二次創作小説(紙ほか)

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ポケットモンスター アルカディアス・デストピア
日時: 2014/01/02 00:09
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

 はじめましての方ははじめまして、そうでない方は……お久しぶり? ともあれこんにちは、白黒です。
 遂にやってしまいました、白黒のポケットモンスター四作目、一作目と二作目は繋がっているので、個人的には三作目ですけどね。まだ完結していない作品もあるという中、とんだ暴挙に出てしまいました。
 一応言い訳をしておくと、XYが発売されてポケモン熱が戻ってくれば執筆に励むだろうと思ったのですが案外そうでもなく、そうだったとしてもXYのポケモンを動かしたくなってしまったのです。その上、もう大丈夫ですが、少し前にパソコンがウイルスに感染するという大失敗を犯してしまい、今までちまちま書き溜めていたデータがすべて吹き飛び、意気消沈。今もなんとか少しずつ書いていますが、ショックが大きすぎて『七つの星と罪』は少しお休みな感じです。ちょっと話を大きくしすぎて進めにくくなった、というのもありますけど。

 さて、白黒を知っている方は何度も聞いている言葉ですが、前置きが長くなってしまいました。要するに新作を書き始めました、ってことです。
 今作は初めての片仮名タイトルですね。『アルカディアス・デストピア』、略してA・D、でしょうか。意味は、アルカディアが理想郷、ユートピアという意味で、デストピアがその逆、理性で統制された社会、ですね。内容に触れますと、地方やキャラクターもオリジナルですが、生息ポケモンなどのベースはXYです。なのでメガシンカもありますよ。
 ストーリーの進行はゲームのように地方を旅していく形ですね。ただゲームに準じた一作目、オリジナル要素の強い二作目、トリップっぽくなった三作目と来て、今回はアニメ要素がちょっと強いですかね。白黒にしては、ですけど。

 さてさて、前置きが長いと言ってからも長くなってしまったので、ここいらでやめておきましょう。
 それでは白黒の新しい物語です。どうぞ、お楽しみください——



登場人物一覧
>>68

目次

プロローグ
>>1
テイフタウン編
>>2 >>5 >>8 >>11
カンウシティ編
>>24 >>27 >>40 >>59 >>60 >>66 >>67
ソンサクシティ編
>>72 >>73 >>74 >>80 >>86 >>87 >>88 >>91 >>107 >>110 >>113
バタイシティ編
>>115 >>116 >>117 >>118 >>119 >>122 >>123 >>124 >>125 >>126 >>127 >>128 >>129 >>130 >>131

26話 『凶団』・スザク ( No.118 )
日時: 2013/12/13 22:57
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

「さて、お望み通り手っ取り早く終わらせましたが、どうします?」
「ぐ、ぐぬぬ……!」
 勝負に負けたビャッコは、弱ったように顔を歪めている。彼もまさか持ちポケモンがコジョンド一体ということはないだろう。残るポケモンで応戦することは可能だろうが、それはリリエルも同じ。
 本格的に追い詰められ、苦しい展開のビャッコ。下っ端はいつの間にか逃走しており、この状況に置かれたった一人で逃げられるわけもなかった。
 そう、一人では。

「敗北した上、逃げられずに困っているようだな、ビャッコ」

 どこか——いや、上空から声が聞こえる。
 その場にいた全員が、一斉に上を向き、その声の主を視認した。そして唯一、その人物に向かって声を発したのはビャッコだった。
「お、お前は……スザク!」
 スザクと呼ばれたその者は、掴まっていた鳥ポケモンから離れ、地上に飛び降りる。
 背の高い男だ。真っ赤な髪を肩より少し長いくらいまで伸ばしており、上から下まで黒いスーツを身に纏い、黒いソフト帽を被っている。眼つきはこちらを射抜かんばかりに鋭く、その風貌は、どことなくマフィアやギャングといった言葉を彷彿とされる。
「な、何故お前がここにいる!?」
「何故、とな。決まっている、お前の仕事があまりにも遅いから迎えに来た、それだけだ。だが……遅いどころか、失敗したようだな」
 スザクは鋭い眼光を周囲に向け、務めて無感動に言った。
「そ、それは……すまない。しかし、奴らの邪魔さえなければ——」
「言い訳はいい。それに、お前が失敗したとしても、セイリュウとゲンブも動いている。ここでの失敗は大きな痛手にはならない。とりあえず私はお前を回収するだけだ……だが」
 と言って、スザクは初めてこちらにその目を向ける。
「その障害となる輩は、排除するしかないな」
「……できるものなら」
 リリエルはファイアローを構えさせる。同時にスザクも、自身をここまで運んできたポケモンの高度を落とさせた。
 それは烏のようなポケモンだ。首回りを覆う白い毛と、テンガロンハットのような頭部が目を引く。
 大ボスポケモン、ドンカラス。
「ビャッコ、お前は先に戻れ。いても邪魔なだけだ」
「む、ぬぅ、致し方あるまいな……」
 スザクの辛辣な物言いに、しかしビャッコは反論できない。スザクの言うように逃走するためか、一体のポケモンを出す。
 暗い青色の装甲に身を包んだ、カブトムシのようなポケモン。頭部の一本の角が特徴的だ。
 一本角ポケモン、ヘラクロス。
 ビャッコはそのヘラクロスに抱えられ、飛び去ろうとする。
「! 逃がしませんよ!」
「追わせもしないがな」
 ビャッコを追いかけようとするリリエルを、スザクはドンカラスと共に制す。隙を見てレストとリコリスもビャッコを追おうとしたが、スザクの眼光で牽制されてしまう。
 そうこうしているうちに、ビャッコの姿は遥か遠くへと消えてしまった。
「逃げられましたか……仕方ありません。代わりにあなたから、いうろいろ聞かせてもらいます」
「それができればな」
 互いに睨み合うリリエルとスザク、そしてファイアローとドンカラス。
 両者、身じろき一つせず、タイミングを計っているのか、軽く言葉を交わす。
「さっきまで戦っていたそのポケモンで大丈夫なのか?」
「一撃たりとも攻撃は受けていませんので、問題ありません」
「そうか。ならばかかって来い」
「そうさせて頂きます。ファイアロー、フレア——」
 ファイアローが全身に纏うための炎を点火した、その時だ。

「ドンカラス、不意打ち」

 ファイアローは背後からドンカラスの攻撃を受け、吹っ飛ばされた。
「っ! ファイアロー!」
 完全に無防備な状態で喰らった一撃は、思いのほか重い。ダメージはそれなりに大きいだろう。
「かかって来いと言ったからといって、まさか馬鹿正直に突っ込んで来るとは。予想通りだ」
 淡々と言葉を並べるスザク。その口ぶりは、今の出来事がさも当然の結果だとでも言っているかのようだ。
「厄介な技を覚えていますね……」
 不意打ちとは、電光石火などと同じように相手よりも速く動ける、先制技の一つだが、他の先制技と決定的に違う点がある。それは、相手が攻撃を繰り出す寸前にしか使えないということだ。
「だったら、こういうのはどうでしょう。ファイアロー」
「挑発」
 リリエルがファイアローに呼びかけた瞬間、ドンカラスは翼の先端をくいくいっと曲げ、ファイアローを挑発する。ファイアローはその挑発に乗ってしまい、ドンカラスを攻撃的な視線で睨みつけ、リリエルの言葉が届かない。
「鬼火でも撃つつもりだったのか。残念だが、それもお見通しだ」
「っ……! なら、真正面から突破するまでです! ファイアロー、アクロバット!」
「ドンカラス、守る」
 ファイアローは超高速でドンカラスに接近し、翼を振るうが、ドンカラスの張った結界に防がれてしまう。
「電磁波だ」
 さらにドンカラスは、微弱な電磁波を放ち、ファイアローを麻痺させる。その光景に、リリエルはしまった、というような表情を見せる。
 リリエルのファイアローは特性、疾風の翼で飛行技なら先制できる。さらに素の素早さならドンカラスよりも速いはずだ。先制技同士なら素のスピードが速い方が勝つ。なので飛行技で先制し、不意打ちを潰そうと考えていた。
 しかし電磁波で麻痺させられたのではそうもいかない。麻痺してしまえば、そのポケモンの素早さは格段に落ちてしまうのだ。
「くっ——」
「ドンカラス、不意打ちだ」
 もはや指示を出そうとする素振りを見せる、その直前に不意打ちを繰り出してくるドンカラス。そもそも挑発されているためファイアローは攻撃技しか繰り出せない。そうなってしまえば、後はもう不意打ちで嬲られるだけだ。
 ことごとく動きを封じられるファイアローに、もう勝ち目は残されていない。
「……まあ、こんなところだろう。これ以上の戦いは無意味だ」
 不意打ちと挑発、さらには麻痺のせいで攻められず、リリエルとファイアローが動きを止めていると、ふとスザクはそんなことを言い出し、ドンカラスを下降させ、その足を掴む。
「いつまでも貴様らに付き合っていられるほど、我々も暇ではない。ここらで抜けさせてもらおう」
 と、言った次の瞬間。
 ドンカラスが大きく翼を羽ばたかせて突風を放ち、砂を巻き上げてレストら三人の視界を塞いでしまう。
「ぐっ……」
 思いのほか長い間、砂塵は吹き荒れていた。
 そして砂塵が収まる頃には、スザクの姿は消えていた。



「結局、逃げられてしまいましたね。申し訳ありません」
「いや、俺たちこそ何もできなかったわけですし、気にしないでください」
「そですよ。リリエルさんはポケモンたちを助けたんだし、それだけでも十分ですよ!」
「そうですか……ありがとうございます。そう言って頂けると、少しだけ気が楽になります」
 それから、レストとリコリスは、リリエルと別れた。リリエルは通行止めになっているカンネイシティ方面も気になると言って、レストたちが来た方向へと向かっていったのだ。
 そしてレストたちは、バタイシティがある西の方角へと、さらに歩を進めていく。



前回、次の街に到着するみたいなことを書きましたが、結局分けました。そのせいで随分と短くなりましたけど。今回はまた新しい『四凶一罪』のスザクが登場です。元ネタは多くの人が分かると思いますが、中国神話の四神です。なのでこれで、四神に出る霊獣は出尽くしましたね。ちなみに、スザクは中国マフィアをモチーフにして作ったキャラですが、どちらかというとイタリアンな感じになってしまっています。まあ中国モデルなのに牧師がいたりするので、さしたる問題はないでしょう。そう言えば、リリエルは既にビャッコとスザクの二人と戦っているんですよね。噛ませ犬っぽくなっているビャッコに対し、悪タイプらしい読みの強さを見せつけたスザクと、ちょっとバトルの展開が極端ですが。では次回、今度こそ遂にバタイジム到着です。ジム戦は次々回くらいでしょうが、ジムリーダーも登場させる予定ですので、次回もお楽しみに。

27話 バタイシティ・バタイジム ( No.119 )
日時: 2013/12/14 10:47
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

 砂漠を抜けたレストとリコリスは、バタイシティに到着した。だがその時にはもう日も暮れていたため、ポケモンセンターで一泊してからバタイジムに向かうことにした。
 そしてその夜。
「バタイジムのジムリーダーは、地面タイプの使い手だよ」
 リコリスはテールナーにブラシをかけながら、レストに助言する。
「地面タイプ? うわ、きついな……テールナーは相性悪いし、ラクライに至っては電撃波が通じないのか……」
「そだね。レスト君の手持ちで特に強いのはテールナーとラクライだから、その二匹が出しづらい相手となると、これまで以上に繊細な立ち回りが要求されることになると思うよ」
「今までずっとテールナーに頼ってきたが、今回はそうはいかないんだな……どうすっか」
 弱ったように呻くレスト。それに対し、テールナーも申し訳なさそうに鳴く。
 そんなテールナーに、リコリスは慰めるように穏やかな声と手つきで、テールナーを撫でる。
「大丈夫だよテールナー。地面タイプに炎技は等倍だし、地面タイプは防御力は高いけど特殊攻撃、特殊防御、素早さとかは低めだから」
「そうか。なら特殊攻撃も出来て、ニトロチャージで素早さを上げられるテールナーは、まだ戦える方か。じゃあとりあえずテールナーは連れて行くとして、他はどいつがいいか……」
 今まで捕まえたポケモンもリストするレストだったが、しかしいまいちこれといったポケモンはいない。弱点を突くだけではジムリーダーには勝てない、主戦力とするにはそれなりの力を備えたポケモンでなければならない。まだ二回しかジム戦経験のないレストでも、そのくらいは理解していた。
「はぁ……それにしても、バタイジムかぁ」
「何でお前が溜息吐いてんだよ。こっちは悩みすぎて呼吸困難になりそうだってのに」
「その状況もよく分からないけど……バタイジムはなぁ……」
 どこか遠くを見つめているリコリス。バタイジムに行くことに乗り気ではないように見えるが、そんなことレストには関係ない。リコリスがどう思おうが、レストは明日、ジムに挑戦するつもりなのだ。



 翌日。
 バタイシティは、山脈の一部を切り崩してできた街で、規模は小さい。また街には坂が多い、というより、街そのものが巨大な坂の上にある。
 そのせいなのか、バタイシティの道はあまり整備されておらず、自然のままとなっていた。岩肌が剥き出しになったような坂道には石どころか岩もゴロゴロ転がっており(たまにポケモンもいる。イシツブテやダンゴロというらしい)非常に歩きづらい。だからか、リコリスは黄色いTシャツに白いショートパンツ、黒のレギンスにスニーカーという、かなり動きやすい恰好をしていた。
 結局、昨日の夜のうちではレストの納得できるメンバーは出来上がらなかった。連れてきたのも、テールナーやラクライを筆頭としたメンバーで、ただ弱点が突けるから、という理由だけで連れてきたポケモンも多い。リコリスはジムリーダーのポケモンの構成などまでは言わないので(そもそも知らないのかもしれない)あまり変な構成だと危険だということもあるが。
 そんな不安を抱えてやってきたバタイジムは石造りで、どこか古代的な雰囲気を醸し出していた。
「……ねぇ、本当に行くの?」
「はぁ? 当たり前だろ、ここまで来て帰る手はねえ」
 昨日の夜からだが、リコリスの様子が少しおかしい。どうもバタイジムに行きたがらない様子だ。
 しかしそんなことを考慮するレストではない。レストは帰りたそうなリコリスを一蹴し、重い石の扉を押し開ける。すると、
「よろしくお願いします!」
「うっせぇ」
 怒られた。
「んなデカい声出さなくても聞こえるっての。つーか、ジムに入って来た時点で分かる。いちいち叫ぶんじゃねぇよ」
 土ではなく砂利を敷き詰めたフィールドを挟んだジムの奥、椅子に座って本を読んでいた男は、その本を閉じて立ち上がり、苛立ったように視線をレストに向ける。
 レストもあまり人のことは言えないが、それにしても目つきが悪い。焦げ茶色の髪の切れ目から覗いているせいでよりいっそう鋭さが際立っているが、服装自体はシンプルだ。ベージュのジーンズと白いTシャツ、その上にポケットが多く付いたオリーブカラーのジャケットを羽織っている。
 男はレストを一瞥した後、レストの背に隠れるようにして入ってきたリコリスに視線を向ける。
「……おい」
「ひっ」
 ドスの利いた男の声に、小さく悲鳴を上げるリコリス。明らかに男に対して怯えていた。
 男はそんなリコリスのことなど意に介さず、険しい口調のまま続ける。
「何でてめぇがここにいんだよ」
「い、いや、その……ちょっと、いろいろありまして……」
 恐怖のあまり男を直視できないのか、リコリスは視線を泳がせながらはっきりしない物言いで口ごもる。
 それが気に障ったのか、それとも素か、男は苛立ったような声で凄む。
「あぁ?」
「ひぅっ……と、とにかく今日のあたしはただの観客なので、おとなしく観戦してますっ。が、頑張ってね、レスト君」
 凄む男にまた身を震わせ、リコリスは逃げるようにして観客席へとダッシュした。そこでも身を縮ませているあたり、どうやらこの男が怖いからジムに来たがらなかったようだ。
「ちっ、ジムの規定だから設置してるが、ジム戦は見世物じゃねぇんだぞ」
 そんなリコリスを見て愚痴るように吐き捨てる男は、今度はまっすぐにレストを見遣る。
「で、てめぇが挑戦者だろ」
「は、はい……」
「俺はネロ。言うまでもないが、このバタイジムのジムリーダーだ」
「お、俺はレスト、です。今日は、よろしくお願いします……」
 思わずレストも姿勢を正してしまうほど、ネロは威圧的であった。レストはよくリコリスから田舎の不良呼ばわりされるが、それになぞらえて言うなら、ネロは裏社会などで生きていそうな、その手の人物といった感じの雰囲気がある。
(俺もいろいろ言われるが、この人も大概だな。俺から見てもヤク——いや、これは心の中でも失礼か。まがりなりにもジムリーダーなわけだし)
 などと思うレストをよそに、ネロはフィールドに立つ。
「おい、早くしろ」
「は、はいっ、すいません……」
 ネロに急かされ、レストも委縮したように返しながらフィールドに立った。
「ルールは三対三、入れ替えは挑戦者のみ可能だ。さっさと始めるぞ」

『バタイシティジム
   ジムリーダー ネロ
     グランド・バンデット・ガン・バレット』

 そんな険しいネロの声で、レストの三つ目のジムバッジを賭けたジム戦が、始まるのだった。



やっとこさ三番目のジムです。なんかここまで随分長かった気がしますが、錯覚ですね。バタイジムのジムリーダーは、レストすらビビる、不良どころではない厳つさのネロです。肩書がやたら長いですが、グランドは地面、バンデットが盗賊などの戦闘員、ガンは銃でバレットが弾丸という意味なので、地面タイプ使いの鉄砲玉、みたいな意味になりますかね。鉄砲玉は殺し屋的な意味がありますが、流石にそれはポケモンとしてどうかなと思うので、切り込み隊長といった風に捉えてください。……うぅむ、まだ文字数があまってますね。では、ネロの名前の由来もまとめて書いちゃいましょう。ネロの名前はナス科トウガラシ属のハバネロから取っています。誰もが知っている激辛の食べ物ですね、白黒は食べたことないですけど。では、流石に長くなってきたのであとがきもこの辺にしましょう。結局3000字ちょっとにしかなりませんでしたけど。では次回、バタイジム戦が始まります。お楽しみに。

Re: ポケットモンスター アルカディアス・デストピア ( No.120 )
日時: 2013/12/14 15:40
名前: 大光 ◆HynV8xBjBc (ID: 91aqF6nT)

最近の寒さで、ストーブの前からほとんど動いていない大光です。

まずはリリエルを出して頂きありがとうございます。キャラ崩壊はありませんが、強いて言うならば、リリエルが考えていたのよりも勇猛な感じがしたぐらいです。個人的には今の感じで全く問題はありません。

三人目の四凶一罪のビャッコの登場ですが、見事にやられてしまいましたね。まあ、相手が悪かったのもありますが。そして、続いて登場したスザクは、リリエルのファイアローを見事に完封してしまいました。ビャッコに失礼ですが、初登場にして、一方的やられてしまったビャッコと、実質完封勝ちのスザクが、ものすごく対比されているように見えました。ついでに言うと、スザクはいかにも大物っぽい雰囲気がします。

そして、いよいよ三つ目のジム戦ですが、ジムリーダーのネロが、ものすごくヤのつく自由業の人みたいですね。そういえば、イッシュにも感じ悪い地面のジムリーダーがいましたね。

Re: ポケットモンスター アルカディアス・デストピア ( No.121 )
日時: 2013/12/14 21:21
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

大光さん


 白黒もほぼ一日中こたつから出て来ませんね。常時こたつでパソコンの前にいます。

 キャラ崩壊はありませんでしたか、よかったです。実を言うと、区長の細かい部分や考えなど、あまり自信のない部分もあったので。勇猛な感じというのは、白黒は意識していませんでした。いまいちピンと来ない……

 ビャッコは本当にあっさり負けましたね。まあファイアロー相手では、ビャッコの手持ちだとほとんど太刀打ちできないんですけどね。
 スザクは大物かはさておき、頭はキレる方ですね。彼の強さは、いわゆる読みに秀でている点でしょうか。読みの精度に関してはカオス一かもしれません。
 確かに、リリエルとビャッコ、スザクのバトルは少し対比を意識しましたね。『四凶一罪』に序列はありませんが、一応実力ではビャッコよりスザクの方が強い設定です。しかし二人がバトルすれば、手持ちポケモンの関係で恐らくビャッコが勝ちますかね。他の連中もそんな感じです。

 ネロはその辺を意識して書いています。彼の本心というか、実際どうなんだとか、何を思っているのかは、後々明かすつもりですが。
 そう言えばいましたね。白黒的に、彼の性格は嫌いじゃないです。

28話 ジムバトル3・vsネロ ( No.122 )
日時: 2013/12/15 09:54
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

「まずはお前からだ。行って来い、ヒポポタス!」
 ネロの一番手は、砂色の体のカバのようなポケモン。
 カバポケモン、ヒポポタス。
 ヒポポタスがボールから出ると、突如ヒポポタスを中心とした砂嵐が巻き起こった。
「っ、何だ……?」
 ネロは何も言うつもりがないようなので、砂嵐に目を細めながら、レストは図鑑でさらにヒポポタスを調べる。
「ヒポポタスの特性、砂起こし……場に出ると、天候を砂嵐状態にするのか」
 砂嵐状態だと、地面、岩、鋼タイプ以外のポケモンは少しずつダメージを受けてしまう。レストの手持ちにはそれらのタイプを持つポケモンはいないので、このダメージを回避することはできない。
「シナモンさんも霰を中心にした戦法だったが、この人も天候を利用するのか。気を付けないとな……」
 ともかく、レストもボールを握り、ポケモンを繰り出す。
「とりあえずこいつだ。出て来い、ウデッポウ!」
 レストの初手は、右の鋏の方が大きい水色のロブスターのようなポケモン。
 水鉄砲ポケモン、ウデッポウ。
 ウデッポウは地面タイプ対策の一体。レストが捕まえた数少ない水タイプのポケモンで、覚えている技がなかなか強力なので連れてきたのだ。
「行くぞ。ウデッポウ、水の——」
 ウデッポウが鋏を構え、その中で水を圧縮する。
 それと同時に、

「ヒポポタス、吠える!」

 ヒポポタスは耳をつんざくようなけたたましい雄叫びを上げる。
 するとウデッポウはその雄叫びに吹っ飛ばされ——レストの腰のボールへと戻ってしまった。
「!?」
 さらに別のボールが勝手に開き、今度はそこからテールナーが飛び出る。
「テールナー……? 何だ、何が起こってんだ……!?」
「んだよ、てめぇ吠えるも知らねぇのか」
 困惑するレストを蔑むように睨むネロ。それ以上は何も言わないので、自分で調べろというのだろう。
「吠える……相手のポケモン、強制的に後退させる技……?」
 図鑑に表示されたその一文を見て、冷や汗が流れる。レストは六体のポケモンを連れてきているが、それらは相手——ネロが繰り出すポケモンに合わせて最も有利に戦えるポケモンを選ぶつもりだった。
 しかし吠えるで強制的にポケモンを入れ替えさせられては、そうもいかない。強制的に交代させられたとはいえ、もう既にレストは二体ポケモンを繰り出していることになる。つまり、繰り出せるポケモンはあと一体だけなのだ。
(しかもよりによって出て来るのは炎タイプのテールナー……どうする? 他の有利な奴と交代して、早めに三体目の枠を埋めておくべきか……?)
 などとレストが迷っている間も、ネロは待ってはくれない。レストなどお構いなしで動く。
「もう一発、吠える!」
「っ!」
 再び雄叫びを上げるヒポポタス。それにより出てきたばかりのテールナーは吹き飛ばされ、レストのボールへと戻り——次に出てきたのはラクライだった。
「なっ、ラクライ……!?」
 よりによって、最も地面タイプと相性の悪いラクライが出てしまった。これでレストの、このジム戦における出場ポケモンは固定されてしまう。
 そもそも、ネロが地面タイプ使いだと分かっていながらラクライを連れてくることが間違っていたのだが、最初に吠えるを受けた時、レストはすぐにテールナーを別のポケモンと交代させるべきだったのだ。そうすれば相性最悪のラクライを出さずに、他のタイプ上有利なポケモンを繰り出せた。
「ちっ、地面タイプ使いの俺に対して電気をタイプなんか連れて来んなよ。お前のツラ見る限り、何か対策してるわけでもねぇみてぇだしよ」
 レストの誤った選抜に、苛立ったような声を上げるネロ。
 そして、攻めに出る。
「ヒポポタス、岩石封じ!」
 ヒポポタスは地面を隆起させ、ラクライの動きを封じるように岩石を繰り出す。
「っ……! ラクライ、電光石火!」
 一方、かなり焦っているレストは、少しばかり反応に遅れる。迫る岩石を掠めてしまうも、ラクライはそれらを掻い潜り、超高速でヒポポタスへと突っ込むが、
「突進だ!」
 ヒポポタスも同時に体を突き出し、ラクライとぶつかりあう。だが体重差は歴然としており、攻撃力もヒポポタスの方が高い。ラクライは簡単に吹っ飛ばされてしまった。
「くっ、まだだ! ラクライ、噛みつく!」
 なんとか着地したラクライは、そのまま砂地を駆けてヒポポタスに牙を剥くが、
「穴を掘る!」
 その牙を突き立てようとする寸前に、ヒポポタスは穴を掘って地中へと姿を消してしまい、ラクライの攻撃は空振りに終わる。
 さらにその直後、ラクライの足元の地面が揺れ動いた。
「ラクライ! 大丈夫か!?」
 地面からヒポポタスが飛び出し、ラクライは簡単に吹っ飛ばされてしまった。効果抜群なので、相当なダメージだろう。
「くっ、このままじゃまずい……ラクライ、電光石火だ!」
 とりあえずラクライは地面を駆け、超高速でヒポポタスへと突っ込む。
「突き飛ばしてやれ、突進!」
 ヒポポタスもそれに合わせ、勢いよく正面へと突撃するが、
「同じ手は食いませんよ! ラクライ、右に回れ!」
 ラクライは寸でのところでターンし、右側からヒポポタスに突っ込む。突進を躱しつつ、やっと一撃入れることができた。
 だが、それだけだ。
「効かねぇなぁ! ヒポポタス、岩石封じ!」
 直後、ラクライの足元の地面が隆起し、ラクライは岩石に拘束されてしまう。
「なっ、しまった……!」
 こうなってしまえば、ラクライの素早さも意味をなさなくなる。そして、ヒポポタスにとっては絶好の的だ。
「突進だ!」
 ヒポポタスは岩に動きを封じられたラクライに突撃。岩を粉砕し、同時にラクライも吹っ飛ばす。
「ラクライ!」
 数秒後、地面に落下したラクライは、完全に目を回していた。戦闘不能だ。
「流石に相性が悪すぎたか……戻れ、ラクライ」
 結局、ヒポポタスに大したダメージを与えられず、レストの手持ちは残り二体。かなり苦しい展開だ。
「次は……こいつだ。出て来い、ウデッポウ!」
 レストの次のポケモンは、最初に繰り出したウデッポウ。テールナーでは相性が悪いと踏んでのチョイスだ。
(とはいえ、テールナーもどこかでは出さざるを得ないだろうな)
 だからこそ、ウデッポウで出来る限りネロのポケモンを倒すか、体力を削っていくしかない。
「行くぞ! ウデッポウ、水の波動!」
 ウデッポウは右手の鋏をヒポポタスに向け、そこから水を凝縮した波動を撃ち出す。
「ふん、んな攻撃当たるかよ。ヒポポタス、穴を掘る!」
 しかしヒポポタスがすぐに地中へと身をひそめてしまったため、水の波動は透かされてしまう。
 そしてすぐさま、地中から這い出て来たヒポポタスの攻撃が、ウデッポウを吹っ飛ばす。
「まだだ! ウデッポウ、アクアジェット!」
「穴を掘る!」
 ウデッポウは空中でなんとか体勢を立て直し、水流を纏ってヒポポタスへと突っ込むが、また地中に逃げられてしまう。
「ぐぅ、やっぱ穴を掘るが厄介だ。こっちの攻撃が全部躱される……!」
 ウデッポウが地面に着地した瞬間、地中からヒポポタスが飛び出し、ウデッポウを攻撃。回避能力が着目される穴を掘るだが、威力もそれなりに高い。バトル経験がほぼ皆無なウデッポウは、もうほとんど体力が残っていないように見える。
「このままじゃ砂嵐のダメージでやられそうだな。なら、その前に……ウデッポウ、クラブハンマー!」
「止めろヒポポタス! 岩石封じ!」
 右手の鋏を振りかざすウデッポウに対し、ヒポポタスは地中から岩石を隆起させてウデッポウの動きを牽制。しかしウデッポウは、それらの岩石を砕きながら、ヒポポタスへと接近していく。
「意外と根性あるな、そのウデッポウ。だがここまでだ。ヒポポタス、突進!」
 ヒポポタスは迫り来るウデッポウに向かって、勢いよく突撃する。岩石封じでウデッポウを止めることはできなかったが、クラブハンマーの勢いは確実に削がれている。そのため、真正面からぶつかればヒポポタスの負けはないのだ。
 だが、レストにも考えがあった。

「今だウデッポウ! じたばた!」

 ヒポポタスが突っ込んで来る瞬間、ウデッポウは残る力を振り絞ってじたばたと暴れ始める。
「したばたか……」
 したばたは、自分の体力が残り少ないほど威力の上がる技。ヒポポタスの攻撃と、砂嵐のダメージで満身創痍のウデッポウなら、最高威力に限りなく近いパワーが発揮されるはずだ。
 しかし、

 ウデッポウはヒポポタスの突進で撥ね飛ばされた。

「何……っ!? ウデッポウ!」
 宙を舞うウデッポウは、しばらくして落下する。そしてウデッポウは、戦闘不能となっていた。



はい、バタイジム戦その一ですね。ネロの初手は砂嵐起動要員のヒポポタス。吠えるでレストを翻弄し、追い詰めます。今回でラクライとウデッポウの二体がやられてて、残るはテールナー一体。対するネロの手持ちはま三体フル、一応ヒポポタスは手負いですが、テールナー一体ではきついですね。では次回、バタイジム戦、終結です。え? 早いって? そうですね。このジム戦がどのように決着するのか、それは次回をお楽しみに。


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