二次創作小説(紙ほか)
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- ポケットモンスター 七つの星と罪
- 日時: 2013/07/21 23:48
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: PNtUB9fS)
- プロフ: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
どうも、初めましての人は初めまして、白黒です。
旧二次小説板を覗いた事のある人なら、知ってる人がいるかもしれませんね。以前もポケモンの二次小説を執筆していました。
前作はゲームのストーリーをモデルにしていましたが、今回はほぼ完全なオリジナルです。前作との繋がりは……ないとは言いませんが、一作目と二作目ほどの繋がりはありません。
ちなみに白黒は前作、この時期ぐらいに更新が止まっていました。何分この時期は忙しい身でして、しばらく更新は遅いと思いますが、ご了承ください。
それと、本作品では非公式のポケモンも登場します。>>0にURLを貼っていますので、参考にしてください。
なお本作品内では、ポケモンバトルにおいて超常的な現象が起きます。それは物語を進めていくうちに作中で追々説明しますが、まあ超次元サッカーとか異能力麻雀とか、そんな感じのものだと思ってください。
それでは、白黒の新しい物語が始まります——
登場人物紹介
>>31
プロローグ
>>1
序章
>>7 >>10 >>11
シコタン島編
ハルビタウン
>>12 >>13 >>14
シュンセイシティ
>>17 >>18 >>23 >>24 >>29 >>30 >>35
ハルサメタウン
>>37 >>40 >>41 >>42 >>43
クナシル島編
サミダレタウン
>>63 >>73 >>74 >>77 >>80 >>84 >>87 >>88
ライカシティ
>>91 >>92 >>95 >>98 >>99 >>100 >>106
オボロシティ
>>108 >>109 >>110 >>111 >>112 >>115 >>119 >>120 >>123
カゲロウシティ
>>126 >>127 >>128 >>129 >>130 >>131 >>133 >>134 >>135 >>136 >>137 >>140 >>143 >>149 >>150
ライウタウン
>>151 >>154 >>155 >>156 >>159 >>162 >>166 >>171 >>172 >>175 >>176 >>177 >>178 >>179 >>180
- 第56話 conflict ( No.149 )
- 日時: 2013/05/25 21:35
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: FLZh3btT)
- プロフ: 欺くアスモ、対立するフィアとルーメ——
「それじゃあお願い」
「ああ。念のためにトコヤミをつけておく。何かあったら声を上げろ」
「うん、分かった」
軽く言葉を交わすと、アスモはルーメから離れて森林の奥へと消えていく。
「っ、待て——」
「待つのはお前だ」
フィアが駆け出してアスモを追おうとするのを、ルーメがボールを突き出して制す。
「見てくれも雰囲気もただの少年にしか見えなかったから油断した。お前がお嬢を狙う輩だったんだな」
「は……? え?」
頭がついて行かない。何のことか、フィアには理解できない。しかしルーメはそんなフィアのことなどは意にも介さず、話を進める。
「お嬢が財布を落としたのは偶然だろうが、お嬢に好意的に接し、近づいたのも罠か。彼女はまだ幼い、好意を示せばなびくのは道理。方法自体はともかく、少女を相手にするのは外道だ」
それは逆だと、フィアは心中で反論する。ルーメの言うようにアスモが財布を落としたのは偶然としか思えないが、もう一人の七罪人と合わせてフィアを襲おうとしたことから、アスモの方が元々フィアに近づくつもりだったに違いない。
そう思いながらフィアの中でピースがはまっていき、ルーメはさらに言葉を放つ。
「極めつけは、身ぐるみを剥いだことか。お嬢がたまたま元の服を持っていたからともかく、下手をすれば助けを求められない状況にすらなっていた。最初は気の弱い少年だと思っていたが、獣じみた面もあるんだな」
ここでやっと、フィアの中で合点がいった。全てのピースが埋まり、遂に状況が理解できた。
(あの子、この人に嘘を吹き込んだな……!)
もっと落ち着いていればすぐに分かったかもしれない。つまりアスモは、自分にとって都合のいい情報をルーメに吹き込んだのだ。そしてルーメを自分の味方につけ、フィアの前に立ち塞がせている。今にして思えば、わざわざルーメをボディガードにつけたのも、こういう状況を想定してのことだったのかもしれない。
ルーメは厳しい視線をフィアに向けながら、突き出したボールを構える。
「他にも仲間がいるのか、それともお前一人なのかは知らないが、とにかくお前をひっ捕らえるのが優先事項だ。出て来い、スターミー!」
ルーメが繰り出したのは、紫色で五芒星を二つ重ねたような体、中央には赤く光るコアを持つポケモン。
『Information
スターミー 謎のポケモン
宇宙から来たと言われるポケモン。
宇宙からの電波を受信する際は、
中央のコアが光り輝くらしい。』
いきなりポケモンを繰り出され、フィアは慌てて抗議する。
「ちょっ……ちょっと待ってください! 僕は戦うつもりなんて——」
「戦う気がない? なら好都合だ。大人しくしていれば、無駄に怪我することもないからな」
「いや、だからそうじゃなくて……」
ここは、はっきりとアスモのことを言った方がいいだろうと思い、フィアは意を決して口を開く。
「あの子——アスモはグリモワールで、七罪人の一人なんです! だから、あなたに言ったことは全て嘘で、今も何か企んでいるはずなんです!」
フィアはルーメとは戦いたくない。戦っても勝てないだろうことは肌で感じて分かるし、今すぐアスモを追いかけたい。ここで時間を食うわけにはいかないのだ。しかし、
「クライアントとただの少年、どっちの言うことが信用できると思う?」
ルーメは対立の姿勢を崩さない。頑としてここを通すまいと睨みつけ、むしろフィアを攻撃するタイミングを窺っているようにも見える。
「う……で、でも、事実です! 信じてください!」
「信じられないな。それに足るだけの証拠もない。お前を信じるだけの材料がない。そして何より、優先順位は依頼人の方が上だ。あまりにしつこいようだと、容赦はしないぞ」
「で、でも……」
「くどい」
次の瞬間、轟音が鳴り響く。気がつけばフィアの頬に水滴がかかり、斜め後ろに視線を動かせば、その部分の地面は大きく抉れていた。
「次はお前自身を狙うぞ。安心しろ、警察に突き出すために気絶させるだけだ。殺しはしないさ」
静かに告げられるルーメの言葉。だが逆に、フィアにとってその言葉はは死刑宣告のように感じられた。
「く、うぅ……やるしかないのかな……!」
不本意だが、フィアはゆっくりとボールを取り出し、まずは戦えないであろうパチリスをボールに戻す。そしてそのボールと入れ替わりに違うボールを構えた。
「出て来て、ヌマクロー!」
メタングは戦闘不能で、ブースターはスターミーと相性が悪い。よって消去法で選ばれたのはヌマクローだ。
「やっとやる気になったか。スターミー、冷凍ビーム!」
スターミーはコアに冷気を充填し、その冷気を圧縮して光線のように発射する。
「ヌマクロー、躱して!」
地面を蹴り、大きく横っ飛びして冷凍ビームを躱そうとするヌマクローだが、スターミーの攻撃は速く、躱しきれずに掠めてしまう。
「う……ヌマクロー、反撃だよ。マッドショット!」
ヌマクローは大きく息を吸い、口から大量の泥を噴射するが、
「躱して悪巧みだ!」
スターミーは回転しながら空中を動き回り、マッドショットを回避。さらにコアを点滅させ、脳を刺激して特攻を急上昇させる。
「マッドショットだ!」
「冷凍ビーム!」
ヌマクローは泥を噴射するが、スターミーも同時に冷気を圧縮した光線を発射し、泥を貫いてヌマクローを攻撃する。悪巧みで強化された冷凍ビームは、一撃でヌマクローの体力のほとんどを奪い去ってしまった。
「やっぱり強い……ヌマクロー、スプラッシュ!」
最後に、ヌマクローは決死の覚悟で特攻をかける。特性、激流で強化された水技。全身に纏う水流の勢いは正に激流の如く。凄まじい勢いでスターミーへと突貫するが、
「押し流せ、ハイドロポンプ!」
スターミーもコアの正面に渦を生成し、そこから大量の水を噴射して迎え撃つ。水鉄砲などとは比べ物にもならないほどの水量と勢いを持って、その水流はヌマクローを押し流してしまう。
「っ、ヌマクロー!」
ヌマクローは水流に流され、太い木の幹に激突。水流の勢いが強すぎたため、木の幹はばっきりと折れてしまい、ヌマクローのすぐ横に鈍い音を立てながら倒れた。
「……! 戻って、ヌマクロー……」
絶句し、フィアはヌマクローをボールに戻す。悪巧みで特攻を上げているとはいえ、かなりの威力だ。
「ヌマクローで勝てなかった相手、タイプで不利な君が勝てるとも思わないけど……頼んだよ、ブースター!」
不承不承、フィアは二番手にブースターを繰り出す。
「ブースター、火炎放射だ!」
ブースターは息を吸い、口から灼熱の炎を噴射する。しかし、
「そんな攻撃があたしのスターミーに効くかよ。ハイドロポンプ!」
スターミーも凄まじい勢いで水流を発射し、火炎放射を軽く打ち消してしまう。
「っ、くぅ! ブースター、ジャンプだ! アイアンテール!」
この一撃を喰らえば、ブースターではほぼ確実に戦闘不能になる。なのでブースターは素早く跳躍して水流を回避し、鋼鉄のように硬化させた尻尾を振り下ろす。
「! 躱せ!」
だがブースターの攻撃はスターミーには届かない。回転してかわされてしまう。
「十万ボルト!」
「火炎放射!」
そしてすぐさま高電圧の電流を放つ。ブースターも口から炎を放射するが、やはり特殊攻撃ではスターミーには及ばず、突き破られてしまった。
「ハイドロポンプだ!」
続けてスターミーは正面に渦を生成し、凄まじい勢いの水流を噴射する。
「躱してニトロチャージ!」
ハイドロポンプだけは絶対に喰らえないブースターだが、多少隙が出来ても大きく飛んで躱そうとせず、最小限の動きだけで水流を回避。炎を纏ってスターミーに突撃した。
「くっ、スターミー、距離を取って冷凍ビームだ!」
初めて攻撃を喰らったが、スターミーには効果いまひとつ。スターミーは怯まずブースターから離れ、冷気を圧縮した光線を放つ。
「火炎放射で相殺して!」
ブースターも火炎放射で迎え撃ち、なんとか冷凍ビームを相殺した。
「アイアンテール!」
そしてすぐさま地面を蹴り、スターミーに接近。鋼鉄の尻尾を振るい、叩きつける。
「ニトロチャージか、やりにくい……スターミー、早めに決めるぞ。ハイドロポンプ!」
スターミーは空中で態勢を立て直し、目の前に渦を作り出して凄まじい勢いの水流を噴射する。
ブースターはちょうど着地したところで、今から左右に避けようとするとワンテンポ遅れてしまう。後ろに下がれば追って来るだろう。なので、
「ブースター、ニトロチャージ!」
ブースターは再び跳躍し、炎を纏ってスターミーに突っ込む。すぐ真下には水流が放たれており、勢いが足りずに少しでも高度が落ちればすぐさま激流に流されてしまう、生死の境目とも言えるギリギリの状態。そんな状態で、ブースターはスターミーへと突貫する。
そして、ブースターの決死の一撃は——
今回はアスモが仕組んだフィア対ルーメです。やはりフィアが押されていますがね。そういえば、図鑑の分類に助詞が入るというか、名詞でないのはスターミーだけだそうですね。では文字数もギリギリなので今回はこの辺で。たぶん次回でカゲロウシティの回は終了だと思います。お楽しみに。
- 第57話 ルキフェル ( No.150 )
- 日時: 2013/05/25 23:57
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: FLZh3btT)
- プロフ: このサイト、修正での追加を含めたら最大文字数はどのくらいなんだろう……
果たしてブースターの決死の攻撃は、スターミーに届いた。だが、それだけだ。ニトロチャージは炎技、水タイプのスターミーには効果いまひとつ。大したダメージにはならない。その一撃でブースターは素早さがさらに上昇したとはいえ、フィアの不利に変わりはない。
しかし、
「……おい」
ルーメはスターミーに反撃の指示を出さず、フィアに呼びかけた。
「な、何ですか……?」
「お前の言ったことは、本当か?」
少しだけ、ルーメの視線が和らいだ気がした。フィアは首肯し、口を開く。
「……本当です。信じてくれるんですか……?」
「いや、まだ疑っている。だが、信じることもできると思っただけだ」
言いながらルーメは目線をブースターに向けた。
「人の言葉は信用に足らない。口先三寸、巧言令色、言葉だけで人をだます輩は多い。人間は嘘だらけだ。だが、ポケモンの行動に嘘はない」
「……?」
首を傾げるフィア。ルーメの言う言葉の意味がいまいち理解できない。
「要するにだ、お前のポケモンを見てると、どうもまっすぐに感じたんだ。とても悪人が育てたようには見えない動きをしていた。だからお前の言葉も、信用できる可能性があると踏んだ。そしてもしお前の言葉を信じるのなら、確かにここで戦っても無意味だ」
だが、とルーメは続け、スターミーが素早い動きでフィアの背後に回る。
「それでもお前を完全に信用したわけじゃない。もしお前が嘘をついていると分かれば、容赦なく攻撃する。そのつもりでいろ」
「……はい。ありがとうございます」
真後ろに控えるスターミーが気になるが、どうやらルーメはフィアの言葉を多少なりとも信じてくれたらしいことは理解できた。アスモがグリモワールであることは揺るぎなき事実であるので、フィアは安堵の溜息を吐くが、問題もあった。
「でも、あの子……アスモは見失ってしまいました」
夜の闇に包まれた森林だ。一人二人の人間を探すのは難しい。それがこちらから逃げているというのだからなおさらだ。だが、
「それに関しては問題ない。お嬢はこの山の神社に向かうと言っていた。とりあえずそこに隠れて難を逃れるつもりだったのだが、仮にお前の言葉を真実とするなら、そこで仲間と合流しているのかもな」
「なら急がないと。もしかしたら、フロルが一人で戦ってるかもしれない……!」
フィアはルーメとのバトルで時間を食ってしまった。なのでフロルが先に一人で神社に到着している可能性は高い。だとすると、フロルが追っている七罪人とアスモに加え、他に待ち構えているかもしれない他のグリモワールたちに囲まれている可能性もある。
「……そうだな。とりあえず急ぐか。神社への道はこっちだ」
そしてフィアは、ルーメにエスコートされながらカゲロウ山の最奥部にして最頂部、カゲロウ神社へと向かった。
幸か不幸か、フィアとルーメがカゲロウ神社に向かう途中でフロルとは合流した。リヴと呼ばれていた七罪人はジャローダに乗って移動していたが、もう一体のポケモンに追跡を妨害されて撒かれたらしい。それ自体はマイナスだが、フロルがアスモたちに集中攻撃されないことを考えるとプラスなので、とりあえずはよしとした。
そして三人が森林を走ること数分、カゲロウ神社の鳥居が見えた。
(意外と普通の神社だな……)
鳥居、境内、社……どれを取ってもフィアの知る神社と限りなく酷似していたため、安心感と違和感を同時に感じるが、今はそれどころではない。
カゲロウ神社の境内、社の正面には、三人の女が立ち塞がっていた。
一人は言うまでもなくアスモ。もう一人もフロルが追っていた少女。
だがその二人に挟まれるようにして仁王立ちしている女は、初めて見る顔だった。
「うわ……凄い格好……」
その女の姿を見て、フィアの口から思わずそんな声が漏れる。
グリモワールのシンボルが描かれた鎧に漆黒のマントと、闇に紛れるような意匠に、一つに縛った煌びやかな金髪と整った顔つき。可愛い、綺麗と言うより、格好良い、凛々しいなどという感想が真っ先に浮上してくる。
向こうもこちらの存在に気付いたのか、三人とも目線がこちらを向く。
「あっちゃー、思ったよりも足止め効かなかったかー。ま、しょうがないね、念のための保険だったし」
「不全だ。準備は万全に整えるもの、保険であれ何であれ、不測の事態に対応できるだけの何かを用意すべきなのだ。アス、君はその場その場の対応はそれなりだが、事前の準備における周到さが欠落しているのが短所だな」
「はーい、ごめんなさーい」
アスモと中央の女が何やら言葉を交わし、アスモがクスクスと笑っている。
その光景は少しばかりの怒りを覚えながら、フィアたち三人は、グリモワールの三人の前に立つ。
「……その様子を見るに、この少年の言うことは正しかったようだな」
ルーメが怒気を含んだ声で、アスモに向けて鋭い言葉を発する。だがアスモはどこ吹く風で、
「言っとくけど、騙される方が悪いんだよ? ちゃーんとクライアントの情報くらいはチェックしなきゃ、ね?」
ルーメが眉根を寄せる。騙されたことと、アスモの態度。どちらも気に障ったのだろう。
今までずっとフィアの背後に張り付いていたスターミーがアスモたちの方に向くが、同時に中央の女も前に一歩、踏み出る。
「止まれ。先に言っておくが、我々に戦意はない。貴様らがそこで足を止めるのなら、我々は攻撃しないと約束する」
あまりにも威風堂々した佇まい。まっすぐというのなら、彼女の立ち振る舞いこそまっすぐだ。鎧にマントという出で立ちに態度も含め、まるでその姿は騎士のようであった。
「名乗りを上げよう。私の名はルキフェル。グリモワール、傲慢の七罪人、ルキフェルだ」
やはり、と心中で呟くフィア。彼女が七罪人の一人であろうことは、概ね察しがついていた。
フィアは手負いだが、それでも状況は三対三、ルーメの実力に関してはフィアが身を持って知っているので、この場でこの三人を倒すことも不可能ではないと算段を立てるフィアだったが、その考えはすぐに打ち砕かれる。
「宣言する。自身の力を誇示することはあまり好かないが、あえて言おう。私は七罪人の中では、序列二位だ」
「序列……? 二位……?」
「然り。即ち私は、我らが主を除けば、グリモワール内で二番目に強い罪人である」
表現が所々古めかしく、すぐには解さなかったが、やがてその言葉の意味を理解する。
(グリモワールで二番目に強い……って、それ、かなりまずいんじゃ……)
グリモワールのトップが誰でどのような人物かは知らないが、ここでわざわざそんなことを言うということは、それなりの実力はあるのだろう。そして力の誇示と、すぐに攻撃してこない事を考えると、彼女たちはただの時間稼ぎ、足止めの可能性が高い。
フィアが焦りを覚えながらもボールを構えると、鋭いルキフェルの言葉が飛んできた。
「忠告する。退け。貴様たちが戦う意志を見せるのなら、こちらもそれなりの対応をさせてもらう。もう一度言うが、私は序列二位の七罪人だ、貴様たちが無事でいる保証はできない」
「く、ぅ……」
ルキフェルの威圧に、フィアは思わず腕を下ろしてしまう。
それ以降は言葉も動きもない睨み合いとも言えない棒立ちが続いた。実際以上に長く感じる時間が経過したある瞬間、沈黙が破られる。
「……ルキ、アス。時間」
沈黙を破ったのは、ジャローダを戻して地べたに座り込んでいる少女。その言葉を聞き、ルキフェルは首肯、アスモは一仕事終えたように背伸びする。
「承知した。マモの方は、もう終わったのだな」
「ふいー、やっと帰れるのかー。でもちょっと名残惜しいかもね、お祭りとかもっと満喫したかった気もするし」
各人口々に言うが、特に行動は見られない。口振りからするとこの場から去るようだが、そのような素振りは見られない。
「んじゃばいばい、フィア君、フロルちゃん、それからルーメさん。また会おうね」
そして次の瞬間、アスモが消えた。
「っ!?」
驚くフィアを余所に、残る二人も消えてしまう。ほんの一瞬で、まるで魔法のように三人は消えてしまった。
「テレポートだな」
不意に、ルーメが呟く。
「エスパータイプのポケモンを待機させていたのか。テレポートかサイドチェンジか、その辺りの技で別の場所に飛ばしたんだ。しかし気配も何も感じなかった……相当な実力者と見るべきだろう」
ルーメの開設に納得するフィアだが、種や仕掛けはこの際どうでもいい。問題は、何も分からず、何もせずグリモワールを逃がしてしまったことだ。
「それに関しての非、あたしにもある。人間を読み違えた……お前には後日、改めて謝罪する。悪かったな」
「い、いえ、そんな……」
あれだけ敵意を剥き出しにされた後なので、対応に困る。ただ愛想が欠けているので、あまり謝られた気はしないが。
なにはともあれ、多くのわだかまりを残しながらも、このカゲロウ山におけるグリモワールの脅威は、去ったのだった。
後日、フィアはカゲロウシティを後にする前に、当然ながら昨日の出来事をアーロンに話していた。
「そうか、俺がいない間、お前たちに負担をかけたようだな。悪かった」
「いえ、そんな別に……」
目上の者に謝られると、フィアとしてはたじろいでしまう。昨日もこんなことあったなと思うフィアだった。
「それより、グリモワールはこの街の山や神社で何をしていたんでしょう?」
「さあな。あの山、そして神社は俺が管理しているわけではない。神社については後で神主たちとと共に調べておこう。もしかしたら、グリモワールの目的も分かるかもしれん」
言われて気付いたが、フィアはグリモワールの目的を知らない。何を目指している組織なのか、何を目的としている組織なのか、最終目標は何なのか、まったく分かっていない。どころか今まで、彼らが何をしてきたのかも理解していない。精々、マモンの独断行動でフロルがポケモンを盗んだこと、そしてベルフェにピンポイントで狙われたことくらいだ。
「フィア、お前は次に向かう街は決めているか」
「え? いえ、特には……」
急に話題を変えられ、フィアは少し詰まってしまう。
「ならば、次はリッカシティに向かえ」
リッカシティ、その街の名前には、聞き覚えがあった。
(イチジクさんが言ってた街……確かそこのジムリーダーは——)
胸中で呟くフィアの続きは、アーロンが紡いだ。
「ホッポウ地方最強にして無敗のジムリーダー、『自然支配者』、ハッカ。奴は草タイプの使い手だが、俺も奴に勝ったことはない」
「……何で、僕にそんな人のいるジムを勧めるんですか……?」
初心者は脱しただろうが、フィアはまだトレーナーとして実力者と言えるほどではない。アーロンに勝ったのだってギリギリだ。それなのにそれほど強いジムリーダーと戦っても勝てるわけない。
だがアーロンもそれは分かっている。その上で、
「お前は徹底的な敗北を経験しておいた方がいい。今後のためにもな」
多くは語らず、そう言った。
なし崩し的というか、半ば強引によく分からないまま、フィアの次の行き先はリッカシティへと決定した。
そしてこの時が、フィアの狂った運命の始まりだったのかもしれない——
色々言いたいことはあるのですが、文字数がアレなので短めに切り上げます。今回はルキことルキフェルの登場です。彼女は七罪人序列二位、ナンバー2です。序列に関しては今後少しずつ明かすつもりなので、適当に予想してみてください。そして後半、フィアの次の行き先が決定しました。さて、ここいらでホッポウ最強にして無敗のジムリーダーが誰か、分かってきたのではないでしょうか。さてそれでは次回、港町でまたバトル大会です。しかし今回は今まで以上に壮大な大会にする予定です。遂にあの人も登場する回に突入です。お楽しみに。
- 第58話 チャンピオン ( No.151 )
- 日時: 2013/05/26 22:59
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: FLZh3btT)
- プロフ: やっぱり今作、バトルのない回が多いな……これは良いのだろうか?
フィアが次に向かう街、リッカシティはイトゥルフ島の南部に位置している。つまりその街へと向かうためには、どこかの港町から船に乗らなくてはならない。
なのでフィアは、クナシル島で一位二位を争う巨大な港町、ライウタウンを訪れていた。
「何だかこの街も凄いな……」
ライウタウンは同じクナシル島に位置する港町、サミダレタウンとよく比べられるのだが、規模自体はどちらも同じくらいだ。しかし趣は全く違う。
サミダレタウンが機械やスタジアムなどを導入した近未来的な港だとするのなら、ライウタウンは古代から形を変えずにいる円形闘技場が存在する伝統と歴史のある港である。
とはいえ人の手が全く入っていないわけではなく、昔からある闘技場は中央の最も大きなもの一つで、後から増設された闘技場がそれを取り囲んでいる。
「円形闘技場……つまりはコロシアム、コロッセオとも言うんだっけ? それがあるってことは……」
フィアは恐る恐るターミナルを開き、この港町における現在の情報を開示する。するとそこには、
『ライウタウン・バトル大会——』
という一文が表示されていた。
大昔は神聖なる決闘の場や、欲望に塗れた賭博場と化していたこの闘技場。それが現代ならどう使われるのか、そんなことは明白だ。
ポケモンバトル。現代で闘技場を有効活用するのなら、これ以上の催し物はあるまい。
そういうわけで、今日この日、ライウタウンではバトル大会が催され、それにフィアも参加したのであった。
「へぇ、予選があるんだ。思ったよりも大きな大会だなぁ……本戦も使用ポケモンは三体で、優勝するには五回も勝たなきゃいけないんだ……」
何度かこの手の大会は経験しているフィアだが、ここまで大きい大会は初めてである。
そんなことを思っていた時、不意に背後から声がかかった。
「あ、フィアっ!」
聞き覚えのある幼い声。特に意識せず後ろを向くと、見慣れた顔が三つ。
「あ、本当だ。フィア君じゃん」
「やっほー、フィア君」
「フロル、イオン君、それにルゥ先輩も……」
カゲロウシティで一度別れたはずなのだが、どういう因果か、また四人集まってしまったようだ。
「フィア君もここ大会に参加するの?」
「はい、そのつもりなんですけど……思った以上に大きい大会で、少し戸惑ってます」
「だよねー。オレもここまで大規模な大会は初めてだよ。参加人数もかなり多いらしいし?」
サミダレタウンで催された大会も大規模だったが、あちらはトレーナーの実力ごとに部門が分けられていたため、一つの部門での参加者数はそこまで多くなかった。しかし今大会は一括しているため、参加者数は相当数いるようだ。予選があるのもそのためらしい。
「ま、しょうがないよ。なんたって今回の大会にはね——」
ルゥナが少しだけもったいつけて言葉を発するが、それを続けたのはフロルだった。
「チャンピオンって人が来るんだってさ」
「チャンピオン……?」
「フロルちゃん、それ私の台詞……」
しょんぼりとうなだれるルゥナはさておき、チャンピオン。フィアもポケモンリーグについての知識は大してあるわけではないが、その肩書きの意味くらいは理解している。
チャンピオンとは、即ちその地方における最も強いトレーナーを意味し、少なくともその地方のトレーナーにとっての最大目標だ。
そんな人物が、この大会に来ている。
「なんでも大会の優勝者は、チャンピオンとエキシビジョンマッチが出来るんだってさ。ま、人も集まるわけだね。募集は今日だけらしーけど」
「イオン君、それも私が言おうと思ってたんだけど……」
ことごとく台詞を奪われるルゥナは置いておくとして、チャンピオンとのエキシビジョンマッチ。
エキシビジョンとは非公式、つまり記録に残らないバトルになるわけだが、しかしどのようなトレーナーにとってもチャンピオンとバトルをすることに意味を見出すだろうし、トレーナーとしてより強い相手と戦いたいのは当然だろう。
かくゆうフィアも、少しだけそのチャンピオンには興味があった。
(チャンピオン、ホッポウ地方で一番強いトレーナー、か)
それは、フィアがこれから戦うことになるであろう男。ホッポウ地方最強にして無敗のジムリーダーハッカと、どちらが強いのだろうか。
そんなことを思いながら、フィアたちはアナウンスに促され、会場となる闘技場へと向かった。
ライウタウンにおける大会では、正式な開会式があった。この手の式はフィアにとっては退屈なものだったので聞き流すように開会の言葉を聞いていたが、最後に主催者がチャンピオンの紹介と挨拶をすると言ったので、そこでフィアの退屈も吹き飛んだ。
(チャンピオンかぁ、どんな人なんだろう)
特に意味もない期待を膨らませながら、フィアは壇上に上がる人物の姿を映す。その瞬間、フィアの首が傾いた。
壇上に上がり、マイクを手渡されたのは小柄な人物。オレンジ色のサングラスをかけているため顔は見えないが、体つきからして女だ。
淡くくすんだ、黄緑色のセミロングの髪。胸までしかない唐草色のTシャツに同色のホットパンツを黒いサスペンダーで繋いでおり、オレンジ色のジャケットを羽織っているとはいえ、妙に露出の多い服装だった。
そしてその女——チャンピオンは、ゆっくりとサングラスを外す。
「初めましてー! 私がホッポウ地方のチャンピオン、ユズリでーす! 大会参加者の皆さん、今日は楽しいバトルを見せてねー!」
「…………」
絶句するフィア。イメージと180°どころか三周くらい回ってかけ離れている。もっと凛々しい好青年か、厳つい老人が出て来ると思っていた。
だが蓋を開けてみれば、少女とも言えそうなほど童顔——というか緩んだ顔をした女。こんな人が本当にホッポウで一番強いトレーナーなのかと疑いたくなる。
それからもチャンピオン・ユズリは他愛もない与太話とも言えるどうでもいい話を続けていたが、そのうち大会関係者に止められていた。どこか抜けているというか、変にずれている人だ。
「なんか時間もないみたいだし、最後にこれだけ言わせて! 皆、自分自身が持てる最高の力で、自分らしいバトルをしてね! それじゃあこれで終わり! お疲れ様でした!」
いやまだ終わってないしお疲れでもない、とフィアは胸中でツッコむ。
これで開会式は終了し、予選が始まる。予選が行われるのは、中央の巨大な闘技場を取り囲む、四つの小さな闘技場だ。
その移動の途中、フィアはたまたま近くにいたルゥナに今の心境を吐露する。
「なんというか、意外な人でしたね、チャンピオン……」
「そうだね。でもあの人、三年間ホッポウ地方のチャンピオンの座を守ってる人だから、バトルはかなり強いはずだよ」
ルゥナ曰く、ホッポウ地方はジムリーダーも四天王もチャンピオンも世代交代が激しく、そのほとんどが若い世代だそうだ。そしてチャンピオンに至っては、その座を守り抜いた記録が最長三年。つまりユズリはその最長記録に届き、現在四年目、記録を更新しかけているのだそうだ。
「なんか、あんまりチャンピオンって感じはしない人でしたけど、やっぱり凄いんですね。あのテンションには、ついていける気がしないですけど……」
「そうだね……そういえば、チャンピオンはイッシュ地方の出身らしいよ。テンションの違いはそこじゃないかなっ?」
「そうなんですか……?」
地方が違えば気質も変わるのだろうか。フィアにはよく分からない。
「……とっ、じゃあフィア君、私こっちだから」
「あ、はい。分かりました」
「頑張ってね……じゃなくて、お互い頑張ろうねっ」
「はい!」
予選会場が違うフィアとルゥナは、そこで一旦別れた。
本戦が行われる闘技場の観客席に、一つの人影があった。まだ少女とも言える年齢だが、どこか大人びた雰囲気を醸し出しており、その呼称を躊躇わせる。
まだ予選も始まっていないこの時では闘技場には誰もいない。だが彼女は、地面を削っただけの石製のベンチに腰を降ろし、カードの束を引き抜いては重ね、引き抜いては重ねを繰り返し、シャッフルしていた。
彼女はやがてシャッフルするその手を止め、カードの束の一番上を捲る。
カードに描かれているのは、天を衝くようにして、高く高くそびえ立つ塔。そして捲られたカードは、彼女から見て反対側を向いている。
「『№XVI・塔』逆位置……これは、一波乱起きそうね」
スクッと立ち上がると、彼女はカードの束をポケットの中に仕舞い込み、彼女はその闘技場の出口へと歩を進め、闘技場の出入り口にはめられた重厚な扉を押し開ける。
そんな彼女の右手の甲には、水色の七芒星が浮かび上がっていた——
というわけでまたバトル大会です。ですが今回はかなり大がかりで、しかもチャンピオン、ユズリが出て来ました。が、実はこの人、前作で既に出ているキャラです。ただ、まず分からないと思いますし、設定などもほとんど今作のオリジナルです。ちなみに最後の塔とか逆位置とかはタロットカードのことです。気になる人は調べてみてください。それでは次回、ライウタウンバトル大会スタートです。お楽しみに。
- Re: ポケットモンスター 七つの星と罪 ( No.152 )
- 日時: 2013/05/27 22:15
- 名前: プツ男 (ID: 055Fg/TC)
どうも、ティンパニを叩いたらバチがすっぽぬけてデコにクリーンヒットしたり、銅鑼を叩いたら跳ね返ってきた盤に弾き飛ばされたり、胃腸風邪になったりで散々な週末を過ごしたプツ男です。
フィアとルーメが対決するも、力及ばずでしたが、思いは及んだようで和解、アスモの性格が面白いと言ったのは、白黒さんの作るキャラには珍しいなーっっていう新鮮さから、面白いと思ったのです。
さてはて、でもってグリモワールが撤退したワケで、撤退時に新たな七罪人が登場ですか。
文字的にはルシフェルが元ネタでしょうか?でも、格好的にはデュラハンみたいですね。
でもって、フィアが次挑戦するのはホッポウ無敗のジムリーダー、トラップマスターのハッカさんですか・・・
とんでもないラノベ女子キラー臭がする・・・・
で、ハッカに挑戦する前にバトル大会ですか。
チャンピオンのユズリは杠が名前の由来でしょうかね?
ユズリっていう名前にも心当たりはありませんが、もしかして、そのチャンピオン、ルカリオを使ってきたりします?
最近、パソコンのメモ帳にポケモンの小説とかちまちま書いているのですが、悪の組織の幹部のキャラ付けが上手くいかずに思考が停止してしまいます・・・・・白黒さんの様に豊富なキャラを作るにはどうすれば?とかいろいろ考えるのですが、なかなか思いつきません・・・・・・白黒さんは、キャラ付けはどうやって決めているのですか?
- Re: ポケットモンスター 七つの星と罪 ( No.153 )
- 日時: 2013/05/28 20:14
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: FLZh3btT)
- プロフ: なんかメインキャラの方が影が薄い気がする……他のキャラが濃過ぎるから?
プツ男さん
随分と、凄まじい週末だったようですね……お大事に。白黒は部活三昧でした。
確かにアスのようなキャラは初めて動かしましたね。邪淫の七罪人ということで好色な感じにしたのですが、これからどうやって出そうかかなり悩んでおります。
ルキの語源はその通りです。ただ、古典ラテン語だったかではルキフェルとも言うらしいですが。
ルキも他の七罪人と違うところがあるのですが、彼女の格好はその辺りに由来します。そのうち明かされますが……かなり先になるでしょうね……
次にフィアが向かうのはリッカジム、ハッカは本名です。
彼の相棒の彼女は……どうでしょうかね。ただ、大抵あの二人はセットですが。
白黒も前作であの通り名があまり普及しなかったのが心残りだったのですが、まさかこんな形で今作で流用するとは思いませんでした。ちなみにジムリーダーの異名にはちょっとしたエピソードがあるのですが、ハッカの相棒がそれに関わっています。
彼が今作でギャグ要因になるかどうかは……展開次第ですねぇ……
おろ? 分かりましたか。結構マイナーな植物だと思ったのですが……まあ、その通りです。変換する時にかなり面倒なのが目下の悩みです。
ユズリの手持ちについてはライウタウンの回で一体は明かす予定です。ですが、たぶんプツ男さんの思っている人物で正解だと思います。
前置きすると、この先かなり長くなります。読むのであればご覚悟ください。
白黒はまず、好きなキャラから入ります。容姿でも性格でもどちらでもいいんですが、その好きな部分を入れてキャラを作ります。今作だと、容姿を組み込んだのがフロルやクリ、性格を組み込んだのがゼブルやベルフェ、両方あるのがイオンやルキフェルですね。
後は他のキャラクターと性格が被らないように調整することと、誰が喋っているのかを分かりやすくするために口癖や、口調にパターンをつけたりしますね。パターンっていうのは、例えば、イチジクなら語尾が『ぁぃぅぇぉ』になったり、クリならたまに表現が幼くなったり、ミキなら敬体と常体を一つの台詞に混ぜ込んだりです。
他にはキャラクター同士の関係性も重要かもしれません。前作のラノベ主人公とメインヒロインがいい例……かどうかは分かりませんが、一例です。
ぶっちゃけた話、キャラクターのパターンなんて決まりきっているので、問題は組み合わせですね。俗に言う、属性をいかにして組み合わせるかが重要になるんだと思います。後は変わった口調を考えることですが……これに関してはセンスが求められると思いますし、下手したら自爆するのでほどほどにするべきでしょう。口癖が一番手っ取り早いのですが、これも多用し過ぎると、どうだろう、って感じがしますしねぇ……
ちなみに白黒は悪の幹部を作る際、よほどの理由がない限りは『正に悪!』というような性格や設定は付けないことにしています。前作からも、それは分って頂けると思うのですが……やはり登場人物は僕らと同じ人間ですからね。キャラクターの生みの親として、全員を大切にしたいものです。
まあ、色々な作品を知り、様々なキャラクターを知ることが大切なんじゃないでしょうか。人間、一つだけの性格だけを好きになるものじゃないでしょうし、好きな人格はたくさんあると思うので、それらを自分が納得のいくように組み合わせてみてはどうでしょう。
かなり長くなってしまいましたが、参考になるでしょうか。同業者が増えるのならこちらとしては大歓喜なので、他にも何かあれば、遠慮せずに言ってくださって結構です。
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