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Every day the Killers †7つの結晶編†
日時: 2012/12/02 15:40
名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)

初めまして鈴音(すずね)と申します!!

小説カキコでは初めての投稿となります!


まだまだ中3の未熟者ですが、温かい目で見てください……

誤字、脱字などありましたら、気軽に指摘いただくとありがたいです。

※第一部の最後の方から、斬りのいい場所がないので長くなってしまっています…

※"結晶"は、"クリスタル"と読んでください。最初の方は"結晶【クリスタル】"と、表記されてますが、途中で省略する場合がありますので注意してください(汗

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Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.65 )
日時: 2012/05/25 20:15
名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)


                   ……

「二人共落ち着いてよね…。」

美優は巡とウォーカーにつぶやく。ルナヴィンはうつむきこちらに顔を向けずにいるが、どうやら意識はあるらしい。

「…ルナヴィン大丈夫なのか?」

巡が問う。

「大丈夫。殴っただけだけど。」

「殴った!?」

はたして美優はこんなキャラだったのだろうか。もしかしたらリムーヴァルクに来て頭が可笑しくなってしまったのだろうか。それはそれで困るが。

『…大丈夫かなぁルナヴィン。』

「…まぁなんとか…。」

ルナヴィンが立ち上がる。

「ルナヴィン大丈夫か?」

巡が聞く。

「うん。あの人のおかげかな。」

そういいルナヴィンは美優の方を指さす。対する美優はえ?という顔をしている。

「殴られて感謝してるのか?」

「殴られて…っていうか正気に戻してくれて感謝、みたいな感じかな。僕もよく言葉では説明できないんだけど…でも、あの人…美優には感謝しているよ。」

そう言いルナヴィンは美優の前に立つ。

「ルナヴィン…さっきより話すようになったな。」

巡は思ったことを隣にいるウォーカーに言う。彼は巡の言葉を聞き、ルナヴィンの方を見る。確かに彼は先刻よりは話すようになった。だが、

『でも、まだだよ、僕の知ってるルナヴィンとは程遠いって言ったらいいの?』

「お前の知ってるルナヴィンってどういうやつだよ。」

『僕が知ってるのは…ロンリーと一緒に遊んで楽しそうにしているルナヴィン、かな。あの時の彼は今までにないほど笑顔で、見てるこっちも幸せにするんじゃないか、ってほど幸せオーラを放ってたから。でも、今は違うよね。ただ笑ってるだけ。まだ見てるこっちは幸せにならない。だから、僕の知ってるルナヴィンとは程遠いな、って言ったの。』

「相手を幸せにするオーラを放つルナヴィン…。」

想像してみた。ルナヴィンの体から桃色の幸せオーラが出る画を。そして、巡は瞬間に吹き出した。

突然のことに、ウォーカーはえ、という顔をしている。それは当然で、はたから見たら巡が急に一人で爆笑し始めたのだ。対応が遅れても不思議ではない。

Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.66 )
日時: 2012/06/02 19:46
名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)


                   ……

「カジュネス様……いるかな?」

数分後、カジュネス邸の前に立つ巡、美優、ルナヴィン。ウォーカーは今はいない。カジュネスの事が苦手なのか、カジュネス邸に向かうときに

『あぁ僕ちょっと飲み物買ってくるよ。』

といい一人で行ってしまった。

「いるんじゃねーかな。……。」

ふと、巡は扉ではなく扉の横に目が行った。そこにはこちらの世界で言う"インターホン"が設置されていた。ルナヴィンはそれに気付いていないのか少し大きめの声でカジュネス様ー?と扉に話しかけている。

「…………。」

巡は無言でインターホンを、押した。

すると家中に物凄い轟音が響き渡り、外にいる3人にもその音が聞こえ一瞬にして皆耳をふさいだ。ふさいだときルナヴィンと美優が何か言っていたがこちらには何も聞こえない。

———まさかこんな轟音だとは…カジュネスって奴は耳でもおかしいのか?

一人、そう思っていた時、轟音が止み扉が静かに開く音がした。

轟音から救われた3人は少しずつ耳から手を離し開いた扉の方を見る。そこに人影は無く、しかし確かに人の影がある。人の姿は無いが影だけは存在する。

「…ん?何で影があるんだ?」

まさか上にでもいるのか?そう思った巡はうえをみるも、何の姿も無い。上下左右を見ても大きな人影があるだけで、他に人型の物体は存在しない。不思議に思った巡はルナヴィンに訊ねる。するとルナヴィンが影を指し、

「この人が、カジュネス様だよ。」

と引き腰で言った。そんな馬鹿な、と彼は思い影を見る。しかし影はもう既にそこにはいなく、左右を見ても影はいない。

「ほら、こっちですよ、こっち。何処を見てらっしゃるのですか?訪問者さん。」

何処からとも無く声が聞こえる。それは彼の背後…巡の影から聞こえてきたものだった。

Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.67 )
日時: 2012/06/02 19:48
名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)


                   ……

「!」

背後から急に声がしたため、勢いよく地面を蹴り後ろへ飛ぶ。巡の後ろにあるのはカジュネス邸の扉で、ぎりぎり彼はその扉に触れなかった。
巡の影はちゃんとある。だが、先ほど居た場所の影はまだある。あの影は自分の影では無い。ならば一体誰の影なのか。

先ほど、ルナヴィンが「これがカジュネス様だよ。」と言っていた。ならば、この影がカジュネスだと言うのか。背後から声がした。

「どうした少年、後ろががら空きだぞ?」

「!!?」

背後を振り向いても誰もいない。前の影…否、カジュネスが移動したのかと思い目を向けるが未だにカジュネスはそこにある。美優にカジュネスが動いているか聞いたが、特に変わった様子も無かったと答えた。

両方向から来る謎の声。声質は違うもののどこか似ている雰囲気をかもし出している。同一人物が声質を変えて話しているのかそれとも……。

———もしかして、カジュネスは1人ではなく2人………!?

どっと、じめっとした汗が流れ始める。冷や汗と脂汗が混ざった不思議な感じがした。もし相手が1人ではなく2人だとしたら危険だ。片方の姿は確認出来たものの、もう片方の方は未だ確認が出来ない。声がするだけで姿が見えないのだ。

———どうする……?もしもう片方の方に襲われたりでもしたら………。

第一、訪問客をいきなり襲うと言う事はしないと思うが、此処は巡がいた世界とはだいぶ違う。よってこちらで常識と思っていてもリムーヴァルクでは通じるか分からない。こっちの世界で非常識なのがリムーヴァルクでは常識なのかもしれない。

「どうした?動きが止まっているぞ?」

声は巡の周りから聞こえた。どうやらもう片方は巡の周りを回っているようだ。そうは思っていてもやはり姿はない。下を確認するが影すらない。

「啓一君!影!動いたよ!」

急に美優の声。その美優が言う影の方を見ると、巡の影の前まで来ると静かに巡の影の髪を触る。すると彼の髪が持たれたように上に上がる。そして影が巡の影の髪から手を離すと、巡の髪も静かに落ちる。

影と身体の連動。

とっさに巡は危険を感じた。

もし、この影のカジュネスが自分の影に対して攻撃を仕掛けてきたらどうなるか。片方の目に見えない方の攻撃を防いだとしても、影に攻撃をされたら自分にダメージが来る。

———くそっ……。

半分諦め気味で集中力を弱めたそのときだ。ふいに耳元で声がした。

「そう直ぐ諦めるな少年。」

そういった瞬間、2人の人影が巡と美優・ルナヴィンの間に現れた。身長は美優と同じか、少し高め。

白い服を着こなす2人は巡とルナヴィン、そして美優を一度見渡してから静かに微笑み、

「ようこそ、我が邸宅へ。」

2人一緒に、爽やかな笑顔でそう言った。

Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.68 )
日時: 2012/06/02 19:50
名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)


                   ……

「ったく…2人いるんだったら最初から言ってくれよなぁ。」

カジュネス邸内。3人はソファに座り、目の前には2人の"カジュネス"が座っている。そして巡は横目でルナヴィンを見る。見られたルナヴィンは睨まれたと勘違い、ひどく肩をすくませていた。

「こらこら、訪問者さん。彼怖がっているじゃないですか。」

片方の、柔らかい感じのカジュネスが怒ったような、少し笑っているような表情で言う。言われ巡は見るのを止めたが、ルナヴィンは不安なのか恐る恐るだが巡をじっと見ていた。

「えっと……お前ら、名前は?」

巡は目の前に座るカジュネス達に向かっていった。カジュネス達が口を開こうとした瞬間、妨害が来る。

「啓一君、初対面の人には敬語を使わないといけないでしょ!」

母親かこいつ、と密かに思ったと言うと美優に怒られるので巡はあえて口には出さず、相手の言葉を待った。相手は苦笑し、先ほど喋った柔らかい感じのカジュネスが口を開いた。

「私は、メアリ=カジュネスです。よく天然って言われるんですけど…なんでですかね?」

聞かれても困る。

見た感じ優しそうで、ふわふわした帽子をかぶっている。2人ともドレスを着ているのだが、メアリの方は少し重そうで柔らかい生地のようだ。

「じゃあ、次はわたしか。」

もう片方のカジュネスが立ち上がる。

「わたしはエミリ=カジュネス。少年、わたしのことはちゃんと覚えたか?」

頬を少し緩め笑みを見せるエミリ。彼女の帽子はRPGに出てくるような賢者のような帽子をかぶっており、色は薄紫。ドレスは軽めで、動きやすそうな生地だ。通気性がよいのだろう。





数分後、巡達の自己紹介も終わり、皆打ち解け和気あいあいとしていた。が、何か忘れている気がしてならない巡は一生懸命思い出していた。何故このカジュネス邸に来たのか。その目的とは、

「ロンリー!!」

いきなりテーブルに手をつき大きな声を出す。目線は何処を見ているのか分からないが巡には何か見えているのだろう。

「うむ?少年、ロンリーの知り合いか?」

そういいエミリが腕組を解く。巡がいや、と前置きをして、

「俺じゃねーよ。ルナヴィンなんだ。な、そうだろ?」

急に自分の名前が出てきて驚いたのか、ひゃ、という声を漏らし肩を動かす。大丈夫かコイツ、と巡が思ったがやはり口には出さない。こう言うところが巡のいいところだろうか。

「困ったな、今ロンリーは買出しに行ってるんだが。」

「お姉さま、あの子は仕事が早いので直ぐに帰ってくると思いますけどね。」

「メアリはそう思うか?なら早く帰ってくるのではないかな。少年、ロンリーは直ぐ帰ってくるそうだ。」

「お前ら姉妹だったのか!?」

今日で一番びっくりしたことだった。知らなかったのか?という意外な目で見られる巡。みれば分かるでしょ、という美優の呟きに、ついに巡の心はぽっきりと折れてしまった。彼は意外とナイーブな心の持ち主なのである。

「あぁ、そうか、俺は姉妹も区別出来ないクソなのか、そうなのか………。」

1人でぶつぶつ言ってソファに対してうつ伏せで倒れこんだ。一瞬死んだのかと思い美優が近寄るが大丈夫らしく、安堵のため息をついていた。

Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.69 )
日時: 2012/06/02 19:51
名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)


                   ……

「たっ、只今戻りました!」

数分後、息を切らした声が扉のあたりから聞こえてきた。それを聞いたカジュネス姉妹は、エミリはすくっと静かに立ち上がり、メアリは扉の元に駆けつけた。

「早かったじゃないか、ロンリー。」

エミリがそう言う。彼女の頬は少し緩んでおり、どうやら嬉しいようだ。ロンリーは人気者なのか、と思い巡が扉の方に目を向ける。そこには扉を開けるメアリが映っており、扉の奥から少女が入ってきた。

———女!?

外見は普通のチャイニーズガールと言った感じだ。髪には丸い髪留めをしており、服装は赤いチャイナ服。しかし動きやすいようにあまり生地は長めではない。チャイナ服の下には黒いスパッツを履いている。

ロンリーはエミリとメアリをみて、買ってきた材料を2人に渡し、ルナヴィンの姿を確認すると、一直線に走ってき、ルナヴィンに激突する。

「ぐふっ!?」

ロンリーが激突してきたため苦痛の声を出すルナヴィン。一瞬よろけるがしかし、しっかりとロンリーを支える。

「ろ、ロンリー、急に飛びついてこないでよ……。僕の内蔵が破裂しちゃうじゃんか。」

苦笑いで意外と怖い事言うなコイツ、と巡が思う。やはりリムーヴァルクの住民は皆こちらと少し感性がずれているのかもしれない。

「ルナヴィンの内臓破裂見たい!もう一回体当たりしていい!?いい!?内蔵は・れ・つぅ〜!」

なんだコイツは。

異常なテンションでルナヴィンに話しかけるロンリーという少女。話すたびに身体が揺れ黒い艶やかな髪が揺れる。

「い、いや、内臓破裂とかしたら僕死ぬから、死んじゃうから!!」

「ルナヴィンの死体見てみたい!もう一回体当たりするから動かないでね!ね!」

———待て待て待て、何なんだコイツは。異常か?此処の住民皆異常なのか?そうなのか?

横目でルナヴィンとロンリーのやり取りを見る巡と美優。美優の方は本当にルナヴィンが内臓破裂で死なないようにと回復術の準備をしているのか、手が淡く、白く光っている。

「ふふ、今日もロンリーは楽しそうですね、お姉さま。」

「もしかしたら、ルナヴィンが着たからだろう。奴がこの邸に来るのは久しぶりだからな。数年間会っていないんじゃないか?そうだろう、ロンリー。」

エミリはロンリーに言う。彼女は何度も頭をブンブンと上下に振り、しかし目線はルナヴィンから離さない。

「お、おい、大丈夫なのか?本当にルナヴィン内臓破裂で死ぬんじゃ……。」

「あれがあの子の愛情表現なんだよ。それ故に皆から嫌われていてね……。『あの子に好かれたら攻撃されて死ぬから近寄るな。』って。でも…ルナヴィンはそれでもあの子の元に行った。ルナヴィンは、ロンリーの初めての友達なんだよ。」

エミリは少し悲しそうな、嫌な思い出でもあったような顔をして話してくる。ロンリーも大変なんだな、と巡もため息をつく。どうやらこっちの世界にも"差別"というものは存在しているようだ。それも、自分たちの世界より酷いもの。

再び、扉が叩かれる音がした。


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