BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- だから私は君に恋はしない。
- 日時: 2017/02/05 23:50
- 名前: コハク (ID: nCjVBvXr)
恋を拒絶する私と、恋をしたい、君。
君と私は巡り逢うべきではなかった。
これは君がよく言う、私の照れ隠しなんかでは無くて。
そうだな、理由がないと君にまた怒られそうだから言い直そう。
私は恋をしたくないし、君のその手の温もりだって受け止めきれるはずがないのだから、私と君は巡り逢うべきではなかった。
゜・*:.。.*.:*・゜.:*・゜*
この小説はGLです。
苦手な方はブラウザバックを推奨致します。
初めまして。コハクです。
少し前から書き溜めていたものを小説にしてみようと思います。最近は寒いのでこたつから抜け出せず、猫と一緒にこたつで作業をしています…。
- Re: だから私は君に恋はしない。 ( No.74 )
- 日時: 2017/01/02 02:15
- 名前: コハク ◆2kGkudiwr6 (ID: nCjVBvXr)
「ここ…私とはつめちゃんと、栞さんの好きな男の人以外で来てる人っているんですか?」
カウンターの上の壁に貼ってある張り紙を見つめながら心配になって聞いてみます。
「あ、ああるに決まってるじゃん!ももも、もぉ、小冬ちゃんったら!」
いないパターンですね…。
「もし、くるみ図書館が潰れたら私…行くとこなくなっちゃいます。」
「そっ、そんな不吉なこと言わないでー!!そんな泣きそうな顔もしないで!!大丈夫。私がぜったいに潰させないし、そもそも公共の施設はポンポン潰れたりしないんだから。ね?」
「でも心配ですよぉ…。」
「んん…でも、くるみ図書館は結構前からお客さん少ないけど潰れちゃうなんて話、1つも来たことないから大丈夫!小冬ちゃんは安心して白詰ちゃんとラブラブしてね。」
はわっ!?
「ら、ラブラブって…私とはつめちゃんがですか!?」
「ふふ。小冬ちゃんたら、照れちゃってかわいー!」
はうぅぅ…。
そんな風に見られてたなんて恥ずかしい…けれど嬉しすぎます!
あ、でも誤解されてたら栞さんにもはつめちゃんにも悪いですよね。
「で、でも付き合ってるとかじゃないんです!その、私がっ…。」
なんて言えば良いのか分からなくって体温ばかり上がって、下を向きます。
「お姉さんね、好きになっちゃったみたいなんだ…。例の男の人。」
頭をポンポンしながら穏やかに話す栞さん。
- Re: だから私は君に恋はしない。 ( No.75 )
- 日時: 2017/01/02 22:52
- 名前: コハク ◆2kGkudiwr6 (ID: nCjVBvXr)
「どんなに抵抗してみても、足掻いてみても。やっぱり恋って美しいんだよ。そのカタチがどんなものであっても、下向く必要なんてないんだよ?」
栞さんの、まるで本を読み聞かせているような声が出かけていた何かをまぶたの裏側へ閉じ込めます。
「…今日の栞さんは大人でずるいです。」
「あれー?褒め言葉は上向いて言うものでしょー?」
ガシッと頬を掴まれて顔が上を向きます。
「きっと、小冬ちゃんなら分かるはずだよ。好きな気持ちにどうなれば白詰ちゃんが笑顔になれるか。」
「でっ、でも、はつめちゃんは好きな人とか…というか、その前に恋なんて」
自分の気持ちに素直になるなんて、きっと私はしちゃいけないことなんです。
理由がありすぎます。
でも…その理由を知った上で応援してくれている人がいること、その理由に負けないくらいに強くて止められない気持ちがあること。
それだけで、もう私のすべきことはピカピカ光って道を照らしています。
君が好き。
それだけが答えなんです。
- Re: だから私は君に恋はしない。 ( No.76 )
- 日時: 2017/01/03 23:23
- 名前: コハク ◆2kGkudiwr6 (ID: nCjVBvXr)
「今日…メールアドレスを聞こうと思ってるんです。」
「おぉ!いいぞいいぞー、青春しやがれっ!て、ことでお姉さん仕事戻らなくちゃなのよー…。じゃ、応援してるからね!」
「…ありがとうございます。私も、栞さんのこと応援してます!」
栞さんの手から解放された顔を正面へ向けて、ぱっちり目をあわせます。
「負けません。」
「やっぱり小冬ちゃんはそうでなくっちゃね。ほら、その意気で彼女にも…。」
栞さんが目をそらしてドアの方を向きます。
それを追ってドアへ目線を合わせると、はつめちゃんがちょうどドアを開けていました。
足が勝手にはつめちゃんへと急ぎます。
少しくらいなら走っても平気…カウンターから入り口のドアは近いんです。
栞さんが小さくファイト、と呟いたような気がしましたが振り返らずに心で返事をします。
- Re: だから私は君に恋はしない。 ( No.77 )
- 日時: 2017/01/05 10:12
- 名前: コハク ◆2kGkudiwr6 (ID: nCjVBvXr)
「はつめちゃんっ!」
「わっ、小冬!?そんな走って来なくても逃げないから。」
「えー?はつめちゃんは捕まえておかないと、すぐに逃げちゃいそうじゃないですか。」
「何言ってんの…。てか、抱きしめる必要は絶対ないと思うんだけど。」
今もはつめちゃんのこと捕まえられているわけではないんですけどね。
でも、すぐに逃げてしまいそうっていうのは紛れもなく本当のことだから。
だからこのまま…ずっと、ずっとギュって抱きしめていたいんです。
「ちょっと、小冬?苦しいってば…。本当、初めて会ったときから思ってたけど力強すぎ。痛い…。」
いいえ、はつめちゃん。
これは、力じゃなくって愛です。
なんて。
「愛ですっ。」
「は?」
私と君の、秘密の関係。
そこに隠れる、秘密の気持ち。
空白の世界を紅色で染めたのは君なんです。
一人ぼっちの世界に迷い込んだ君を、ずっと捕まえて。
二人の世界を焦がれるくらいに愛して止めない。
君に先生と呼ばれた私の方は…あの有名な、嘘みたいな恋の病ってやつなのかも知れません。
- Re: だから私は君に恋はしない。 ( No.78 )
- 日時: 2017/01/16 14:58
- 名前: コハク ◆2kGkudiwr6 (ID: nCjVBvXr)
{episode 13}
ー白詰sideー
学校が終わって、くるみ図書館へと向かうまでの歩いてる時間。
そんな時間が結構好きだったりする。
訳なんて別に無いけど、色んなことを考える。
学校であったこと、昨日読んだ本のこと、今日読む本のこと、小冬のこと。
ちなみに今日は例のメールの件で花湖ちゃんに勝ったから、パンをおごってもらった。
メロンパンなんて久しぶりに食べた。
…美味しかったから小冬にも買ってきたんだけど、こういうのって変じゃないよね?普通のこと、だよね?
分かんないんだよ。
小冬はどんな顔をするんだろ。
…笑ってくれたらいいな、とか。嬉しそうな顔を見せてほしい、とか。
いつからか忘れたけど、小冬に出逢ってしまってからは毎日…そんなことを考えながらくるみ図書館まで歩く。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19