二次創作小説(新・総合)
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- マスターさんは晩御飯に悩んでいる。(完結)
- 日時: 2019/02/02 11:37
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
原作『衛宮さんちの今日のごはん』『fate/grandorder』
この小説は原作者もちょくちょく描いているらしいFGOの平和世界をうちなりに書いてみたものです
【注意】
基本俺の使っている鯖が登場し、持っていないキャラは出ないかもしれない
俺は無課金プレイヤー
他で見ない主人公のキャラ付け
原作とは違い料理のことはあまり知らないので、あくまで『あの作品のような平和な世界』を重視していきたいと思います
料理は基本的にレシピサイトからの引用
- Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.28 )
- 日時: 2019/01/09 10:37
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
...寿司か、そういえば大人になってからは回る方も贅沢に感じて一回も行ってなかったな
「寿司を間近で見るのも久しぶりな気がする...」
「あんた、どこまで貧乏生活してんのよ...あのサーヴァントも哀れね」
「本当にそうだ、ジャックは可哀想だ、私の給料が低いばかりに...クー・フーリンさんみたいなのを従えてた本部の人なら何十万、いや何百万も貰えるんだろうなぁ」
「どうだか...お前、本部の人間をどれだけ知っている?」
「え?うちの日本支部に入ってきた後輩のマシュに...本部のサーヴァント、ダ・ヴィンチさんだろ?あと女王の詳細を調べるように頼んできた医療班のロマニ・アーキマンさん」
「ロマニ...ああ、ドクター・ロマンか、そいつの事しか知らねぇのはある意味幸福者だな」
「え?」
「いいか藤丸、俺の事は絶対にロマンに漏らすな...場合によってはてめぇを殺さなきゃならねぇ」
「ちょっと、クーちゃん!」
「お前が捨てたマスターだろうが...まだ信用に値するような存在なのか、まだ分からねぇだろ」
「分かった、貴方の事は黙っています...これが原因で無関係になったところで貴方には関係のないことですし」
「ああそうだな、俺のせいでお前が首になったところで俺は困りやしない」
「ちょっと、少しは仲良くしなさいよ」
「初めて会った相手にか?」
「黙々と美味しそうに食べてるジャックが一番行儀良いってどういうことなんだ...うぐぐ」
いかん寿司だ、三人とはいえこのままじゃ取られて私の分が無くなる、どれ食べようか、マグロはジャックにあげたいしサーモンにしよう、鮭この間食べたし...ああそうだ、聞いておかないと
「女王メイヴ、聞くまでもない事だけど念のため聞きたい」
「何?」
「今の生活は、楽しいかい?」
...
「おかあさん」
「ん?」
...あれ、私は一体?女王の昼御飯に参加して、それから何かを話して...答えは聞けていない
目が覚めた頃には女王の姿はなく...クー・フーリンさんが立っていた
「いつまで寝ている、もう6時だ」
「えっ...そんなに!?大変だ、すぐに資料をまとめないと!!ジャック、カルデアに行くぞ!!」
「うん、わかった」
いかんいかん...すぐに準備をしなくては、女王に迷惑をかけてしまった
「おい、藤丸」
「...何?」
「お前はサーヴァントを奴隷だと思ってるやつが居たら...何をする?共感するか?怒りに任せ殴りかかるか?」
「私は...そうだな、奴隷なんてバカらしい考えなんて思い付かないよ、家族のように生きることの楽しさでも教えてることしか出来ないな」
「.....そうか」
- Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.29 )
- 日時: 2019/01/09 11:12
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
冬ということも相まって、カルデア本部に繋げてロマンさんと話をする頃には既に真っ暗になっていた
「こんなに早く報告することもないのに」
「後回しにすると忘れてしまうかもしれませんので」
「...まあ勤勉なのはいいことだよ、だが焦らないように、マスター自身の健康も大事だ」
「すみません...で、女王メイヴに関してなのですが...」
...私は女王が話していたことをロマンさんに報告する
「つまり今のところは人間と変わらないくらい普通に生活してる...と判断して良い?肩持ちしてない?」
「はい、今のところトラブルも起きてないみたいです」
「ふむふむ...サーヴァントがバイトを行うなんてことは僕も度々耳にするからね、今は信じておくよ」
「ははは...マスターなのに情けないですね、私」
「そんなことはない、向上心があるものはそれだけ立派だ、若さを誇りなよ!」
ドクター・ロマン...あの人はその通称に恥じぬくらいカッコつけたような言葉を話すと聞いた
私にとっては安らぎになりそうな言葉だがね...
「えーと...もう、いいですかね?今日の晩御飯の材料まだ買ってなくて...」
「そうなんだ、それで今日は何を作ろうと思っているんだい?」
「最近冷えてきたので暖かいものを...ちゃんぽんとかにしようかなぁ」
「へぇ...いいね、君のサーヴァントが羨ましいよ」
「最後に上司っぽいことを言わせてくれ、君と一緒に過ごしているジャック・ザ・リッパーも、君と同じくらい幸福者なんだ、それを忘れないように...」
...
ロマンさんの最後の言葉が私の脳内で何度も繰り返し再生して脳に響く
ジャックは幸せだろうか?本当は毎日あの女王のような暮らしがしたいのではないのか?
私では不自由だろうか?
...そして、もう1つ気になるのがクー・フーリンさんの言っていたあの言葉。
「お前はサーヴァントを奴隷だと思ってるやつが居たら...何をする?」
サーヴァントを奴隷に?それがどうにもわからない、だってここは...カルデアはサーヴァントと心を共有して生きていくような場所じゃないか?
「ジャック、早く帰って暖かいちゃんぽん食べようね」
「うん、わたしたちもなにかできることがあったら...なんでもするよ」
「まさか君が手伝いをしたいと言い出すなんて...」
「だめなの?」
「いや、嬉しいよ...一緒に料理しよう」
「うん」
しかし、私の思いとは裏腹に...クー・フーリンさんの言っていた言葉の真意に迫っていくことになることを、今の私はまだ知らないだろう
END
- Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.30 )
- 日時: 2019/01/17 17:10
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
【第六話】
『辛いものなんて...』
ある日、私はDチームの同僚にファミレスに来るように言われた
大事な用だと言われたので来たが、あまり人に言えない話でもないようだ
同僚とはいっても、私の隣でもないから特に話したこともないのだが
「なぁ藤丸、お前料理できるよな?」
「カルデアに来てから何回それ言われたんだろうな...ああ、レシピさえ見ればね」
「助かったよ!ちょっと見ていてくれないか?」
...はい?今この人はなんていった?
「見ていてほしいって...家族かなにかを?」
「いやいや...うちのサーヴァントを」
「はあ!?私が!?」
「頼む!一日だけでいいんだ、外せない用事が...」
「...連れていくこと出来ないのか?」
「無理に決まってるだろ!!?」
私は軽く返事をしたのだが、男は詰め寄って大声で叫ぶ...公共の場なんだからもう少し静かにしてくれ
「君だってDチームなんだからしっかり予定決めないとダメじゃないか、それに私は食事は作れるけど...知ってるだろ、私の家はそう何人も入れるような場所じゃないんだ」
「勘弁してくれよ~、今日限りでいいからさ~」
こういうのは私は苦手だ、めんどくさいとかやりたくないというわけではないが、こういうのを断ったらずっと何か言われる気がする...本当に今日限りかもしれないし
「...次の用事は他の人に頼んでよ」
「ありがとな!今日は一代イベント抱えててさー、わかる?」
「どうでもいいよ...明日、食費貰うから」
「いーよいいよそれくらい!んじゃ昼からよろしく~ 」
「待て、昼から!?」
...
「まさか昼からとはな...ご飯どうしよう」
というか、なんでサーヴァントを押し付ける必要があるんだ...普通の人間と見た目は変わらないんだから遠出しても特に問題ないだろうに
「そのひとは いつくるの?」
「なんか地図を持たせたから出ていくとき向かわせるって...ちゃんと連れてった方がいいんじゃ...」
私が心配していると、扉を叩く音が聞こえる...もう来たのか?
戸を開けると、そこにはコンビニ袋を右手に抱えたボサボサの髭の大男が立っていた...こんな見た目をしたサーヴァントは初めてだ
「え、えーと...貴方が?」
「おう、まぁ...拙者、『ライダー』のエドワード・ティーチ、言わば『黒ひげ』と呼ばれたカリブの大海賊ですぞ」
「大海賊!?」
- Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.31 )
- 日時: 2019/01/17 17:35
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
海賊...これまたとんでもない人物だ
これぐらいの実績を残せるものでないと、サーヴァントにはなれないということか...慎重に相手しないと
「えーと、お昼は何に...」
「あ、ランチタイムの心配は無用ですぞ、しっかり用意されまして、ほらこの通り」
そう言って袋から出てきたのは...おにぎりと揚げ物だけ!?
「今日のメニューは唐揚げちゃんチーズ味とツナマヨおにぎりでち」
「いやいや、少なすぎますよ!野菜ないし...待っててください!」
私は冷凍庫の野菜を探す...この間のジャガイモがまだあった!これをレンジに入れて、ピーマンとベーコンを刻んで炒めて、塩コショウ!
「はい、これちょっと見て作ったジャーマンポテトです!足りませんよそれだけじゃ」
「あ、なんかスマソです、気ぃ使わせちゃって」
「いえいえ、うちみたいな何もない家じゃ退屈ですよね?これくらいしか出来なくて」
「おん、ボンビーっていうのはマスターから聞いて、だから退屈しないように漫画類を持ってきたのでお構い無くでござる」
「...ジャックの教育に悪いような本は止してね」
「ロンモチ」
...なんか、変わった人だなぁ、ダ・ヴィンチさんとかそういうのとは別の、本当に変わった人。
黒ひげさんは机に座ってコンビニ袋から漫画を取り出す
...妙に詰まってると思ったら、ほぼ全部漫画だったのか
「それ全部マスターが?」
「いんや?ぜーんぶ拙者が購入したもの、マスターにはびた一文あげてないしもらってない」
「全部!?貴方も収入源が!?」
「休日はレンタルDVD屋でアルバイト、マスターがいないときはYouTubeで映画のレビュー動画でがっつり稼いだでござる、いやー拙者もう大物の仲間入り」
...この人、マスター無しでも充分生きていけるのでは?
「ただそれでもこういった手料理とは無縁の生活、いやはやありがたやありがたや」
「やっぱり料理とかしないんですか?彼は」
「してるところを見たことなんて一度も」
「うーむ...やっぱりか...」
料理しないから私に頼ってきたんだしな...しかし、彼の言う用事とはなんだろう?
「あの、黒ひげさん」
「どしたの?」
「あなたのマスターって...あなたから見てどんな方なんですか?」
「んーと...一言で言い表すなら『リア充』って奴でござる」
- Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.32 )
- 日時: 2019/01/17 18:03
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
「り、リア充?」
「あれ?ネット用語知らない?リア充っていうのはリアルに充実してる人の略、恋人もちって意味でござる」
「な、なるほど...すみません、私ネットは検索サイトか通販しかしたことなくて...」
「それある意味、絶滅危惧種では...」
「で、大事な用って言うとそれでなんとなく分かってくるじゃない?告白とかそういうのでしょ、あー爆発しろ!」
なるほど...恋人か、確かに彼なんかそういうの持っていそうだったし、連れていけばと提案してあそこまで怒るのも頷ける
「でもなー、結婚とかしちゃうのかなー」
「結婚したらまずいんですか?」
「いや拙者はなにも?ただ家にこーんなオッサンが住んでたらビビるかなーって」
ビビるどころかひと騒動ありそうだが...私もジャックの件を説明するのは大変だったしな...
「私に任せられる前はどうしてました?」
「テキトーにブラブラしてろっていうからゲーセンとか行ってハイスコア叩き出したりしてテンション上げてたでござる」
「...全くこんないいサーヴァントをなぁ」
「チミ今までの話のどこから拙者のグッドポイント見出だしたの?早くない?」
「だってDVDに漫画にゲームセンター...趣味が沢山あるなんていいじゃないか、暮らしてて楽しいよそんなの」
「私も少し憧れちゃうよ」
「.....」
ゲームとか...最後に遊んだのは何年前だったかな、母さんにねだってたなぁ
「...そういえば名前を聞くのを忘れてた、メンゴ」
「立香、私の名前は藤丸立香です。」
...おっともう3時か、今のうちに夕飯何か買いにいこう
「私そろそろ晩御飯の食材買いに行きますけど、何か食べたいものとかありますか?」
「ほえ?」
...
「マスター、拙者今日は辛いものが食べたいですぞ!」
「え?コンビニのカレーでも食えばいいじゃん」
...
「...辛いもので」
「分かりました、辛いものね...」
...辛いものか、この季節にはもってこいだ
あの人が喜ぶといいんだけど...
...
いつものスーパー。
私が今回買うものは...キムチとミックスチーズ、そして豚ばら肉だ
あの人は体格がいいからがっつり食べられるようなものを作らないと
「あっ」
「あっ」
ミックスチーズの袋に同時に手に触れたその先には...
「あっ、先輩」
大事な料理をするときは本当に君によく会うよ、マシュ...
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