二次創作小説(新・総合)
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- マスターさんは晩御飯に悩んでいる。(完結)
- 日時: 2019/02/02 11:37
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
原作『衛宮さんちの今日のごはん』『fate/grandorder』
この小説は原作者もちょくちょく描いているらしいFGOの平和世界をうちなりに書いてみたものです
【注意】
基本俺の使っている鯖が登場し、持っていないキャラは出ないかもしれない
俺は無課金プレイヤー
他で見ない主人公のキャラ付け
原作とは違い料理のことはあまり知らないので、あくまで『あの作品のような平和な世界』を重視していきたいと思います
料理は基本的にレシピサイトからの引用
- Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.18 )
- 日時: 2018/12/25 23:28
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
扉の先には案の定ダ・ヴィンチさんが...赤い服を着て立っていた
「メリークリスマスだ!」
「ああ、どうも...ジャックは?」
「ここさ!」
袋から丸まったジャックが飛び出す、いや君ら本当に何してんの
「おなかすいた!」
「サーモン料理とやらはどこだい?」
「もう...向こうですよ」
「わーい!」
...
私のテーブルには珍しく沢山の料理が並ぶ
米は『レタスと鮭のチャーハン』おかずに『ポテトと鮭のチーズ焼き』『鮭のてり焼き』『サーモン刺身盛り合わせ』『鮭フライ』
作れる限り作ったからもうパンパンだ
「早く食べよう」
「先に食べててくれ、片付けをしなくてはならない」
「つれないなぁ、後でもいいじゃない」
「放置すると後々めんどくさくなるんですよ...」
「ふーん、ではいただこう」
「おかあさん...ちゃんとたべてね」
「もちろんさ、26日は仕事なんだから...」
ジャックの言葉を見送って、フライパン等を洗いに向かう...
今日は何品も作ったから時間掛かりそうだな...
...
数十分後、どうにか洗いものを済ませて一人で残りを食べていく
というかあの人本当に食べに来ただけだったな...
「すー...」
ジャックは食べ終わった後に私を待っていたようだが寝落ちしてしまっていた...忘れないように買って箱に包んでおいたぬいぐるみをそっと置く
「今日も...白くて綺麗だ」
雪というのは屋外だと勘弁なものだが、こうやって観ている間だけは美しく感じる
一人でもこんな光景を眺めながら食事をするのも悪くないだろうな
『美女を家に入れて食事なんて、こんな羨ましい聖夜はないぜ?』
...いや、私はこれでいい、こんなことだってずっと出来るわけでもないし...
「立香」
...ん?
玄関の奥で誰かが私を呼んだ
...この声はあり得ない、そんなはずが...
「立すぐ開けなさいよ、寒いんだから」
聞き間違いなんかじゃなかった、忘れるはずもない
恐る恐る扉を開いた先
...ああ、こんなことがあるのか?あの白い服、あのピンク色の髪、まさしく、間違いなく...
「久しぶり...になるわね、私のマスター」
「女王...メイヴ...!?」
- Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.19 )
- 日時: 2018/12/26 09:36
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: oBSlWdE9)
...
メイヴ、女王メイヴ
万物の母にしてケルトの侵略者...私のサーヴァント
まさかまた私の元に現れるなんて...
「出ていったりはしたけど別に帰ってはいないわよ」
「そうだっのか...でもどうして?」
「だって、今日はクリスマスでしょう?貴方はどんな風に過ごすのか個人的に気になっちゃって」
「ははは...まあ見ての通り、これでも少しはマシになったけど」
メイヴは私の洗った皿を見ながら台所を撫でる
「そのようね、最初貴方に会ったときは加工食品ばかりで本当に私の栄養管理をする気があるか疑問だったもの」
「...でも、部屋が狭いのは相変わらずさ」
「もう少しいい部屋に住めないの?」
「残念ながら今はこれが限界」
「情けないわね、貴方は私のマスターなんだからもっと上質な生活をしなさい」
「もっと頑張るか...ねぇ女王、私との生活に耐えきれなくたって出ていった後はどうしたんだい?」
「一人で生きていくことにしたのよ、昔の貴方みたいに」
...英霊による独り暮らしか、聞いたことはないが彼女達だって私と同じ人間なのだから不可能ではないのだろう
「個人証作って仕事探して家建てて...一人で全部やるのは大変だったけど、少なくともここよりはいい生活できてる」
「...やはり女王は凄いな」
「当然でしょ?女王なんだから...ま、独り暮らしの挨拶っていうのもここに来た理由なんだけど」
「そうか、不自由せずに過ごしていると知れただけでもよかった...」
「言っとくけど私は貴方と一緒に暮らすつもりなんて更々無いんだから」
「それは私もよく分かっているよ、君の顔を見れるだけで私は幸せさ」
「欲がないのね」
「この通り貧乏だから当然さ、欲望なんか無駄に多くても実力がなければ意味がない」
私という人間を女王はどう見ているのだろうか?
やはり多くを求めない者はつまらなく感じるだろうか?
だが...
「それでも、私は必ず貴方に相応しいマスターになってみせるから...」
「この調子じゃ何年かかるか分かんないわよ」
「う...」
「まあいいわ、最初みたいな情けない姿を今でも見せてないだけ成長はしてるみたいだし」
「じゃあ、次またここに来るときはもっといい男になりなさいよ?」
そう言って女王は雪の中へうっすらと消えていった...
...
...その後玄関のそばで私は目が覚めた、あれは夢だったのか?
いや、そんなことはどうでもいいだろう...夢であれ現実であれ関係ない
25日の...聖夜の奇跡であることには変わりないのだから
END
- Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.20 )
- 日時: 2018/12/31 15:15
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
【第四話】
『ジャガイモが食べたい』
時々だが何か特定のものを食べたくなるときがあるだろう?
肉を食べたいと思ったり、ふと急にラーメンが食べたくなることもある
私にだってある、仕事中にも関わらず無性に食べたいと頭の中でよぎる
「ジャガイモが食べたい...!!」
何を隠そう私の一番の大好物こそジャガイモ
特に肉を巻いたものが好きで好きでたまらないがジャックが「じみなのいやだ」というのであまり出せないのな難点だ
ジャガイモを、今晩は何としてもジャガイモを使いたい
そんなことを考えていると同僚が肩を叩く
「おい、何を震わせている、そんなに緊張しているのか?」
「いえ、端から見ればくだらないこと考えていました」
「お前はある意味マイペースだな...他の奴等はカリカリしてるってのに」
「え?なんで?」
「ほら、本部の医療班にうちの栄養管理を報告しなきゃならないんだよ...なんでこんなことに」
なんでと言われると思い当たるのは一つ、杜撰だったのだろう
かつての私もそうだが、サーヴァント相手に真面目に取り組まなかった者も存在するのだから...
「そろそろうちのチームも呼び出されるぞ...何言われるのやら」
「叱られたら叱られたで明日に生かせばいいさ」
「お前なら叱られるで済むだろうけどな...でもなぁ、あいつら大体冷凍食品拒むしなぁ...」
まあそうだよな...私と同じで独り暮らしも多いのだから料理始めたらいいと思うけど...
【Dチーム16番、藤丸立香君】
「あっ、お前の番だぞ」
「そうみたいだ...どこ行けばいい?」
「奥の部屋で待機してる、本部の人間怒らせんなよ?」
「分かっている」
本部ねぇ...ダ・ヴィンチさんとかだと話しやすいんだが、医療班の人なんて見たこともないからな...
当然ながら本部に所属する人間は選ばれたものに等しい高等な存在、つまりエリート。
IQは20も離れてしまうと話にならないと聞いたことがあるが...私は大丈夫だろうか?
そんなことを考えながら扉を開けると、白衣を着た男性が座っていた
「君が立香君だね?ささ、ここに座って座って」
私の方の机のには名刺が置いてある...【ロマニ・アーキマン】それがあの人の名前らしい
- Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.21 )
- 日時: 2018/12/31 16:28
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
「さて、その名刺にも書いてあるけど僕の名前はロマニ・アーキマン、本部の人間は『ロマン』と呼んでいる」
「ああ...どうも、ロマンさん」
「硬くなることはないよ、お説教とかするわけではないんだから...念のため言うけど、記録は残してある?」
「記録?...ああ、これですか?」
カルデア専用のタブレットにはサーヴァントの健康管理アプリが内蔵されている
とはいっても私は献立とその栄養素ぐらいしか書いていないのだが...
アプリを起動させロマンさんに渡すと、じっくりと観察していった
「ふむふむ...丁寧に写真も載っているから虚偽の報告でもないみたいだ...ただ」
「ただ...なんです?」
「ダ・ヴィンチちゃんを君なら知っているだろう?」
「はい、マシュのお目付け役みたいな立場の」
「彼女...いや彼?まあどっちでもいっか...とにかくダ・ヴィンチちゃんから聞いたんだけど、君のサーヴァントは女王メイヴじゃないのかい?なんで別の英霊の姿が?」
...ああ
「やっぱり分かりますか」
「仮にも本部の人間だからね...説明してもらえる?」
「...私は女王に相応しくないマスターだった、ということです」
「つまり、捨てられたと?」
「その通りです...私も日々女王に追い付くために精進してはいるんですけどね」
「じゃああの英霊は?」
「...あの子のマスターが3週間前に失踪しました」
「私の同僚なんですけどね...殺人鬼の飼育なんてやりたくないと言って...カルデアを抜け出して...」
「飼育って...サーヴァントはペットじゃないんだから...」
今の発言だが嘘はない
私が捨てられたのは事実だし、認めたくないがジャックが同僚の一人に捨てられたのも事実だ
私は傷の舐め合いをしているわけではない、誰かと一緒に暮らしていないとやってられなかったんだ
それに...いざ暮らしてみると普通の女の子のような面もあり可愛らしく見えることもあった
「珍しいこともあるものだ」
「やっぱりダメですかね?」
「うーんそうだな...別に2人以上と契約してはならないというルールはないし...」
「令呪を持ってないのにこれは大変そうだな...」
- Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.22 )
- 日時: 2018/12/31 21:40
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
「ひとまずこの英霊の件は置いておくとして、メイヴの居場所は?」
「分かりません...クリスマスの時に突然現れて、今は独り暮らしをしているとは言ってましたが...」
「独り暮らしねぇ...調べたの?」
「まだしっかりとは...時間もパソコンとかもないし...」
「なら君に課題を用意しよう、次はメイヴの資料を持ってくるんだ」
「女王の?」
「英霊を野放しというのは流石に見逃せないからね、とんでもないことをしでかすかもしれない」
「君達マスターが接しているのは世界を揺るがすほどの力がある、それを忘れないように」
「はい!」
「僕からは以上、はい次の方~」
「ありがとうございました」
私は名刺を財布にしまい、タブレットを返してもらって部屋から出ていく
「...虚偽の記録無しは今のところ彼のみか」
...
少し安心した...本部の人間、どれだけ厳しい人かと思ったが、いつも通りでも良さそうだ
緊張が落ちた途端頭の中はジャガイモでいっぱいになる
そうだ、さっきまでジャガイモの事考えていたんだった...
「ああ、ジャガイモ食べたいなぁ」
「先輩」
「えっ!?」
気が付くと私の後ろにマシュが...びっくりした、まさか私のこれ聞かれた?
「ドクター・ロマンとの対談はどうでした?」
「あ、ああ...なんとか無事に終わったよ」
「そうですか、先輩はサーヴァントとも仲良くやっていけてますしきっといい評価を貰えますよ」
「そうだったら嬉しいけどね...ああ、晩御飯考えないと」
「ジャガイモ」
「ぶっ!?」
うわぁ...やっぱり聞かれてしまった...
「ダ・ヴィンチちゃんが作りすぎてしまって...処理に困ってたんですけど、良ければ先輩...」
「ほしいです、ジャガイモ」
...
気が付くと私は袋一杯のジャガイモを抱えて家に付いていた
...待て、マシュ何て言ってた?
『ダ・ヴィンチちゃんが作りすぎてしまって...』
...大丈夫なのか、この芋。
まあいいや、ジャガイモ料理を探すとしよう、私は携帯から料理サイトへとアクセスしジャガイモ料理を検索する
『ハムと白菜とジャガイモの炒め物』か、ちょうど残ってたはずだ
冷蔵庫からハムと白菜を取り出して、料理の準備に取り掛かる...
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