二次創作小説(紙ほか)
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- 【イナGO】〜雷門の蒼きストライカー〜
- 日時: 2013/07/17 22:12
- 名前: 時橋 翔也 (ID: FMSqraAH)
- プロフ: また…つくってしまった
こんにちは! 銀河一の駄作者 時橋です!
☆旧紙ほかで連載していた雷門の蒼きストライカーのリメイク小説です
設定等に付け足しや変更が少々ありますが、人間関係は変えるつもりはありません
☆文章の構成を変えました、わかりやすく説明と描写をたくさんいれましたが、さらに読みにくかったらすいませんm(__)m
イナゴ第三弾!今回はオリキャラが主人公です!
¢注意!
・恐ろしいを飛び抜けた駄文 ←(超超超重要)
・アニメあんま見たことないので色々おかしい
・アニメと言うよりゲーム沿い そしてオリジナル要素がある
・更新遅し
・荒らし&悪口は禁止 それ以外のコメントなら大歓迎
・キャラ崩壊がヤバイ
・十%コメディ九十%シリアスです
・ネタバレあるので、そういうのが嫌いな人は目次のみ見ることをおすすめします ←(超重要)
・前作と変更かなりありますが指摘しないでね ←(超超重要)
これらが許せる方はどうぞ
☆お客様☆
・ARISA 様
・葉月 様
・素海龍 様
・風龍神奈 様
・リア 様
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
これは、とある少女のお話。
歴史の中では決して語られなかった、もうひとつの『物語』。
†目次†
プロローグ>>1
*第一章「蒼きストライカーの出現とホーリーロード」
@Ⅰ〜変わり果てたサッカー編〜
第1話>>2 第2話>>5 第3話>>6 第4話>>7 第5話>>12 第6話>>13 第7話>>14 第8話>>15 第9話>>16 第10話>>22 第11話>>25 第12話>>30 第13話>>32 第14話>>34
afterword>>53
@‖〜雷門を照らす太陽編〜
第15話>>37 第16話>>48 第17話>>49 第18話>>50 第19話>>57 第20話>>62 第21話>>65 第22話>>66 第23話>>72 第24話>>76 第25話>>83 第26話>>85 第27話>>86
afterword>>87
@Ⅲ〜復讐の灯火編〜
第28話>>88 第29話>>89 第30話>>93 第31話>>99 第32話>>102 第33話>>105 第34話>>108 第35話>>113 第36話>>114 第37話>>117 第38話>>120 第39話>>128 第40話>>129 第41話>>130 第42話>>131 第43話>>132 第44話>>133 第45話>>136-137
afterword>>138
@IV〜過去に縛られた戦士編〜
第46話>>139 第47話>>140 第48話>>143 第49話>>147 第50話>>148 第51話>>151 第52話>>156 第53話>>159 第54話>>160 第55話>>163 第56話>>166 第57話>>169 第58話>>176 第59話>>177-178
afterword>>179
@Ⅴ〜革命を起こす二つの風編〜
第60話>>185 第61話>>190 第62話>>193 第63話>>194 第64話>>200 第65話>>202 第66話>>203 第67話>>205 第68話>>207 第69話>>215 第70話>>216 第71話>>217
*【番外短編集】
作者の気まぐれ。本編と関係があるかもしれないし、ないかもしれない。暇なときにどうぞ。
[♪誕生日企画♪〜バースデー大作戦〜]
五月二日、この日は登場機会が少ない海音の兄、直矢の誕生日。
>>171-172
- Re: 【イナGO】〜雷門の蒼きストライカー〜 ( No.135 )
- 日時: 2013/03/29 21:03
- 名前: 時橋 翔也 (ID: cFLcjEJH)
神奈へ
叫ばせてごめんね!海音がやらかし過ぎるのなんの…
海音「痛い…」
翔也「手首?派手に刺したからね〜」
海音「目も痛いし〜失明してたら殺すよ」
翔也「ごめんなさい」
翔也「私が磯崎好きなの!」
磯崎「はあ?」
翔也「はあって…いつエンドレスプリズンから帰還したの」
磯崎「これから行くんだし」
聖歌「兄貴のばか!ばかばか!」
翔也「あーあ…聖歌泣かせた」
磯崎「え…ちょ…聖歌泣くなよ!」
翔也「みなさまよろしく!」
海音「ボクとも仲良くできるかな?」
翔也「海音はともかくレインがね…」
海音「あー確かに…」
- 第45話 ( No.136 )
- 日時: 2013/03/29 21:05
- 名前: 時橋 翔也 (ID: j.vAWp8a)
打ち上げが『楽しみ』ではなく『知りたい』と言う感情で満たされるなど、思っても見なかった
ホーリーロード地区予選二回戦が本来の指示を破り雷門の勝利となった次の日の昼頃 この日は休日で、まさか私的な目的でキャラバンが出ている筈もなく、海音はこの前最高級バスケットボールを買ったせいで残り少ない小遣いをはたいて万能坂行きのバスに乗り、昨日も歩いた万能坂の坂道を歩いていた
打ち上げは車イスの聖歌の移動の事も考え、聖歌の家で行われる事となった もちろん磯崎も住んでいた家だ
坂道を右折し、そこに見えたアパートの階段を上がり聖歌が昨日教えてくれた番号のドアの前でインターホンを押した
「…入るよ…」
勝手に入っていいと聖歌に予め言われていたので、海音は鍵がかけられていないドアを開いた すでに天馬達は来ているとメールをもらった… 確かにそのようだ
「わーすごい!」
「え?今のホントに手品!?」
リビングから天馬と霧野の声が聞こえた 海音は玄関を上がり、リビングにやって来るとソファーの上で天馬と霧野、信助が夜桜のトランプの手品に見入り、神童と三国と聖歌はテーブルの上のジュースを飲みながら話をしていた
「………」
「あ、海音〜!」
テーブルの上のクッキーを掴むと天馬は海音に気がつき、海音に手をふった
「…どしたのこのお菓子…」
海音はまるでオードブルのように並んだ様々なお菓子を指差して言った このようにお菓子を持ってこいと言う指示はなかったはず
「私が用意したの、せっかくの打ち上げだし…」
聖歌は言った 一人で?と聞きたくなったが止めておいた
この日の打ち上げのメンバーは海音、天馬、信助、神童、三国、霧野、夜桜、聖歌の八人 この前天馬達が企画していたサッカー復活組で遊びにいこうと言う計画も兼ねようと言うことと、夜桜と聖歌は聞きたいことがあるしさらに霧野は昨日磯崎に足を怪我させられたため、その事を謝りたいという聖歌の要望 これらが重なりこの意味がわからない人選となった
「夜桜さん!他には?」
「うーん…じゃああれもやるか」
夜桜は天馬にせかされ、ポケットからサイコロを三つ取り出した 海音もバッグを下ろし神童の隣に腰かける
サイコロの色は赤、青、黒の三つ 夜桜は霧野を見た
「…この三つの内ならどれがいい?」
「えっと…赤」
霧野が答えると、夜桜は赤のサイコロを掴み握りしめた
「えーと松風君…だっけ?どれか一つサイコロを握ってくれる?」
「あ、ハイ!」
天馬は頷き、黒を選んで夜桜のように握った
最後に残った青いサイコロを掴み、夜桜は最後に信助に手渡した
「これ持ってて」
「はい…」
信助も両手でサイコロを握りしめた
夜桜は握っていない方の手をあげ、パチンと指を鳴らした
「…はい、もういいよ 二人とも手を開いてサイコロを見てみて」
「……ええ!?」
夜桜に言われ天馬と信助はサイコロを見てみる 確かにサイコロだが、さっきまで持っていたはずの色が反対になっていた
「あれ?俺黒だったのに…何で青?」
「僕のは黒になってる…」
「これで終わりじゃないぜ?…霧野もそのフードの中見てみろよ」
訳もわからず霧野は着ていたパーカーの後ろのフードを探ってみる そこから出てきたのは、驚きの物だった
「え…?赤いサイコロ?」
先程夜桜が持っていたはずの赤いサイコロが霧野のフードから出てきた 夜桜は手を広げるが、もちろんサイコロは無い
「すごいな…魔法みたいだ」
それを見ていた三国は言った こうした手品を間近で見たことなど無かったのだ
三つのサイコロを回収すると、夜桜は海音や神童を見た
「…じゃあ海音も来たし、話そうか…俺達『アール』についてさ」
「アール…とは?」
神童は夜桜を見て訪ねた
「反乱を意味する英単語revoltの頭文字を取ってアール…俺と磯崎を含む五人のシードで構成されたフィフスセクターの内部崩壊を招こうとしているグループさ」
「…もしかして、隼総もアールの一人?」
海音は訪ねてみる 夜桜はああ、と頷いた
「あんまりあいつはアールに入らせたく無かったんだ… あいつは俺達と違ってフィフスセクターを格別憎んでいる訳でも無かった あいつまでエンドレス・プリズンに行く必要は無かったんだ」
「フィフスセクターを…憎んでいる?」
天馬は聞き返す アールとは元々フィフスセクターを憎んでいるものたちで結成されたものなのか
「…俺はさ、…殺されたんだ フィフスセクターに仲間を」
「え?」
海音は思っても見なかった言葉に声を上げる フィフスセクターが人を殺したなら、瞬く間にニュースとなるはずだがそのような事件聞いたこと無い
「……勿論公じゃない、あくまで事故死だった …そいつはフィフスセクターが不正を犯しているかもしれないって得意なインターネット介入を使いフィフスセクターの超機密データベースの介入に成功したんだ…そして見てしまったんだよ、フィフスセクターの秘密を」
夜桜の顔は真剣この上無かった フィフスセクターに友を殺された怒りが痛いほど海音には伝わってきた
「…光良、その秘密ってなんなんだ?」
「…わからない」
訊ねる神童に、夜桜は首を横に振った
「あいつは去年の冬、…雪が降っていたあの日に信号無視した車に引かれた 俺はその時確かに…ひき逃げした車の運転手がフィフスのマークの服を着ていて笑っていたのを見たんだ… あいつは息も絶え絶えで俺に死ぬ間際『フィフスセクターに深く関わるな』…それだけ言って何を見たのかわからずじまいになった」
恐らく夜桜が知れば、夜桜まで自分と同じ
道を辿る…そう考えたんだろう
「でも、犯人は捕まったんですか?」
天馬は訊ねる ああ、でもな…と夜桜は続けた
「捕まったのは俺が見たのと全く違う奴だった…多分替え玉だろうな そして俺の証言など聞かずに無理矢理事件は終わらされた」
そして夜桜は聖歌の方を見た 聖歌は兄を思ってか、悲しげな顔をしている
「だから俺は…磯崎がつくったアールに入ることにした 一度学校を離れ、シードになるため養成施設に入ったんだ」
「…聖歌ってフィフスセクターと何かあったの?」
海音は聞きづらい事だと知りながら訪ねた 聖歌の顔が泣きそうに歪む
「…聖歌は小5で百年に一人の天才って呼ばれたほどのサッカーセンスを持っていたんだ」
夜桜は話始める
「いろんなチームからスカウトも受けてさ…とにかくサッカーが上手かった 俺が戦っても全く勝てなかったし」
「へー…」
天馬は聖歌を見る 女子ストライカーでも百年に一人の天才ならば、どこからでもスカウトが来るだろう
「…聖歌はフィフスセクターからもスカウトが来たんだ でも聖歌は管理サッカーに否定的だったからあっさり断った…そのせいかもな、あんなことが起こったのは…」
「…私ね、フィフスセクターの専属チームに試合を申し込まれたの」
初めてここで、聖歌が口を開いた 悲しげな表情は変えないまま
「このとき近くのサッカーチームのキャプテンでエースストライカーだったの…試合なんてしょっちゅうだったしフィフスセクターでもいつも通りだと思ってた…でも違った」
「フィフスセクターは…試合の中、聖歌だけに集中的なラフプレーを仕掛けたんだ」
夜桜は言った まるであの日を思い出すような目で
「百年に一人の天才がフィフスセクターにとってどれだけの驚異になるかわからないからな、…もはやサッカーでは無かった サッカーをもって聖歌の足を痛め付け、骨まで砕いて血まみれで再起不能にした… 試合は公式戦じゃなかったし審判もフィフスの配下だったから試合を止めようとはしなかったんだよ」
「ひどい…」
信助は呟いた 審判ならばあり得ない行為だ
夜桜は続ける
「俺と磯崎が来たときにはもう遅かった…フィフスは消え、残されたのはボロボロにされたチームと血まみれの聖歌だけ …聖歌の足はもう使い物にならなくて、手術で義足にした…下半身不随にもなっていたから歩くことも出来ないがな」
「……私なの…!兄貴を変えたのは…」
聖歌はそう言いながらスカートを握り、首に刻まれた傷跡をさすった
その傷跡は、サッカーしただけでは到底着くことはない痛々しい物だった
- 第45話 ( No.137 )
- 日時: 2013/03/29 21:07
- 名前: 時橋 翔也 (ID: 8keOW9sU)
「…私ね、死にたかったの」
聖歌の言葉に皆の雰囲気が凍りつく 視線が全て聖歌だけに向けられた
「聖歌…?」
「サッカー出来なくなって…生きてても楽しくないって…」
聖歌は言った
「だから私入院してるとき、カッターで首を切って自殺しようとした!でもあともうすぐって所で兄貴に助けられて…それを何度も何度も!!死にたくて兄貴の気持ちなんて考えずに!!」
見舞いに行くたびに、聖歌が自殺しようとしている これを繰り返すうちに、磯崎は病んでしまいフィフスセクターを憎むようになったのだ
「だから俺も…手品とかサッカー以外で楽しめる事を教えたりしたんだ」
夜桜は微笑しながら聖歌をちらりと見た
「そしたら次第に良くなったよ…手品もある程度出来るようになったし、最近ではバスケもしてるんだろ?車イスのバスケ」
足が使えない以上、足を使うサッカーは出来ないが手を使うバスケなら出来る
車イスのバスケは公式でも認められているのはバスケファンの海音もよく知っていた
「…私のせいだ…兄貴が連れていかれたのは…」
「大丈夫だよ!磯崎はきっと帰ってくるよ!」
海音は聖歌に明るく言った エンドレス・プリズンがどのような施設なのかはわからないが、磯崎が聖歌を一人で置いていくなどしないだろう
「…復讐の為フィフスセクターに…か」
すると霧野は呟いた
「俺と似ているかもな…アールって」
「霧野先輩…?」
海音は霧野のいう意味がいまいちよく分からなかった
すると今度は夜桜が俯いた
「…アールの皆は、全員エンドレス・プリズンに行くはずなんだ、なのにどうして俺だけ…!」
「夜桜…」
海音は呟く 夜桜をエンドレス・プリズンに連れていきたくないと言うのもあるだろうが、…聖歌を一人にしたくないという思いも少なからずあったのだろうと思う
「…あいつ、自分がエンドレス・プリズンに行くのを分かっていたから、彼女も振ったしな」
夜桜は言った え?と周りの皆は夜桜を見つめた
「え?磯崎って…彼女いたの?」
「ああ居たぞ、てかあいつ以外とモテるんだぜ?俺はあいつが小6からの付き合いだが…あいつ卒業式に女子二人位から告られてたし、最近では別の女子から告られてた …まあそいつが彼女だけど」
「嘘ォォォォ!!?」
天馬と信助と霧野は声を上げた 絶叫とも言うべきか
「え?普通じゃないのか?」
「リア充爆発しろ!!」
さらりといった神童に霧野は叫んだ
「…じゃあ夜桜は?」
海音は気になり訊ねると、まるで凍りついたように夜桜は固まった
「いや…そのまあ…気にするなよ、な?」
「……(−_−)」
「わ、悪かったかよ!告られた事なんてねーよ!!」
夜桜が叫んだ 男の黒歴史とでも言えるだろう
すると神童はあることを思いだし、夜桜に訪ねた
「…光良、磯崎は俺達を反乱軍にしたと言っていたが、どういう意味だ?」
「…俺達アールは内側から でもそれだけじゃ足りない…外側からも攻撃が必要だった そこで…雷門を利用することにした」
夜桜は言った 利用?その言葉に天馬は首を傾げる
「利用って…俺達がフィフスセクターに反抗するように?」
「そういうこと」
「…まてよ」
すると今度は三国が口を開いた
「お前らはシードだろ?わざわざ俺達が反抗をしなくても、お前たちが起こせば良かったんじゃないか?」
「…まあ、学校が違えばそうしたかもな」
夜桜は三国を見つめた
「シードはある程度の訓練が修了したら所属する学校が指示されるんだ …そして俺達五人とも違う学校だったし、フィフスセクターの力が強い学校だったんだ」
「なるほど…うかつに動けなかったわけか」
神童は腕を組み納得する
「俺達が雷門を選んだ理由は…まあ偶然五人とも同じ関東地区で関東地区では雷門が強いってのもあるし、フィフスセクターからの干渉も少なかったから……それに、海音がいたからかな」
「え…ボク?」
海音は夜桜を見ながら自分を指差す
「お前は雷門に入るって言ってただろ?…海音は管理サッカーに絶対に従わないだろうし、お前なら雷門を反乱に導けると思った…もしそこまでいかなくても、そこは俺達でカバーできそうだしな」
「カバーって…どういうことだ?」
続いて霧野は訪ねた
その問いに、夜桜は問い返した
「…俺達が何故、ラフプレーをしたかわかるか?」
思ってもみない問いだった
周りの皆が答えられずにいると、夜桜は答えた
「理由は簡単、仲間を守ろうとする思いを奮い立たせるため」
「仲間を守ろうとする…思い?」
天馬は聞き返すが、その意味は大体想像はついた
「仲間が傷つけられれば、普通仲間なら守ろうとするだろ?…俺達はわざとお前らを必要以上に傷つけ、憎まれ役になってでもその思いを引き出した…そこだけは申し訳ないと言っておくよ」
「…でも磯崎は海音の足を…!」
そこで信助は言った 磯崎は試合で海音の足を狙ってスライディングを仕掛けた しかし剣城のお陰で聖歌のようにサッカー出来なくなる事は無かった
「…あれも、剣城を雷門に入れるためさ」
夜桜は信助を見た
「雷門に大体反乱の兆しが見えたら、次にやっかいなのは剣城だ… だから磯崎は今回剣城を試合に出させ、わざと剣城が嫌うプレーで万能坂から離反させた まああれは本気で海音の足を狙ってたけど…」
「剣城が嫌うプレー?」
「…あいつは、よくわからないが養成施設でサッカーが出来なくなるプレーが嫌いだったんだよ」
サッカーが出来なくなるプレー…その言葉が少しだけ海音の中で引っ掛かった
「あ、言っとくけど…磯崎は人一倍ラフプレーが嫌いなんだ 聖歌の事があるからな」
「…それでもあいつは俺達を…」
夜桜に言われ、神童は俯いた そこまでして磯崎はフィフスセクターを…
すると夜桜は近くのスポーツバッグからスパイクを二つ取り出した 両方とも右足で、万能坂の物だった
「…これが万能坂のスパイクの秘密」
夜桜は皆に片方のスパイクの裏側を見せる たくさんの鋭利なトゲがついていた これならスライディングで怪我するのも無理はない
「…んで、これが俺のスパイク」
続いて夜桜は自分のスパイクを見せた トゲはついているものの、先が丸くなっていた
「俺と磯崎はこっそりスパイクのトゲを紙ヤスリで削って、選手へのダメージを減らせるようにしたんだ…霧野の怪我も、鋭利ならその程度じゃないと思う」
「うう…スパイクパネェ…」
霧野は言った 加工によりスパイクだけでも驚異になるなんて思っても見なかった
夜桜は見せたスパイクをスポーツバッグの中にしまいこむと、皆を見た
「…とまあ…アールについては洗いざらい話したかな…」
「アールの人はまだ二人いるよね…何処にいるの?」
海音は訪ねたが、夜桜は首を横に振った
「それは言えない…でもお前らは戦うだろうな」
「…なあ、もし俺達が負けたらどうするつもりだったんだ?」
三国は訪ねた 確かに雷門を奮い立たせても、負けたらそこで終わりだ
「…でもお前らは勝った 負けるかもしれないなんてヤワなチームは俺達は選ばないさ」
夜桜、アールの答えがそれだった
あ、そうそう…と夜桜は続ける
「俺はシードを続ける、そうフィフスセクターから処分が決まった」
「大丈夫なのか?」
「ああ…俺はフィフスに従うふりしながら内部を崩壊させていく」
夜桜は心配する神童に言った
「…無理はしないでね」
「もちろん…ついでにアールの皆も助け出す」
それは夜桜の決意だった
すると今までの雰囲気と打って代わり夜桜は海音や皆を見た
「ほら、お菓子とか湿気るから早く食えよ!打ち上げだし…ここからは楽しもっか」
「あ、うん…」
「うわっ!ジュースこぼれた!」
「あちゃー…天馬やらかしたね…」
「はい、このティッシュ使って」
「ごめんね聖歌…」
「やれやれ… まあ楽しみましょう先輩」
「そうだな神童…」
「…絶対に皆、助け出すさ…必ず」
- あとがき ( No.138 )
- 日時: 2013/03/29 21:09
- 名前: 時橋 翔也 (ID: Y4EbjjKp)
こんにちは、最近本命の高校に合格し有頂天のところにまさかの高校から宿題が来て(‾□||||!!となった時橋です
復讐の灯火編…前回だけでも長かったのにさらに長くなりました…すいません
あと、今回出てきたエンドレス・プリズンはまた出てきます(多分)
聖歌は…何となく磯崎くんがシスコンで病んでたらいいなーという妄想から生まれた偶然の産物…すまない聖歌
やばい、まだ第一章が終わらない…あ、第一章とはホーリーロードのことですが、第二章から本格的な物語を始動させるつもりなのに…やばい!
あ、ちなみに第二章、クロノ・ストーンじゃないですよ?イナクロ好きな方ごめんなさい
次は過去に縛られた戦士編!この戦士とはもうお分かりですね?
取り合えず剣城がかなり多くなると思います…あと海音との関係も!
私は帝国では龍崎くんと雅野くん好きなんですが…龍崎くんには取って置きの設定を入れています、お楽しみに!
あと、気づいてると思いますがこの小説、。とか——とか無いんですよ、読みづらーいという人も少なからずいたと思います そこで…
つぎの編からは書き方を変えます!。とかもバリバリ使います!というわけでよろしくお願いします!
なんとこの小説が参照1000突破!?見てくれた方々感謝します!アリガトウ!!
あとがき時橋でした
- 第46話 ( No.139 )
- 日時: 2013/03/30 20:55
- 名前: 時橋 翔也 (ID: xhJ6l4BS)
フィフスセクター本部の薄暗いホールの中央に剣城は立っていた。立たされているというべきか。
周りにはフィフスセクターの配下のものたちが並び、剣城を監視するように立っている。
ホールの一番奥の高めの場所にある玉座、そこには一人の男が座っていた。
歳は円堂くらい、白っぽい髪をストレートにし青いメッシュが入っていて、少し派手目な服を纏っている。足を組みこちらを見つめるその姿はまさに『皇帝』のようだった。
フィフスセクターの現時点トップである『聖帝』、イシドシュウジだ。
「………」
剣城は必死に威圧感に耐えていた。
まるで全てを見透かすような目に、剣城は視線を背けるしか出来なかった。
「…剣城京介、君は我々を裏切ったのかな?」
とうとうイシドが声を上げる。剣城はその威圧感に、何も言えなかった。
契約した相手ではあるものの、こうしてじかに話したことなど無かった。
「お前は命令に逆らい、雷門の勝利に手を貸した。…シードとしてあるまじき行為だ」
近くの男は言った。剣城もそれは重々わかっている。
さらに男は剣城が恐れていたことを口にする。
「…今後このような事があれば、君の兄は生きる希望を失うことになる」
「……!!」
剣城は反応した。まるで傷を抉られたような感じだ。
イシドは剣城をまっすぐ見た。
「…私は信じているよ…。次の試合で証明してくれたまえ」
「……はい」
剣城はイシドに一礼した。
…そうだ、ここでフィフスセクターから契約を破棄されれば…兄さんは…。
そんな事を考えながら、剣城はホールを周りの配下と共に出ていった。
* * *
打ち上げがあった日。
始めはしんみりしていた打ち上げだったが、夜桜の手品やその他の面白い話のお陰でなんとかお菓子も完食し楽しく過ごすことが出来た。
そしてさらに次の日の今に至る。
海音は白いTシャツに指定ハーフパンツの格好で体育館に居る。周りでは同じ格好をしたクラスメート達がサッカーやバスケ、簡易防具の剣道など様々な競技を行っていた。この学校の体育館は馬鹿みたいに広いため、これだけ違った様々な競技をしていてもまだゆとりがある。
本来ならこの時間帯はまだ二時間目で体育の授業の筈だったが、体育を担当している教師が体調不良で休みのため、こうした自由スポーツが許可されていたのだ。
「………」
海音は同じく体育館に居る剣城に目を向ける。馴れ合いが苦手な剣城は周りから離れ、一人でただスポーツを傍観するだけだった。
あのような行動を取って剣城がフィフスセクターから何も言われない訳がない。そう思い海音は何度か剣城に何かあったか訪ねたが、答えは決まって『話すことはない』だった。
その時。
「…雪雨、バスケやらないか?」
後ろから声がした。
海音が振り返ると、そこにいたのはバスケ部の男子が数名立っていた。
「…いいけどどうして?」
「お前の兄さん、あの雪雨直矢さんなんだろ?」
ああ、そういうことか…と海音は納得した。直矢はバスケの世界では超のつく有名人だ。その直矢が兄だと知ればバスケ出来ると思うのも無理はない。
まあ、実際に出来るのだが。
海音と男子達はバスケゴールに移動し、一対二のバスケをすることとなった。海音が攻撃で相手が守りだ。一対二だと不公平に思うかも知れないが、海音はこれでも勝てる自信があった。
「よーい…スタート!」
掛け声と共に海音はドリブルで走り出しディフェンスへと突っ込んでいく。
刹那、海音はゴールにダンクシュートを決めていた。
「え?何今の…」
「速い…!」
見ていた周りの者達からそんな声が上がる。本当のバスケ部員である二人を簡単に抜き去る海音のドリブルを見れば当然だろう。
サッカー部員でありながらも抜群のバスケの実力を持つ海音は、以前にも何度かバスケ部にスカウトされた事がある。勿論全て断ったが。
「海音くんすごい!」
「お前やっぱりバスケ部来いよ、エースになること間違いないぜ!」
「いや…ボクはサッカー部員だから…」
確かにバスケは好きだがサッカーも好きだ。
…でもどちらが好きかと聞かれたら、きっと回答につまるだろうな…。海音はふとそう思った。
* * *
「…アール、か…」
放課後、神童達から話を聞いた円堂は呟いた。まさか夜桜がそのような活動をしていたとは…少し驚いている。
「利用されてたのは気に食わねーが、…まあそのお陰で本当のサッカーを見失わずにすんだんだな」
腕を組みながら倉間は言った。そうだね、と浜野も呟いた。
「でもさー、…あと二人残っているんでしょ?誰なのか気になるよね〜」
「知ったところでどうせ知らない奴だろ」
隣の車田は言った。確かに言われればそうかもしれない。
「…まあ剣城は知ってるかも知れないが」
三国がそう言うと、海音はふと剣城の事を思い出す。何か罰を受けたのだろうか…もしそうだとしたら心配だった。
周りではすでに練習を始めていた。今日は天気が良いため第二グラウンドを使っている。
「海音一緒にサッカーしよ!」
「いいよ」
天馬に言われ、海音は近くのサッカーボールを拾い上げ天馬と移動する。周りでも個人で練習したりグループで練習したりと様々だ。
春とは思えない炎天下、海音は天馬と一対一でサッカーをした。サッカーといっても、ドリブルでのボールの奪い合いだ。
「そよかぜステップ!」
「スノーウインド!」
必殺技を使い、力の限りサッカーをする。炎天下の中でのプレーなので、二人に限らず皆から汗がかなり出てくる。
やっぱりサッカーは楽しいな…改めてそう感じた。
「暑いね〜」
「うん…」
額の汗を拭いながら海音は頷く。暑いのは苦手だ。寒いのなら大丈夫だが。
「皆お疲れ〜」
すると葵と茜が部員達に冷えたドリンクを手渡し始める。炎天下の中でのサッカーだったため、皆の喉の乾きは最高潮に達していた。
「にしても暑いな〜」
「こうした暑い中でのサッカーも中々良いだろ?」
首に掛けてあるタオルで垂れてくる汗をふきながらドリンクを飲んでいた霧野に、円堂は笑顔でそう言った。
殆ど汗を掻くこともない海音がタオルで次々と出てくる汗を拭っていた時だった。
「うわあっ!!」
「冷たッ!!」
そんな声がして向こうを見てみると、水鳥が青いホースを天馬と信助に向けていた。先につけられた器具で本来なら普通の水が細かい霧へと変わり、二人に吹き付けている。
「うわっ!」
更に水鳥は他の部員達にも次々と浴びせていく。元々冷えた水なので冷たくて気分がいい。
「これなら涼しいだろ?」
水鳥は言った。確かにこれなら涼しいのは一目瞭然だ。
『…あの少女が雷門復活の引き金だな』
レインにそう言われ、確かに海音もそうだなと思った。
…水鳥のあの言葉が無ければ、きっと皆反抗なんて決断しなかっただろう。
「…レイン、ちょっと力を貸して」
『ああ、構わないが…何する気だ?』
「少しね」
海音は呼吸を整え、右手を少しだけ挙げた。
「…あれ?」
天馬はホースから出ているものが霧から別のものに変わったのに気づいた。白い粉のようで、手のひらにのせると水となり消えた。
「これって…雪?」
手のひらに乗っかったものを見つめて神童は呟く。冷たい細かい粉であることからあながち間違いでは無いだろう。
「雪…?」
「え、天馬知らないの!?」
「うん、…沖縄に住んでたから…」
「しかし何故雪が…?」
神童は一昨日の試合での出来事を思い出し、海音の方を見てみた。
海音は右手を少しだけ挙げ、目はつり目で赤く雰囲気ががらりと変わっていた。
「…海音、なのか?」
「こっちの方が冷たいですよ」
海音がそう言ったのが答えだった。
「………」
剣城は学校の敷地内を歩いていると、皆が練習している第二グラウンドが見えた。万能坂戦では確かに味方をしたものの、正式にサッカー部員の仲間入りするつもりはないしサッカー部に近づく気にもなれなかった。
「あいつら…」
第二グラウンドではホースから出ている雪で部員達がはしゃいでいた。この前までのあのピリピリした雰囲気は影も残さず消えている…。
「雪合戦出来るんじゃね?」
「浜野くん…、そこまで雪無いですよ。それに海音くんが大変です」
よく見ると海音が『力』を使っているのが分かった。ホースから水ではなく雪を出せるのは海音位だろう。
剣城は第二グラウンドの面々を見つめる。馬鹿馬鹿しい、子供みたいだ。そう思いもしたが何より…。
———楽しそうだった。
「すごいね!海音って能力者?」
「…まあ似たようなモノだな」
海音は天馬に微笑んだ。すると信助は海音を見つめる。
「海音大丈夫?また性格変わったりしない?」
「…口調は変わるが、化身を出さない限りは大丈夫だ」
海音は答える。その口調はレインそのものだった。
…雷門を変えた蒼きストライカー。
こいつはサッカーどころか…運命すらも変えてしまうかもしれない。
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