BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

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だから私は君に恋はしない。
日時: 2017/02/05 23:50
名前: コハク (ID: nCjVBvXr)


恋を拒絶する私と、恋をしたい、君。
君と私は巡り逢うべきではなかった。
これは君がよく言う、私の照れ隠しなんかでは無くて。
そうだな、理由がないと君にまた怒られそうだから言い直そう。
私は恋をしたくないし、君のその手の温もりだって受け止めきれるはずがないのだから、私と君は巡り逢うべきではなかった。

゜・*:.。.*.:*・゜.:*・゜*

この小説はGLです。
苦手な方はブラウザバックを推奨致します。

初めまして。コハクです。
少し前から書き溜めていたものを小説にしてみようと思います。最近は寒いのでこたつから抜け出せず、猫と一緒にこたつで作業をしています…。


Re: だから私は君に恋はしない。 ( No.54 )
日時: 2017/01/15 21:52
名前: コハク ◆2kGkudiwr6 (ID: nCjVBvXr)

{episode 9}

ー栞sideー
鉛筆を片手に原稿用紙を前に、昇ったばかりの太陽を目の端に少し黄昏てみちゃったり。
時刻は4時40分。
司書の朝は早い…かどうかは知らないんだけど。
私の朝は早い。
別にこれといって仕事があるわけじゃないし、やることもたくさんあるわけじゃないんだけど、それでも昇ったばかりの太陽をみて小説を書くのが好き。
頭の中にいろんな引き出しがあるとして、その1つ1つを開けていけるような気がするから。
去年のこと、昨日のこと、もっとずっと前のこと。
落ち着ける時間…なはずなのに昨日の引き出しを覗いたせいで、胸が騒いで何一つ手につかない。
緑マフラーさん、あなたに会いたいです…なんてね。

Re: だから私は君に恋はしない。 ( No.55 )
日時: 2016/12/22 21:50
名前: コハク ◆2kGkudiwr6 (ID: nCjVBvXr)

昨日の引き出し。
胸が騒ぐのは、その引き出しを開けるのに少し勇気がいるからなのかも。
緑マフラーさんを思い出すと嬉しくなって楽しくなって、でもやっぱり寂しくもなっちゃうから。


いつも遅くまで図書館で本を読んでいる人。
仕事もお客様も全部まとめて遠くへ捨ててしまえば、その空間は2人だけのもの。
なーんて、仕事中に変なこと考えちゃダメダメ。
大体、まだまともに話したことだってないくせに私ったら浮かれすぎかも。
純たる清楚乙女は妄想厳禁。
もんもん膨らむ気持ちに言葉を添えて名前をつけるとしたら、これは恋心っていうの?
あぁ、恋心って新鮮な響き…。はつめちゃんと恋話?らしきことはしたけどみずみずしい高校時代には帰れないからなぁ…。
まぁ、高校でも恋愛なんて軽い片思い程度しかできなかったんだけどね。
淡い夢物語みたいな恋。
いつか、私にもできる日が来る!って今日まで生きてきたけど、このままだと孤独なまま人生自体終わっちゃいそう。
だからと言って今のこの気持ちは恋って言っていいほど大人じゃない。
「幼い気持ちも恋のうち…?」
だぁー…。分からん。
っていうか、その緑マフラーの例の人と何かあるなんて期待するのはあまりにも馬鹿げた…ある意味夢物語なんだけど。
「それも、恋のうちなんじゃないですか?」
「勝手なこと言わないでよー。それに、これが恋でもどうせ何にもできないまま終わっちゃうし…って、え!?あ、え!?」
いつからいたのか、カウンターを挟んで目の前にいる人。
それは、爽やかキラキラスマイルを飛ばすいつも通りイケメンな緑マフラーさん。

Re: だから私は君に恋はしない。 ( No.56 )
日時: 2016/12/23 00:47
名前: コハク ◆2kGkudiwr6 (ID: nCjVBvXr)

「これ、お願いします。」
くすくすと、またイケメンに笑いながら小説を差し出す緑マフラーさん。
「あっ、はい!貸し出しですね。カードの提示をお願いします。」
また差し出されたときには指が目に入る。
綺麗な爪の形…長い指…。
「名前、聞いてもいいですか?」
ナマエキイテモイイデスカ?
へ?は?私の名前!?
「お、織部 栞。緑マフ、じゃなくて、あなたは…?」
今きっと体温を測ったら余裕で熱があると思う。
顔が熱くて燃えそう。
「一ノ瀬 碧。栞って可愛い名前ですね。ぴったり…。」
いちのせ みどり。
エコーみたいに脳内で何度も繰り返される。
なんてかっこいい名前…!
いちのせ みどりさん!
ん…?
「みっ、みどり!?」
「ん?」
「あっ、いや…なんでもないです!」
みどりって言うんだ。
緑マフラーさんって心で呼んでたからびっくりしたぁ…。
てゆーか!栞って名前可愛いって…お母さんお父さんありがとうございます。
碧さんに呼ばれた栞って名前が大好きになった。
「栞さんは毎日1人で司書の仕事をしてるんですか?」
「一応そうです。あ、でも忙しすぎるときは応援も呼べるんです。…まぁ、くるみ図書館で忙しくなるときなんてないんですけどね。」
えへへ、とぎこちなく笑って見せたり。
碧さんのイケメンスマイルとは100週と半分くらい回って違う。
「くるみ図書館で閉館まで本を読むようになってから、毎日栞さんが一生懸命仕事してるなって目で追ってました。俺、頑張ってる人って好きです。」
えっ?
あっ、違う違う。
碧さんは頑張ってる人が好きって言ったの。
ふぉー…勘違いしそうになっちゃう。
ありえないのに。
「あと、こんな閉館ギリギリで言うのもアレなんですけど…。」
そう言って碧さんは、お財布に一度しまったくるみ図書館カードを取り出す。
「これ、実は兄のカードずっと使ってて。今作れたりしますか?」

Re: だから私は君に恋はしない。 ( No.57 )
日時: 2016/12/23 17:20
名前: コハク ◆2kGkudiwr6 (ID: nCjVBvXr)

「作れますよ。あ、でもお兄さんの使うの本当は禁止なんですよー?よく別の人のを使っちゃう人がいて本の貸し出し停止になる人もいるくらいなんです。…まぁ、くるみ図書館には人が来ないのでそんなことなったこと無いんですけど。」
がさごそカウンター下の引き出しからカード作成の紙を引っ張り出して…っと。
「とにかく、今回は特別内緒にしておきますね。」
紙とボールペンを差し出して、またぎこちなく笑ってみせる。
「ありがとうございます。全然知りませんでした…。」
少し申し訳なさそうに笑う、その顔さえもイケメンすぎて何でか私が謝りたくなっちゃう。
「いえいえ、いいんです!って、みど…じゃなくて一ノ瀬さん、21なんですか!?」
脳内で勝手に碧さんに何て馴れ馴れしく呼んでたから、危うくそのまま碧さんって言いそうになった…。
話せてることが奇跡なんだから、それ以上浸ったらダメ!
叶わないことが当たり前なのに、それが寂しくなるから。
「はい。老けて見えますか?」
イケメンスマイル炸裂。
今思ったけど、碧さんは常に微笑んでるし常にイケメン。

Re: だから私は君に恋はしない。 ( No.58 )
日時: 2016/12/23 18:10
名前: コハク ◆2kGkudiwr6 (ID: nCjVBvXr)

「そっ、そんなことないです!その、てっきり同い年かな…なんて、前のカードのときに思ってて…その、気にしないでください。」
「前のカードってことは栞さん、兄と同い年ってことですか!?」
驚きすぎでは?
ていうか、いまさらだけど栞さんて呼ばれてる…!
な、名前呼びー!
…いけない。
平常心を持って!
そう、いつもの仕事顔で。
「今年で26です。」
「若いっ!ってよく言われません?同い年か年下の方って思ってました。」
「碧さんと同い年か、年下がよかったな…。」
あ、やば。声に出た…!
わー、どうしよう!!
たぶん今、仕事顔どころか顔真っ赤…。
「あっ、今のは違くてですね、その、えっと…。」
「俺、年上の人が好きなんです。」
「へ?」
恥ずかしくて下を向いていた顔を上げると、ぱっちり碧さんと目があう。
やばいかも。
ドキドキする…かも。


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