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- Every day the Killers †7つの結晶編†
- 日時: 2012/12/02 15:40
- 名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)
初めまして鈴音(すずね)と申します!!
小説カキコでは初めての投稿となります!
まだまだ中3の未熟者ですが、温かい目で見てください……
誤字、脱字などありましたら、気軽に指摘いただくとありがたいです。
※第一部の最後の方から、斬りのいい場所がないので長くなってしまっています…
※"結晶"は、"クリスタル"と読んでください。最初の方は"結晶【クリスタル】"と、表記されてますが、途中で省略する場合がありますので注意してください(汗
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- Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.85 )
- 日時: 2012/09/07 17:44
- 名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)
……
そして、時間は進み始める。
先ほどまで何も無かった空間に、突如青白い光が出現した。
「!?」
彼女は突然の出来事により反射が起こらず、そのまま光と衝突してしまう。思った以上に威力が高く、後ろ数メートルほど飛ばされてしまう。
目の前にいる男は、柄を振り下ろした様子で、こちらを驚いた目で見ている。何を驚くことがあったのか。驚く方はこちらだ。
ビビジガンからは聞いていたが、まさか本当に時間を止める能力を持っているとは。
———聞いた当初は、ビビジガンが私をからかっているだけと思ってたけど……。
本当なのだろうか。分からない。何せ相手が時間を止めていても、自分がそう感じられないからだ。
———時を止める能力、本当なら厄介な相手ね……。何せ時間を止められてしまったらどの攻撃も効かないもの……!
再び時を止められないように素早く攻撃をしようと、仰け反った身体を元に戻す。見れば少年はこちらが無事な事に安堵のため息をついているようだった。
人の心配をしているつもりか?と、怪訝な気持ちになる。何故人の心配をする。それだけ余裕だと、自分に言いあてているのか?と。
「啓一、って言ったわよね」
急に自分が口を開いたため、驚いた顔で腰をあげる。どうやら戦闘態勢を解いたようだ。
「……あぁ」
「貴方、何なの?私の心配、したでしょうさっき。どうして敵である私を心配するのよ。敵は敵でしょう?貴方、敵と味方の区別ぐらいできないの?」
今聞くことではないと思ったが、直ぐ聞かないとこの心の中のモヤモヤがどんどん膨張しそうな気がしたので、実行に移った。
- Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.86 )
- 日時: 2012/09/07 17:46
- 名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)
……
「敵だからって言っても、別にお前らが悪さしてるわけじゃないし…単に俺が勝手にお前を倒して結晶を集めてるだけだしな。 お前らからしたら俺の方が悪役なんじゃないか?」
確かに、彼の言うとおりだ、と風・鈴は思う。しかし何故今ここで言うのか。それに今彼は戦闘態勢を解いている。もし自分が一直線にかまいたちを発射したらどうなるのだろう。防御するまもなくやられるのだろうか?それとも攻撃を真正面から喰らって耐え切って見せるのか。
「啓一……私は、貴方が憎いわ。だって仲間のビビジガンが倒されたんですもの。でも……」
そのあとの言葉は出てこなかった。少年がこちらを無垢な目で見つめてくる。それは何もかも見据えているようなもので。
「向こうで、クリスタクトと啓一が話している……和解とか出来たのかな?」
『さあ。 啓一は殺し屋だし、隙を見せたら殺しにかかるかもね』
「ウォーカー君、そんなこと言わないの。 啓一君は根はいい人なんだから、そんなことはしないと思うよ」
「啓一君って人、結構信頼があるんだね」
防風壁の前、立ちすくむ4人は、目の前の信頼している少年と、敵である女性を相互して見つめていた。そしてふと、臆病者がこう呟く。
「剣……絶好調みたいだね」
『そういえば……あの剣は結局なんだったの?』
とテレパシーで話すのは白髪の小柄な少年。彼は臆病者を見つめると、臆病者はうん、と前置きをして話し出す。
「やっと思い出したよ。あれは確か、時暗刻斬剣スパッジオ・スパーダ。選ばれし者だけが使用可能な贄武器……」
『贄武器?』
と、少年が首をかしげる。親友の問いに対し、臆病者は話を続ける。
「そう、贄武器。使用者の特殊能力を最大限に引き出す代わりに、対価としてその人にとって"大切"なものを奪うっていうものだよ。 簡単に言ったら等価交換かな」
『じゃあ啓一は…………』
「彼が何を失うか、僕には分からない。一緒にいたウォーカーなら分かるんじゃないかな?」
ん、と少年は呻り、考える動作を始めた。
- Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.87 )
- 日時: 2012/09/07 17:46
- 名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)
……
「そうね、じゃあこの戦いで決着をつけましょうか。私が勝ったらもうクリスタクトは失われないけど、不可解な現象が多発する。貴方が勝ったらクリスタクトが倒されてしまうけど、不可解な現象は止み、世界に平和が訪れる、と」
「そういうことだな」
和解を目指していたのだが、相手はなかなかそうはいかず、結局彼女と戦うことになってしまった。果たして自分は彼女を倒せるのだろうか、と不安になるも覚悟を決める。
「手加減はしないと思うけど……いいわよね?」
「ああ、構わない」
と巡は言い、戦闘態勢を再び取る。彼女は取らないが、それは余裕から生まれるものだろう。しかし自分の実力はそこまでないとは思わない。彼女の余裕がどこまで保つのか気になる。
いざという時は時を止めてこの剣を使えばいいのだ、と巡は内心思い、地面を蹴る。砂埃が舞い上がり、足元が砂利だったため少し滑るが速度に支障はない。
一直線に走る。そして眼前で時を止め、斬撃を確実にぶつける予定だった。だからそうした。
しかし、それは実行には移らなかった。なぜならそれは、風・鈴が既にかまいたちを展開しており、巡は防御をしなければならない状況にいたからだ。
「クソ……っ!」
至近距離からの攻撃。防御も虚しく直撃してしまう。時をとめようにも時間が足りなかった。そのまま彼は数メートル後ろに吹き飛ばされる。そのかまいたちは先程とは比べ物にならない威力で、先程は手加減をしていたと感じた。
立ち上がろうとした瞬間、重さを感じた。だんだん、ではなく急にズシッとした重さが右手にかかる。目を移せばそこにはあるはずのないものが存在していた。
「これは…………柄から剣が出現してる……!?」
ありえない、とも、よしとも思った。この剣は時間を止めてる間だけ出てくると思ったがそれは巡の予想違いだった。だがこれで時間を止めなくとも攻撃ができる。
改めて風・鈴の元に走っていく。が足取りが重い。どうしたことだろうか。別に重りも何もつけていないにも関わらず、動きが鈍い。
『啓一!』
遠くから、ウォーカーの声が聞こえる。防風壁の影響なのか、少しノイズ混じりで聞こえてきたその声の方向を見れば、そこにはウォーカー達が焦りの表情を見せていた。何をそんなに焦ることがあるのだろうか。
ふと、足元を見る。そして巡は驚愕する。
自分の右足が、消えかかっているのだ。
- Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.88 )
- 日時: 2012/10/12 21:14
- 名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)
……
「んなっ!?俺の……足が!?」
パニックになり頭がうまく回らない。一体どういう事だろうか。何故自分の足は消えかかっている?何故だろう、そう思ってるとウォーカーから連絡が来る。
『啓一、落ち着いて聞いて!君は今代償を払ってるんだ、君の右足が生贄になってるらしい!』
「は、はあ!?ちょ、ウォーカー、意味が分からねえよ!」
生贄とはなんだ、代償とはなんだ、様々な思いが巡る中、彼の右足は消える勢いを減らさない。
———もしかして、俺はこのまま右足を失って生活するのか?
いや、もしかしたら右足だけではなく左足かもしれない。全身かもしれない。この右足に取り付いている光は俺全てを飲み込むのかもしれない。どうしたらいいんだろうか、第一なんの代償なんだ、これは。
再び、ウォーカーからテレパシーが来る。やはりそれはノイズ混じりで、なかなか聞き取りにくかったが風・鈴が巡の足が消えかかっていることに気づき風を弱めたおかげで聞き取りやすくはなっていた。
『いい?今啓一が持っている剣は時暗刻斬剣スパッジオ・スパーダって言って贄武器の一つらしいんだ、贄武器ってのは後で説明するから置いとくけど、早くその剣を消滅させないと君自身が武器に取り込まれちゃうんだ!』
「なっ……」
———使用者を取り込む剣だと?そんなの聞いたことも見たこともなかったが……今俺が手にしている時暗刻斬剣スパッジオ・スパーダがそうらしいな。贄武器、俺の推測じゃ使用者を生贄にするって感じだが……ルナヴィンめ、とんでもないものを渡してきたな?
これからどう戦おうと、そう悩む。剣を使えば自分が消滅する。剣を使わなければ風・鈴のかまいたちで殺される。究極の二択といってもいいだろう。いや、共通して言えることがある。
———これ、俺ここで死ぬフラグじゃね?
両方共巡が死ぬ、消えるという選択肢なのだ。どちらかというと彼自身、まだ死にたくないというのが本音なのだが今はそんなことを考えている暇ではない。
———俺が戦わないと美優たちに怪我を負わせちまうからな……仕方ねぇ、別に俺が消えたって誰も悲しまねぇだろ!
そして巡は、行った。
- Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.89 )
- 日時: 2012/10/12 21:16
- 名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)
……
消えかかる足を引きずりながら、彼は全力を出し己が倒すべき敵に向かう。対する敵も、自分と相対しようと攻撃の構えをする。
敵の元へと走り行き、地面を蹴飛ばし跳躍する。そして手に持つ武器を相手の頭上へと叩き込む。
「はぁっ!」
命中した。手応えは確かに存在した。が攻撃を受けたであろう敵は微動だにせず、微かに笑った。そして何かが彼の体にあたり吹き飛ばされる。
「…………?」
何が起きたか理解が出来ていない。結果として敵に攻撃が効かなかったのだが、先ほどの間に何があったのか。
「理解、出来ていないようね。私の技を」
敵が、口を開く。
「あぁ、全く、な。 教えてくれるのか?」
にや、と笑う巡に対して、風・鈴は少し顔をしかめる。余裕があるのか、と思っているのかどんどんと顔色が悪くなっていく。
「いえ、教えないわ?面倒だからね。 ……そうだ啓一君。貴方の大切なモノって何?」
「急に言われてもな。答えられるわけないだろ?」
急な質問に対し、驚いたように目を見開くがすぐまた直る。
「あらそう。 じゃあ手当たり次第に攻撃してみましょうか。 そうねえ……まずはお仲間からかしら?」
「っ!?」
そう風・鈴が言った瞬間、血の気が引くのが分かった。一体何を言っているのか理解が出来ない。仲間を攻撃する、と言ったのか?と彼は心の内で自問をする。
「うふふ、今血の気が引いたでしょう?貴方の大切なモノは仲間よ。全く、貴方ってば分かりやすいのね。 まあ攻撃は貴方を倒してからにしてあげるけど」
そう言って風・鈴は足を閉じ両手を横に広げ少し念じる。すると風が彼女の周りに集まりまとわりつくように舞始める。
「さあ、時間稼ぎはおしまいよ。貴方の動きが鈍いうちに私の攻撃を叩き込んであげるわ……!!」
しまった、と思った。急に問いてきたのは巡の足の消失を進行させるためで、巡の答えなどどうでもよかった、ただ時間を稼いでいただけだったのだ。それを思い、巡は焦り始める。
———くそ……、右足は大体膝のあたりまで消えかかってる……それに立ってる感覚が段々無くなってきてるな……、やっぱり早めに倒さないと……!
しかしそれは彼女の技を理解しなければならない。巡は先ほど何故防がれたか分かっていないし、今からくる技も全くの初見で、避けれらるという確証もない。無理に突っ込んでいったら高確率で切り刻まれて死ぬだろう。それだけは避けたいが、時間がない。
「くっ……うおおおおおお!!」
左足で思い切り地面を蹴り、地面すれすれのところまで姿勢を低く保ち、スピードを付ける。風・鈴はまだ両手を開いたままで隙だらけだ。攻撃をしてくる雰囲気でもない。
行ける。今度こそは。
命中してくれよ……!と切実に思いながら剣を振り上げ、風・鈴に叩き込む。しかし、剣は風・鈴の一歩手前で何かにぶつかり、衝撃音が響く。
「なっ……!?」
何かに弾かれ、仰け反る巡を待ち望んでいたかのように風・鈴は開いていた両手を前に突き出し、言う。
「かまいたち!!」
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