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- Every day the Killers †7つの結晶編†
- 日時: 2012/12/02 15:40
- 名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)
初めまして鈴音(すずね)と申します!!
小説カキコでは初めての投稿となります!
まだまだ中3の未熟者ですが、温かい目で見てください……
誤字、脱字などありましたら、気軽に指摘いただくとありがたいです。
※第一部の最後の方から、斬りのいい場所がないので長くなってしまっています…
※"結晶"は、"クリスタル"と読んでください。最初の方は"結晶【クリスタル】"と、表記されてますが、途中で省略する場合がありますので注意してください(汗
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- Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.50 )
- 日時: 2012/03/10 21:26
- 名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)
……
「美優…お前、泣いて…たのか?」
「え?あ、何でも無いよ。」
そう言い美優は目じりをごしごしと衣服でこする。横目でウォーカーが微笑むと、巡はウォーカーの方を見る。
「何笑ってんだよ。」
『別に?…意外と優しいんだなーって、思っただけ。』
"優しい"と言う単語に、少し眉尻をあげるが、美優が
「そうだよ、啓一君って優しいんだね!」
と言ってきたので不機嫌になる気力も無くしてしまい、巡のイメージが良人のような感じになっていった。本当は殺し屋なのに…。
「あ、あぁ…。」
———殺し屋で善人イメージってどんなだよ!?あれか、異常なのか、俺?それとも殺し屋に向いて無い…?いやいやそしたらこれまでの仕事は一体なんだったんだ…。そうだ、善人のイメージが悪いんだな!俺は善人なんかじゃ無いんだ!あれは本能っていうか、反射的に出てきてしまったって事で…。あ?でも反射的って事は俺はそう思ってたってことだよな…?あぁ!?俺は異常なのか!?
一人で頭を抱え始める巡を心配そうに見つめる2人。
「あ、あれ、大丈夫なのかな…?」
『大丈夫、あれ瞑想だから。』
「瞑想!?啓一君瞑想なんて出来たの!?」
『え?知らなかったの?』
「初耳!」
2人が他愛も無い会話をしている間も巡は真相にたどり着けず、美優は巡が瞑想しているとガチで思い始めていた。
『ってなわけで帰るよ?早くしないとおいて行くけど…。』
「あ?あぁ。美優、行くぞ。」
「ふぇ?あ、はーい。」
人間2人は不意を付かれたようで、変な声が出る。
そして、3人はダークサイド校へと、向かっていった———。
……
「ったく、この風景も久しぶりだなぁ…。」
巡の眼前には漆黒の塔———ダークサイド校が聳え立っている。背後の月は朱の色をしており、なんとも不気味な風景となっていた。
- Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.51 )
- 日時: 2012/03/13 16:29
- 名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)
……
いつもの螺旋階段を上がり、校長室の目の前まで来る。
巡はふと脚を止める。後ろからついてきたウォーカーと美優が巡が止まったのでつんのめって彼の背中に激突する。
「啓一君…急に止まらないで…。」
意外と痛かったのか、額をさする動作を見せる美優、ウォーカーは尻餅をつきまだ立っていない。
「あ、悪い。」
「どうしたの?急に立ち止まって…。」
「…美優、先入ってくれないか?」
巡は一歩後ずさりをする。どうやらよほど校長室が嫌いなようだ。否———校長室の中の、式也が嫌いなのだろう。
「え?別に良いけど…。」
「悪い!!恩にきる!」
巡は顔の前で手を合わせる。よくお願い事をするときに使う、"おねがいポーズ"だ。
美優はやれやれと思いながら、校長室の扉を開く。
開けた瞬間———黒髪が飛来してきた。
……
黒髪は、扉を開けた美優に飛びつき、小声で「よしよーし」とか言っている。
「……おい式也…?」
後ろでドン引きしている巡とウォーカー。もし自分がこの扉を開けたなら、自分があんな事をされていたに違いない。
———悪いな美優……。
なんだかよく分からないが罪悪感で心が痛くなってきた。巡は自然と心臓のあたりに手を当てる。ウォーカーもそうなのか、既に胸に手を当てていた。
「ちょ、はっ、離れてください…!」
美優は嫌そうに式也をはがそうとする。しかし相手は男、しかも青年程の歳だ。力の差がありすぎる。少女一人の力ではどうすることもできないだろう。
「おい式也…離れないとこれ、捨てるぞ。」
これ、と言い巡が取り出したのは、土の結晶。式也はあっ、と言う言葉を漏らした後、少し間を置き微笑むと、
「いいのかい?それが無いと君達は元の世界に戻れ無いんだよ?」
まさに悪い顔だ。そういえば、という巡の焦りの顔を見て、式也は許したのか、「まあそんな事しないけどね♪」といって美優から離れた。
椅子に座ったところを、巡は率直な疑問をぶつける。
「なあ、もし、もしだ。」
前置きをする。
「もし、俺があの時扉を開けていたら…どうするつもりだったんだ…?」
「ラリアット食らわせてたかな?」
よかった、変態では無いようだと安堵をする巡、今度はウォーカーが巡同様の質問をすると、
「軽く"猫耳"持って走ってたかも。」
前言撤回、コイツは確実なる変態だろう。しかも女子供に対して。しかし巡は除外され再び安堵の表情、ウォーカーは物凄く嫌そうな顔をして後ずさりをしている。
「美優…よ、よかったな。」
巡は一体何を言ったらよかったのか分からず、なんだか一番罰が軽そうな美優に言う。美優はこちらを見、「罰?」と疑問符を浮かべている。
罰、すなわち、
「アイツのする事が、俺達にとってマイナス…"罰"って事だ。アイツ自信は気付いていないようだが…。」
「ってことは、式也さんは無意識に私達に"罰ゲーム"をしている…ってこと?」
お、と巡が関心の声をあげる。
「そう言うことだ。お前案外理解早いんだな。」
「凄いでしょ!」
意外と皮肉っぽい言葉でも、美優は前向き思考に考える脳がある。それはそれで凄いのだが、行き過ぎると変な妄想が始まってしまいそうで怖い、と思うのは巡だけなのか。はたまた皆そう思っているのか。
- Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.52 )
- 日時: 2012/03/13 16:31
- 名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)
……
「そうだ、これ持ってきたが……。」
巡は土の結晶を式也の眼前に指しだす。式也は一度席の後ろにあるくぼみを見、親指でクイクイッと後ろのくぼみを指差した。どうやらはめ込んで欲しいようだ。
「…場所は、何処でもいいのか?」
くぼみの配置は三列あり、上下段が2つずつ、真ん中の列が3つある。それぞれのくぼみにはそれぞれの色がくぼみの部分に塗られていた。
「いや…えっと、一番上の列の左の方に入れてくれるかい?」
「あぁ、此処か。」
カチッ、という音とともに、鈍い薄茶色の光を一瞬放ち直ぐ光は消える。光が消えた後はくぼみにしっかりとはめ込められた土の結晶が存在した。
「いやぁ、まさか本当に持ってくるとは思って無かったよ。途中でのたれ死んでるのかと思ったよ。」
さりげなく酷い事を言うなこいつ、ということをいうと後後面倒な事になりそうなので胸の中にとどめておくことにした。
「啓一君…。」
隣で、こちらを向き右手で口元を隠し左手でこちらを手招きする美優が声を掛けてきた。どうやら耳を貸して欲しいらしく、呼びかけの声も小さい。
巡は素直に美優の方に耳を傾けた。前で式也がヒューヒュー言ってるのを無視して。
「式也さんって…酷く無いですか?」
まさかの美優も式也の発言に"酷い"と感じたらしい。流石式也、前向き思考の人にでも酷いと思われている。
———あれは、ああ、嫌われるタイプだな。
いきなり巡は式也の解析を始める。率直な意見は"アイツは嫌われる"ということだ。
「そうだ。」
先刻まで椅子でポンポンはねていた子供のような青年が、いきなり発言を始める。
「君達、疲れているでしょ?だからいったん此処で休んで言ったら?」
何と言う悪魔のささやき。きっと休んでいる間に何かされるに違いない。そう思った巡は否定の言葉を出そうとしたが、式也がとてつもなく"断ったら殺すよ"的なオーラを出していたので直ぐには出なかった。
「すいません式也さん、私、この世界をもうちょっと詳しく知りたいので、休むのは後日にします。」
発言したのは美優。ストレートといえばそうだが変化球といえばそうとも言えるような返しに、式也は一度呻り、何度か考えた後、
「うーん…仕様がないなぁ…じゃあ今度絶対ね?」
「はい、分かりました。」
———流石美優、上手く切り替えたな!
心の中で凄く美優を褒め称えている巡。きっとウォーカーも同じ気持ちだろう。しかし今度絶対、という約束をしてしまった。これでは今はかわせても今度は無理だろう。
「じゃあ式也、俺達ウォーカーのいた村に行ってくるからな。」
そう言って巡は美優とウォーカーを自分の方へ引き寄せ颯爽と校長室から出て行った。
———後に残った式也は無言で、しかし確かに笑っていた。
- Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.53 )
- 日時: 2012/03/17 15:25
- 名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)
……
『ふう…やっぱり此処が一番落ち着くなぁ…。』
ウォーカーが自分の家に入り、座り安堵している。それを見ていた2人も安心感が湧いてきた。
「やっぱり、自分の家が落ち着くんだな。」
『当たり前じゃん。』
と、言う他愛も無い会話をかわし、ウォーカーは席を立つ。
『と、言うわけで…どうする?』
「どうするって…何が?」
疑問を疑問で返す。返されたので少し戸惑ったウォーカーだが直ぐに言葉を発する。
『どうするって…、休まないの?』
そう、巡達は式也に捕まらないようダークサイド校の螺旋階段を最上階から1階まで、一気に駆け下りてきたのだ。戦闘の疲れもあるというのに走って降りてきたので、彼らの疲労は半端ないだろう。
「休むっつったってよ…、何処も宛てねーじゃん。」
「む、確かにそうだね…。」
『…僕の家にでもいる?』
「迷惑だろ。」
「そうだよ!」
『…何?実は休みたいけど僕の部屋じゃ落ち着かないから迷惑っていう口実をつくって別のところで休もうぜみたいな言い方。』
ウォーカーは後ろ向き思考が少し酷すぎるような気がする。
「いやいやいや、思ってねーよ!?」
「どうしたのウォーカー君、急にネガティブになって。」
お前はポジティブすぎる。
『別に…つかれてるからかな?』
「理由それかっ!」
本当に他愛も無い会話をしていると、扉を叩く音が聞こえる。ウォーカーは小声で、しかし確かによっこいしょ、と言い扉の近くまで行く。
そのよっこいしょを聞いていた2人は、
「おい、美優聞いたか?」
「聞いたよ啓一君…。まさかウォーカー君、見た目は子供だけど本当は50歳とかだったりして…。」
「いやぁ…流石にそれは…せめて40代だろ…。」
『君達、僕をいくつだと思ってるのかな?』
背後からとてつもない殺気が来ているが、美優は気付かず、巡だけが彼の殺気に気付き、
「お、落ち着けウォーカー!!な、な?」
必死に宥める。しかしウォーカーはそれを無視、美優に
『ねえ、外に困ってる人がいるよ。』
「困ってる……人?」
- Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.54 )
- 日時: 2012/03/17 15:28
- 名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)
……
美優は扉を開け、ウォーカーの言っている"困っている人"を探した。
すると後ろから、
「すいません…。」
「ひゃぁっ!」
急に背後から声を掛けられたので、つい声をあげてしまう。何だ何だ、と家の中からウォーカーと巡がいそいそと出てくる。声を掛けたのは薄い水色のような髪型をしており、右目にはアイパッチが付けられている。
「あの、ウォーカーの家って此処…です、か?」
『そうだけど…、あ、君ルナヴィン?』
「あ、ウォーカー。探してたんだ。」
来客とウォーカーが仲良く話しているのを見て、巡はじっ、と来客を見る。すると、来客はこちらの視線を感じたらしくウォーカーの背後に隠れる。
「?何で隠れるんだ、お前。」
声を掛けるもよけいに出てこなくなってしまった。
『…啓一、君の眼光が怖いんだってさ。』
要は巡の目つきが怖かったので隠れたらしい。
「………なあ美優、俺の目つきってそんなに鋭い?」
「そうじゃないかな?」
「………そうか。」
———……、此処の人間は正直だな…。まあ、美優は元から正直かもしれないけどよ…。
正直に皆から言われ落ち込みモードに入る巡。それを見てルナヴィン、と呼ばれた少年は恐る恐るウォーカーの背後から出てくる。どうやら巡が落ち込んだので敵意は無いと感じたらしい。
「あのー…君、啓一君、って言うんですか?」
問いかける。
「あぁ?」
聞き返す。
「ひぃっ!ごめんなさい!馴れ馴れしいですよね!ごめんなさい!!」
「……………。」
巡は再び落ち込みモードに入る。
どうやらルナヴィンは極度の臆病者らしい。先刻も巡は普通に聞き返したつもりなのだが、彼には怒っているように聞こえたらしい。とんだ臆病者だ。
「な、なあ美優、俺もう立ち直れねぇわ…………。」
「啓一君までネガティブに!?啓一君、前向き思考だよ!」
お前は前向きすぎる。
「いいんだもう、あぁ本当死にたい。」
「啓一君元気出して!!」
これは…両方重症なのだろうか。区別するのも面倒なのでそう言うことにしておこう。
2人のやり取りを見ていたルナヴィンとウォーカー。ウォーカーは巡と美優の説明をし始める。彼の話を全て聞き、本当に敵意が無いと思ったルナヴィンはこちらへゆっくりと歩み寄る。
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