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Every day the Killers †7つの結晶編†
日時: 2012/12/02 15:40
名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)

初めまして鈴音(すずね)と申します!!

小説カキコでは初めての投稿となります!


まだまだ中3の未熟者ですが、温かい目で見てください……

誤字、脱字などありましたら、気軽に指摘いただくとありがたいです。

※第一部の最後の方から、斬りのいい場所がないので長くなってしまっています…

※"結晶"は、"クリスタル"と読んでください。最初の方は"結晶【クリスタル】"と、表記されてますが、途中で省略する場合がありますので注意してください(汗

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Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.80 )
日時: 2012/06/30 10:33
名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)


                   ……

———あそこかっ!

風・鈴のかまいたちを避けつつ、美優達を探して必死になっていた巡。案外早く見つける事が出来た。が、巡はやはり動ける状態ではない。それに、美優が暴風壁に触れたため美優達の位置が完全に風・鈴に分かってしまった。

「あら……あんな近いところにいたのね、貴方の仲間」

「……っ」

巡は答えない。かまいたちを避けるので必死で答えられないのもあるが、何をどう答えたらいいか分からないからだ。下手に答えると風・鈴が美優達を攻撃しかねない。

美優達は巡の姿を確認したらしく、大声をあげて彼の名前を呼んでいる。しかし風と距離があるため意外と小さく聞こえる。しかし、一番聞こえるのは脳に直接くるテレパシーで、

『啓一!今どういう状況なの!?誰と戦ってるのさ!』

———この場で名前を言っても…相手に不思議がられるか、疑われるかのどちらかだな…どうするか…。

かまいたちを避けながら考え込む。しかし先ほどより急に速度があがった。少しなどという感じではない。"急激に"だ。

「っ!?」

急な速度変換に身体がついていかず、考える事を放棄した巡の脳は只本能的に目の前の攻撃を避ける事に集中していた。故にウォーカーからのテレパシーが響かなくなっていた。

「どうしたの?考える時間が無くなって困ってる?」

風・鈴がにこやかな笑顔になって問う。巡は額に汗を浮かばせている。そろそろ体力の限界のようだ。

———まずい……、これ以上は避けれない…!

そう決心したのか、巡は避ける事を止め静かに目を閉じる。風・鈴は、

「やっと死ぬ覚悟が出来たのね!?ビビジガンの仇……とってあげるわっ!」

先ほどのスピードとは変わらないが、量が増えた。

「うっ…ぐっ…」

未だに巡は目を開けない。集中し、息を潜める。

呼吸を乱さず、

微動だにしない。

そして———静かに目を開ける。

Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.81 )
日時: 2012/07/14 06:37
名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)


                   ……

「よし……」

目を開けると其処は、白黒の世界だった。何もかもが止まっている。かまいたちも、風・鈴も、暴風壁も美優達もだ。

時間を止める。ビビジガン以来使っていなかったので感覚が無くなっているのかと不思議に思ったが案外そうでもなかったようだ。

使って数回だが、止められる時間がどのくらいなのか分かっていない。ビビジガンの時は最初と言うこともあり土塊に額がぶつかったのだが、今回はどうだろうか。

かれこれ一分程度たっているが、時間が動き出す気配はない。チャンスは今しかない、とでも言うように巡の心臓が跳ね上がる。

本能に従い、右足を地面につけ思い切り土埃を起こす。そして地面を跳躍する。途中にあるかまいたちは止まっているので目に見える。そしてあたっても怪我はない。それどころか痛みを感じない。所詮は風、止まっているのであれば殺傷力は無い。

そして右拳を構え、風・鈴との距離を急激に詰め、そして、空を切るほどの速さで振りかぶった。

直撃した。かと思いきや、

「っ!?」

かわされた。それも急に。避けた風・鈴は驚いた顔をして巡を見つめている。先ほどと表情が違うのは既に時が動き始めているからだろう。

———もう少し早ければ…………。

変に一分も待たなければよかった、といまさら後悔をし始める巡をよそに、未だ風・鈴は驚愕の顔を見せている。彼女からしたら急に目の前に巡が出てきたという感じだろう。

外野の美優達も驚きを隠せなかった。ルナヴィンを除いて。

「啓一君……まさか"時を止める能力"の持ち主……。 あっ…そうだ、僕の鞄の中に…」

そう言いルナヴィンは自分の鞄にがさを入れる。数秒して取り出されたのは石でできた剣の柄で、ルナヴィンはその柄を指でなぞる。

『ルナヴィン…それは?』

ウォーカーが聞く。

「これは、僕達の村に伝わる伝説の剣…名前は長くて忘れちゃったんだけど…お爺ちゃんがよく話してたんだよね、"この柄に剣を出現させる事ができるのは時を止める能力を持つ人物のみなんだぞ"って」

『啓一が、その"時を止める能力の持ち主"って言うのか?』

「僕はそう、信じてるよ」

ルナヴィンが強い眼差しでウォーカーを見た。

Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.82 )
日時: 2012/07/14 06:38
名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)


                   ……

「これを、啓一のところに持っていければ多分風・鈴には勝てると思う。でもこの壁があって……」

そう言って、ルナヴィンは暴風壁に触れる。案の定弾き返され、どうしたものかと考えていると、ふとウォーカーの頭の中に一つの案が出てきた。

『時間を止めたらいいんじゃないのかな?時間を止めれば風も只の空気になるわけだし……』

どう?と聞く前に3人から同意が得られた。しかし敵に気付かれてはいけない、そう判断したため巡にだけテレパシーを送る事にした。

『じゃあ、いくよ……』

大きく息を吸い、慎重に、しかし正確に巡の脳内に届くように集中力を高める。全体にテレパシーを送る事は容易だが、個別に送るとなるとそれは大変になる。それに送るべき対象が少量、送るべきでない対象が多量なほど、難易度もあがり大変になってくる。

『啓一、聞こえるかい?聞こえたなら、頷いて。 いいかい、一度しか言わないからよく聞いてね。相手の攻撃は避け切ってくれるかい?それと、ちらちらこちらを見ないこと。相手に不信感を抱かせちゃ駄目だからね。
 ルナヴィンが君に渡したい物があるらしいんだ。だけど僕達はこの暴風壁に防がれてそっちに行けない。だから君の力で時間を止めて、暴風壁を越えてこっち側に来て欲しいんだ。その時にルナヴィンが渡したい物を掲げて待ってるから、それを持って元の場所に戻って欲しい』

長い。

確実に届いたのだろうか。巡は問われたとき確かに頷いた。テレパシー自体は届いているのだろうが、内容が頭の中に入ったかが心配だ。彼の能力なしではこの作戦は成功しない。

きっと届いているはずなのだが、巡は反応を見せない。失敗したか、と思った直後、巡の手元に目がいった。そこにはしっかりとルナヴィンが持っていた"柄"が握られていた。

『!成功したんだね、啓一!』

歓喜のあまり、大きめの音量で彼にテレパシーを送る。彼は一度こちらに目線を向け、下の方で風・鈴に見えないように親指を立てて見せた。成功だ。

Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.83 )
日時: 2012/08/09 15:08
名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)


                   ……

———つまり、あの風の壁を越えてルナヴィンの元に行けばいいのか。けど…どうする?隙を見せればおそらく風・鈴は総攻撃をしてくるだろうな。

かまいたちを避けながら考える。時間を止める際には少し時間がいる。だがそれは自身に対して"隙"になる。

時を止める、そう決心した時、巡の右手首にかまいたちがあたる。

「っ…!?」

右手首だけではない。他の、左手首、そして右足首、左足首を確実に当てていった。彼女が狙っているのは確実に"首"だ。次はおそらく———。

———俺の、"首"だろうなっ…次のかまいたちが来る前に止めるか?それともあたる場所が分かるなら受け止めるか?

一瞬、その思考に集中力を注いでしまったため周りが見えなくなった。そのときだった、今日一番の暴風が発生したのは。

みると、風・鈴が両手をこちらに向けひじを伸ばしきっている。何かを放つであろうサインに気付くのに、それほど時間は要らなかった。巡は彼女の思考を一瞬にして理解した。

———逃げも受け止めもせず、かっ……!とすれば時間を止めるしかないが…。

彼が心配するのは、時間だ。先述したように彼が時間を止めるのには少量時間が必要となる。時間を止める前に彼女の技が来てしまっては元も子もない。

全精神を集中させる。他は何も考えない。否、考えてはいけない。考えてしまってはこちらの命が危ない。生き残るためには、考えをやめることしかないのだ。

止めた。

そう実感し、目を開ければ其処は白黒の世界。だが風・鈴は既に技を放っていたらしく、ほんの数センチ前にいたらあたっていたという距離にあった。

「っぶねー…俺って運がいいのかもな。 さて、ルナヴィンの元へ行くか」

以前よりも時間を大幅に止めることができるのに気付いたのか、若干ゆっくり目に歩いていく。ルナヴィンは確かに"柄"を持っていた。しかし巡の目に入ったのは柄だけではない。

「…これは…刀?…いや、剣か?ウォーカーは剣があるだなんて言って無かったが………。 にしても、この剣、少し青白いような……」

そんなことはいいか、と思い巡はその剣を持つ。案外重くなかったが、若干の違和感が生じた。なんだか自分が探られているような、変な感じがしたのだ。

「何だこの剣………俺の事試してるのか?」

そんなわけ無いか、と思いつつ彼は元いた位置…否、其処から横にずれた位置に立った。いつでも時が動いてもいいように臨戦態勢になっていた。ふと、思った事があった。

———もしかしたら俺が"時よ動けー!"的な事叫んだら時が動いたりして…。この時間暇だし、いったんやってみるか!

そう思って、好奇心で、言ってみた。

するとどうか。白黒の世界は一瞬にして夜になり、真横を暴風が通り過ぎていく。草木や風の吐息も聞こえる。どうやら本当に時が動いてしまったようだ。

「マジかよー…って事は時よとまれって言ったらとま…らないか、流石に。まあこの剣があ…」

あれば、と言おうとして剣を見たところ、どうしたことか元の"柄"の状態に戻っている。不思議でたまらない。

Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.84 )
日時: 2012/08/09 15:08
名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)



                   ……

「どういうことだ……、これは……」

巡が不思議がっていると、風鈴がそれに気付き、

「貴方……何時の間に武器を…!?」

と、別の意味で驚愕していた。

ルナヴィンは冷静な目つきで、こうウォーカー達に言い放った。

「あれは"時を止める者"のみが使用できる特別な剣なんだ。どうして彼らしか使えないか分かるかい?」

当然、答えなど分かるはずが無く、皆は首を横に振るが、柄を持っていた巡は違った。

———さっきルナヴィンが"時を止める者"のみ……って言ってたな。何でだ?普通じゃ使えないっていうのか…………普通じゃない能力……まさか…っ!

そう思って、風鈴に感ずかれるより先に時間を止める。するとどうだろうか。時を止めた瞬間柄から剣が出現し、青白く光っている。

「そうか、分かったぞ。この剣は時を止めているだけ使えるんだ!だから普通の人たちには使えないのか……」

まじまじと見てみる。青白い光はどこか吸い込まれそうな輝きを放っており、時折大きくなったり小さくなったりしている。動きがあるのだ。

———だがしかし……時を止めてるときだけっていうのはちと不便だなぁ……俺はそんなに時間を止めてられないし、第一静止している相手に攻撃をするのは性に合わないな……。

とりあえずは、風鈴に向かって剣を振り下ろす。すると、青白い斬撃が放たれ、風鈴の目の前で静止する。これは確実にあたるルートではないか。

しかし斬撃と風鈴の間には約一メートルある。彼女なら避けられることもないだろう。それより驚くべきは斬撃が出たと言うことだ。


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