二次創作小説(新・総合)

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マスターさんは晩御飯に悩んでいる。(完結)
日時: 2019/02/02 11:37
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

原作『衛宮さんちの今日のごはん』『fate/grandorder』

この小説は原作者もちょくちょく描いているらしいFGOの平和世界をうちなりに書いてみたものです

【注意】
基本俺の使っている鯖が登場し、持っていないキャラは出ないかもしれない
俺は無課金プレイヤー
他で見ない主人公のキャラ付け
原作とは違い料理のことはあまり知らないので、あくまで『あの作品のような平和な世界』を重視していきたいと思います
料理は基本的にレシピサイトからの引用

Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.43 )
日時: 2019/01/25 13:24
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

炒めた野菜を焼いた肉で巻き上げていき...肉巻きが完成した

「出来ました」

シンプルながら少し物足りない感じのする料理にダ・ヴィンチは疑問点を出しながらマシュを見る

「これはどこで知ったんだい?」

「藤丸先輩が一番好きな料理です、本人から聞きましたので間違いありません」

「ふーん、これが彼の好みなのか...これで腹を満たせるのか彼は」

「ですが美味しいですよ」

そう言いながらも、肉巻きはあっという間に無くなっていく...大きいもののちょっと食べたら尽きるため、確かに物足りないだろう、立香はそんなことは思わないのだが

「先輩はこれを食べていると...ですが、次からはもっと沢山の料理を食べられるんですね」

「ああ、どんなにしたっぱでも令呪さえ手に入れば給料は何倍にまで跳ね上がるかな...そして、この先の選択をどうするか、だ」

お金というものはよく人を狂わせる、無欲な人間も一度大金を手にすると手放すのを拒むようになっていく...
立香自身孤独を恐れている節がある、金の扱いに気を付けられるとは...

「まぁあのセレブな女王のマスターなんだ、なんとかなるだろう」

「だと良いですが...」

マシュは立香の事を気遣いながら、今昼聞いてきた肉巻きの皿と茶碗を洗い、ダ・ヴィンチはソファから起き上がり鞄を取る

「まあ結局は彼次第だ、それはそうと物足りないなら何か買ってこようか?」

「あ、私は大丈夫です、ダ・ヴィンチちゃんは何を?」

「んー、見てから考える、じゃあ!」

ダ・ヴィンチは部屋から出ていき、マシュは本棚から本を取り出してソファに座る

「藤丸先輩...貴方はサーヴァント達にとって星のような方です、どうか狂わないでもらいたいものですが...」

...

「どれが喜ぶかな...」

一方立香はたまに与えるジャックのお菓子選びに頭を悩ませていた、グミかチョコレートか...どちらがジャックが気に入るかをコンビニで選んでいたのだ

「フルーツグミもプチチョコもいいが...うーんどうしようか」

「やあやあ、立香君!」

と、その時夕飯を買いに来たダ・ヴィンチが立香の肩を叩く

「あ、ダ・ヴィンチさん...こんばんはです、こんなところで会うなんて...」

「何してるのかな?」

「見ての通り、お菓子選びですよ」

Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.44 )
日時: 2019/01/25 16:36
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: 4V2YWQBF)

「お菓子選び?そんなこともするのか君は」

「ええ、ジャックもまだ子供ですからたまには与えないと可哀想じゃないですか」

立香は悩んだ末に粒のはいった果実グミの袋をレジに置き財布を取り出す

「えーと小銭小銭」

ダ・ヴィンチが財布を覗くと、財布が膨らんでいるかのように見えるほど100円玉と10円玉が大量に詰まっていた

「小銭多くない!?」

「ああ、お札とかは食費で消えるんですよ...母さんに小銭は貯めとけと言われましてね、気がついたらこんなに...おっとっと」

立香はこぼれ落ちないように丁寧に置いていき、グミを購入しポケットに入れる

「...君、変なこと聞くけどいくら貰ってるの?カルデアって結構もらえるはずじゃないか?」

「15万円ぐらい...ですかね、家賃は数千円くらいで電気代はほぼゼロ、水道代は結構かかってしまいまして、後は」

カルデアは仮にも『公務員』に当てはまる仕事場、通常の職員でも30~40万は貰えるのだが...立香はまだ20万を越えるほどの給料を貰えておらず、年収は約180万円...あまり信じられない額だ

「まぁ、私一度サーヴァントに逃げられてますからね、ペナルティみたいなものですよ」

「そんなに減るのかい...でも良かったじゃないか、マシュから聞いたぞ?令呪授与おめでとう!」

「いや...こんなのまぐれですよ、半年もすればまた剥奪されますって」

「お弁当温めますか?」

「あ、お願いするよ」

ダ・ヴィンチは立香と話していくうちにレジの最前列になり、唐揚げ弁当の料金を財布から取り出す

「ではダ・ヴィンチさん、また明日」

「ああ!次の給料日を楽しみにしておくんだぞ!」

...

マシュは考える、明日は何を食べよう?
カルデアから支給されたものか、自作か...肉か、野菜か、魚か...
晩御飯を考える楽しみ、些細なことだが立香と会って初めて手に入れたマシュの娯楽。
何か物足りない生活に、料理というスパイスが立香とマシュに楽しさをくれた
そして立香は何よりサーヴァントと楽しく過ごすために料理をする、自分よりサーヴァントの為に
だから立香を気に入った、誰よりもカルデア日本支部でサーヴァントを愛する彼を
そしてマシュは思った、彼とアイコンタクトだけで食べたいものを聞けるような関係を築きたいと...



「先輩、食べたいものはありますか?」

END

Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.45 )
日時: 2019/01/26 09:50
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: 4V2YWQBF)

『第九話』
【いきなりお金が増えすぎなのだが】

あれから数日経ち、カルデア職員達が待ちに待った給料日となった
給料日のマスター達は皆サーヴァントに貢ぎ物を与えたり、自分のために豪遊したり...と言われているが、藤丸立香の場合は

「...えっ、これいくらなんでも多くない?」

与えられた袋の分厚さに手が震えていた、普段なら目立たない程の薄さなのだが、今回は確実に何枚か詰まってると見ただけでわかるほどの量だった
今日はカルデア日本支部の給料日であり...令呪を貰った彼の初めての給料だ

給料を貰った立香は大事そうに鞄に仕舞い、いつものように帰宅し家に帰った立香は給料袋を開け、入ってる万札を確認する...明らかに多い

「一万...二万...三万...」

一枚ずつお札をめくり、財布にしまっていく...

...

「四十八...四十九...五十...」

数分後立香はまだ数えていた、既に今までもらっている分の何倍になっているがそれでも丁寧に一枚ずつ数えていき、その光景をジャックは不思議そうに眺めている

「...は、八十...八十万!?」

今月の給料が80万にまで跳ね上がっていたことに驚きを隠せない立香...勿論これはぶっちぎりではなく、立香よりずっと先に来たものが令呪を与えられれば100万をはるかに越えるほどの金額が与えられるが、彼が新人だからこそ程よい分が与えられているのだ

しかし大金の使い道など考えたこともない立香は混乱していた

「こ、こんなに使いきれないぞ...えーと、水道代と家賃と食費に掛かる分を抜いて...まだ半分以上もある!」

「ジャック、欲しいものとかあるかい?」

給料を数えた後ジャックの方を見る、大金に慣れない彼はジャックの願いを聞いて一気に使うことを考えたのだ

「うーん...あ」


「てれびが ほしいよ おかあさん」

「テレビ?分かった、テレビがほしいんだな!」

「明日カルデアにいって導入しよう!」

「うん!」

...

立香はジャックを連れて普段通りもしない大部屋へと入る
カルデアには家具や家電等を購入する部屋があり、サーヴァントの希望があればここで望むものを購入することが出来るのだ。
無論ここを使わなくてもいいが、遠出を拒む者が多いのでここを使うものは多く毎日フリーマーケット会場のように賑わっている

「テレビあるかなぁ...」

Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.46 )
日時: 2019/01/26 11:49
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

洗濯機、皿洗い機、タンス、ベッド...家具を見渡しながら立香は絨毯に家具を並べる人に訊ねる

「すみません、テレビってどこにありますか?」

「テレビ?テレビならあっちにあったはずだけど?」

そう言って男は東の方角を指差す

「ありがとうございます...」

...

「これか」

東の道を通ると、様々な型のテレビが置いてある場所に来た...立香は座り込み値札を確認する、やや小さく薄めのテレビの値札には【42000円】と書いてあった

「へぇ...4万。テレビって高いんだな、これ導入したいんだけどいいかな?」

「今ならDVDプレイヤーも付いて6万でいいよ」

「6万か...買ったことないけどやっぱり家電は高いな」

本人は気付いていないのだが彼は今ぼったくられている、片落ちテレビを二倍以上の値段で買わされ、更にずっと高い値段のDVDプレイヤーを買わされようとしている...普通の人間ならテレビの相場は分かっているのでゴネる所だが、立香は何の疑問も持たずテレビを購入してしまった

殺風景な部屋に存在感を放つテレビを立香は嬉しそうに眺める

「どうだいジャック、これでもう君を退屈させないよ」

「ありがとう おかあさん」

「さて晩御飯だけど今日は炒飯でも作ろうか、作りたいものがあるんだ」

「うん!」

立香はテレビのコードの設定を終え、数年ぶりのテレビをジャックと観賞する...数年の内にかなりものの番組が終わってしまい、あまり慣れない感覚がしたが、ジャックやマシュの時のように時期に慣れるだろう...そう考えながらテレビのチャンネルを変えていく

「じゃあ私はそろそろ買い物にいって来るから好きなだけ見るといい」

「わかった きをつけてね」

...
【こんにちは夕方のニュースFです】

【今日もまた平和です、災害も事件も事故も何もないハッピーな日です】

【以上、お次は平和を確認させるためのテレビアニメ『Gライダー』がお送りします】

そう言ってニュース番組は一分もしないうちに終わってしまう

「...なにこれ?」

...

立香が帰ってくる頃、テレビの電源は切られジャックが布団にくるまって横になっていた

「もう見たのかい?」

「ばんぐみぜんぶつまんない」

「ええ...?いったい何やってたんだ...?」

Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.47 )
日時: 2019/01/26 17:38
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

ジャックは布団を被りながら立香に話す

「ねぇ おかあさん いけないことっていうのはわかっているの でもいわせて。平和ってそんなにありがたいの?」

「え?どうして?」

「平和なのはありがたいって すばらしいっててれびはなんども なんどもつげるの たしかにこうやっておかあさんといっしょにくらせるなら 平和はありがたいものなのかもしれない」

「でもね おかあさんにも覚えがあるはず 何度も連呼されてくるモノは やがて価値がなくなり ありがたくなくなる」

「なのに どうして何度も何度も平和を吟うの?」

立香は戦慄していた...今目の前で喋っているのはジャックなのだろうか?普段は子供のように笑って寝る、ハンバーグが好きなジャックなのだろうか?突然哲学的な事を話すジャックに驚きながらも肩に手を当て話す

「平和を語る理由...か、一般市民である私からすれば難しい質問だよジャック」

「おかあさんはずっと平和だったらうれしい?」

「まあね、昔の人...というよりは君たちサーヴァントの時代はとても大変だったらしいし、私たちカルデアや他の皆によって平和を守る事が出来る、私はそれだけで嬉しいかな」

「せいぎのみかた だから?」

「ははは、そうかもしれない」

「おかあさん」

ジャックは布団から起き上がって子供とは思えない力で立香を押し倒し、よく分からなそうな顔をしている立香を見る

「おかあさん 平和と正義っておなじなの?正義だから 平和をまもるの?だからおかあさんは正義なの?」

「...う、ごめんジャック、その答えがわかるほど私は賢い人間ではないんだ」

「あっ...ごめんね、おかあさん」

ジャックは立香から離れ、テレビのリモコンを渡す...立香はこれまでテレビを数年以上見ていない、その為ジャックがどんな番組を見てこんなことを言い出したのか検討がつかなかった、どんなものに影響を受けたのか、一体何をやっていたのか...

「そんなにつまらないのかい?今の番組」

「うん」

その為立香はジャックと同じ視点を見ることにした、何かを知るために

「おかあさん わたしたちも争いはイヤ おかあさんとたのしくくらせないなら じゃまするなら解体する」

「そうか、君も一応『切り裂きジャック』だもんね...ジャック、君が斬る事が無ければいいんだがな、今日も明日もこれからも...」


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