二次創作小説(新・総合)

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マスターさんは晩御飯に悩んでいる。(完結)
日時: 2019/02/02 11:37
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

原作『衛宮さんちの今日のごはん』『fate/grandorder』

この小説は原作者もちょくちょく描いているらしいFGOの平和世界をうちなりに書いてみたものです

【注意】
基本俺の使っている鯖が登場し、持っていないキャラは出ないかもしれない
俺は無課金プレイヤー
他で見ない主人公のキャラ付け
原作とは違い料理のことはあまり知らないので、あくまで『あの作品のような平和な世界』を重視していきたいと思います
料理は基本的にレシピサイトからの引用

Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.8 )
日時: 2018/12/16 23:12
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

...

あの後、私は普通に仕事をすませ、普通に帰ろうとしていた...

時計の時刻は午後六時、あのダ・ヴィンチを名乗る謎の女性との約束の時間だ

「あっ、藤丸君!こっち!こっちだよー!」

...居た、入り口の近くのベンチで手を振っていた
これが上司ではなかったらひたすら他人のふりをしていたいが...

「はい、今行きます」

...

「まただれかいる」

「えーと...ダ・ヴィンチさん?」

「ダ・ヴィンチちゃんで構わない」

「いやそれは無理!いきなり馴れ馴れしすぎますって」

「うーん...じゃあしばらくの間だけダ・ヴィンチさんは許しておこう」

...何なんだこの人は、マシュとは違う意味で不思議な人だ。カルデア本部というのはこういった人間ばかりなのか?所長にもなるとどれだけの変人になるか...

「それでだ、マシュに料理をさせるために単純な器具でも用意しておこうと思って...」

「買ったんですか?」

「うん、これだけど」

ダ・ヴィンチ...さんは片手に持っていた鞄から大きな箱を取り出す、調理器具丸ごとのタイプで丸い型が沢山ある絵柄からして...

「...たこ焼き器?」

「買ったのはいいんだ...ほらダ・ヴィンチちゃんイタリア人、日本の料理なんて全然知らないし作ったことすらない」

「...だから私に作れと!?」

「マシュが気に入るほどの奴なんだ、頼むよ!カルデアで料理が得意なのは君だけなんだ!」

なんて事だ、他に作れる人間はいなかったのか!?
いくら料理が出来ると言われてもたこ焼きの手料理なんてやったことすらないぞ、大阪人じゃあるまいし!

...だが、頼まれた以上断るのも嫌だ
マシュの事でもあるからな

「...食材費は全額貴方が用意してくださいね?」

「その程度くらいいくらでも、払うのは私じゃなくてカルデアだし」

「えっ、職権濫用?」

「これもビジネスの一貫だ、着いてきたまえマスター君!」

「ま、待って!まずスーパーに寄ってから!!私の冷蔵庫マジで悲惨だから!!」

「おかあさん、ばんごはんなに?」

「たこ焼き!!」

...

「あっはははは!今日はめちゃくちゃ買ったねぇ!」

卵、小麦粉、天かす紅生姜青ネギ桜えび、調味料に鰹節と青のり、マヨネーズ...あと忘れてはならないタコまでレジ袋がパンパンになるまで買ってもらった
たこ焼きってこんなに色々使うのか...知らなかったよ、職人も大変だな

「さてさてではでは...クッキングタイムとしゃれこもう!」

マシュ以上に楽しんでるように見えるのは気のせいではないだろう、さてはこの人も料理とは縁がなかったな

Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.9 )
日時: 2018/12/17 14:47
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)


「まずはどうするんだい?」

「少し待ってください」

私はズボンのポケットからスマホを取り出して、たこ焼きの作り方を検索する。
今の時代作り方なんて調べれば簡単に出てくる、私はたこ焼きを作ったことはないがレシピさえ分かればちゃんとたこ焼きと呼べるものを作ることが出来ると思っている

「まず卵を一個ボウルに入れてかき混ぜます」

「よし!」

ダ・ヴィンチさんが冷蔵庫から卵を取りだし、台所の角を使わず指の圧力だけで卵を割る...とんでもないな

「えーと、そこから小麦粉に水、調味料を入れる...と、ちょっとすいませんね」

「はいよ」

私は袋から調味料や小麦粉を取りだし、今ダ・ヴィンチさんがかき混ぜてる卵に放り込んでいく
...途中で固いものに触れたががすぐに分かる、ダ・ヴィンチさんの腕だ、義手だとしても石や鉄のような感触はしないはずなのに

「これで生地は完成しました、私タコを切っておきますのでたこ焼き器を付けておいてください」

「じゃ、後は任せたよ」

私は普段なら使わないであろう品...タコの足を取り出して一口サイズにして切っていく
そういえばたこ焼きなんて久しぶりに食べるな、夏祭りなんてろくに行かないしダ・ヴィンチさんのように作ろうとも思わなかった...

たこ焼き...何か忘れてるような...あっ!!

「たこ焼きを回すアレがない!!」

「その程度なら大丈夫、ほら油塗っといたから」

「は、はぁ...では次に生地を入れてください、生地のなかに桜えびに青ネギ、紅しょうがを入れますんで」

「了解、それならタコだけ一旦ちょうだいな」

「はい...」

私はネギと紅生姜を切って生地に埋め込み、その後からタコを埋め込んでいく

「...で?何もないのにどうやってたこ焼き回すんですか?」

あいにく家には串の代わりになるようなものはない...失念した、たこ焼き器を買っているんだから普通に持っているものと思っていた私のミスだ

「心配無用、ダ・ヴィンチちゃんに不可能は無い!」

そう言って義手を叩くと中指の部分から爪楊枝の入ったケースが飛び出す...とりあえずどうしてそんなところに収納されているのかという疑問は捨てることにした

ダ・ヴィンチさんは爪楊枝で正確にたこ焼きを回していく

「いいだろう?この腕には色んな機能が付いているんだ」

「つまようじなんていつ使うんですか...」

「え?君やらない?歯の隙間に何か引っ掛かったときに...」

「おっさんかっ!!...あっ、失礼しました」

「いいさいいさ、実際おっさんだし」

「え?」

「ほらほら、いい感じに焼けてきたよ」

Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.10 )
日時: 2018/12/17 16:20
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

「「出来た!!」」

初めてたこ焼き器を使ったが、店で見るようなちゃんとした形を作れるとは...20個もあればジャックと私で食べきれるだろう。

「そういえばあの白髪の子は?」

そういえばジャックの反応がない...一度時計を見て、すぐに安心した
午後7時半、帰ってすぐに風呂を沸かすからこの時間にはもう一番風呂に入ってそろそろ上がるはずだ

「風呂に入ってるだけです...さて、着替えでも用意しますか」

「もらっていい?」

「全部はダメです、一応今日の晩御飯なので」

...

「いただきます」

ジャックも風呂から上がり、改めて私はたこ焼きを口に付ける...うん、美味しい
正直私はタコは苦手なのだが、この程度のサイズなら飲み込んでしまえばいいのでたこ焼きは大好きだ
ジャックが着替え終わる頃にはちょうどいい具合に冷めてきたので、あまり熱さを感じずに食べることもできた...ただひとつ

「うんうん、やっぱり自分で作った料理はいっそう旨いな」

どういうわけかこの人も食べている、この流れだとマシュの時みたいになりかねない気もするので帰ってもらいたいがとても言う気にならない

それに、私は1つ気にしていることがある

「これならマシュも気に入るはずだ」

「ははは...それはどうも、ところでダ・ヴィンチさん、聞きたかったことがあるんです」

「何かな?」

ずっと...あのとき名刺を貰って、『レオナルド・ダ・ヴィンチ』という名前を見たときから頭の中に引っ掛かっていた...




「貴方って...英霊サーヴァントなんですか?」

「うん、疑ってた?」

「は、はい...」

...我々が生きているこの歴史上に存在した偉人、日本に限らずアメリカやヨーロッパ、世界の果ての果てまで...
魔術的な力を使い過去の遺物から偉人を召喚していた記録がある
これらはカルデアでサーヴァント...通称『英霊』と呼ばれている
カルデアが設立する前にも英霊は存在し、大規模な戦争にも使われたと言われているが...ほぼ都市伝説に近い内容だ

カルデアはこのサーヴァントの力をビジネスに使用している
どういったビジネスなのかはあえて語らないでおくが...平の私でも無関係なわけではない

Dチーム、英霊教育兼管理係...つまりサーヴァントの健康管理等を行うついでに報告するのが私の仕事だ。

何を隠そうジャックも...

「レオナルド・ダ・ヴィンチの名を聞けば100%英霊だと分かるのになんで疑ったの?」

「いや、だって貴方女性...」

「ああこれ?モナ・リザだよ、自分で言うのもなんだけどあまりに出来がよくってね、この通りだよ、大体男性の偉人が女性として召喚されるなんて何も珍しいことではないんだから」

「え、ええ...?」

「今日は色々とありがとう、また何かあったらよろしく頼むよ」

そう言ってダ・ヴィンチさんは窓から降りて出ていった...いや、ここ二階じゃ...まあいい

「おかあさん?」

ジャック、私の教育対象であり実質家族。

明日もこの子が仕事できるように、今日のメニューをしっかり報告しなくては

END

Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.11 )
日時: 2018/12/23 23:12
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

【第三話】
『息抜きに蓮根でも』

ある日の事、珍しく私のアパートでインターホンが鳴る
ここにお客なんて滅多に来ないので、鳴るときと言えば大体は...荷物が届いたときぐらいだろう

「はーい、今行きます」

そんなものだから私は扉を開けるときは判を常備するようになった、大体使うからね

「宅配便でーす」

宅配...そうか、そろそろ『あの時期』だったか
私は判を押し、荷物を受け取って宅配員に軽く礼をして扉を閉める
箱に手紙が同梱されていた...相手は実家で暮らしている私の母からだ

『立香へ』
『同居人のジャックさんと元気にやれてるかい』
『あんたは昔から無茶ばかりする子だからその人に迷惑かけるんじゃないよ』
『最近料理してるそうだからあんたの大好きな蓮根れんこん、たっぷり詰め込んでおいたからね』

『しっかり食べなよ 母より』

...相変わらず厳しいなぁ、母さんは
箱を開けると、確かにぎっしりと詰まった蓮根が入っていた
とりあえず今日の晩御飯は決まりました、ありがとう母さん

今日は休日...仕事のためにバタバタしなくていいんだ
ただ、遊ぶためのお金なんてあるわけないので散歩しかやらないけど

「外に出ようか、ジャック」

「うん、きょうはどこへいく?」

カルデアに入る前はネットサーフィンぐらいしかしていなかったが、ジャックが来てからは彼女の健康管理と同時に自分の事も気にし始め、外に出ることが習慣になり出している、良いこと...なのだろうか?

...

「寒いな...」

この季節は嫌というほど冷えてくる...母さんもよくこの時期に蓮根が手に入ったと不思議に感じるくらいだ

「今日は図書館にでも行こうか」

「うん!」

まぁそんな休日なんて本でも読んでいたらいい、普段派手に動き回ってるんだ、休日くらいはじっとしていた方がいい

...
「あっ、先輩」

「マシュ!」

図書館の大テーブル、マシュは無数の本を詰め込んで読み進んでいたところだ...こんなところでも休まないのか、彼女は

「あっ、私はちょっとした勉強を...」

「勉強...ね」

確かに横には学書に参考書だの何だの、分厚い本が詰まれているが、その隙間にある比較的薄い本を引っ張り出した

「あっ先輩それはっ...」

『晩御飯に使えるもやしのレシピ100』

本屋とかでそれなりに並んでる料理のレシピ本だった、図書館ってそんなのまで並んでたのか、知らなかった

Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.12 )
日時: 2018/12/24 14:28
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

「せ、先輩、違うんですこれは...ダ・ヴィンチちゃんが...」

よくよく見たら参考書の中からレシピを挟んでいた...なるほど私も子供の頃よく見たな、教科書の中から漫画を読むような奴

「まあ別にいいよ、誰かに話すようなことだってしない」

「は、はい」

しかしどうしたものか、真面目に勉強している後輩の目の前で漫画を読むのはカッコ悪いし...どうするか

「あっ、蓮根」

「え? 」

ジャックが後ろの本棚から別のレシピ本を取り出していた...表紙には蓮根料理が写ってた、この事か

「あっ、取りたいの?ちょっと待ってて」

三段なら高さ的に脚立を使うまでもない、本を取り出して軽く開きながらテーブルに向ける

「先に言うが見たからと言って晩御飯にはならないよ」

「えー」

「まぁ、作りたいものは既に決まってるからね...おかず2くらいにはなるかもしれないけど...おっ、れんこんのハンバーグだって」

「...」

「嫌なのかい」

バター炒め、おかか醤油煮...沢山送ってくれたからちょっとした和え物を付ける事も出来そうだな
だが既に晩御飯のおかずは決まっている、メインにならない程度の物を見ておかないと...

「...」

横を見るとマシュがチラチラ目線だけ向けていた、この後輩め普段は真面目なくせに瞳だけは正直だ

「マシュ」

「はい」

「私ってつまらない男だろ?せっかくの休日で図書館に来ているというのに読んでいるのは料理の本だ」

「世間的にはどうなんだろうね、私みたいな奴」

「...その質問は、私には難しいです」

「そっか、ごめんね変なこと言って...」

実際私はろくに本を読めてない、まぁ本を買うお金がないというのもあるが
漫画か料理本かどっちかしか読んでいない気がする、たまには小説でも読もうかな...

時刻は11時、気がついたらもうすぐお昼時だ
とりあえず昼はカップ麺でも食べて、ジャックには簡単なものでも作っておくか...

「じゃあそろそろお昼だしまたね、マシュ」

「あっ、はい...」

食べたあとはまたジョギングでもしながらのんびり過ごそう...最近は公園もなくて子供が遊ぶ所が少ないなぁ

あの人も私みたいなのがマスターだったから...あの人は...


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