ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- Every day the Killers †7つの結晶編†
- 日時: 2012/12/02 15:40
- 名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)
初めまして鈴音(すずね)と申します!!
小説カキコでは初めての投稿となります!
まだまだ中3の未熟者ですが、温かい目で見てください……
誤字、脱字などありましたら、気軽に指摘いただくとありがたいです。
※第一部の最後の方から、斬りのいい場所がないので長くなってしまっています…
※"結晶"は、"クリスタル"と読んでください。最初の方は"結晶【クリスタル】"と、表記されてますが、途中で省略する場合がありますので注意してください(汗
*お友達*
紅 琥珀様 陽様
では!友募集しております☆
キャラ設定
>>14(人間側) >>41(悪魔側)
主人公絵
>>26
第一部
>>01 >>02 >>05 >>11 >>13 >>15 >>16 >>17 >>18 >>19 >>20 >>21
第二部(1)
>>25 >>27 >>28 >>29 >>32
第二部(2)
>>33 >>34 >>35 >>36 >>37 >>38 >>39 >>40 >>42 >>43 >>44 >>45 >>46 >>47 >>48 >>49 >>50 >>51 >>52
第三部(1)
>>53 >>54 >>55 >>56 >>57 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62 >>63 >>64 >>65 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>71
>>72 >>73 >>74 >>75 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80 >>81 >>82 >>83 >>84 >>85 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>91 >>92 >>93 >>94 >>95 >>96 >>97 >>98 >>99
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
- Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.35 )
- 日時: 2012/01/08 19:55
- 名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)
……
校長室に響いた声の主は、お下げの眼鏡少女——つまりは神崎美優。
「みっ、美優!?」
巡は驚き、校長は笑い、ウォーカーは首をかしげ、それぞれ自分なりの感情表現をしている。
体育館に居た美優は操られ、目に光が無かったが今は違う。しっかりとした意志が読み取れる。
「啓一君………私も戦います!」
「み、美優……?戦うって……?」
いきなり"戦う"という単語を目の前の少女に言われたので、少し混乱する。
「あ、まだ言って無かったね。」
式也は手をポンッと叩く。コイツはどこか抜けているのだろうか———
「なんだよ、戦うって。」
巡はさっき抱いた疑問を式也に問う。
「さっき話した結晶【クリスタル】って、魔物の身体に埋め込まれてるんだよね。」
「う、埋め込まれてる!?」
「うん。それで、その結晶【クリスタル】が埋め込まれた魔物のことを、皆は"クリスタクト"って言うんだ。」
「クリス…タクト?」
"クリスタクト"という新しい単語が出てきたせいか、巡の頭はまだ混乱している。
「それで……そのクリスタクトを倒さない限り、身体に埋め込まれた結晶【クリスタル】は手に入らない。」
「と、言うことは、7人のクリスタクトを俺達で倒して来い……と?」
「そうなるね。」
相手が魔物———巡達に勝算があるのかどうかはさておき、巡は自分と美優達を自分たちの世界に返してあげたい(っていうか返りたい)ので、すんなり了承する。
話を聞いていた美優も、それに了承、ウォーカーも同意した。
「でも……美優は連れていけないな。」
もちろん美優はか弱い女性だ。相手が魔物だというのに、多分女性では勝ち目がない———逆に美優が危ない目に遭ってしまうと思ったのだろう。巡はそういった。
「あぁ、それなら大丈夫だよ。」
巡は美優に言ったはずなのだが、式也が代わりに答えた。
「……大丈夫って何だよ。美優は女だぜ?」
「……………………」
美優は深刻な顔をしたままだ。きっと巡に着いて行きたいのだろう。
「彼女も"能力"に目覚めたからね。」
「……………"能力"?」
「うん。そう。回復能力。とっても役に立つんだよ。」
美優が回復能力を持って言るなど、聞いたことがない。きっと美優を無理やり連れて行くための口実だろうと巡は思う。が、
「本当だよ、啓一君…ほら。」
美優は、ダークサイド校に来るまでの道のりでおった脇腹の怪我を両手で恐る恐る触る。その瞬間、美優の手から淡い白のような光が出現し、巡がライオンに喰らった傷があっというまに消えてしまったのである。
「なっ………!?」
巡はそれに驚き、傷口をみたが、あるものは爪の後で破れた制服のみ、傷口は一切無かった。巡は顔を上げ、美優の顔を見る。美優は笑顔で「よかったぁ…。」と呟いている。
「ほら、言ったでしょ?」
式也が言う。確かに彼の言ったとおり、美優は回復能力を持っていた。それも結構な資質だと彼は言う。
「じゃあとりあえず……"イメルシの洞窟"に行ってもらおうかな?」
- Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.36 )
- 日時: 2012/01/11 19:03
- 名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)
……
「"イメルシの洞窟"?」
「そう。イメルシの洞窟。ウォーカー君なら知ってるよね?」
式也はウォーカーの同意を求める。
『はい。………イルシュオンの東にある洞窟のことです。……あそこは人が近寄らないため魔物が住み着いてしまったとか……。』
「せいかーい♪で、そこにクリスタクトがいるの。」
「!」
クリスタクトが人気の居ない東の洞窟、イメルシの洞窟に居ると聞き、巡はすぐさまウォーカーと美優を連れ行こうとしたのだが、式也に呼び止められる。
「これ、付けないと、君にクリスタクトは倒せないよ?」
そう言い式也が渡してきたのは、エメラルドグリーンの宝石が埋め込まれたブレスレットだった。
「……どういうことだ?」
「クリスタクト…まあ他の魔物もそうなんだけど、簡単に殺されないために自分の周りに防御膜を張っているんだ。人間の武器じゃあ歯が立たないよ。それで、その防御膜を破壊することが出来るのが、そのエメラルドグリーンの宝石。それを付けてれば、人間の武器でも魔物を倒すことが出来る。」
「………………。」
巡は無言で式也が渡してきたブレスレットを受け取り、右手の手首にそれを付けた。
「…これで良いのか?」
式也に聞く。
「うん、バッチリ!じゃあ、魔物退治頑張ってね。イメルシの洞窟にいる"ビビジガン"っていうクリスタクトは、クリスタクトの中で一番最弱だから、直ぐ終わると思うけどね〜」
巡の去り際に、イメルシの洞窟のクリスタクトの情報を喋る式也。しっかり巡の耳に届いてるといいが。
……
巡、ウォーカー、美優は、イメルシの洞窟へ向かうため東の方角へ進んでいく。
ダークサイド校はイルシュオンの少し西側に位置するのだが、イメルシの洞窟は東…16方位で言うと東北東のあたりに位置する。それも、端の方。
一行は歩いていくということは避けたいので、どうやって東まで進むか考えていた。
急にウォーカーが、地面に魔方陣を描いていく。カリカリという地面を削る音が三人の空気を独占した。
巡と美優は興味深そうにウォーカーを見つめ続ける。対するウォーカーは、一生懸命に魔方陣を描き続ける。
『…………できた。』
どうやら完成したらしい。直径1mぐらいであろうか。その内部には、何処の言葉か分からないような文字のようなものがびっしり書いてある。
「………で、これをどうするんだ?」
巡はウォーカーに質問をする。ウォーカーは『まあ、見てて。』と言い、なにやら謎の呪文を言い出す。
ウォーカーが呪文を言い出すと、魔方陣が輝きだし三人は光に包まれた。
……
光が消えた後———目を開けると、先刻とは違う景色が三人の目に入ってくる。
移動でもしたのであろうか。先刻浴びていた風と違うような感じがすると巡は思う。
そして周りを見渡したが、姿がない。そう、人が全くいないのだ。そして目の前には空洞——大きな空洞が巡達の目の前に佇んでいる。
そう、三人は一瞬にしてイメルシの洞窟の入り口まで来てしまったのだ。ウォーカーの力により。
巡と美優は冷や汗をたらし動かなくなってしまっている。どうやら驚きで身体が動かないらしい。
- Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.37 )
- 日時: 2012/01/22 17:04
- 名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)
……
『…………大丈夫?』
ウォーカーは動かなくなってしまった二人をし心配そうな眼差しで見る。そのおかげで我に返ったのか、二人は動くようになった。
「あ、あぁ。悪ぃ。ちょっと驚いてたんでな。」
『…それにしては長すぎだよ。死んだのかと思った。』
「おまっ…死んでねーから!」
汗をかきながらウォーカーに言う巡。ウォーカーは巡のツッコミに対して笑っている。
美優はそんな二人を見てこう思った。
——なんか、仲のいい兄弟みたいだなぁ…
と一人で思い、勝手に和んでいた。
……
「そういえば…なんでウォーカーはあの学校に入学したんだ?」
洞窟内。巡は先を歩くウォーカーに問いかける。
『………………。』
しかし、ウォーカーは沈黙。
「あ、もしかして、聞いちゃいけなかったか?」
何か悪いことを聞いてしまったような気がしたので、そう言った。しかし、ウォーカーは振り向かず、首を横に振った。
『いいよ。別に聞いても。そんな大層な理由じゃないし。』
「……そうなのか?」
少しウォーカーに悪いことをしてしまったかな、と思った巡に対し、ウォーカーは自分が入学した理由を二人に話し始める。
『……僕は、3人家族だったんだ。母さんと僕と妹。父さんは僕が生まれた時には既に居なかった。僕達はイルシュオンで普通に生活をしていた。ある日、僕に案内人の素質があると母さんに言われたから、僕はイルシュオンの案内人になることを決意した。僕はその日、イルシュオンを案内できるように、旅に出た。…その次の日、イルシュオンの長老が僕の元に走ってきて、こう言ったんだ。"お前の母と妹が、魔物に殺された"って。』
「…………。」
二人は沈黙する。やはり気か無い方が良かったのでは無いかと巡は思えてきた。
『それで、その魔物がクリスタクトに居るって聞いたんだ。』
「!ってことは、お前は敵討ちのために……」
『そうだよ。だから僕は強くなるために、ダークサイド校へ入って、イルシュオンの案内人になったんだ。』
巡より年下であろうウォーカーは、とてつもない人生を歩んできた。巡も殺し屋だが、そんなに人生は酷く無い。巡にはちゃんと家族が居る。しかし目の前のウォーカーは…居ない。
「…悪いな。こんなこと聞いちゃって。」
巡は謝罪する。ウォーカーは『いいよ』と首を横に振る。美優は少し目じりに涙を浮かべていた。
そのときだ。洞窟内で何かの羽音がした。
3人はすぐさま戦闘体制(美優はウォーカーと巡の後ろへと移動)になる。そして暗い洞窟の先から出てきたのは———
「こ、蝙蝠!?」
大量の蝙蝠であった。群れを成している。このまま外に出るのであろうと戦闘体制を解除する3人。
しかし、蝙蝠は巡達の方へ一直線に飛んできた。戦闘態勢を解除していたので、巡達はガードが遅れてしまった。
……結果、蝙蝠の群れの攻撃を、真正面から受けたことになる。
- Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.38 )
- 日時: 2012/01/15 14:07
- 名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)
……
「っこの!!」
蝙蝠の群れを、自前のナイフで追い払おうとする巡。彼らの身体は切り傷でいっぱいだった。
この洞窟の蝙蝠は特殊らしく、羽がとてつもなく鋭利だ。故に、体当たりをすれば標的に自動的に切り傷が付く。
一匹の攻撃ならまだしも、群れ———大群である。巡達へのダメージはとてつもないだろう。
しかし、見てみると重傷なのは巡のみ。ウォーカーと美優は軽傷ですんでいる。このことが意味することは只一つ。巡が二人を守ったのである。
「け、啓一君!」
傷が浅い美優は、まだ叫ぶぐらいの余裕はある。巡の名前を呼ぶ。巡は振り返らない。否、振り返れないのだ。
今、巡が後ろを振り向いてしまうと、巡に隙が出来てしまい、蝙蝠の斬撃が二人を襲ってしまうと考えたのだろう。ウォーカーはそのことを分かっていたらしく、美優にそのことを言う。
理由が分かった美優は、巡の背中に両手をかざす。
「美優?一体何するつもりだ。」
背後の気配が分かるのか、巡は後ろに居る美優に問いかける。美優は「気にしないで。」と言い、その後何度問いかけても無視している。
否———無視ではなく、集中していたのだ。巡の傷を治すために。
美優が集中し始めた数秒後、彼女の両手に白い光…そう、巡のわき腹の傷を治した光が溢れ出てきた。
その光が丁度目くらましになったのか、蝙蝠たちの動きが少し鈍る。巡は、それを見逃さず、一気にかたをつけた。
「よし、こっちは片付いたぞ。」
ウォーカー達の方を向く。いつの間にか、皆の傷は消えていた。——それも、美優のお陰なのだが。
ウォーカーは俯いていた。巡は理由を聞く。返ってきた答えは———
『…だって、役に立てなかったから。』
「……………それだけかよ!」
巡は汗をかきながらウォーカーに突っ込む。どうやら彼は役に立ちたかったらしい。
ウォーカーの横で美優が苦笑いをしているのが伺える。
……
「結構奥まで来たよなぁ。」
巡達は洞窟内の奥へと進んでいる———のだが、景色が一変しないので、実感があまり湧かない。
「ま、まさか迷子になったりとか…しないよね?」
美優がおどおどしく話かけてくる。ウォーカーはそれを否定するが、言葉の最後に小さく"多分"と言ったのを2人は聞き逃さなかった。
ウォーカーの"多分"という言葉に、余計不安になったのか、二人は少し顔が青ざめていた。
しかしウォーカーは振り返りもせず只一人黙々と先へ進んで行った。
急に、ウォーカーが立ち止まる。巡達もそれに合わせて止まる。何故ウォーカーが止まったのか理由が分からなく、巡はウォーカーの先を見る。そこには、大きな人影が。
その人影は身長180cm以上はあるであろう。大きい。それは巡達の存在に気付いたのか、こちらにゆっくりと、歩み寄ってくる。
「…………誰だ、お前ら?」
その大きな人影は、頭を掻きながら面倒くさそうにそういった。ウォーカーはその人影の服の胸のあたりについているバッジを見てこういった。
『コイツ……クリスタクト…!』
ウォーカーの口から出るクリスタクトという単語に、二人は思い切り目を見開く。
- Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.39 )
- 日時: 2012/01/22 17:09
- 名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)
……
「何だ、俺が何でクリスタクトって分かったんだ?お前ら。」
目の前の男…きっとクリスタクトの一人、ビビジガンであろう人物が3人に話しかける。どうやら敵意は無いように見える。
「な、なあ、ウォーカー…コイツ、本当にクリスタクト…ビビジガンなのか?」
巡はウォーカーに小声で問いかける。ウォーカーは少し冷や汗をかき、『…多分』と呟いた。
それが美優にも聞こえていたのか、2人は再び不安に包まれる。
「ま、まあ、自分でクリスタクトって言ってるから…な?」
『嘘かもしれないよ。自称クリスタクトとか居るから。』
ウォーカーは言う。
「だってバッジもそうなんだろ?」
『偽者かもしれないよ。あれは職人なら誰でも作れるし。』
…ことごとく巡はウォーカーに否定されまくっている。流石に応えたのか、巡は無言になってしまった。
「…お前ら、本当に俺がビビジガンって信じない…のか?それはそれで悲しいんだが…」
2人の会話を聞いていたのか、巡が無言になったあたりから3人の方に向かって言う。目は悲しげだ。どうやら彼は本当にビビジガン…らしい。
「よ、良かったね啓一君!啓一君の言ってたことは本当だったんだよ!」
美優は必死に巡に話して欲しく、頑張って巡を褒めて(?)いる。
『じゃあ君がビビジガンということを信じて、僕らは君を倒しに来た。』
単刀直入に言うウォーカーを、止めようとしたが巡は遅かった。
ビビジガンは「ほう」という顔をして、いったん考え込んでいたが、直ぐに口を開く。
「前にも俺を倒そうとして、何人も死んでいったからな。俺を甘く見ていると怪我するぜ?それでもいいんなら、かかって来いよ。」
指を自分の方へクイクイッと動かす。どうやら巡達を挑発しているようだ。巡はそれを見て、ウォーカーに「どうする?」と聞く。
『相手はクリスタクト最弱。………でも、いくら最弱と言っても、クリスタクトはそこらへんの魔物より数段も強い。だから簡単に勝てる相手じゃないと思うよ。だけど、今は体調も万全だし、此処まで来たんだから倒すのは今しか無いと思う。』
ウォーカーはビビジガンに聞こえないように、しかし巡と美優には聞こえるようにして自分の意見を言う。巡は少し考え込み、頷く。どうやらウォーカーの意見に肯定したらしい。美優も同様である。
そして巡はビビジガンの方へ向き…
「俺達がお前を倒してやるから、覚悟しろよ!」
という台詞を吐いて、ビビジガンから間を取る。対するビビジガンは陽気な笑みから妖気な笑みに変わり、「お前こそ、覚悟しろよ。」と言い少し後ろに下がる。やはり最初は相手の出方を見るようだ。
ウォーカーと美優は巡より5歩ほど後ろの方で待機している。2人とも(ウォーカーは少し違うが)接近戦はあまり得意では無いので、後方から巡をフォローすることにしたのだ。
そして…数分の沈黙の後、地面を蹴る音が洞窟内に響き渡る。
先に動いたのは———————巡。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
この掲示板は過去ログ化されています。