BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- だから私は君に恋はしない。
- 日時: 2017/02/05 23:50
- 名前: コハク (ID: nCjVBvXr)
恋を拒絶する私と、恋をしたい、君。
君と私は巡り逢うべきではなかった。
これは君がよく言う、私の照れ隠しなんかでは無くて。
そうだな、理由がないと君にまた怒られそうだから言い直そう。
私は恋をしたくないし、君のその手の温もりだって受け止めきれるはずがないのだから、私と君は巡り逢うべきではなかった。
゜・*:.。.*.:*・゜.:*・゜*
この小説はGLです。
苦手な方はブラウザバックを推奨致します。
初めまして。コハクです。
少し前から書き溜めていたものを小説にしてみようと思います。最近は寒いのでこたつから抜け出せず、猫と一緒にこたつで作業をしています…。
- Re: だから私は君に恋はしない。 ( No.84 )
- 日時: 2017/01/17 17:17
- 名前: コハク ◆2kGkudiwr6 (ID: nCjVBvXr)
でも、一応先生と患者という関係の小冬と私。
心配はかけたくないし次のステップへと進むべきだ。
…。
恋心はクリアできたけど、単純な気持ちしかわからない。
それに、相変わらず拒絶反応は消えない。
自分も小冬に恋をしている身だけど、それでも恋だの愛だのを拒否拒絶する私が心のどこかにいる。
それは胸をえぐられ、心ごと貫かれそうになるような恐怖感。
受け入れたくないという、真っ向からの拒否拒絶。
本で読んだような嫉妬とか執着とか束縛…。
気持ち悪い。理解できない。
…理解したくない。
ただただ好きなだけ。
ずっと、それだけでいい。
それだけでいたい。
気持ちを伝えて、小冬を困らせるつもりなんてないから。
初めての"好き"を自ら教えてくれてしまった小冬が笑顔でいてくれるのなら、もうなんだっていい。
- Re: だから私は君に恋はしない。 ( No.85 )
- 日時: 2017/01/17 17:55
- 名前: コハク ◆2kGkudiwr6 (ID: nCjVBvXr)
「もー、はつめちゃんったら考え事ですか?」
「あっ、ごめん。話しかけてた?」
「いいえ。見てただけです。」
「…意味わかんない。」
「いいじゃないですか。かわいい子を見るのは自由ですよ?」
「あー、うっさい。そうだ、メロンパンだ。」
「そうですよ、メロンパンですよー。寝たらお腹すいちゃうんですよね。」
あ、今日は間に合わなかった…?
私が来る前に寝て、来る前に起きたってことか。
「小冬が寝るくらいの時間に来ようと思ってるんだけど、やっぱ難しいかも…。」
「そんな、気にしないでください。薬飲んだら割とすぐに眠くなっちゃうので、お昼過ぎ頃に寝ちゃうこともあるくらいですから。」
静かに笑う。
君の日常にあまりにも平然に、当たり前に溶け込む、君の病。
「これ、例のメロンパン。…美味しかったから。」
「ふふっ、ありがとうございます。」
君の、繊細で弱いその身体を病から救ってあげることができるほど私は優れてない。
だけど、君の弱い笑顔も強い涙も、その病だって、丸ごと愛す。
全て好きなんだ。
- Re: だから私は君に恋はしない。 ( No.86 )
- 日時: 2017/01/17 20:50
- 名前: コハク ◆2kGkudiwr6 (ID: nCjVBvXr)
「わっ、はつめちゃん!このメロンパン美味しいです!サクサクとフワフワの融合ですっ!!」
「騒ぎ過ぎ。…馬鹿。」
「馬鹿じゃないですよー!てゆーか、はつめちゃんもこんなに美味しいメロンパンを食べたら騒いじゃいますって。」
「いや、お昼に食べたから味が美味しいのは分かるけど…私は騒がなかった。」
花湖ちゃんは騒いだけど。
「えー?じゃあ一緒に食べましょう!絶対騒いじゃいますから!」
「え、一緒にって…。」
「はい。」
小冬はそう言って食べかけのメロンパンを私の口の前に。
…食べろと?
「い…いただきます。」
一口、口に含む。
美味しい…はずなのに味が分からない。
私は馬鹿だ。
小冬の食べかけのメロンパンでこんなに動揺するなんて。
- Re: だから私は君に恋はしない。 ( No.87 )
- 日時: 2017/01/17 21:56
- 名前: コハク ◆2kGkudiwr6 (ID: nCjVBvXr)
「あれ、はつめちゃん本当に騒ぎませんね…。って、はつめちゃんったら顔真っ赤ですよ!?」
「気にしないで…。」
「どうしたんですか!?」
「なんでもない。」
「あっ、これははつめちゃんお得意の照れ隠しとやらですね?」
「ちっ、違うっ!」
「一体何に照れてるんですか?…あっ、メロンパン?あっ!私とナチュラルに間接キスしたこと…ですか!?わ、私も今気づきましたっ…えへへ。」
あぁ、もう気づかないでよ。
てか、小冬も頬が赤い気がするのは気のせい?
…気のせいだよね。
- Re: だから私は君に恋はしない。 ( No.88 )
- 日時: 2017/01/17 23:00
- 名前: コハク ◆2kGkudiwr6 (ID: nCjVBvXr)
「本当に照れてなんかないから。」
「そっ、そうなんですか?かっ、かか間接キスですよっ?」
下を向いてもっと赤くなる小冬。
…小冬は照れてるの?
…なんで?友達同士でも照れたりするの?
わかんない。
いや、私も照れちゃったし、もうよく分かんないけど。
照れたとか、嬉しいとか、んなこと言えるわけないでしょ?
「…」
「…」
沈黙…に近いけど違う。小冬が小さくメロンパンをかじる音が聞こえる。
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