コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- *叶恋華* +実話+ 【完結】
- 日時: 2011/07/12 23:31
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: JiXa8bGk)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=19180
一生懸命、想いを伝えるよ。
恋を実らせるよ。
愛を描くよ。
華は、優しく貴方を想う。
『いつかは、叶いますように』
※57話〜74話
188〜200話
シリアス注意!
(●´・ω・)ノ☆☆☆HELLO☆☆☆☆ヽ(・ω・`○)
*2010.3/25*第一期『*切恋華*』完結!!
*2010.4/6*第二期、*切恋華*の続編『*君想華*』すたーと
*2011.1/25*『*君恋華*』完結!!
*2011.1/25*『*叶恋華*』すたーと
*2011.7/12*『*叶恋華*』完結!!
+2011.1/23+
作者、長期休養から復活いたしました!!
↑のURLは前スレ←
一応この小説は実話を元にしたお話です^ω^b
現在進行形の、作者の恋愛です。
依麻の思考とかは、少し手を加えています←
あと、セリフも思い出せる限りメモしてるのですが……全てが正確という訳ではないので、ご理解お願いします。
しかし更新がノロすぎて、現在の更新状況は【二年生3月の出来事】になっております0Д0
頑張って現在の【三年生7月の出来事】になるよう、なるべく頑張って更新したいと思いますので、よろしくお願します!
作者の名前一覧*
絵磨◆VRtMSlYWsU
絵磨(携帯)
掲 示 板 編 集 中 !
(今は見づらいですが、次第に見やすくなるように修正していきます><)
☆注意☆
*実話をもとにしていますが、細かいところや市名や名前、全部仮名&フィクションです
*基本フリーダムな書き方です←
*馬鹿な作者は恋すると更に馬鹿になりますので、自意識過剰が酷くなると思います; それにつれ色々むかつく点がチラホラ出てくると思いますが、暖かい目で見守って下さると嬉しいです;ω;
*中傷・ケンカは×!!
*長編なので、ぜひ! 暇つぶしに読んでください♪
*今年受験の身なので、更新が更に亀になる場合も…
*作者は中学生です。精神年齢はそれ以上に低いので絡む際にはお気を付け下さい。
*文章力ないので、勉強中です。描写なども下手くそなので、ぜひアドバイスしてくださると嬉しいです^^*
*コメ返しなどで「w」や顔文字など乱用します(特に「w」)ので、苦手な方はご注意ください。
*小説内でメールや手紙の時だけ絵文字顔文字が使われます。ご理解頂けると嬉しいです!
≪だいすき、≫
この想いは、いつ君に届くのかな?
【*叶恋華*】
〜↑目次↑〜
prologue-ぷろろーぐ->>1
MainCast-めいんきゃすと->>2
classmateⅠ-くらすめーとⅠ->>8
classmateⅡ-くらすめーとⅡ->>121
classmateⅢ-くらすめーとⅢ->>437
第一部≪始まりの華≫
第一章【真夏の転校生】
1.『光葉中学校』>>15 2.『豹変』>>18 3.『転校生』>>21
第二章【六回目の恋】
4.『かっこいい人』>>33 5.『心の変化』>>36 6.『気になる?』>>37 7.『手紙』>>38
8.『二人のセカイ』>>44 9.『恋』>>45 10.『KISS&YOU』>>50 11.『友情と愛情』>>53
12.『自分の生き方』>>60 13.『甦る気持ち』>>66 14.『好きな所』>>71
第三章【短期間の恋、芽生える恋】
15.『恋愛定義』>>73 16.『芽生えゆく環状』>>74 17.『暖かい気持ち』>>75 18.『気になる人』>>76
19.『膨らむ気持ち』>>77 20.『朝の出来事』>>98 21.『眩しい二人』>>100 22.『天然発動』>>102
23.『好きの気持ち』>>117
第四章【七回目の恋】
24.『学校祭一日目』>>118 25.『学校祭二日目』>>119 26.『恋想』>>126 27.『暴露』>>129
28.『天然四天王』>>131
第五章【メール大作戦】
29.『交換大作戦っ!』>>132 30.『メアド交換』>>133 31.『君への想い、加速中』>>134
32.『マイナス思考』>>140 33.『空回り×妄想』>>141 34.『メール』>>148
第六章【君×私÷恋=ピンチ】
35.『天然記念物』>>153 36.『恋にピンチはつきものです』>>154 37.『天然観察』>>156 38.『視界の中のキミ』>>159
39.『思わぬ笑顔』>>166 40.『焦る気持ち』>>168 41.『ちっぽけな勇気』>>173 42.『ワガママな想い』>>174
43.『逃走思考』>>176 44.『進む恋時計』>>179 45.『疑問≒期待』>>181 46.『嘘つきな憂鬱』>>183
47.『明日へのココロ』>>185 48.『confession...?』>>198 49.『Panic!!』>>199 50.『天然王子』>>200
51.『恋時雨』>>217 52.『作戦×策戦』>>218 53.『作戦、実行』>>219 54.『とある理由』>>228
55.『reason』>>257 56.『癒思考』>>263
第七章【恋愛と友情】
57.『呼び出し』>>272 58.『残酷Real』>>273 59.『悲痛』>>274 60.『trouble』>>279
61.『後悔』>>286 62.『despair-絶望-』>>296 63.『謝罪メール』>>297 64.『君の優しさ』>>298
65『過去≒未来』>>303 66.『TimeSlip』>>305 67.『悪口friend』>>309 68.『お手紙friend』>>310
69.『反省friend』>>312 70.『ごめんねfriend』>>316 71.『ぐちゃぐちゃHeart』>>319
72.『feeling』>>326 73.『二つの選択』>>332 74.『トモダチ』>>333 75.『気持ちの真実』>>338
76.『皆の気持ち』>>341 77.『君の気持ち』>>345
第八章【100%の恋心】
78.『甘い妄想』>>346 79.『天然炸裂』>>350 80.『天然lover』>>351 81.『片想いlover』>>356
82.『重なる影』>>360 83.『教訓』>>362 84.『意味深野郎』>>371 85.『嫌々思考』>>372
86.『深々思考』>>373 87.『恋愛思考』>>374 88.『筆談Talk』>>376 89.『一方通行』>>377
90.『気になる発言』>>378 91.『Panic思考』>>379 92.『膨らむ気持ち』>>380
93.『眩しい笑顔』>>381 94.『逃走思考』>>382 95.『Situation』>>399 96.『君の想い人』>>401
97.『欲張りHeart』>>402 98.『私の知らない、』>>403 99.『恋想色』>>408
第九章【200%のもどかしさ】
100.『モドカシイ、』>>417 101.『言えない言葉』>>426 102.『心理テスト』>>432
103.『気になる会話』>>433 104.『好きの行動』>>434
第二部≪膨らむ蕾≫
第十章【君と私の距離】
105.『LuckyTime!』>>438 106.『君の本音』>>447 107.『遠ざかる距離』>>448
108.『届かない距離』>>452 109.『些細な優しさ』>>453 110.『気まずい関係、』>>454
第十一章【クリスマス、冬休み】
111.『LoversXmas』>>455 112.『眩しい姿』>>459 113.『急展開メール』>>460 114.『0.1%の期待』>>462
115.『夜の始まり』>>464 116.『壱の伝言』>>465 117.『壱の質問』>>467 118.『ずるい戦法』>>469
119.『新たな決意』>>470 120.『12月31日』>>473 121.『ドッキリ』>>476 122.『悪戯』>>477
第十二章【新学期】
123.『隣』>>479 124.『○cmの距離』>>482 125.『一筋の想い』>>485 126.『大好きな気持ち』>>486
127.『隣の笑顔』>>487 128.『同じ動作』>>493 129.『視線の先』>>494 130.『君の、』>>495
第十三章【それぞれの恋愛事情】
131.『SweetDream』>>499 132.『君の恋事情』>>500 133.『バレンタインの想い出』>>508
134.『バレンタイン計画』>>509 135.『バレンタイン思考』>>512 136.『彼女にするなら、』>>513
137.『マシな人』>>518 138.『あの子と私』>>519 139.『天然日和』>>522 140.『ドキドキ日和』>>523
141.『速まる鼓動』>>524 142.『問題と解答』>>526 143.『偶然と些細な動作』>>527
144.『救命指導の出来事』>>532 145.『想いの華』>>533 146.『些細な出来事』>>537
第十四章【Valentine†Countdown】
147.『Valentine Countdown』>>539 148.『chocolate』>>540
149.『Valentine Mission』>>549 150.『決戦は月曜日』>>552
第十五章【Valentine】
151.『Valentine当日』>>553 152.『迫る時間』>>554 153.『Bad Valentine』>>559
154.『好きだからこその、』>>560 155.『Valentine後日』>>562 156.『なんともいえない気持ち』>>563
第十六章【諦める方法】
157.『儚い気持ち』>>566 158.『普通』>>567 159.『諦め』>>571 160.『君を嫌いになる方法』>>572
161.『表情』>>576 162.『矛盾≒気持ち』>>577 163.『自然な気持ち』>>582 164.『好きの気持ち』>>583
第十七章【私の気持ち】
165.『嘘をつけない心』>>584 166.『片想いDays』>>586 167.『犬ちゃんとの会話』>>587
168.『偶然≒HAPPY!!』>>588 169.『ほんの些細な出来事』>>589 170.『君を想うだけで、』>>590
171.『単純に、』>>594 172.『抱いた疑問』>>598 173.『健康調査』>>599 174.『片想い的、恋愛論』>>600
175.『私は私なりに』>>603 176.『恋敵出現?』>>604 177.『強い想い』>>607 178.『冷やかし』>>608
179.『思いたくない考え』>>611 180.『志保ちゃんの好きな人』>>612 181.『恋愛の意味』>>619
182.『卒業式』>>621 183.『三月十五日』>>622 184.『Bad Whiteday』>>623
185.『女の勘』>>625 186.『笑顔の理由』>>629 187.『合言葉は、』>>632
188話からを見る際の注意>>633
第十八章【亀裂×波乱】
188.『嫌な予感』>>636 189.『予感的中』>>637 190.『意味深な予感』>>641 191.『謎の理由』>>643
192.『避けたい理由』>>644 193.『その事実、予感的中。』>>645
194.『君の行動』>>647 195.『疾風の言葉』>>650 196.『気になること』>>652 197.『亀裂』>>654
198.『悪夢再来』>>655 199.『暖かい言葉』>>656
最終章【叶恋華】
200(最終話)『叶恋華』>>658
あとがき>>660
依麻の気持ちイメソン>>63
57〜74話のイメソン>>347
.:*゜..:。:.::.*゜お知らせ&イベント.:*゜..:。:.::.*
返信100&参照222突破記念>>109
返信200&50話突破記念>>215
苺羅様とコラボ企画! 番外編『眉抜きの日』
>>233 >>241 >>245 >>251 >>253
返信400突破記念 番外編『龍くんと壱くんのとある会話』
Scene.1 門外龍の場合(龍目線)>>406
Scene.2 珠紀壱の場合(壱目線)>>407
cast追加&第二部突入のお知らせ>>437
返信500記念(学校紹介)>>507
◆お客様◇(>ω<)カンシャ!
◆苺羅様 ◇宇莉様 ◆闇に光様 ◇あやめ.様
◆ちか様 ◇偽者様 ◆、璃瑚.様 ◇のの様
◆さわ様 ◇魔王様 ◆ココ様
皆様の温かいコメントに、手が震えてます←
本当にありがとうございます><
作者のモットー(は
【恋をしている皆さんに少しでも共感してもらえる小説を書く!!】
描写下手ですが、自分の想っている恋の感情を素直に表したいと思うので、少しでも共感していただけると嬉しいです^^*
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- Re: *叶恋華* +実話+ 87話更新! ( No.378 )
- 日時: 2011/03/30 02:07
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: ezxnwr3m)
- 参照: 自分磨き頑張る。あの子に負けない。
第九十話『気になる発言』
そのままテストが終わり——。
私は顔を上げ、その場でボーッとしていた。
あぁ、座席戻さなきゃ——……。
本当はこのままがいいけど……、なんてね。
「——水城さん、このパンのやつ取ってもらったの?」
席を戻すと、突然龍に話しかけられた。
龍が言っているパンとは——。
筆箱についてる、ハゲたらこの事だろう。
最近、健吾たちにハゲたらこを拉致されてたからね。
「うん、取ってもらった」
「誰に?」
龍にそう聞かれ、隣に居るヒロを指差した。
そう、掃除用具箱の上にあって取れなかったハゲたらこを、ヒロが取ってくれたのだ。
取れなくて困っている私を見かねた由良が、ヒロに頼んでくれたんだけどね。
助かります、本当。
「ヒロ、優し〜いっ!」
「……」
龍がそう言った瞬間、何故か周りに沈黙が走った。
……え、なんだこれ。
そう思ってると、意外な人物が沈黙を破った。
「龍、なんで——……こと言うんだよ」
壱、だった。
途中の声が聞こえなかったけれど、壱が沈黙を破った。
いつも肝心なところ、壱の声が小さくて聞こえないんだよね。
そう思ってると、龍が口を開いた。
「えー? だってぇー。……ふっ、だぁってだってなんだぁも〜ん」
龍がキュー○ィー○ニーの歌に合わせ、くねくねしながら言い出した。
龍の体形と声と歌がマッチしてなくて、辺りは笑いの渦に包まれる。
壱の言葉と、龍が何故この歌を歌いだしたのか気になるけどまぁいいか。
私は深く気にしないで、周りと一緒に笑っていた。
- Re: *叶恋華* +実話+ 87話更新! ( No.379 )
- 日時: 2011/05/01 00:46
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: s26dq553)
- 参照: 一回書いてたの消えた…。描写に気合入れてたのに畜生(0Д・)←
第九十一話『Panic思考』
あっという間に給食時間が終わり、私は給食当番の片付けをしていた。
忘れてたけれど、今日は四時間で授業が終わり。
なので、これを片付けたら家に帰れるぜひゃっほい!!
「じゃあ壱、あとで二十分——……」
「あ、おう」
野菜が入った食缶を持った時、ドアの近くに壱が居るのを発見した。
軽く目が合った……? 気が、する。
自分の勘違いかもしれないのに、こんな些細な事でも胸が高鳴るなんて——。
やっぱ、好きなんだよね。
ちょっとした事でも、どんどん好きな気持ちが膨ら「依麻、なんか垂れてるよ!!」
「……え? ななななぬっ!?」
由良の声で、我に返った。
下を見てみれば、食缶から漏れた野菜の汁が、大量に床に零れていた。
……って、自分のジャージにもかかってるし。
やっちまった……。
「自分の方に向けないで、垂直に持った方がいいよ」
「わ、わかった! 真っ直ぐ、垂直に! 真っ直ぐ、垂直に!!」
「床に零れたやつ、拭いておくからねー」
「ありがとう! 真っ直ぐ、垂直に! 真っ直ぐ、垂直に……」
私は呪文のように唱えながら、廊下へ向かった。
壱が近くにいるから、ドキドキする。
……ていうか、もしかしたら……。
さっきの奇声上げたのとか、野菜の汁大量に零したのとか、見られたかもしれない。
そう考えたら、恥ずかしい事したな……私。
——まぁ、とりあえず今はそんな事考えてる暇ないよね。
いざ、食缶置き場へ!!
待ってろよ、給食のおばちゃん!!
**
無事に食缶置き場から生還しました、水城依麻です。
教室に戻ると、まだ壱が教室に居た。
一瞬だけ胸が高鳴る。
本当は私も教室で壱の近くに居たいけれども、不審に思われるしね。
給食当番も終わったし、後は帰るだけ。
私はバッグとジャンパーを持って、廊下に出た。
「……」
廊下でジャンパーを着ているとき、教室から壱が出て来た。
私は思わず壱の方を見つめてしまうが——……。
壱は下向いて、目を合わせなかった。
これだけガン見してれば、誰でも気付くはずなのに——。
気付いてない? いや、避けられてる!?
そう思っていたとき、私の近くに居た壱の友達らしき人が、壱を見て笑みを浮かべていた。
それだけならよかったものの、今度は私を見た。
そしてもう一回、壱を見て笑う。
……おいおい、もしかしてのもしかして。
この人も、私が壱の事を好きなの知ってるのか。
「——……」
「——や、違うし——……」
壱の友達らしき人が、壱に向かって何かを呟いていた。
どうせ『この人、壱の事が好きな人だろ〜?』とか、言ってるんだろう。
むかつくなぁ……。
好きで何が悪い!!
「……じゃぁ、な」
壱が下を向きながら片手を上げ、そう呟いて去ろうとする。
……しかし、それを壱の友達らしき人が許さなかった。
「!?」
壱の細い腕を掴み、思いっきりこちらに引き寄せた。
そして、私の方に向かって壱を押した——……ってえぇぇぇぇ!?
「……っ、」
壱にぶつかると思って身構えた……けれど。
壱がぶつかる寸前で避けてくれたので、なんとか衝突せずに済んだ。
壱は少し早足でその場から去っていき、気付けばもう見えなくなっていた。
「……びっくりした、」
何なんだ、一体。
あの壱の友達、危険すぎる。
このまま壱が勢いよく突っ込んで来たら、壁に全身強打してたよ私。
しかも、壱とめっちゃ密着する形になったら……。
多分、いや絶対に思考回路がショートする。ていうか爆発する。
華麗に避けられて少しショックだけど、そういう意味では避けてくれてよかった……。
私は少しだけ乱れた呼吸を整え、バッグを持って玄関へ向かった。
- Re: *叶恋華* +実話+ 87話更新! ( No.380 )
- 日時: 2011/03/30 06:07
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: HPru.2N2)
- 参照: ほそまっちょーっ(は
第九十二話『膨らむ気持ち』
次の日。
現在の授業は、理科。
今日は理科室で実験だった。
理科室の実験は、時間が経つのが早いし楽だし好きだ。
隣の班が壱だし——……。
そう思い、軽く壱を見ると——。
「っ!」
壱とばっちり目が合った。
……なんという、偶然。
壱が私を見てた訳じゃなくても、偶然でも目が合ったのは嬉しい。
目を逸らされたけれど、私は何回か壱をチラ見していた。
もう一回、目合わないかなぁ……なんて思いながら。
「……壱〜」
違う班の吉澤が、不気味な笑みを浮かべながら壱の名前を呼んだ。
やばい、私の行動気付かれた?
そう思ってると、壱の近くに来て何かを呟く。
あぁ、どうせこの人も『今、水城が壱の事見てたぞー』とか言ってるんだろう。
……なんか、昨日の出来事を思い出してしまった。
「ゃ、——……」
壱は吉澤の言うことを否定しながら、何かを呟いた。
あぁぁ、壱の声がもう少し大きかったらいいのに。
そう思ってると、
「付き合ってんのー?」
「!?」
吉澤が大きな声で叫びだした。
理科室は、一気に静かになる。
吉澤がこんな事言うのは、多分私が壱の事何回もチラ見してるし、壱の事が好きだからだよね。
多分吉澤は、情報通だから私の好きな人を知っているはず。
ていうか、この静まった気まずい空気どうしてくれるんだ。
「……付き合ってないよー」
沈黙を破って、壱がそう大声で言った。
壱にしては、異常に声でかい。
更に教室が静まった。
「……」
誰か何か喋って。
吉澤も壱も、大声発した後に黙らないでよ。
「——ほら、吉澤に珠紀! 今授業中だぞ、静かにしろ」
いいだけ沈黙が流れた後、理科の担当教師——通称たこ焼き入りおにぎりがそう言った。
たこ焼き入りおにぎり、ナイス。
壱と吉澤が注意された後、一人二人と喋り始め、次第にまたうるさくなっていった。
……とりあえず、よかった……。
「——……れよ」
「ゃ、——……」
しかし、騒がしくなったらなったで吉澤と壱の会話が聞こえなくなった。
何言ってるんだろう……。
盗み聞きはよくないけど、気になる。
そう思い耳を傾けた時、
「ハゲたらこ」
——え、ハゲたらこ?
壱がハゲたらこって言った……?
いや、まさかそんなはずはない。
この声は——!
「おい、ハゲたらこ!」
健 吾 か よ !!
私は一気に気が抜ける。
健吾はそんな私なんか気にも留めず、私の横の試験管に指を差した。
「ハゲたらこ、試験管とって」
「……私、ハゲたらこって名前じゃないんですけど」
「いいから早く取れ、ハゲ」
誰がハゲだ、誰が。
試験管を健吾の頭目掛けて投げつけたい衝動に襲われたが、我慢。
本当に森野と健吾は、似てる。
似てるなんてもんじゃない、あれは森野だ。
見た目は全然違うけど、性格が本当に森野だ。
森野、望、そして怜緒——。
何やってるかな。
あんなに大好きだった、はずなのに。
大好きだったはずの怜緒の声も、大分思い出せなくなってきた。
怜緒の事、やっと本気で忘れてきてるんだって感じる。
それにつれ、私が本気で壱の事を好きになっていってる事も感じた。
- Re: *叶恋華* +実話+ 87話更新! ( No.381 )
- 日時: 2011/03/30 07:22
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: HPru.2N2)
- 参照: 頑張っても一日10話は無理だwww←
第九十三話『眩しい笑顔』
次の日の理科も、また理科室であった。
なんでこう、昨日といい今日といい……。
理科室続きが多いんだろう。
まぁ実験好きだからいいけどさ、うん。
「俺、宮田のプロフィール知ってるよー」
「!?」
健吾が突然言い出した為、私は目を丸くした。
まだ覚えてたのか、この人!!
「ちょ、忘れてよ!」
「無理無理」
「本当、忘れて」
隣の班の優も、私と一緒になって言った。
本当に健吾は意地悪だ。ていうか森野だ。
「宮田、顔赤いぞ」
「……っ!!」
疾風がそう言うと、優は言葉を詰まらせた。
見れば優の顔は、本当に真っ赤だった。
普段はサバサバしてる優なのに——……。
こういう所では、本当に乙女だ。
「優可愛い、顔真っ赤!」
私は調子に乗って、そう言ってしまった。
……完璧、口を滑った。
そう思わされるのは、疾風のこの一言がきっかけである。
「お前も、顔赤くさせる方法あるぞ」
「は?」
「あの子の名前を言えば……な」
疾風が不気味な笑みを浮かべ、ドヤ顔をし始めた。
……まさか……。
嫌な予感がしたが、恐る恐る聞いてみた。
「……あの子って、誰?」
そう、これも間違いだと気づかされる。
改めて、なにやってんだ私は。
この時の、私に言ってやりたい。
「壱」
「っ!」
や っ ぱ り そ う き た か
疾風は笑みを浮かべ、壱の名前を連呼した。
私が反応すると同時に健吾と優も一緒になり、壱の名前を連呼し始める。
「珠紀壱」
「壱」
「壱ー」
優と健吾と疾風からの、凄まじい壱コール。
優まで一緒になって……。
さっきの仕返しか、仕返しなのか!?
「……っ」
恥ずかしい。この場に居たくない。
そう思ってると、当の本人……壱がこっちを見た。
そりゃそうだろう、自分の名前を連呼されてりゃあ誰だって振り向く。
しかし状況を察したのか、壱はすぐ目を逸らした。
それによって私の頬は、自分でもわかるくらい熱を帯びる。
——わかりやすすぎる、私!!
「ほら、赤くなった」
疾風と優と健吾の三人は、私を見てからかう様に笑った。
く、くそ……っ!!
こんな風に本人が居る前で連呼されたら、誰だって赤くなるわい!!
「……い、意味わかんないし!」
「依麻、わかりやすっ!」
「……っ!!」
優の一言で、私は言葉を詰まらせた。
あぁぁ、もう本当駄目だってこの状況……っ!!
そう思っていると、突然目の前が眩しくなった。
「!?」
とうとう思考回路が壊れたか——?
私、もう駄目かも知れな……って、まだ死ねるか馬鹿野郎!!
って一人漫才やってる場合じゃない!!
あーっ!!!
「ちょ、眩しいんだけど!!」
眩しさの正体は、疾風が私の顔に向けている懐中電灯だった。
実験に使うものを人の顔に向けちゃあアカン、あかーん。
私が疾風を睨むと、疾風は低い笑い声を上げてライトを消した。
そして、真剣な顔でこう聞いてきた。
「……なぁ、じゃあさ。この光と壱の笑顔、どっちが眩しい?」
「……はっ!?」
何を言ってるんですか、君は!!!!
この疾風の質問に、私の顔は更に赤くなった。
「だからぁ、この光と壱の笑顔、どっちが眩しい?」
「んっ? は、な、何がー?」
私は必死にわからない振りをして、その場を逃れようとした。
しかし疾風は、簡単に私を逃がしてくれなくて。
「……答えないってことは、選べないんだな」
「なっ、なにを、」
疾風はドヤ顔をしながら、何かを企んだ口調でそう言った。
それでも私は、わからない振りをした。
……ごまかすのも、キツイ。
「よくさぁ、笑顔が眩しいとか言うだろ」
「……っ!? し、知らないし!!」
笑顔が眩しい——。
ありますね、えぇありますとも。
現に、壱の笑顔は眩しいと思う……ってこらこらこら!!!
……いや、でも恋してる人ならわかるよね!?
好きな人の笑顔、眩しいよね!? ね!?
「だ、大体! 何でそんなこと聞くのさ」
「いや、なんかあるかなぁ〜って」
「なんもないし!」
そうだよ。『壱の笑顔は眩しい』って晒したら、私が恥ずかしさを得るだけで、疾風には何の特にもならない。
ていうかそんな事、死んでも言うもんか!
何もないし、ただの私の片思い!!
……これも、口が裂けても言えないけどね。
私はこの一時間、恥ずかしさだけを背負って過ごしていた。
- Re: *叶恋華* +実話+ 87話更新! ( No.382 )
- 日時: 2011/03/30 08:19
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: HPru.2N2)
- 参照: 頑張っても一日10話は無理だwww←
第九十四話『逃走思考』
*給食*
や、やっと給食だ……。
私は小さく溜息をついて、給食時間の喜びを噛み締めていた。
理科室の実験の後、教室でも壱の顔が見れぬまま……。
『恥ずかしさ』という重荷を背負って、数時間。
やっと自由になれる時間が来ましたよ!!
しかも今日は、はちみつレモンゼリーが出たという訳で——。
私は好きなものは最後に残す主義なので、先にご飯を食べて、お楽しみを取っておいていた。
そしてご飯もある程度食べ終わり、ゼリーを手にとった時——。
隣の班から壱の声が聞こえてきた。
「ねぇねぇ、それ食べる?」
「ん? どれ?」
壱はどうやら、班員に給食をもらおうとしているみたいだった。
班の人が聞き返したとき、壱はこう言った。
「はちみつゼロン。——……ぁ、」
ゼ ロ ン !?
今、ゼロンって言ったよね……!?
私は危なくゼリーを吹き出しそうになった。
「ちょ、ゼロンて」
「壱うけるんだけど!!」
壱の班のメンバーは、全員大爆笑していた。
優なんて、もうツボにハマっている様子。
「や、舌が回らなかった」
壱は笑いながらそう言った。
舌が回らなかったって……!!
なんか、可愛い。
私はそう思いながら、はちみつゼロン……じゃなくて、はちみつレモンゼリーを食べていた。
**
給食の片付けの時間。
私はトレーと牛乳パックを持ち、水飲み場の所に並んでいた。
その時、偶然前に居たのが叶汰だった。
……そう、本当に偶然。
「……」
私は叶汰の後姿を、眺めていた。
叶汰って、こんなに身長大きかったっけ?
私が転校してきた時、もっと小さかったような——。
あぁ、懐かしいな。学校祭準備の時。
短期間だったけど、叶汰を好きになった時の事——……。
「——ねぇ、」
「っ!?」
叶汰の背中を見つめてボーッとしていると、突然叶汰が振り返ってきた。
私は思わず声にならない声をだし、目を見開く。
な、何、私に話しかけてるの!?
頭の中がパニックになるのと同時に、叶汰が笑みを浮かべた。
「まだ壱のこと好きなんでしょ?」
「うえ!?」
思わず変な声が出た。
そ、そんな可愛らしい笑顔でそんなこと言われても……!
ていうか、なんで叶汰が知って……!?
と、とりあえず! お、落ち着け私!
「……は、な、なんで!?」
「いや、なんか疾風が、プロフィールに壱の名前書いただかって言ってたから……」
私、壱の名前プロフィールに書いてないぜ?
プロフィールに壱の名前を書いたのは、優じゃ……?
あぁもう、どっちにしても……っ!!
疾 風 こ の 野 郎 !!!!
「し、知らないし書いてないよ?」
心臓の音がうるさい。
自然に声が震えるし、頭が真っ白になる。
壱が好きなのは事実だけど、素直に『好き』なんて認めれる訳がない!
「え?」
叶汰は目を丸くして、驚いている。
私が驚きたいよ、叶汰くん……。
そう思うのと同時に、二人の間に沈黙が走った。
「……」
沈黙プレイやめてください。
私は何を言ったらいいのかわからず、ただ叶汰の顔を見上げていた。
思考回路は、もう空っぽだ。
多分今の私、凄く間抜けな顔だと思う。
それだけは、わかった。
そんな中で、数秒間経った後。
やっと叶汰が、口を開いた。
「——……まぁ、も、わかんねーっ!!」
ま さ か の 叶 太 逃 走
え、ちょ、兄さん!?
おぃぃぃっ!!!!
呼び止めようとしたが、さすが陸上部。
叶汰はすぐに見えなくなってしまった。
——何だったんだ、一体……。
私はその場で茫然と立ち尽くし、一人で唖然としていた。
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