二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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【お知らせあり】クリエイティヴ・ワールド
日時: 2017/03/17 18:20
名前: 伊那谷ユウナ (ID: QxkFlg5H)

クリエイティヴ・ワールドへようこそ。

ここは主にメモ書き程度なもの、中編などを載せます。つまりは読み切りですね。はっきり言ってカオスです。パロディもありますとも。連載を諦めた話などもこちらに載せます。

主にオリキャラが中心ですが、サモンナイトシリーズをはじめ、戦国BASARAシリーズ、魔法少女リリカルなのはシリーズなど他にも色々取り扱います。

中にはブツ切りする小説、思いついただけで使う道がなさそうな設定を乗せたりします。どのような場合でも見逃してくださいませ。

では、お楽しみ下さいな。



☆必要用語☆

取り扱いジャンルについて >>39

別理者について >>86

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Re: 【リク募集中】クリエイティヴ・ワールド ( No.111 )
日時: 2016/05/23 23:47
名前: 伊那谷ユウナ (ID: YVCR41Yb)

プライベッターに載せた文章だけどこっちにも投稿しておく。キスの日なので30分ぐらいで仕上げたやつ。短文です。ちなみにユーイン中編のクラウレとユーインのその後が題材だったりする。ちょっと雰囲気がキャッキャウフフなアレ。でも直接的な表現はない…筈。ではどうそ。











「不覚だったわ…まさか、組み敷かれるだなんて」

現在、彼女…ユーインは目の前にいる男、クラウレに負けてしまい、組み敷かれ、抱かれている。お遊び程度にあしらおうと手加減したのが仇だった…彼は何を思ったのか殺す気でユーインへと挑み、結果、クラウレが勝ったのだ。勿論、この事を想定していなかったユーインは一変し、赤子のように泣き叫んだ。それは凄まじく、修繕中だったとはいえ城壁にすらひびが入りかけた時はさすがのクラウレも焦ったものだ。今はこうして彼女は泣くところまで泣いた後、約束通り大人しく食われているが。

「今日のラウスブルグは守護竜様が不在…つまり、だ。城は目立たない山中に隠すしかない…もしもだぞ?この辺りを通りかかった旅人にでも叫び声を聞かれていたらどうするつもりだったんだ」
「…その時は山彦と勘違いするでしょう。人間の耳は案外、都合よく出来ているから」

それはないだろ…と、彼はそう思わずツッコミを入れた。見た目は自分と歳が近そうな彼女だが、実際は自分より何倍も長い年月を生きた龍人だ。だからか、よく世間離れした発言をしたり、からかったりする。そこは彼女の主人であるセイロンと同じだ。だからこそ、扱いはそれなりに分かっている…と思いたい。

「……だが、安心したよ」
「何が?」
「お前は、泣く事が出来るんだな」

冷徹で冷血で冷静。低温の中を生きる彼女はどうしても生きている感じがしない…それがユーインに対しての第一印象だった。あの頃のギアンとは違う、冷たい孤独にクラウレは思わず惹かれ、初めて彼女が自分に向けて口にした無情な誘惑にすら乗ってしまった。クラウレはそれ程、彼女に惚れ込んでしまったのだ。

(……だが、俺では彼女に与える事は出来ない)

しかし、同時に理解したのだ。彼女のその目は自身を映してなどいない。映すわけがない。だって、もうとっくに彼女の目は誰かを映している。奪う事は出来ない。ならば…

「……っ!どうしたの、いきなり?いつもはしないのに」
「…単なる、気まぐれだ」

せめて、その唇だけは自分のものにしたい。冷たいけれど、どこか優しさを感じる…その言葉を紡ぐ唇を。今だけは、誰もいないこの場所で。

Re: 【リク募集中】クリエイティヴ・ワールド ( No.112 )
日時: 2016/05/27 23:03
名前: 伊那谷ユウナ (ID: YVCR41Yb)

※ある意味ifなお話です。何話か続きます




本日は晴天。しかし、とある主従の仲は…殺意通り越して瀕死でした。

「…で、今回の喧嘩内容は?」

しかしそれは想定内。フェアはてきぱきとお菓子をテーブルに並べながらリビエルに聞いた。

「それがなんと『餡子は粒餡か漉餡か』という至極どうでもいい内容でしてよ…」
「あれ、前も似たような内容で喧嘩していなかった?」

正確にはそれは『犬派か猫派か』なのだが…まあリビエルの言う通りマジで至極どうでもいい内容なので、この際気にしないようにしよう…読者の方々に分かりやすく言うと、あの二人の喧嘩内容は大抵『キ○コの山派か、た○のこの里派か』のようなものが多い…後は分かるな?
ーーーさて。日常の1ピースとして組み込まれてしまったセイロンとユーインの喧嘩だが、フェア達は次第に二人の喧嘩を割って入って止めるのを諦めてしまい、まあ暫く放置すりゃあいつもの状態に戻る…という事で。触らぬ神に祟りなし、だけども神を拝んでバチは当たらないだろう。そのような独断と偏見で現在は、ラウスブルグの美しい中庭をバトルフィールドにフェア達は離れた場所でお茶会を開いていた…勿論、お菓子は全てフェアの手作りです。

「でさ、肝心のその『あんこ』とか『つぶあん』とか『こしあん』って…何よ?」
「それは自分が説明しましょう!」
「簡潔になさいよー?」

たまたま…というか大体暇で近辺をふらふらとしている為、今回の件に容易く駆けつける事が出来たシンゲンがよく分かっていないリシェルを筆頭にした一部の者達へ説明する。
餡子というのは言わばシルターンの甘味の中身のひとつ…豆類などを煮て、練った具である。見た目は焦げ茶色の塊で見る人によってはあまり綺麗とは思わないだろうが、食わず嫌いはよくない…これがまた、独特な甘さで美味しいのだ。そんなこんなで、その他の細かい点は以下省略。とにかく餡子の種類、製造法は八百万の神とまではいかなくとも沢山ある。中でも王道とされるのは粒餡と漉餡だ。
粒餡は豆の皮をなるべく破らないようにし、豆の形を残した餡。対する漉餡は小豆を潰し裏ごしして豆の種皮を取り除いたものである。

「…つまり?」
「あの二人はこう言いたいんですよ。豆の食感を楽しめる粒餡か、それとも口当たりが滑らかで上品な漉餡…どちらが一番か!シルターンの者としては人生を賭けても解けぬ難題。そりゃあぶつかるのも無理ないですよねぇ…あ、ちなみに自分は粒餡派ですー」

ちゃっかり粒餡派のユーインを味方するシンゲン。しかし、こればかりは好みだから仕方ない。

「にしても餡子ねえ…そんなに美味しいのかしら?」
「じゃあ作ろうか?」
「作れんの!?」

まあ偶々ダメ親父が作っていたところを覚えているだけで、自信はないけどね…というフェア。だとしてもそれはそれで充分凄い気がするのだが。という訳でフェアはそのまま、城にある厨房へと向かったのであった。

…ところで、肝心の喧嘩はというと。

「…よし、決まりね」
「決まりだな…ここからは文句無しだぞ」
「当然」

負けた方に課せる内容…罰ゲームが決まったらしい。二人は距離を取って、構えた。

「で、今回の罰ゲームは何ですのー?」
「負けた方が四つん這いになって勝者の椅子となるの…どう?屈辱的でしょう?」
「え、えええー…」

内容はアレだったが、二人の目はマジだった。そしてユーインは話を続ける。

「ただし私が負けた場合、女である私が椅子になるというのは倫理的にどうかと思う。という訳で…クラウレが私の代わりに椅子となる事が決まったから」
「待て!今、聞き捨てにならない事を言わなかったか!?それと俺を当たり前のように巻き込むんじゃない!!」

だがしかし、喧嘩で怒りがデッドヒートな二人には反論など通じない。そしてユーインは刀を、セイロンは杖を全力で振りかざす。

「餡子は粒餡ッ、でしょうがぁぁぁ!!」
「この阿呆ッ、漉餡に決まっておろうがぁぁぁ!!」

というなんとも言えない叫びでぶつかる二人…という場面に行くはずが、そうもいかなかったようでーーーお菓子をもぐもぐと食べていたミルリーフは気付く。誰か来た、と。

「あ、まっ…!」

ミルリーフは止めに入ろうとした。けれど遅かった。遅すぎた。
『それ』は鈍器を振りかざすように疾く、重い一撃を二人に叩き込んだのだ。

「ぐむっ!?」「ぎゃっ!?」

それには予想外だったのか、二人は避けることは出来ずにそのまま地面にめり込んだ。あまりの出来事に二人だけではない、観戦していた一同も呆然としていた。そして『それ』は言い放った

「……全く。喧嘩などしなくても、どの餡も美味しいに決まっているでしょう?」

ーーー少女だった。

多分、ミルリーフと同じか上かの背丈。被るように着込んだ美しい装束と切り揃えた赤髪に石榴の瞳は現実とは程遠い、人形のような愛らしさを形作っていた。だが、何よりも目を惹いたのは…鹿のようなその角。

「あの娘は竜、なのか…?」
「あれ、セイロンに似てる!?」
「ホントだな…確かに似ている」

と、ここでセイロンとユーインがばっ、と顔を上げた。すると二人はみるみると口をあんぐりと開け、そのまま体温の色を失い、青ざめていった。

「なっ、なぁ…っ」
「えっ、ええ…っ!?」
「何ですか?その間抜けな反応は…久しぶりの再会でしょう?ならば先ず、挨拶なさい」
「「お、お久しゅうございます!!!」」

二人はすぐさま正座となり、また頭を下げた。まさか、あの無駄にプライドが高い二人が即座に正座となるとは…世も末にも程がある。一体、あの子は何者だろうか?

「若。不躾な質問ですけど、その愛らしい少女は貴方の妹さんですか?」

そうシンゲンは聞く。が、セイロンは恐怖で震えているのか、答えてくれない。代わりに少女は彼に質問した。

「……何故、そう思いまして?」
「若もですけど、その装束はシルターンの中でも上物…平民にはとても手に出せるものじゃあありませんよ。それにお二人はよく似ていらっしゃる。なので妹さんかなと思ったのですが」
「馬鹿!確かにそうだけどそうじゃないわよ…!」

ユーインは慌てていた。シンゲンの言う通り、確かに少女が着ているのは高級品だ。そのあたりの推理はよく当たってはいる…が、ひとつは違った。

「サムライ殿。確かにわたくしは彼の身内です…けれど、それは違うわ」
「えっ、じゃあ何だというのです?」
「…このお方は我の、」

ここで、恐怖故の沈黙を保っていたセイロンが掠れた声でこう言った。












「………………我の【母】だ」
















ーーーは?











「「な……っ、






なんだってェェェェ!!?」」






…つ、つづく!!

Re: 【リク募集中】クリエイティヴ・ワールド ( No.113 )
日時: 2016/06/10 20:49
名前: 伊那谷ユウナ (ID: YVCR41Yb)

【今更ですけど】

火曜にプロクロ2を買いましてね、ようやく着手出来たって話です。いやだって、あの面子の中で詳しい作品ってサモンナイトしかねーんだもの…何作品か聞いたことはあるけども。龍が如くとかやってみたいです。
にしてもさあ!アティ先生登場回とか素晴らしいね!!BGMとタイトルで泣いた。あと3でもあった喚起の門のステージがそのままだったのも感動したよ私。でも疑問だったのが喚起の門前でシャルトス抜いていいのかって話だよ…3じゃあシャルトス抜いたら暴走しかけたじゃん…カルマ値爆上げじゃん…何故ウィスタリアスにしなかったし。というか門を制御出来るのかっていう。まあ6もアティがシャルトスでレックスがウィスタリアス使うしもう細かいことを気にしたら負けね。うん
今はやっと紐育でさくら達と合流してシアター防衛戦あたりです。何話あるんだよ(今回はそんなにハードじゃないんで攻略サイトとか調べてない)
まあクリアしたらプロクロ2みたいなクロスオーバーモノ書こうかなーと。一部の年齢詐欺BBA達とか好き。でも予定は未定。その時はこいつやりやがったな的具合で鼻で笑って下さいな。

あとspiralとか中編などに対しての感想切実に欲しい…カキコにサモンナイト知っている人ほぼ皆無とはいえ、欲しいものは欲しいんや…読者がどんな風に読んでるのか気になるし。まあ何個も書いてる所為でこのスレごちゃごちゃしているから何ともいえねーし、唯一まとも?に終わってんのはユーイン中編ぐらいだしね、しゃーないね!リクエストも受け付けてるよ!

ま、そんな訳でしーゆーです

Re: 【リク募集中】クリエイティヴ・ワールド ( No.114 )
日時: 2016/06/27 07:03
名前: 伊那谷ユウナ (ID: YVCR41Yb)

前回→>>112

いつかの話。クラウレはセイロンと二人きりで話す機会が多々あった。ユーインについてもそうだが、彼の家族についても聞いた事があったのだ。

「我の、家族とな?」

セイロンは少々驚いていたが、まあそれなりに快く話をしてくれた。

「両親は健在だ。兄弟などは…姉と弟、妹がいる」
「兄弟いたのか」
「姉上は我の従者並みに傍若無人なお方だが…弟はあの歳にしては優秀だし、妹はまだ幼いが、それこそ愛らしいものよ」
「両親はどうなんだ」

するとセイロンの顔は一瞬曇った、かのように見えたが…教えてくれた。

「父上は素晴らしいお方だよ。ただ、病弱で床に伏せられている事が多い。その時は我や姉上、母上が政をこなさなければならぬ」
「だからお前が早く族長を引き継がないとならないのか」
「そうだ。正直、あの父上の跡を継ぐのは少々荷が重いがな…それと母上だが、その」

セイロンは言葉を詰まらせる…母親と一体なにかあったのか?と聞いてみれば否、違うのだ!と返ってきた。じゃあ何だと聞いてみると…

「………あの方は物の怪か何かだ」


ーーーそうして、現在へと戻る。


「は、母上、その…」
「まだ、話は終わってませんよ」
「……申し訳ありません」

説教は夕陽が落ちかけるまで続いていた。観客側はお菓子を食べながら終わるのを待っていたのだが…

「いつまで続くの、これ」
「さあ?見当などつきませんね」
「皆ー、饅頭作ったよー…って」

ここでやっとフェアが大量の饅頭を乗せた皿を手にやってきた。どうやら騒動には気づかず今まで饅頭を作っていたようだ。

「どうしたの?というかあの女の子誰?」
「それが驚く事にセイロンのママなんだってさ」
「……はい???」
「普通、驚きますよねぇ…いくら不老長寿である龍人とはいえ、若の外見からして母君があそこまでお若い姿は異常か何かですし」

彼女はその外見ながらもあの二人を屈服し、有無を言わせず説教をしている…そんなもの化け物とか物の怪とか例えられるのは仕方ないかもしれない。まあとりあえず、とフェアは饅頭をテーブルに置いた。

「セイロンのお母さーん!饅頭作ったんですけどよかったら食べませんかー?」

すると黒いオーラを出していたセイロンの母親はすうっとオーラを消し去り、こちらを見た。

「………そうですね。食べます」

それを合図に説教にて固まっていたセイロンとユーインは崩れるように助かった…と大きく息を吐いたのであった。





「美味です」

饅頭を食べた彼女の第一声がそれだった。気に入ったのか頬についた餡子などは気にせず饅頭を頬張っている。まるで小動物みたいだ…とフェアは思いながらもそれは言える訳がなかった。

「確かにこれは餡子ですよ…ご主人、よくこれを再現出来ましたね?」
「まあシルターン自治区で一回食べたし、なんとか」
「えっ、アンタいつ食べたのよ!?」
「あの時姉さんは確かフィズさん達と別の場所に行っていたし…」
「という事は…ルシアンも食べていたのね!?」

何故か食べただけでとばっちりを受けたルシアン。リシェルの憤慨にルシアンはただただ苦笑いである。

「あの、奥方様…何故、リィンバウムへ?」
「ある用事があって…とでも言っておきましょう」
「つまりは言えない、と。父上や郷はどうしたのです?」
「良人なら来てますよ…ここに」

彼女が指した方向を見やると、そこには髪を軽くオールバックにした外見40代半ばの男性が場に溶け込むかのようにのうのうと饅頭を食べていた。あまりの気配の無さに一同はガタリ、と椅子を鳴らしてしまう。

「い、いつの間に…!」
「んー…そこまで驚く事ではなかろうに。私など気にせず、そのまま談笑を続けても構わんよ」
「あなた、遅いです。遅すぎです」
「あっはっは…申し訳ないナッちゃん。この通りだ、機嫌を直してくれないか?」

ナッちゃん、というのはセイロンの母の名前だろうか?彼はそう言いながら軽く頭を下げる。

「…貴方が若の父上で?」
「左様…私はセンク。龍神イスルギ様が始祖の龍人族をまとめる族長だ。まあ、普段の私は寝込みがちだから大抵はナッちゃん…ユンナンが仕切っているがね」
「しかし、族長までリィンバウムに来るとは…何かあったのですか?」

ユーインの質問にセンクはユンナンと同じく、ちょっとした用事だと答える。いや、ちょっとした用事で郷を離れるのは考えられないのだが…これ以上は詮索しないようにした。

「ところで。私はこの城の主人に挨拶をしたいのだが」
「それでしたらこちらに。ラウスブルグの守護竜、ミルリーフ様です」
「こ、こんにちは…」

リビエルに背中を押されて前に出るミルリーフ。するとセンクとユンナンは椅子から立ち上がり、跪く。

「初めまして守護竜殿。暫くの間、私の息子とその従者が世話になりました」
「聞けば息子は至竜であられる貴女様の御使いとして役目を果したようで…迷惑ではありませんでしたか?」
「そんな事ないよ…です!セイロンはミルリーフがまだ至竜じゃなかった時、守ってくれたもん。迷惑じゃ…ありませんでした!」
「そう畏まらなくても。貴女様は我ら龍人より遥か上の存在…至竜なのですから」

緊張感のある空気に慣れてないミルリーフは勿論困惑していた。そこにフェアはフォローをするかのように割って入る。

「もう面倒だから堅苦しいのはナシ!それがいいでしょ、ミルリーフ?」
「ママ…うん、そうだね」

その様子を見ていたリシェルは饅頭を口にして一言。

「にしても真面目ねぇセイロンパパ。あと、どことなくセイロンに似てるし」
「自分は若の顔つきなどは母君に似てると思いますがね」
「つまり、あの二人を足して割らないのがセイロン…?」
「そこは割らないのか…」

確かにセイロンのマイペース加減と根は真面目な所は両親から受け継いだものかもしれない。それぐらい説得力は十分感じた一同である。

「…さて、私達はこれで」
「もう行くんですか?」
「実は言うと余裕がない、というか予定がかなり遅れているんだ…あっはっは」
「いやそれなら早く行きなさいよ!?」
「仕方がないとはいえ命でこの世界に遣わされた息子と、大騒ぎした挙句勝手に出て行った従者の顔ぐらいは見たかったのです、許しなさい」
「うっ」

変な声を上げたのはユーインだった。そういえば彼女は自分にだけ黙ってリィンバウムに向かったセイロンを殴るべくこちらに来たのだった…というか、改めて動機を見れば随分と不忠にも程があるような気がする。ユーインはその動機を思い出して慌てて頭を下げる。

「も、申し訳ありません…」
「謝罪など要りません。寧ろよく決断したと思います」
「………えっ」

意外な反応だった。ユンナンは淡々とした表情と声色でその理由を述べた。

「良くも悪くもその愚息を殺す気で殴れるのは貴女ぐらいだわ。この世界へ来た間にセイロンさんは少なからず一回は馬鹿な事をやってユーインさんに殴られている筈よ、ええ間違いなく」
「……返す言葉もありません」
「いやそこは返してくれ、ユーイン」

セイロンは自分が情けなくて堪らなかった。というか、ここから全力で逃げ出したい一心だった。

「確かに我は先代守護竜との約束や御使いとしての責務ばかりに囚われて道を踏み外す事が多々ありました。そのような我を彼女は裏切ってまで道を正してくれた…」
「私は腹いせに道連れするつもりでしたけどね」
「だから!余計な口を挟まないでくれ!!」
「ですが私はそのつもりあってあんな事をしましたけど?」
「貴様…」
「喧嘩はそこまでになさい」
「「はい」」

ツルの一声…否、この場合龍の一声?それとも母の一声だろうか?二人はこれまた見事にすっぱりと斬られ、返事をした。

「ユーイン、貴女は無茶をしない事。他人に助けを求めるのは情けない事ではないですからね」
「…はい、肝に銘じております」
「セイロンはどのような時でも弱気になってはなりません。強気で無ければ想いは伝わりませんよ?特に好きな女子には」
「分かってます、分かってますから!!」

ユンナンの言葉を無理矢理遮るセイロン。ユーインはそれにハテナを浮かべている…何故変なところで鈍感なんだ、彼女は。

「ああそれと、後日荷物が届くでしょうから受け取りなさい」
「は、はあ…」
「では、二人共達者でな!」

そう言ってセンクはユンナンを抱えて庭から飛び降りた…って!

「ここ上空うううううううう!!?」
「あっはっはっは♪」

本日、ラウスブルグは浮上していた。しかも人目につかないようかなりの高さに位置していたため、どう考えても飛び降りるのは自殺行為なのだが…

「…セイロン、先程まで淡々としていた母親が涙目で叫んでいるぞ。大丈夫なのか」
「それは大丈夫だろう。なんせ父上がおるし」
「そうね、族長なら安心だわ」
「あんな自殺行為を安心だなんてどうかしてますわ…」

ーーーところで、二人の用事とは何だったのだろうか。荷物が届くというのも気になる…が、そもそも二人はどうやってラウスブルグに来たんだ。そうセイロンとユーインは思いながらも残っている饅頭の欠片を口に放り投げたのであった…

Re: 【リク募集中】クリエイティヴ・ワールド ( No.115 )
日時: 2016/06/27 01:26
名前: 伊那谷ユウナ (ID: YVCR41Yb)

多分あと一話は続く。伊那谷です。つか備考入れようとしたら文字オーバーした。

セイロン両親の漢字ですけど川紅センク雲南ユンナンと書きます。紅茶関連で色々と探した結果がこんな名前。中華な名前つけるの難しい。センクのイメージはバサラの片倉小十郎が優男になった感じ。彼は病弱だから微妙にやつれてますが、武術の達人ですのでかなり強いです。ユンナンは日本人形みたいに可愛い。武術の才能はありませんでしたが馬力は半端ないので拳骨は凶器。龍神達にも一目置かれる妖術の達人です。センクは元々族長の娘だったユンナンに仕える従者でしたが紆余曲折を得て夫婦になった、という裏設定があります。

さて、最初言った通り多分次回で終わると思いますのでお楽しみに!


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