二次創作小説(新・総合)

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すばらしきスマブラの日常(笑)
日時: 2021/09/23 01:25
名前: トクマ (ID: UgVNLVY0)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7a/index.cgi?mode=view&no=64

   開設日:2016/03/26 11:09

 画面の前のみなさま初めましておはこんばんちは。トクマと言います。

 このスレでは、トクマの分身とも言えるオリキャラを中心にクロスオーバーで扱うあらゆるキャラ達との日常でもあり非日常の文を思い付くまま気の向くままに書いていきます。小説カキコ初心者ゆえに未熟で満足出来ない所もあるかと思いますが何卒よろしくお願い致します。

〈注意事項〉
・トクマには文才がないので所々文章がおかしかったり訳がわからなかったりするかもしれません。予めご了承ください。
・完全な俺得オリジナル設定が盛り沢山です。キャラ設定や世界観設定は随時アップしていきます。
・キャラ崩壊やメタネタ、パロディやクロスオーバーなどが普通に出てきます。その為『このキャラダレだ?』や『こんなキャラじゃないのに!』と思われます。
・時折カプ要素出てきます。基本的にNLが多いですが、時としてBLネタが出てくるかもしれません。
・キャラは初代から最新作までほぼ全てのキャラがいる前提で話を進めています。また、キャラによっては出番が多かったり少なかったりします。ご容赦下さい。
・小説の感想やコラボ、キャラの貸し出し申請やキャラや世界観の質問はいつでも大歓迎でございますが、誹謗中傷や他の閲覧者の迷惑になるような書き込みはやめてください。


※目次や注意事項やキャラ設定は随時更新及び修正していきます。


   【もくじ】

 【世界観等々の設定資料】 >>1


 『〜スマブラ長編〜』
【これが日常ですけどなにか?】
本編 >>2-3 >>4-5 >>6-7 >>8-12
オマケ >>13

【リアル動物ごっこ(笑)】
本編 >>14-15 >>16-17 >>18-20
オマケ >>21-22

【マスターハンドのワクワク☆発明品】
本編 >>137-139 >>145-148 >>156-158
オマケ >>140 >>159

【混沌の宴! その名はオトーリ!!】
本編 >>167-169 >>177-179 >>189-192
オマケ >>170

【ワタボーハザード】
本編 >>300-302 >>310-313 >>325-327

【真っ赤なXマス】
本編 >>349-351 >>354-357 >>365-368

【未知なるニューステージ!】
本編 >>374-377 >>385-389 >>401-403
オマケ~変隊とは?~ >>390

【踊る愛ZO捜査戦線】
本編 >>433-436


 『〜スマブラ大長編〜』
【覚醒・ドルピック島編】
予告編 >>23
準備 >>29-30
一日目 >>39-41 >>47-50
二日目 >>56-58 >>65-68
三日目(前編) >>75-77 >>83-85
三日目(後編) >>94-99 >>106-109
オマケ >>86
あとがき >>110

【激闘!アナザーキャスト編】
序章 >>193
黒いシンデレラと金色猿と闇乳首 >>196-198
別の自分とゆるキャラと衝撃発言 >>206-208
ラーメンと恋罵女と思い出 >>215-217
アラジンとガチ泣きと弱音 >>222-224
逃走と闘争と回想 >>231-233
復帰と侍と母の言葉 >>238-240
死闘と切り札と悪童と姫騎士 >>254-257
変隊創設者と心と拳 >>280-282
私と俺とシンデレラ >>288-290
オマケ >>225
あとがき >>291
エピローグ・A >>297


 『〜スマブラ短編〜』
作者とスマブラメンバーで銀魂パロ >>24
2017年バレンタイン短編小説集 >>123-124
スマテスト >>249
スイカは割るより切る方が美味い >>260-262
世にも奇妙な怪談☆話 >>265-268
トクマ版改変コピペネタ集 >>272
2017年のハロウィン事情 >>334-335
グダグダな日常小話 >>339-340
ファイター達のスマブラ納涼祭 >>409-414 >>421-425


【スマブラの日常(笑)〜エピソード0〜】
彼らとのファーストコンタクト >>117-118
彼らとの親交会(という飲み会) >>130-131
彼らとの共通点 >>243-244
彼らとの分岐点 >>320-322


【スマブラ座談会~ラジオコーナー~】
第一回目 >>440-443



 《タグ》
 スマブラ とある魔術の禁書目録 ストリートファイター ワンダーランドウォーズ クロスオーバー NL キャラ崩壊 裸族 変隊創立本部 変隊

未知なるニューステージ! ( No.401 )
日時: 2019/08/04 23:04
名前: トクマ (ID: aOQVtgWR)

 みなさん、お久しぶりです。トクマです。最後にコメント返信を書いてから3、4ヶ月も経って申し訳ないです。

 やっと、物語の歯車が再び動き始めます。これから不定期に更新しますが、どうか、応援よろしくお願い致します。

 それでは、始まり、始まり!!






シェハラザード「えぇ!? じゃあ、マスターハンドとクレイジーハンドは彼が生きているって知ってたの!?」

 終点に声が響いた。シェハラザードの声にマスターは笑顔で返答する。

マスター「うん。もちろん」
クレイジー「電車が爆発する直前に邪神の気配がしたからな。それに本人からも手紙で『秘密にしてほしい』って言われた」

 そう言ってクレイジーハンドは大量の手紙の山を見せる。ヴィルヘルムが一枚手に取り、筆跡を確認すると本人と一致している。

マメール「では、何故今まで黙っていたのでしょうか?」
クレイジー「危険を避ける為だ」

 マメールの疑問にクレイジーハンドが答えた。

クレイジー「自身が生きている事を知れば、ヤツは誘き出す為に周囲を攻撃する……マリオ達が相手なら別に気にしないが、アイツはバカだからな。気にしないと言っても気にする性質タチだ」
マスター「だからこそ、時間が必要だった。ヤツが僕達が回収し損ねたスピリットを吸収してパワーアップする間に倍以上の早さで力を蓄える必要があった」

 クレイジーハンドとマスターハンドの言い分に三人は理解する。だが、同時にある疑問が頭に浮かび上がった。

マメール「では、彼は何処に姿を……」
マスター「……『外宇宙』って言ったらわかるかい?」
ヴィルヘルム「……『外宇宙』だと……あの無法地帯だというのか!?」
クレイジー「そうだ」

 マスターの言葉にヴィルヘルムが過剰に反応した。

ヴィルヘルム「……ありえん……我々どころか、貴様ら二柱の神々でさえ常識はおろか能力が通用しない邪神どもの巣窟だぞ! 常人なら精神に異常をきたすぞ!!」
マスター「だからこそ、僕達は唯一無二アナザーワン英雄・ヒーロー計画を実行した……外宇宙に耐えられる程の精神力と潜在力を持った人材を探し、そしてトクマ君が選ばれ、スマッシュブラザーズに招待したんだ」
クレイジー「……最も、邪神どももアイツの事を気に入って外宇宙ツアーを始めたのは予想外だったけどな……ちなみに、帰ってくる前に送られてきた手紙はこれだ」

 そう言ってクレイジーが一枚の手紙を差し出し、シェハラザードはその手紙に目を通した。

『おにく、かゆ、かゆうま』

 ある意味、精神にかなり負担が起こる物件に巻き込まれていた。

シェハラザード「大丈夫なのこれ!? 別件に巻き込まれていないかしら!? 具体的にはバイオハザード的なヤツに!!」
クレイジー「……悪い。これは二つ前の手紙だった。こっちだ」

 そう言い、謝罪してから手紙をシェハラザードに渡し、シェハラザードは怖さ半分好奇心半分で手紙を覗いた。

『ビックリするほどユートピア』

シェハラザード「何があったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 某2ちゃんねるのスレで有名になった霊を追い出すための除霊の方法でもあり、元気を出すための方法が書いてある事にシェハラザードは大声でツッコンだ。

シェハラザード「間に何が起こったの!? どんな化学変化が発生したのよ!! 外宇宙ってどんな所なのよ! 知ってるなら教えてヴィルヘルム! あなたって宇宙の彼方のファンタジーなんでしょ!」
ヴィルヘルム「誰が仮面ライダーギンガだ! 声優ネタ出さなくて良いだろう!! それよりも問題がある!!」

 シェハラザードが暴走したので宥めるヴィルヘルム。ちなみに仮面ライダーギンガは同じ声優の杉田智一が演じています。動画で収録音声を聞くとスギタドライバーと呼ばれて納得できる楽しさです。

ヴィルヘルム「オルタボディにトクマは勝てるのか? いくらハスターの能力が使えるとはいえ限度があるハズだ」

 ヴィルヘルムの言葉にマメールとシェハラザードは緊張感を持った顔になるが、マスターハンドとクレイジーハンドは首をかしげていた。

マスター「……あれ? もしかして知らないの?」
シェハラザード「え? 何かあったっけ?」
マメール「少なくとも、私は心当たりありません」
ヴィルヘルム「……何がだ?」

 マスターハンドの言葉に疑問符を浮かべる三人。その様子を見てマスターハンドは気付いた。

マスター「……あ、そっか! 君達はスピリットになってたから知らないのだったね!」
三人「……?」
クレイジー「わからなければ、その目で確認すればいい……丁度、戦っているみたいだしな」

 その言葉と同時に空間にモニターが映し出された。モニターにはトクマとオルタボディが対立している映像が流れている。

マスター「見せてもらうよトクマ君……君が多くの冒険を得て、目覚めた本当の能力をね……」

 その言葉を呟いたマスターハンドは静かにトクマを見守った。


  --◼️--◼️◼️◼️--◼️--


トクマ「……ふぅ……んぅ~……久々に帰ってきた感があるなぁ……」

 屈伸運動で体を伸ばすトクマ。突然現れた姿にルフレ達とオルタボディは戸惑っていた。

ルフル「ほ、本当に……トクマさんなんですか……それとも……」

 また偽物の可能性に不安になるルフル。それを尻目にトクマはドレディアに声をかけた。

トクマ「久しぶり……ドレディアさん」
ドレディア「……ディ……ディア……」

 ドレディアはトクマの名前を呟く。その声を耳で聞いたドレディアは瞬時に本物だと判断した。その瞳には、死んだと思った主が生きていた喜びに満ち溢れていた。
 早足から駆け足になり、トクマに向かって行った。

ドレディア「ドレディア!」

 ドレディアはそう言って両手を広げて抱きつこうと跳び、トクマはこうマト○ックスの主人公のように思いっきり身体を反らして避けた。
 きっと360度全方向から、スローで避けてるシーンが再現されていることだろう。
 チラッとルフレ達を見てみると『エーーーッ!?』って感じにの顔になっていた。
 ドレディアは避けられると思ってなかったのか、そのままヘッドスライディング宜しくズザーっと地面を滑り、止まる。
 辺りが静寂に包まれ、気まずい空気が流れる。

リトルアリス「ク、クマちゃん! そこ避けちゃ不味いんじゃ……」
デイジー「感動の再会じゃなかったの!?」
しずえ「ひ、酷いですね……」
トクマ「いや、なんて言うか……つい?」
全員「「「ついって……」」」

 ルフレ達があっけにとられているとドレディアが起き上がる。
 パンパン、と身体に付いた砂を払うと、俯きながら近づいてくる。
 ドレディアから出るなんともいえないオーラにトクマはビビリつつも声をかけてみる。

トクマ「よ、よう……」

 そう声をかけるが返事は無し。
 その代わり今度こそガッチリ抱きつかれた。
 草タイプ特有のほんのり香る甘い匂い、柔らかい感触、暖かい体温。それを感じる--

 


















































































      ※特別翻訳
ドレディア「言い訳があるなら聞いてやる」


 --暇も無く、かなりドスの聞いた声でそう言われトクマの全身に冷や汗がだらだらと流れる。
 しかも次第にドレディアの抱きしめる力が強くなっていき、右足がギシギシギシッ、と悲鳴を上げている。

トクマ「ごめん! ゴメン! 御免! つい! つい出来心で!」

      ※特別翻訳
ドレディア「つい出来心で避けるんじゃねーよ!!」

 そう言って更に抱きしめる力を強めるドレディア。今度はメリメリメリッ、と音が鳴り始めた。

トクマ「イダダダダ!! それ以上は駄目! 逝く! 俺の右足が逝っちゃうから!!」

      ※特別翻訳
ドレディア「逝っちまえ!」

カコンッ!(トクマの骨が外れる音)

トクマ「アッーーーーー!!!」

 骨の逝った音と俺の悲鳴が周囲に響き渡る。
 どうやら右足の骨の間接をハズされたようだ。
 トクマはその場にうずくまる。呼吸をするたびズキズキと痛みが走る。

ドレディア「ディ、ドレディ」

 そう言ってゲシゲシ蹴ってくるドレディア。

リーフ「……あれ……本当に……」
ルフル「リーフさんは疑問に思いますが、彼とドレディアさんとの仲はあれぐらいが丁度良いんです」

 トクマとドレディアの仲を不安に思うリーフ。しかし、これこそがあの二人の絆なんだと説明するルフル。

オルタボディ『敵対勢力ノ増加ヲ確認。フェーズ2二イコウシマス』

 その言葉と同時にオルタボディは細かった腕が筋骨隆々に太くなり、先程よりも化け物らしい姿へ変貌した。

クロム「さらに上があるのか!」
ルフレ「トクマ!」
トクマ「大丈夫だ……お前を倒さないと誰も安心できない……倒させてもらうぞ」
オルタボディ『ソノ解答ハ否定……ハスターノ契約者。アナタヲ殺シテ私が本物となる』

 クロムとルフレの声に答えると、オルタボディが段々と流暢な言葉になって答え始める。機能が上昇しているとルフレが気付くが、同時にトクマが不思議に落ち着いてる事に気付いた。

トクマ「ハスターの契約者? 悪いが間違っている」 

 その言葉にオルタボディは初めて首をかしげた。

トクマ「俺は多くの世界を渡り、多くの道を知り、多くの想いを感じた……その旅で俺は自身の本質に気付いた」

 その言葉を紡ぎながら、トクマは右腕を前に出す。

トクマ「俺はハスターの力を使っていたんじゃない……ハスターの力しか使っていなかったんだ」

 瞬間、赤い輝きが全身から満ち溢れて周囲を包み、収まる頃にはトクマの姿が変わっていた。
 服装が赤色の軍服風の看守服に変わり、頭に一対の牛の角が生える。横に少しずれた軍帽を前に向き直し、トクマは目の前のオルタボディを睨んだ。

トクマ「これが本当の力……冠された真名は“輝赤之監獄長アルデバラン”! 外宇宙の邪神さえも投獄した監獄の長だ」

 高らかにその力の真名を呼んだ。


 コメントはまだです。

未知なるニューステージ! ( No.402 )
日時: 2019/08/04 22:53
名前: トクマ (ID: aOQVtgWR)


 “アルデバラン”
 牡牛座を構成する星の中で最も明るい恒星で全天21の1等星の1つ。木星の数倍の質量を持つ星であり、冬の夜空に浮かぶ一等星を結ぶことにより“冬のダイヤモンド”と言ったモノを見ることができる。
 橙色に輝く巨大な恒星である事を示しており、アルデバランが橙色をしているのは核融合の燃料となる水素を使い果たして主系列星から赤色巨星に移行しているからであり、現在はヘリウムを核融合させている段階である。
 占星術ではアンタレス、フォーマルハウト、レグルスと並んでロイヤル・スター(王家の星)の1つだった。 特にレグルスは仮面ライダージオウでも話に出てきたので知っている人は知っているのであろう。
 また、アラビア語で“あとに従う者”と呼ばれたり、“赤星”という色に着目した名前もある。
 何よりクトゥルフ神話において、ハスターを閉じ込めたのはアルデバランにある黒いハリ湖と呼ばれる場所だ。

ルフレ「……アルデバラン……」

 その力がトクマの本当の力である事に驚くルフレ達。しかし、目の前のオルタボディは剛腕を振るう。
 当たってしまえば挽肉ミンチになってしまう程の威力を誇る攻撃がトクマに襲いかかる。

オルタボディ『……なっ!?』

 対するトクマが取った行動は回避ではなく接近。データにインプットされているトクマなら回避を選ぶと思っていたオルタボディは面を食らっていたが、それは接近を選んだのではない……気付いた時に脇腹に攻撃を与えられていた事実に驚いたのだ。
 すぐさま切り返して攻撃するもその時には一手二手も先に攻撃が繰り出された後で、オルタボディの身体に次々と打ち込まれる。

オルタボディ『ナメるな!』

 オルタボディの背中から無数の黒い手が現れた。枯れ木のように細いが悪魔のように鋭い手がトクマを捕まえようと波のように押し寄せる。

トクマ「分が悪いな……仕方ない。使うか」

 逃げていたトクマは足を止め、迫る黒い手に相対する。黒い手は獲物が止まったと思わんばかりに殺到する。

トクマ「監獄長の権限により、361番の解錠を許可する」
 
 その言葉と同時に黒い波がトクマを飲み込んだ。

サンドリヨン「トクマさん!!」
オルタボディ『このままへし折って……!?』 

 心配するサンドリヨンを他所にオルタボディはトクマの身体を壊そうとした瞬間、トクマを掴んだ手から異様な寒さを感じ、黒が白に侵食される様子が現れ始めた。

オルタボディ『くっ!』

 危険を感じて咄嗟に手を引くオルタボディだが、白く染まった手は薄氷のごとく砕けた。反応が遅ければ自分もああなってた事に冷や汗をかくオルタボディは白煙を全身から漂わせているトクマに目を向けた。

クロム「捕まったと思ったら黒い手が勝手に……何をした?」
トクマ「俺が旅で得た力は三種類……これはその内の一つの【解錠】だ。簡単に言えば幽閉している囚人の力を使うことができる」
クルール「囚人の力?」
トクマ「とはいえ、いまだに全部を発揮できてないから未熟だけどな」

 そう言って恥ずかしそうに笑うトクマだが、ルフレやクロムのような察しの良い人物はまだ能力があることに驚き、鳩が豆鉄砲を食らったような表情を見せる。

オルタボディ『だが、お前のデータはここにアル。二度は起こりません』

 オルタボディは戦略を変え、背中に生えた無数の手を収納し、二対の腕に火、水、風、氷をそれぞれ纏った剣を取り出して斬りかかる。

トクマ「ならば別の手を使うまでだ……監獄長の権限により、634番の仮釈放を許可する」

 その言葉と同時にトクマに斬りかかったオルタボディの剣は突如として現れた牢屋を彷彿させる黒い鉄檻に阻まれた。

オルタボディ『なっ!?』

 驚くオルタボディを他所に奥の様子が見えないぐらい暗い鉄檻の扉が開いた直後、剣を持っていた腕ごと切り落とされた。
 オルタボディの腕を切り落とした人物は両手に日本刀を持ち、鮮やかな彩りの着物だが着物にして改造されているような服装をした桃色がかった白髪蒼眼の侍のような女剣士であった。

トクマ「礼を言う。634番」
武蔵「もう、武蔵ちゃんと呼んでって言ってるじゃない」
トクマ「断る。示しがつかない」

 着物の女剣士--武蔵はトクマに呼び方を変えるように言うが、トクマは頑なに否定する

ルフル「えっと……どちら様でしょうか?」
武蔵「あぁ、私? 私は新免武蔵守藤原玄信……!?  ごめん、やり直し!  新免武蔵ここに推参! 武蔵ちゃんって呼んで構わないわ 」
トクマ「二種類目は仮釈放。囚人を召喚する……スマブラで言えばアシストフィギュアみたいなモノだ」

 途中で噛んでやり直したが、それを帳消しにする程のビッグネームにルフレ達は目を点にした。

リーフ「む、むさしって……あの二刀流で有名な武蔵!?」

 リーフが目を白黒させて武蔵に震えながら指を指す。武蔵は笑顔で首を縦に振って肯定する。

トクマ「そうだ。とある旅館で無線飲食に営業妨害、器物損壊で出禁にされた武蔵で合っている」
武蔵「ちょっとぉぉぉ!?」

 しかし、トクマの言葉に武蔵は待ったをかけ、全員がトクマの言葉と武蔵の様子に呆然とする。

武蔵「別にそんな事言わないで良いじゃない! あの人達にとっては知らなくて良いことだし!」
トクマ「とはいえ、何でそんな大物が幽閉してるのか気になるし、それに大物だから身体が固まるだろ。軽く解した」
武蔵「解すどころか幻滅されてないかな!?」
トクマ「それとも男でも女でもいける二刀流バイの方が良かったか?」
武蔵「悪意にまみれてない!? それと私は美少年とか美少女が好きなだけです!!」
トクマ「同じことだろ」

 本人達はひそひそ話のつもりだが話は駄々漏れで、ルフレ達は武蔵というビッグネームと気さくな性格にどこか似ている雰囲気に苦笑し、クロムを除く新米ファイターのリーフ達は名前とのギャップの差に硬直している。

オルタボディ『マダマダマダマダマダマダマダマダマダマダマダマダマダァァァァァァァァァァ!!』

 オルタボディが突如として暴走したことで若干和やかだった空気が霧散した。武蔵が剣を構えて警戒するが、トクマに手で制される。

トクマ「自分のケリは自分でつける……634番はルフレ達に被害が来ないよう警戒を頼む」
武蔵「……委細承知」

 トクマは武蔵にルフレ達を守るように指示を出すとそのままオルタボディに静かに歩き始めた。

ルフル「あの、大丈夫なんですか?」
武蔵「大丈夫。あんな見た目でも、多くの世界で修羅場を潜ってきたんだから……酸いも甘いも背負って……生きられなかった誰かの明日の分まで生きようとして、涙を流させてしまった人達を泣かせない為に……彼は強くなろうと踏ん張って、強くなった」

 そう語る武蔵の目にはどこか懐かしむような目となり、サンドリヨンは胸に小さな痛みを感じたが、トクマの大声にかき消された。

トクマ「オルタボディ!! 監獄長の権限により、汝を星の監獄に投獄する!!」
オルタボディ「マダダァォァァォァァ!!」

 トクマの声に大きな拒絶の意を示しながらオルタボディが象よりも二周り大きく巨大化して襲いかかる。トクマの首にオルタボディの両手が触れようと--

トクマ「くどい!!」

 --した瞬間に弾かれた。
 トクマの一喝でオルタボディの巨体が風船のように弾かれ、宙を浮かんだ瞬間にまるで大きなナニかに叩き落とされたように地面にめり込んだ。

トクマ「この場は厳粛な審問であり、汝の罪の告発であり、星の監獄である……故に迂闊な行動は汝の罪を重ねると知れ!!」

 大気が震える程の怒号に全員が呆然とする。それもその筈……トクマがここまで怒りを露にすることなんてなかった。
 確かに怒りを見せたことあったが、ここまで激しく怒っている様子などなかった。

アリス「クマちゃん、少し怖い」
武蔵「こればっかりは仕方ないかな……トクマがやろうとしてる事は相手の罪を正しく告発しないと正常に作動しないで、間違えれば自分が囚人として投獄してしまう危険性もあるの」
ルフレ「なっ!?」

 武蔵の説明にルフレは驚き、トクマを見る。

武蔵「だからこそ、真摯に向き合う。自分も相手も向き合って、罪を数える……それは弾劾の叫びでもあり、赦しを謳う言葉でもあるの」
トクマ「汝の罪は俺の殺人未遂、俺自身の偽装、相棒であるドレディアさんの殺人未遂……その罪を監獄で償う事を裁決とする!!」

 その言葉と同時にオルタボディの足元から幻想的に輝く雲が溢れだし、オルタボディを包み始める。

オルタボディ『いや、いや、いやぁァァァァァァァァァァぁぁ!!』

 急に取り乱し始めるオルタボディ。雲を払い除けようとするが焼け石に水、糠に釘でそれ所かどんどん身体にまとわりつく。

オルタボディ『イヤだ! イヤだ! また、あの世界に戻るのはイヤだ!! 帰る場所がないあの世界に行きたくない!!』

 まるで暗闇を怖がる子供のように訴えるオルタボディにトクマは見つめる。その様子にオルタボディはトクマに問いかける。

オルタボディ『なぜ、何故お前には帰る場所が二つもあるのだ!! 我々には何もない! 帰るべき世界も! 帰るべき肉体も失っている!! 我々に終わりは来ない!!』

 それは一種の羨望せんぼうだった。灯火の星事件の終わりに全てのスピリットが元の世界に帰ったと思われていたが、実際には帰れないまたは帰る事が出来ないスピリットが存在していた事に……居場所も宛もなくさ迷い続けた末に、事件の首謀者達が失敗作として作られたトクマのボディだった。
 肉体に喜ぶ彼らだったが気付いてしまった。このボディのベースとなった人物には帰る場所がある。もし出会ってしまったら消されてしまう。
 二度と来ない幸運が消えてしまう恐怖に震えたスピリット達は決意する。決意してしまった。

 ……トクマを消して、自分達が成り代わる。

 後は知っての通り、電車を事故と見せかけてトクマの殺害を計画し、最も気付かれる可能性が高いドレディアを抹消しようとした。

オルタボディ『答えよトクマ! 帰るべき世界がない私達をあの地獄に送り込むのか!!』

 訴えるかのようにトクマに問いかけるオルタボディ。トクマはそんなオルタボディに--






  























































トクマ「知るか」


 --容赦なく切り捨てた。

トクマ「第一、世界に帰れるのに答える必要なんざねぇだろ」

 その言葉にオルタボディは文字通り魂に衝撃が走った。

オルタボディ『帰れる……だと……』
トクマ「……幽閉され、解錠や仮釈放で俺に力を貸すまたは月日が過ぎる事によって刑期が減少し、零になった時点で釈放される。釈放された囚人は元の出身である世界に還される……幸運にも、お前は誰も殺していない。短い期間で釈放されて元の世界に還される」

 トクマの淡々と言い渡される言葉に瞳が震えるオルタボディ。その目には歓喜と悲哀が入り交じっていた。

オルタボディ『嘘じゃ……ないのか……』
トクマ「この場において嘘はつけない……俺かドレディア、他のやつらを消していたら許す気はないがお前は全て未遂に終わって誰も消していない……許す気はないが、やり直す事はできる」
オルタボディ『……そうか……そうか……』

 トクマの言葉が真実だとわかり、オルタボディは顔を手で覆い隠した。

オルタボディ『よかった……よかった……』

 指の隙間から透明な液体がポツポツとこぼれ始める。やがてオルタボディの全身を覆い隠した雲が小さく圧縮して消えようとした瞬間、トクマの耳に小さく聞こえた。

 『……ありがとう…』

トクマ「……投獄完了」

 トクマは軍帽を深くかぶり直し、黙祷した。

トクマ「ぐおっ!?」

 すると突然背中に何かがぶつかった衝撃が走った。何の衝撃なのか確認すると、小さな緑色のポケモンが背中に強く抱きついていた。

トクマ「……ただいま、ドレディアさん。遅くなってゴメンね」
ドレディア「……ディア……」

 相棒である草姫の返事にトクマは微笑むように苦笑した。


 次でラスト! コメントはもう少し待っててね!

未知なるニューステージ! ( No.403 )
日時: 2019/08/04 22:59
名前: トクマ (ID: aOQVtgWR)


 エピローグ。今回のオチ。

 あの後、トクマはルフレ達にフレンドシップという名の拳を受けた。
 まぁ、心配させた罰だと思えば良いだろう。自業自得で新参ファイターであるリーフ達も彼に苦笑いだった。
 そしてスマブラ邸に戻ろうとした時にちょっとした騒動が……

武蔵『よぉし、全て一件落着! うどん食べに行くか!』
トクマ『お前は監獄に戻れ。そもそも刑期だって残ってるだろ』
武蔵『……え……いやいや冗談でしょ? こんな可愛い子供や凄腕の剣士がいるのにお預け? しかも邸に帰ればゴロゴロいるんでしょ? あなたは鬼か! 悪魔か!』
トクマ『やかましい! とにかく帰れ!』
武蔵『いーやーだー! 酒とうどんと美少年美少女を全身で堪能するまで帰ってたまるかぁぁぁ!!』
トクマ『力強い……そんなんだからバスターゴリラ呼ばわりされるんだろ! 監獄長の権限により、364番を収監する!』
武蔵『ぐわぁあぁあぁあぁ! やだー!! 帰りたくなぁあぁーい!!』

 オルタボディ並の執着と妄念が凄まじい断末魔を最後に武蔵は星の監獄に去っていった。なお、消える間際に--

武蔵『覚えてろー! 絶対に脱走してでもスマブラに出向いてやるんだからぁぁぁ……』

 --という言葉を残している。
 ……うん。特に問題ないな。

 少しだけ現実逃避したトクマは久しぶりに帰って来たスマブラ邸でマリオ達に(拳で)可愛がられ、強制的にお帰り飲み会を決行された。
 無論、アルコール度数96%のスピリタスのみなので酔い潰れたのは余談である。

 そして、自室に帰ってきた。

トクマ「はぁ……戻ってきたなぁ……」

 また、ここで生活するのだと思うと感慨深い気持ちになるトクマ。すると部屋にノックが響いた。

トクマ「どちらさま?」
ドレディア「ディアー」

 扉が開き、ドレディアが赤い布を引きずりながら現れた。

トクマ「ドレディアさん、それは?」
ドレディア「……アー……」

 トクマが指摘すると、ドレディアはぶっきらぼうに手渡した。

トクマ「……赤ジャージ……」

 ドレディアが持っていたのはあの日、この世界を去る前に無くした赤ジャージだった。邪神に連れていかれる前に電車の爆発に巻き込まれて燃え尽きたと思っていたが、所々黒く焦げており、ツギハギの部分が目立っている。

トクマ「……ありがとね。ドレディアさん」
ドレディア「……ディア……」

 照れ臭く返事するドレディアに微笑むトクマ。その様子をドアの隙間から見ていたサンドリヨンとリトルアリスは互いの顔を見合わせて小さく笑った。

サンドリヨン「話を聞くのは、今度にしましょう」
リトルアリス「さんせーい!」

 そう言って、二人はトクマの部屋から静かに離れていった。扉の隙間からは男性と小さな草姫の明るい話し声が流れている。


 これにて『未知なるニューステージ!』はおしまいでございます。
 コメントOKです!!

Re: すばらしきスマブラの日常(笑) ( No.404 )
日時: 2019/08/05 16:45
名前: YUMA (ID: 8V6Va8n/)

ユマです、こちらからはお久しぶりですね。

トクマさんの本来の力はユマ側でも記載されてましたがアルデバラン...つかかゆうまとか、某女性作者な謎のメッセージとかありますが...アンタ、外宇宙で何を見てきたんだよ!?(汗)及びドレディア...痛めつけは彼が死なない程度にな

そして監獄長としての力は...不完全とはいえ囚人の力のレンタルと仮釈放の形での召喚...つか武蔵ちゃんなら無銭飲食諸々でブタ箱行きも分かる気が。閻魔亭の温泉の怨霊の件でも煩悩丸出しでしたし。フレンドポイント鯖の新入りでは確実にパリス君ターゲットにしてんだろ。

そして参考になりました。審問。判決を間違えて下手したら自分にリバウンドする能力...そりゃ自分に跳ね返る系は慎重になるわ。

そしてオルタボディのホワイダニット...何故やったかは理解出来なくもない。消されたくないならそうなるよな。灯火の星事件後も元に戻れなかったスピリットの成れの果て...トクマさんの欠陥品ボディに目をつけたのが悲劇だったのかもしれないな。

それと...スマブラSPも明かされてないDLC組は残り2人、ジョーカーと最近になって勇者君もようやく配信、某デブ熊と赤いチキンちゃんのコンビは秋の配信待ち...基本的にキャラクター+新ステージ+Mii用アイテムの共通点だから予測が難しいですねー...だいたい任天堂からは最近のモノ含めて有名人やヴィランズはほぼ参戦、他者組も人気どころは参加済みだが...?

それと...話変わってfgo4周年...その武蔵ちゃんが水着化する話が驚きです。ライダーか最悪アサシンかもしれませんし今年の夏イベントはラスベガス!?一応去年の鯖フェス、ギル祭でのAUOのフラグ発言を全て回収してしまう事態に...?

それとパリス君の件の追記ですがフレンドポイント鯖が追加で更にカルデアが賑やかになりますね。全員星1や星2では勿体ないくらいスキルがイアソン、バーソロミュー、ガレスみたいに優秀だったりパリス君やサロメの様に癖のあるスキルだったり...

ユマのケースでは7人の中で真っ先にバーソロミューがログインしたのに因縁を感じてるのは秘密。あのメンバーではコルデーさんが推しメンです。女子メンバーで唯一CV知っている人なので。(なお男子では自爆オタクの陳宮さんとパツ金クズイケメンのイアソンが知っている人)

そして4周年の記念礼装は今年...シオンがお気に入り、大本命ですかね。なお次点の所長&ムニエルの礼装もなかなかのモノでした。で、2部5章は今年の冬...遅くても今年のクリスマスイベントが終わった後にくるのか、クリスマスイベント前にくるのかで後々の判断が変わりますが。

では長文失礼しました

Re: すばらしきスマブラの日常(笑) ( No.405 )
日時: 2019/08/05 18:28
名前: 月詠 (ID: XnbZDj7O)

こんばんは、月詠です。


月詠「トクマ様がとんでもないものになってた件」

トライアル一真「俺も月詠のせいでそうなんだけど」←魂の六割が月詠の魂の欠片と融合、科学者と吸血鬼がトラウマ、風を操れる、キング&ジャックフォームになれる

月詠「ごめんて」

克己「外宇宙で何があった!?あと、ドレディアがトクマの足の関節外すのは「いいぞ、もっとやれ」と思った」

麻琴「激しく同意」

トライアル一真「ところで、何で武蔵が話してる間、ほとんど俺の耳を塞いでたのは何で……純粋組じゃないのに…」

月詠「聞かないでほしかったから」真顔

麻琴「しっかしまぁ……オルタボディに関してはなんとも言えないな…」


以上で失礼しました


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