ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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Every day the Killers †7つの結晶編†
日時: 2012/12/02 15:40
名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)

初めまして鈴音(すずね)と申します!!

小説カキコでは初めての投稿となります!


まだまだ中3の未熟者ですが、温かい目で見てください……

誤字、脱字などありましたら、気軽に指摘いただくとありがたいです。

※第一部の最後の方から、斬りのいい場所がないので長くなってしまっています…

※"結晶"は、"クリスタル"と読んでください。最初の方は"結晶【クリスタル】"と、表記されてますが、途中で省略する場合がありますので注意してください(汗

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Re: Every day the Killers ( No.25 )
日時: 2012/01/09 16:47
名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)

                   ……

「此処は…一体…………」

目の前には、只草原が広がるばかり。空は暗い。

前方、数十km先に、黒い塔が見える。巡はそれが気になって仕方なかった。

「あの塔を見つけたのか、早いね。」

「!」

後方から声が聞こえた———式也達だ。

「式也…一体此処は何処だ!」

「まあ、落ち着いて。あの塔…見えるよね。」

式也は巡が気になっている、黒い塔を指差した。

「………あれがどうした。」

「あそこまで来れれば、説明してあげるよ。」

「な、なんだと………!!」

巡が何か言いたげだったが、式也は霧に乗じていなくなってしまった。

「…………。行くしか、無いのか。」

巡は腹を切り、黒い塔を目指すことになった。



                   ……

数km歩くと———とある村に着いた。

——とりあえず、此処が何処なのか聴かなければ……

そう思った巡は、近くの年老いた男性に声を掛ける。

「あの…すいません、此処は一体何処なのですか…?」

「おや、旅の人かい?此処はイルシュオンだよ。詳しい話は私のところで聴きたまえ。」

「は、はい……………」

どうやらその男性はこの村の長老らしい。村で一番大きい建物へと巡は連れて行かれた。

「此処は"リム—ヴァルク"の"イルシュオン"だ。」

「"リムーヴァルク"…?"イルシュオン"?」

聴き慣れない単語に、たじろぐ巡。

「簡単に言うとだな…世界の名前が"リムーヴァルク"。そしてこの国の名前が"イルシュオン"だ。」

ちゃんと説明してくれる長老。これなら巡もすんなり理解できる。

——と言うことは、此処は日本のある世界じゃないんだな…どこか別の次元…異次元にでも飛ばされたのか…?

「そして…この国には"太陽"というものは存在しない。」

「!…太陽が…存在しない…?」

「あぁ。その昔はあったらしいが…ある男に太陽エネルギーの全てを奪われてしまってな…」

「……………ある男とは…。」

「さあ…そこまでは分からん。」

「そう…ですか。」

——もしかしたら、その太陽エネルギーを奪った奴を倒すか何かすれば、元の世界に戻れるのかもしれない…

「しかし、居場所なら分かるぞ、ある男の。」

「…!一体何処です、居場所というのは…!」

——今すぐにでも乗り込んでさっさと元の世界に帰りたいものだ。

「教えてもいいんだがな…そいつ、死んだらしいんだ。数年前に…」

「!…死んだ…?……じゃあ太陽が存在するんじゃぁ………」

「いや、ある男は自分の息子にその太陽エネルギーの全てを引き継がせたらしい。だからいまだに太陽は存在しないんだ。」

——息子…ソイツを倒せば元の世界に戻れる——のか?

「………そうだ!俺、あの黒い塔に行かなきゃいけないんだ…!」

「おや、君はあの"ダークサイド校"に用があるのかい?」

「…"校"?あれ、学校なんスか?」

「あぁ。結構人が通ってるんだよ。この村にも一人居てね。"サイレント・ウォーカー"って言ってね。じゃあ彼に案内させようか。どうせ今日は学校休みだしねぇ。」

「…はい、お願いします。」



                   ……

「ウォーカー君、いるかい?」

長老はウォーカーの家(?)の戸を叩く。————が、反応は無い。

「……居ないんじゃないんですか?」

「そんな筈はないんだけどなぁ…ウォーカー君?」

長老はまだ戸を叩く。その時、戸が静かに開き、白髪の少年が出てきた。

Re: Every day the Killers ( No.26 )
日時: 2011/12/30 16:22
名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)
参照: http://loda.jp/kakiko/?id=1321

主人公の絵を描いて見ました!!


巡君ですよ!!

すっごい下手ですけどねwwww

↑のリンクから行ってくださいまし!

Re: Every day the Killers ( No.27 )
日時: 2011/12/31 14:03
名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)

                   ……

家から出てきた"サイレント・ウォーカー"は、静かに長老の説明を聴いている。

時々長老が「分かったかい?」と聴くのに対し彼は静かに首を縦に振っている。

そして長老の説明が終わり、今度は巡の方へ長老が来る。

「えっとだねぇ…彼は人見知りが激しいからそんなに話さないと思うけど…けど彼はイルシュオンの案内人をやっているんだ。だからきっとしっかり案内してくれるよ。じゃあこれで私は帰るからね。気をつけて行くんだよ。」

「はい、ありがとうございます。」

まるでお祖父ちゃんが孫に言い聞かせてるみたいだ。と巡は思う。そして巡はウォーカーの近くに行き、

「俺は巡啓一だ、宜しくな。」

と、一言。ウォーカーは静かにお辞儀をする。

そして巡はウォーカーに対しての疑問をぶつける。

「なあ、お前…喋らないのか?」

突然質問され少し驚くウォーカーだが、彼はしっかりと答える。

『喋れるけど、疲れるから。』

————テレパシーで。

「!…お前、超能力者か何かか!?」

突然脳内から声が聞こえたため、つい非現実的なことを言ってしまう巡。ウォーカーは首を横に振る。

『別に…超能力でもないよ。生まれつき。それに案内人は大体出来る。』

「そ、そうなのか……。だからお前は案内人に?」

『うん。まあ、そんな感じ。君は何でこんな国に来たの?』

イルシュオンに来た理由を聴かれる。

「いや…来たくて来たわけじゃないんだよな…飛ばされた…って感じか?」

『…………誰に?』

何気に詳しく聴いてくるウォーカーに対し、少しだけ警戒を覚える巡。

つい殺し屋の癖で人をすぐには信用しない。

「誰って…多分、お前は知らないと思うが…悪谷 式也、って言うんだ。」

してやられたんだよなー、と言う顔をする巡。ウォーカーは目を見開く。

『その人、知ってる。』

「何だお前、知ってるのか?」

『うん。その人、ダークサイド校の校長やってるから。』

「はぁ!?」

思っても見なかった言葉がウォーカーの口(?)から出たため、つい変な声が出てしまった巡。

「ったく…何してんだよアイツ…俺をこんな所に飛ばしてよ………」

『……イルシュオンは…嫌い?』

少し不安そうな感じで聴いてくるウォーカーに対し、巡は思ったことを言う。

「いや…嫌いとかそう言うんじゃ無くてよ…しかもまだ来たばっかりだしわかんねーよ。………でも俺は、紅い月は好きだな。何か格好いいと思うんだよな。………お前は紅い月、好きか?」

やはり突然の質問。巡は突然質問するのが好きなのだろうか。

『…………よく分からない。紅い月以外に見たこと無いから。なんとも言えないな。』

「そうか。俺の居た世界の月は黄色なんだぜ。」

微笑をしながら歩く巡を見つめるウォーカー。どうやら"黄色い月"に反応をしめしたようだ。

『黄色…見て見たい。』

「じゃあ今度連れて行ってやるよ。……俺が元の世界に戻れたらな。」

『…約束ね。』

「ああ。…………って言うかお前って人見知りじゃなかったのか?」

『人見知りだよ。』

「じゃあ何で俺と普通に会話してんだよ。普通話さないだろ、こんなに。」

『自分でも驚いてる。……初めてなのにこんなに話せる人と会って、今すごい嬉しい。』

「ならいいんだけどよ…かれこれ数十分歩いてるが…まだなのか?」

『うん。あと一時間は軽く掛かるね。』

「そんなに掛かるのかよ!…ったく、遠いな」

ため息混じりに呟く。

「…お前、あの家から通学してるんだよな?」

『うん。』

「…遠くないか?」

『遠いよ。でも校長は、「これも授業の一環だ」とか言ってるから。』

「ふぅん………」

巡が納得をする。瞬間、後ろの雑木林から物音が聞こえた。

Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.28 )
日時: 2011/12/31 13:42
名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)

                   ……

二人は、物音がした方に目をやる。

「お、おい…ウォーカー。今、音したよな?…………後ろから。」

おどおどしながらウォーカーに尋ねる巡。少し怯えているようだ。

『したよ。…………それがどうしたの?』

「いや、だから………え?」

まるで、自分には関係ないとでも言うような言い方をするウォーカーに、巡は疑問を抱く。

『だってこの森にはそういうの、沢山いるから。』

「マジ…かよ……。」

"沢山"いるというのに抵抗を感じる巡。ウォーカーは慣れているから大丈夫だろうが、巡は只の一般人(まあ殺し屋だが)なのだ。当然、ビクビクしながら前へ進む。

瞬間、物音がした茂みから、黒い物体がウォーカーに向かって跳んだ。

大きさは軽くウォーカーの身長を超えている。黒い物体は雄叫びを上げウォーカーに襲い掛かる。

———がウォーカーは軽々とそれをかわし、黒い物体との距離をとる。

間近で見ていた巡は、早すぎて黒い物体が何か分からなかったが、ウォーカーが距離をとった時点でしっかりと見えた。

黒い物体は…大きな鬣、鋭利な爪、逞しい脚———そう、ライオンだった。

正確に言うならば、ライオンに酷似したものだろう。色が明らかに違う。

通常、ライオンと言うのは全体的に黄色である。が、しかし今、巡の目の前にいる生物は紅———そう、全体的に紅いのだ。

「ら、ライオン…!?何でこんな森にライオンなんかが……っ!?」

『ライオン……?あぁ、キミの世界では、コイツは"ライオン"っていうんだね。』

呑気にテレパシーを送ってくるウォーカー。顔には余裕の表情である、笑みがこぼれている。

「お前……っ!そんなこと言ってる暇じゃないぞ!後ろ!」

二人が会話をしている間に、どうやらライオン(?)はウォーカーの直ぐ後ろに居た。

そして、ウォーカーをライオンの一閃が襲う。

『おっと、危ない。』

それを紙一重でかわし、ウォーカーがズボンのポケットからダガーナイフを取り出す。

「ナイフ……?何でお前そんなもの…!?」

『だってこの森危ないでしょ?それにキミだってナイフ持ってるじゃん。』

どうやら彼は巡のポケットにもナイフがあることに気付いていたらしい。

しかし、ライオン相手に小さなダガーナイフで勝てると言うのか。

ウォーカーは、一直線にライオンに向かい走っていく。

「おい!真正面から行ったら……!!」

巡の静止も聞かず、ウォーカーはライオンの懐まで潜り込み…ナイフを突き立てる。

しかしその瞬間、横から爪の一閃が襲う。

間一髪でナイフを抜き、ナイフでその一閃を受け止める。

『やっぱり駄目か、ナイフじゃ…。じゃあ、こっちは?』

と巡にテレパシーを送りつつ、独り言のように呟くウォーカーは、脚を思い切り振り上げ、ライオンを上空へと飛ばす。

そして、上空から落ちてくるライオンを鳩尾めがけて蹴りを入れる。案の定、ライオンは横に吹き飛ばされ、近くにあった樹木にあたり気絶していた。

「……………。」

口をあけたまま微動だにしない巡を見て、ウォーカーが「どうかしたの?」とでも言うように、首をかしげる。

「……お前…凄いな。」

『そう?これぐらいしなきゃアソコに入学出来ないし。』

アソコ…つまりダークサイド校に入るには、結構な実力がいる、と言うことだろう。

再び物音がする。出てきたのは、やはりライオンだ。しかし、大きさが先刻のものとは大きく異なる。

先刻とは比べ物にならないくらい大きいのだ。

『またか…しつこいな。アレ、きっとさっき倒したライオンのお父さんか何かだよ。』

「何かってお前な………」

『こいつも僕がやるから。君は下がっててよ。』

「いや、いい。今度は俺の番だ。」

『!?』

ウォーカーが止めるが、巡は自分から進んでライオン(父?)に歩み寄る。

親ライオンもそれに気付いたようで、巡に対し威嚇をし始める。


Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.29 )
日時: 2011/12/31 13:39
名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)

                   ……

「何だよ、俺のこと威嚇してるぜ。」

さっきまでの怯えは何処へ消えたのか、ウォーカーのように笑みをこぼす巡。

『…………怖く、ないのか?』

「ん?あぁ、さっきまで怖かったけどな。」

"さっきまで"という言葉に引っかかりを覚えたウォーカーは、再び巡に聞く。

『………さっきまで?』

「あぁ。お前の戦い方を見てたら安心したからな。」

巡啓一と言う人間は、自分が戦うときは自信が無いが、他の人が戦っているのを見ると、安心感が湧き自信が持てるのだ。

「だから…こんな野生動物は一撃だぜっ!」

真正面からライオンに向かって走り、フェイントをかけ鳩尾に蹴りを入れる。が、親ライオンは直ぐ巡の方を向き突進してくる。

流石の巡も、正面から真っ向に受けるのは厳しいと思ったのか、左の草むらへ身を隠す。

しかし相手は百獣の王…すぐさま巡の居場所を見つけ出し、得意の爪の一閃で彼を襲う。

草むらから出てきた巡は、少し攻撃を食らったのか頬から血が流れていた。

『っ、やっぱり代わるよ…!』

それを見かねたウォーカーは、巡に言う。が、巡は聞かない。

再び真正面から突っ込む巡を待ちうけていたのか、すぐさまライオンの一閃が巡を直撃した。

『!』

思わず目を瞑ってしまうウォーカーだったが、うっすらと目を開けると巡がライオンの腹の下にいるのが分かった。

攻撃を食らう前に、ライオンの下へ滑り込んだのである。

直撃はかわしたものの、やはり怪我をした巡の制服には血痕が飛び散っている。

横蹴りをいれ、ライオンを吹き飛ばそうと脚を出した瞬間、巡の身体が横へ吹き飛んだ。

巡が腹の下にいたのに気付いたライオンが、前足で巡を横へなぎ払ったのである。

そのまま岩に頭を強打し、ついに動かなくなってしまった巡の頭からは、大量の血が流れていた。

ウォーカーが巡を見ながら固まっていると、ライオンはウォーカーを睨みつける。

『今度は…こっちに来る気か…………』

ウォーカーが戦闘態勢になって殺気を出した。それに伴いライオンも威嚇し始める。

が、ライオンの頭めがけて、岩が直撃した。

方向は————真横。

そう、巡が倒れていた方向である。しかしそこには倒れている巡の姿は無く———

立っているのも精一杯な様子で立っている巡の姿があった。

『啓一!』

ウォーカーは、初めて巡の名前を呼ぶ。

「う、ウォーカー…俺の名前、初めて呼んだな…。」

『今はそれどころじゃないよ!』

今まであまり表情を変えなかったウォーカーが、焦りの表情を見せる。

当然だろう。今の巡は、頭から大量の血を流し、横腹にはライオンになぎ払われたときの爪の痕がついており、そこからも血が出ている。このままでは彼は大量出血で死んでしまうだろう。

「何だよ、そんな心配そうな目してよ……大丈夫だって。」

血の臭いに反応したのか、ライオンは再び巡の方を向きなおす。

どうやら先に巡を片付けるようだ。

「お、やっぱりコイツは俺を先に殺したいらしいな。」

『やめなよ!!本当に殺されちゃうよ!』

目を見開き、精一杯の声で巡に忠告をするウォーカーだが、巡はやはり聞き入れない。

大きめにライオンにもテレパシーを送れば、ライオンもこちらを標的にすると思ったが、ライオンでさえウォーカーに興味を持たない。

巡は完全にライオンの標的になってしまったようだ。


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