本人登場〜。


「わたっぺぇ、なんか二人して虐めてくるんだけどぉ」
「ははっ、うける」


叶汰の隣に居たわたっぺも笑い出した。
すると、近くにいた男子たちも笑い出し始めた。


「転校生、意外にこういう感じの人なんだね」
「俺、もっと大人しい子かと思ってた!」
「俺も〜」
「刹那の人は大体皆こうなんだ!」


男子たちが次々と言い、わたっぺが最後に得意気に言い放った。
ごめんね、期待外れで。
どうせうるさいですよ、私。
ふんだふんだ。


……まぁ、いいか。
私は少し不満気になりながらも深く考えず、また黒板に落書きし続けた。


**





いったん切ります;;
コメ返しは次パソ開いたときに返します><
でわでわ〜!

Re: *叶恋華* +実話+ ( No.35 )
日時: 2011/01/27 12:37
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: 7TIkZQxU)
参照: まーぐなーむ(・3・)

あは←
学校の存在忘れてて完璧寝過ごしましたね、はい←
皆今頃四時間目やってるのかな、あーあ←
てことでコメ返し(ぇ

>>29
おぉぉ〜!
ありがとう><

セーラー着づらいよ(ぇ
先生ね、ヤンクミ気取りだしなんなんだ(ぇ
本当緊張しまくりだった><
もう、最初は倒れそうなくらい怖かった←

>>31
確かに(ぇ
本当おっさんなのにオールバックなんだよww
前に三年生がその先生に向かって「そのオールバック、素敵です!」って言ってて、吹いた←
ハゲ四人wwwwwwwww
まぶしいね(ぇ
こっちはハゲいないけど、オネエ一人とオネエっぽいの一人とオールバックとヤンクミ気取りがいるから変だぜ(ぇ

冬はブレザー以上にホコリがつくZE☆(何
うひょおおおおお(ぇ
うちらの青春はこれからだあああああああ(黙

本当男子の学ランはやばい←
ちょwwwwwwwwwwwwww
優志www学ランwwwコマネチwwwwww
盛大に吹いた←

>.32
ぽいぽいぽいぽぽいぽいぽぴー(何
窓ガラスパリンだぜ(ぇ

仲間仲間仲間あがががっががががっがふじこlp(ぇ

Re: *叶恋華* +実話+ ( No.36 )
日時: 2011/01/27 13:35
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: 7TIkZQxU)
参照: まーぐなーむ(・3・)プップー

第五話『心の変化』


数日後——。
その日、私は由良と一緒に教室の黒板に落書きをしていた。


「ちょ、依麻! 何その顔〜」
「変な顔を書いてみた」
「これ叶汰そっくりでしょ」


私が書いた変な顔に、由良が横から『きょーた』と付け足した。
私は思わず吹き出してしまう。



「こっちも叶汰にするか」
「ぶはっ、ちょ、由良ぁ〜」
「——おい、誰だよ俺の顔書いたの」


笑っていると、後ろから男子の声が聞こえてきた。
聞き覚えのある声に振り向くと……わーお、叶汰本人登場〜。


「わたっぺぇ、なんか二人して虐めてくるんだけどぉ」
「ははっ、うける」


叶汰の隣に居たわたっぺも笑い出した。
すると、近くにいた男子たちも笑い出し始めた。


「転校生、意外にこういう感じの人なんだね」
「俺、もっと大人しい子かと思ってた!」
「俺も〜」
「刹那の人は大体皆こうなんだ!」


男子たちが次々と言い、わたっぺが最後に得意気に言い放った。
ごめんね、期待外れで。
どうせうるさいですよ、私。
ふんだふんだ。


……まぁ、いいか。
私は少し不満気になりながらも深く考えず、また黒板に落書きし続けた。


**


時間が経ち、家庭科室に行く前。
何やら皆群がっていた。
由良は私を引っ張って近づき、叶汰に尋ねた。


「何読んでるの?」
「ん」


叶汰が差し出したのは、小説だった。
ふと小説から視線を外すと叶汰と目が合い、思わず目を逸らしてしまった。
……なんだろう。
なんで私は、目を逸らしちゃったんだろう。


「お前ら早く家庭科室行け!!」
「やっば、行こ依麻!!」
「う、うん……」


福野が叫びだし、私たちは慌てて家庭科室へ行った。
心の中の疑問は、相変わらず残ったままで——。


**


家庭科が終わり、掃除。
掃除にあたっていた私は、ほうきを振り回しながら歩いていた。


「俺、やってないよ」
「叶汰じゃんやったの!!」


叶汰と由良の声が聞こえ、私は振り向いた。
見れば、叶汰と由良は何やらいい争っていた。
私は二人に近づき、恐る恐る由良を見る。


「……由良、どうしたの?」
「あのね、叶汰がこの椅子のネジ壊したの!」
「だから俺じゃないってば」


椅子のネジ?
私は目を丸くして椅子を見た。
あらら、本当にネジがなくなってる。


「俺、本当にやってないよ」


その時、突然叶汰に話しかけられた。
私はびっくりしながらも頷いて必死に言葉を探した。
え、えーと、


「じゅ、寿命、じゃない? 寿命」


何いってる自分。
必死に思い浮かべた言葉が寿命なんて。
そう思いながら心の中で後悔していると、


「……そうだ、寿命だ、寿命!」


叶汰は笑顔でそう言ってくれた。


それがなんだか、嬉しくて。
私も笑顔になった。



この時、私の中では——。
少しずつ、心の変化がおきていたんだね。



Re: *叶恋華* +実話+ ( No.37 )
日時: 2011/01/27 14:29
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: 7TIkZQxU)
参照: まーぐなーむ(・3・)プップー

第六話『気になる?』


心の変化に気が付かず。
私は日々、平穏な日常を過ごしていた。
いつの間にか世間は九月で、私が転入してきて一か月が経とうとしていた。


そんなある日、


「依麻、楽器何が好き?」


由良に突然言われた。
楽器……?
私は驚きながらも、考える。


「うーん……ギター……とか?」
「あのね、実はあるグループでバンド組もうと思って! だから依麻、ギターね」


バンド!?
え、でもギター出来ない……。
というか、楽器全般からっきしなんですが。


「私、楽器やる才能ないよ」
「大丈夫! 叶汰ギターやってるからさ、教えてもらいな!」
「!?」


——何、この感情。
今、ドキッとした。
なんだろう、おかしいな——?


「そのバンドにさぁ、わたっぺと叶汰も一緒に誘おうかなって。あ、ちなみに優がボーカルで、私がキーボード。愛奈がリコーダね」
「ちょ、リコーダって」


私は小さく吹き出した。
しかし、まだ胸のドキドキは続いていた。
なんだろう、これは。


疑問がどんどん積み重なりながら、時間は刻々と過ぎて行った。


**


五時間目は、学校祭作業だった。
私は学年貼り絵の為、同じメンバーの由良に尋ねた。


「貼り絵のメンバーって誰?」
「んー……と……。叶汰に聞いて」
「ん? 呼んだ?」


振り向くと、坂上叶汰が居て目があった。
……おい、私。
ドキッってなんだ、ドキッて。
ただ、坂上叶汰と目があっただけじゃないか。
なのに、なんで——。


もしかして、私——。
だんだん答えが見えてきた心に、私は気づかないふりをしていた。


**


「依麻、ごめん! 今日、卓球部見てくから一緒に帰れない」


放課後、由良が頭を下げてきた。
私はバックを廊下に置き、由良を見る。


「それなら仕方ないねぇ……」
「でもさ、依麻を一人にするのは可哀想」
「いやいやいや」


私は横に手を振った。
すると話を聞いていた優が、由良の肩を掴んで笑みを浮かべた。


「依麻、叶汰と帰れば?」
「ぶっっっっ!?」


思わず目を見開いて奇声を発してしまった。
ちょ、ま、え!?


「うん、そうしよう。決まり」
「ぶっ、ちょ、ま」


どうしてそうなった!?
私は二人に引っ張られ、無理矢理三階へ連れて行かれた。




「……」


三階につくと、陸上部が縄跳びをしていた。
その中には、もちろん叶汰が——。


「きょーたぁぁぁぁ!」
「ん?」


由良が叶汰を呼び、叶汰は縄跳びをやめて近づいて来た。
な、なんか顔が見れない。


「依麻と一緒に帰ってあげてください! お願いします!!」


ちょ、由良土下座ぁぁぁぁぁ!
それと心臓はんぱないよ、私。
もう顔上げれない、叶汰が見れない。


「——ぱしーん」
「っ!? 叶汰ぁぁぁ!」


叶汰が由来に縄跳びを当てて、去っていった。
へ、返事がぱしーん……?
なんか、気が抜けた。
私はその場に座り込んだ。


「……戻るか」
「え、いいの?」
「叶汰部活だもん。仕方ない、依麻ごめんね」
「い、いや全然大丈夫!」


そう、一緒に帰れなくていいはずなのに。
なんでだろう、少し悲しい。


「代わりに叶汰に依麻のメアド、教えといてあげるから」
「え」
「嘘だって、そんな顔しないでよー!」
「あの人、携帯持ってるの?」
「うん。バリバリ持ってるよ〜」


このドキドキは、恋?
ううん、なんか怜緒の時と違う。
なんなの、これ。


でも、坂上叶汰のメアドが知りたいって思ったのは確かだ。


「……じゃ、じゃあ帰るね!」
「うん、またねーっ! あ、これ手紙書いたから!」
「ん、ありがとう! じゃあね〜」


私は、坂上叶汰が気になってるんだ。
好きじゃない、気になってるだけ。
ただ他の男子より、気になるだけ。


「……」


由良たちに、言おうか。
叶汰が気になってるって。
由来に手紙もらったし。
由良の手紙にはきっと、叶汰のことが書いてあるだろう。
……よし!


私は学校から出て少ししたところで立ち止まり、もらった手紙を開いた。



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