BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- だから私は君に恋はしない。
- 日時: 2017/02/05 23:50
- 名前: コハク (ID: nCjVBvXr)
恋を拒絶する私と、恋をしたい、君。
君と私は巡り逢うべきではなかった。
これは君がよく言う、私の照れ隠しなんかでは無くて。
そうだな、理由がないと君にまた怒られそうだから言い直そう。
私は恋をしたくないし、君のその手の温もりだって受け止めきれるはずがないのだから、私と君は巡り逢うべきではなかった。
゜・*:.。.*.:*・゜.:*・゜*
この小説はGLです。
苦手な方はブラウザバックを推奨致します。
初めまして。コハクです。
少し前から書き溜めていたものを小説にしてみようと思います。最近は寒いのでこたつから抜け出せず、猫と一緒にこたつで作業をしています…。
- Re: だから私は君に恋はしない。 ( No.49 )
- 日時: 2016/12/18 11:09
- 名前: コハク ◆2kGkudiwr6 (ID: nCjVBvXr)
でも、崖の上に立った私を助けてくれるのも自分ではない他人なんですよね。
これだから世界には矛盾なんて言葉が巡るのです。
それでも、一瞬にして私の中で壊れた概念は2度と元に戻ることはありません。
栄養ドリンクと、クラスメイトの顔はぐちゃぐちゃのままです。
『栄養ドリンクは嫌です…。』
かつての私の叫びにも似たわがままに少しでも耳を傾けてくれたなら、今日が違ってたのかも…なんて、それこそわがままですね。
親にも、誰にも迷惑なんてかけちゃいけません。
この余命と余命を繋げて、やっと生きているようなツギハギの命に感謝をして。
「…それでも、たまには話をしたいです。」
口から零れる本音をキュッと結んで。
そうやって器用に生きていける…きっと、私はそういう人間なはずなのだから。
- Re: だから私は君に恋はしない。 ( No.50 )
- 日時: 2016/12/19 01:08
- 名前: コハク ◆2kGkudiwr6 (ID: nCjVBvXr)
嫌でも目に映ってしまう栄養ドリンクを注ぎすぎて飲みきれなかった水で薄めて、後でごまにあげる準備を。
「ごまはお母さんにご飯をもらえてるんですよね…。羨ましいです。」
いつの間にか膝の上で眠っていたごまを撫でる。
起こしてしまったみたいで、にゃあと鳴いて私の手をぺろっと舐めてきます。
なんて可愛らしい…。
「そろそろ寝よっか?」
今にも眠りを再開しようとしているごまを抱いて二階の部屋へ向かいます。
お母さんが帰ってくるのは夜中。お父さんは明け方。
会えないのは、一緒にご飯を食べれないのは、話せないのはしょうがないのです。
私の身体のことだけでさえ迷惑をかけ続けているというのに、さらに私の心のことで迷惑をかけてしまっては絶対にダメです。
「ごま、飲みますか?」
部屋に入ってから完全に目が覚めてしまったようで、ベッドでもぞもぞ一人遊びをするごまに栄養ドリンク水薄めバージョンを勧めると、ちろちろ飲み始めました。
「歯を磨いて、寝る準備をしなくては…。あ、診察ノートも書きたいですね。」
ぶつぶつと独り言を言ってしまうのは根付いてしまった昔からの癖です。
「はつめちゃんの今日の中…。」
ふと、くるみ図書館での会話を思い出します。
「はつめちゃんの今日と、私の今日が重なって丸まって。それで…。」
- Re: だから私は君に恋はしない。 ( No.51 )
- 日時: 2016/12/20 19:42
- 名前: コハク ◆2kGkudiwr6 (ID: nCjVBvXr)
「それで…その先は?」
ぼやぼやと頼りなく光るライトに向かって手を伸ばします。
伸ばした手は光まで届きません。
「もっと…たくさん生きたかったです。」
独り言にもならないくらいに小さなぼやきは静寂に飲み込まれて、そのまま消えていきます。
こんな時間、嫌いです。
1人になって考え出すと、決まって暗い方向へと走りがちになってしまうのも悪い癖です。
「よし、歯を磨いて診察ノート!急がないと今日が終わってしまいます。」
時計に目をやると、もう10時半すぎ。
明日が来る前に、その前に。
はつめちゃんを、もっと感じたいんです。
- Re: だから私は君に恋はしない。 ( No.52 )
- 日時: 2017/01/15 21:51
- 名前: コハク ◆2kGkudiwr6 (ID: nCjVBvXr)
{episode 8}
ー白詰sideー
眠たいのに眠れない。
最近、夢をみる。
同じ夢を、見ていたような見ていなかったような気持ち悪い感覚が胸に残ってる。
それは、どこか都会のような人混みの中で1人立ち尽くす夢。
立ち尽くした中で私は、必死に何かを叫んでもがいて、歩き出せずにいる。
誰も、私のことが見えていない。いや、正確には見えていても道端の石ころのように興味を持たない。
…そんな孤独な夢をみる。
もしかしたら今日眠りにつけないのは、その夢を心のどこかで恐れてるからなのかもしれない。
でも、そうは思いたくない。
私はそんな夢なんて怖くない、と思いたい。
あぁ、何か別のことを考えよう。
…小冬のこと。花湖ちゃんのこと。いとこのこと。小冬のこと。…小冬。
本当に私の頭はどうしたものか。
考え事をしようと脳を覗けば、小冬のことばかり考えている。
- Re: だから私は君に恋はしない。 ( No.53 )
- 日時: 2016/12/22 00:13
- 名前: コハク ◆2kGkudiwr6 (ID: nCjVBvXr)
小冬が今どこで何をしてるのか、なんて考えてる自分が分からない。
だって、こんなのおかしい。
今まで1人の時間が好きで、花湖ちゃんと話している時間も好きだったけどやっぱり1人の時間には勝てなくて…。
それなのに、今はこんなにもう小冬に会いたい。
「あー…もう訳分かんない。」
ベッドの中で小さく寝返りを打つ。
小冬に対するこの気持ちは経験したことがない。
こんな迷惑な気持ち、それごと消してしまいたい。
このことは小冬に言うべき?
先生なんだし細かい心の動きまで報告してくださいって言われたけど…なんかなぁ。
言いたくないこととかがあれば無理して私に言わなくていいですよ、とも言われたし、そっちの言葉に甘えてみよう。
時計の長針が1つ右に揺れて、短針と重なる。
今日が終わって、今日が来る。
気づけば君に会いたくなって、いつも隣にいればいいと願ってしまって、君の中に私がいればいいと思ってしまう。
そんな今日が、また始まる。
「怖い夢、みませんように。」
自分を落ち着けるためだけに呟くと、まぶたが重くなる。
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