二次創作小説(新・総合)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- マスターさんは晩御飯に悩んでいる。(完結)
- 日時: 2019/02/02 11:37
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
原作『衛宮さんちの今日のごはん』『fate/grandorder』
この小説は原作者もちょくちょく描いているらしいFGOの平和世界をうちなりに書いてみたものです
【注意】
基本俺の使っている鯖が登場し、持っていないキャラは出ないかもしれない
俺は無課金プレイヤー
他で見ない主人公のキャラ付け
原作とは違い料理のことはあまり知らないので、あくまで『あの作品のような平和な世界』を重視していきたいと思います
料理は基本的にレシピサイトからの引用
- Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.33 )
- 日時: 2019/01/17 22:51
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
「す、すみません先輩!あの、ちょっと気になっただけで...その...」
今度はチーズに興味をもったのか、うんうんわかるよ、チーズ美味しいし色んな料理に使えるからね、ジャックもハンバーグに入れると喜ぶし
「先輩、今日はチーズを使うんですか?焼くのですか?それともフォンデュに?それとも...」
マシュは心の中で私に何かを期待しているようだ...そんな目で見られたら私はどうすることもできなくなる、その眩しいオーラを止めてくれ...
...
「なんだこれは...買い物に行って女買ってくるとはたまげたなぁ」
「ちがいます」
「...え、えっと、おじゃまします」
結局マシュを連れてきてしまった...あんなの断れるわけがない、私は約束や期待というのがどうも苦手のようだ
「この人って確か○○さんのサーヴァントですよね?何故先輩の家に?」
「朝に色々あってね...」
「あっ、そっかぁリア充かぁ」
「リア充...?」
「違います、彼女は部下です、それ以上の関係にはなりません」
マシュは単なる部下、私に恋人なんて必要ないさ
居たって相手にとって迷惑なだけなんだから
「それで今日は何を作るんですか?」
「今日は麺だよ、確かきしめんと長ネギが...あった」
「あと、今日買ってきた豚バラとミックスチーズ、そしてキムチ...これで作ろう」
「辛いもので調べたらキムチしか出てこなくて驚いたよ」
...
「まず長ネギを斜めにカット、豚バラを3センチに切る...マシュ、豚バラを頼む」
「分かりました」
肉と長ネギを綺麗に刻み、皿にまとめていく
マシュの包丁さばきも中々上手くなってきた、そろそろ私に頼らずとも料理を作れるようになるかもしれないとダ・ヴィンチさんに報告しないとな
「ジャック、麺をレンジから出してほぐしてくれないか?」
「わかった」
ジャックが麺を包んでほぐしていると、黒ひげさんが私のところに現れてへこへこと告げる
「それで拙者は何をすれば?」
「え?」
「いや、なんか空気的に拙者だけが座っていると気分悪いし...」
「あ、では炒めるのでごま油とキムチをフライパンに...」
「合点ですぞ!」
火の扱いは任せて大丈夫かな...キムチの後長ネギと豚バラを入れ、その後からジャックが麺を入れる
「オラオラオラオラッ!!燃えやがれこの野郎っ!!」
「よし、醤油に本だし、最後はチーズ...よく混ざってくれよ...!!」
- Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.34 )
- 日時: 2019/01/17 23:24
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
「出来た!!」
絶妙に溶けたチーズの匂い、そしてこのネギの色...いい焼き加減だ
きしめんなんて貰ったときはどう使おうと悩んだが...
「皆で頑張って作ったんだ、きっと美味しいぞ」
「うん!」
四人でテーブルを囲み麺を食べる...ああ、いいな、ピリッとした辛さ、ネギの食感...
「ジャックさんも料理を手伝うようになったんですね」
「ああ、君が来るようになってからね」
「....ふむふむ、料理の指南と、本部のサーヴァントの考えることはよくわからんのだなぁ」
「黒ひげさんもやっていきません?」
「カップ麺もビニ弁も飽きてきたしいいかもしれませんな!メシウマ状態!!」
大笑いする黒ひげの横でマシュが私に耳打ちする
「先輩...あの人の喋り方は一体?」
「それがねマシュ、私もよくわかんないんだ」
「ねぇ、おかあさん」
ジャックが私の方を見る、どこか心配そうな顔だ
「どうかしたのかい?」
「あのひとのマスター いまなにしてるのかな」
それを聞いて時計を見る...まもなく8時、晩御飯は済ませているはずだが...
「どーせチャラチャラした店で愛のムードでござるよ、あーやんなっちゃうやんなっちゃう、拙者と女どっちが大事なのって」
「...微妙に選択に困るな」
「困るんですか!?」
「...ま、今日は色々と感謝でござる、藤丸殿」
「私も今日は楽しかったよ」
...
その後...黒ひげさんは銭湯で風呂にはいるからといって一足先に帰っていき、マシュもダ・ヴィンチさんに話で送り迎えしてもらった
少なくとも今日だけは彼の健康は守れた、サーヴァントはいつだって元気でなくてはならないだろう
しかし...
...
「食費を払うって約束したじゃないか!」
「あいつの食費がこんなに高いわけないだろ!!なんで1000円以上も掛かるんだよ!!ぼったくりだろ!」
「ちゃんとレシートもあるぞ!豚バラ肉1000円!ミックスチーズ290円!キムチ375円!他に食材もあるけどこれが昨日買った分だ!」
「なんでそんなに掛かるんだよ!!晩飯なんて買っとけば安上がりだろ!」
「健康に悪いだろ!それになんだあの昼御飯は!おにぎりと唐揚げで魔力が満たせるのか!?」
「うるさいな1000円で買えるのなんてそんなのだろ!?」
...食費に関して彼と揉めたが、くだらないのでこの件は割愛しておこう
END
- Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.35 )
- 日時: 2019/01/20 21:52
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
【第七話】
『これが...令呪?』
「はぁ...今日も一日頑張ろう、ジャック」
「うん!」
いつものようにカルデアに来た私たちだが...今日はなんだか様子が変だ
目の前に沢山の人が集まり何かを見ているようだ、誰かが昇進でもしたのか?
ここからじゃ見えないしジャックに見せよう
「ジャック、肩車するから見てくれないか?」
「わかった」
「あ、おい藤丸!見ろよあの紙!」
「見ろと言われてもこんな遠くちゃ見えるわけないじゃないか...」
「じゃあどいてやるから!ほら見てこい!」
「まさか私のこと?異動とか転勤だったらやだなぁ...」
紙になんて書いてあるんだ..?
【今年の令呪起用可能マスター】
【××××】
【○○○○】
...
【藤丸立香】
「え?」
「お前、令呪使いに選ばれてるぞ」
「何いいいい!?」
...
私の机に令呪の説明書が置かれていた
令呪、手に魔力を込めた紋章を宿したもので...マスターとしての資格、これを得て初めてサーヴァントを使途するマスターとして認められる証のようなものだ
これを掲げて命令すれば...サーヴァントはどんな事でも聞く、しかし消費型で回復には丸一日かかる
これはサーヴァントを正しく導けるようなエリートのみに許される力だ、こんなものが私の手に...
「よう!よかったな!令呪を宿せるんだぞ?」
「あ、ああ...そうは言われても何に使えばいいのか...」
「一体何したら令呪使いになんてなれるんだよ~?」
「さあ?私には分からないよ...そうだ、令呪のテストをしにCチームに行こうかな」
Cチームはサーヴァント訓練係、我々が栄養管理しているサーヴァントを鍛えてくれるありがたい方達だ、同期でも私は頭が上がらないぐらいには助かっている
...
Cチームの皆に説明すると思いの外驚かれた、令呪云々の事より使用権について
「え!?もう令呪を使うのですか!?」
「試しておきたいんだ...ジャックはどこ?」
「は、はい...貴方のサーヴァントはあそこです」
私はジャックが入る個室に向かう、ジャックは天井から次々と落ちてくる板をあっという間に刻んでいた
「やってるやってる...えーと説明書を書いてあった使い方は...ジャック!」
「令呪を得て命ずる、私の元に来るんだ!」
- Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.36 )
- 日時: 2019/01/21 09:27
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: lyEr4srX)
令呪は光り、それを見たジャックがナイフを下ろし、私の元に駆け寄る...上手くいったみたいだ
「よし、成功だ」
手を見ると紋章の模様が少なくなっている...あとは一日待つだけか
「な、なんてもったいない真似を...」
「他に使い道が思い浮かばなかったんだ、許してくれ」
「...ま、まぁいいでしょう」
「ごめんねジャック、また後で」
「うん!」
...
いつもの資料を済ませ、令呪の確認資料も書いて...後ジャックの管理表も一年にまとめて、全部本部に提出しなければならないから大変だ
でもどうにか夕方には帰れる...一息ついてるとマシュがこっちに向かって走ってくる
「マシュ、君から来るなんて珍しいじゃないか」
「いえ、それが先輩を呼んでいる方がいまして」
え?私を?令呪の件かな...
「分かった、すぐに向かうよ...で、場所は?」
「日本支部の入り口です」
「え、外から?」
...
「えっっっ!!?」
入り口前で待機していたのは...嘘だろ、女王メイヴ...
よく見ると若干苛立っているようにも見える...
「す、すみません、待たせましたか?」
「私が怒っているのは遅刻したからじゃないのよ!」
「え!?」
女王は私の手の甲を確認しながら呟く
「ああ、やっぱりそういうことね...あんた、令呪使ったでしょ」
「え、どうして?」
「そうでもなければあんたに用なんて無いじゃない!」
私は何か言っただろうか?令呪の時の言葉を振り返ってみよう
【令呪を得て命ずる!私の元に来るんだ!】
「...あっ!!」
「やっと気付いた?大方ジャックをそばに来るようにしたんでしょうけど、令呪の作用で私までここに来ることになったんだから!」
「電車賃無駄にしちゃったじゃない!」
な、なるほど...女王も一応私のサーヴァントだから、令呪を発動するとジャックと女王、両方が同じ命令を聞いたことになるのか、これは予想してなかった...
となると、迂闊に使えない...ジャックに命じてもこうやって同じ行動を取るとなれば...
「す、すみませんでした...こうなるとは思わなくて...」
「一回だけなら別にいいけど、次の使いどころはよく考えること、いいわね」
「は、はい...」
「じゃ、行きましょう」
「え、行くって...どこに?」
「あんたの家」
「えっ!?」
- Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.37 )
- 日時: 2019/01/21 12:55
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: lyEr4srX)
...
隣に女王なんて何ヵ月ぶりなんだろうか
今は右にジャックを抱えているが...
「きょうは そっちからきたの?」
「え?今日って?」
「わたしたち ちょくちょくあっていたの」
「嘘!?」
「好きで会っていたわけではないけれどね」
「そ、そうか...それでジャック、今日はなに食べたい?」
「はんばーぐ」
ハンバーグか...そういえば最近作ってなかったな
今日はどういうわけか令呪を与えられた日だし、奮発して少しいい肉でも買おうかな
「わかった、今日はハンバーグだ」
「わーい!」
「.....」
...あっ、女王。
うーん...あの人は料理に拘りとかは無かったはずだけど、念のため
「なんで私を気にするの?好きにすればいいじゃない、食べ物くらい」
「あっ、すみません」
...
ハンバーグ、作り方は単純だが本当に美味しいんだよな、これが本当に...子供が夢中になるのも頷ける
最初は見ているだけだったジャックも私と一緒にハンバーグの形作りを手伝うようになっていた
...女王は床に寝転がる
「あんたの家って相変わらず何もないのね」
「テレビとか高くてね...退屈だろうけど堪忍してほしい」
「その令呪があれば私に対して何でも出来るのよ?使ったらどうなの?」
「別にやってほしいことなんてないし...」
「そう、あんたってほんとつまんない、何もない男ね」
「ああそうだな、私はなんにもない...お金がないと人はこうもつまらない存在になれるんだな」
「...じゃあなんでカルデアになんて入ったの?」
いつも言われる、お金の話をすると「何故この仕事をしている」と、そして私は決まってこう答える
「この仕事がやりたかったからだよ」
「ええ?」
「カルデアってさ、サーヴァントの力を正しいことに使っていき世界を発展させていく...そういう仕事らしいんだ」
「カッコ悪いかもしれないけど、私は今でも子供の頃に見た『正義の味方』というものに憧れているんだ」
「テレビでやっているような正義のヒーローにはなれなかったけど...それでも今私は世界のため、国のためになるようなことが出来ている」
「それだけで私は満足なんだ」
「.....」
あの頃幼い私が見た誰よりも誰かを想っていたカッコいいヒーロー
誰かを救えるのならば、私なんて...
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20