BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

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だから私は君に恋はしない。
日時: 2017/02/05 23:50
名前: コハク (ID: nCjVBvXr)


恋を拒絶する私と、恋をしたい、君。
君と私は巡り逢うべきではなかった。
これは君がよく言う、私の照れ隠しなんかでは無くて。
そうだな、理由がないと君にまた怒られそうだから言い直そう。
私は恋をしたくないし、君のその手の温もりだって受け止めきれるはずがないのだから、私と君は巡り逢うべきではなかった。

゜・*:.。.*.:*・゜.:*・゜*

この小説はGLです。
苦手な方はブラウザバックを推奨致します。

初めまして。コハクです。
少し前から書き溜めていたものを小説にしてみようと思います。最近は寒いのでこたつから抜け出せず、猫と一緒にこたつで作業をしています…。


Re: だから私は君に恋はしない。 ( No.79 )
日時: 2017/01/10 21:47
名前: コハク ◆2kGkudiwr6 (ID: nCjVBvXr)

くるみ図書館に入るや否や、心臓を病んでいるとは思えないようなスピードで走って飛びついてくる少女…小冬。
外見からは決して想像もつかないような力。
慌ただしく、平凡に、私と君の時間が始まる。
「今日はどんなことがあったんですか?」
「んー…。」
小冬は、前に1日について話した日から必ず毎日同じ質問をするようになった。

今日はどんなことがあったんですか?
今日のはつめちゃんのことを知りたいです。
今日は何をしましたか?
今日のことを教えてください。



いろんな聞き方で繰り返される、同じ質問。
まるで事情聴取のような、ストーカーのような聞き方のときもあるけど不思議と気持ち悪いとは思わない。
外の世界を知らない、汚れなき天使…。
何かの本でみた言葉。
小冬はソレに近い…なんて馬鹿げてるけど。

Re: だから私は君に恋はしない。 ( No.80 )
日時: 2017/01/14 23:43
名前: コハク ◆2kGkudiwr6 (ID: nCjVBvXr)

「私も一度、花湖さんに会ってみたいです。」
穏やかに静けさを帯びて、でもはっきりとした口調で。
一通り今日会ったことを話すと、小冬は冬眠中に目覚めたリスのような顔でうんうんと頷いた。
それで、メロンパン絡みで花湖ちゃんのことも軽く。
学校の話をするときに軽く話には出したりしてるからか、小冬はよく花湖ちゃんに会いたいと言う。
「なんで?」
と聞いても
「なんでもです。」
と、帰ってくる返事は毎回決まってる。
でもたしかに話したら会いたくなるっていうか、見たくなるか…。
「いつか連れて来てください。そのときは、うーん…恋人ってことにしておいてください。えへ。」
「は?」
「えー、ダメですか?」

Re: だから私は君に恋はしない。 ( No.81 )
日時: 2017/01/14 23:49
名前: コハク ◆2kGkudiwr6 (ID: nCjVBvXr)

「いや、ダメっていうか…恋人って好き合ってる相手ってことだよね?」
「はい。」
「え、小冬はそれでいいの?」
「えへへ。」
「えへへじゃなくって…。」
「はつめちゃんに…恋人って、言ってほしいんです。」
小冬が小さく、そうじゃなくっても、と呟いたような気がした。
気のせいかもしれない。
だけど。
「分かった。」
小冬の意図は分かんないし、そもそも花湖ちゃんをここに連れてこれるかもわかんないけど、それでも。
小さく笑う小冬がかわいいから。
「えっ?はつめちゃん本当ですか!?」
「うん。約束する。」
「嬉しいですっ!早速ノートに!」
わーいって言いながらノートに今の約束を書く姿もかわいいから。
何をしててもかわいいと思ってしまう。
それはきっと、小冬のことが好きだから。
って、あれ…?
は?
好き?好き…好き!?
私は小冬のことが好き?
いや、好きだけど。
だけど、この好きってそういう"好き"なの!?

Re: だから私は君に恋はしない。 ( No.82 )
日時: 2017/01/15 00:22
名前: コハク ◆2kGkudiwr6 (ID: nCjVBvXr)

もし仮に、そうだとしたらつじつまが合う。
小冬と一緒にいたいと思うのも、一緒にいるとドキドキと胸が痛いのも、ずっと見ていたいと思うのも。
本で読んだ感情とピッタリ合う想いばっかりだ。
くるみ図書館で初めて出逢ってしまったあの日から…気になってしょうがない小冬のことがずっと好きだったんだ。
なんで今気づいたんだろう。
逢う度に胸が痛かったのに。
でも、恋じゃない。
だってこれが恋だとしたら…私と小冬の関係は崩れてしまうかもしれない。
恋心を恋をするという形で知って、しかもその相手が小冬だなんて本人に知れたら、きっと小冬は私の前からいなくなる。
私の世界から小冬がいなくなるくらいなら、この恋心には鍵をかけて。

Re: だから私は君に恋はしない。 ( No.83 )
日時: 2017/01/15 12:04
名前: コハク ◆2kGkudiwr6 (ID: nCjVBvXr)

「どうかしましたか?ぼーっとしてますよ?」
「あっ、いや、なんでもない。…そういえばさっき話したメロンパン買ってきてあるんだけど、どうする?」
「わー、はつめちゃん太っ腹ですねー!外のベンチで食べたいですっ。」
秘密の関係には、秘密の想いを隠して。
相変わらずの強い力で手を引かれる。
私の手の熱で、小冬への惹かれる想いが伝わらないように握り返す。
好きだけど、好きな気持ちに気づいてしまったけど、秘密だから。
だからこれは、恋じゃない。
恋だけど恋じゃない…ぐちゃぐちゃして分かりにくいけどそういうことにする。
まとめるなら、私は君に恋はしない。
…君と同じ世界にいたいから。


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