二次創作小説(新・総合)
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- マスターさんは晩御飯に悩んでいる。(完結)
- 日時: 2019/02/02 11:37
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
原作『衛宮さんちの今日のごはん』『fate/grandorder』
この小説は原作者もちょくちょく描いているらしいFGOの平和世界をうちなりに書いてみたものです
【注意】
基本俺の使っている鯖が登場し、持っていないキャラは出ないかもしれない
俺は無課金プレイヤー
他で見ない主人公のキャラ付け
原作とは違い料理のことはあまり知らないので、あくまで『あの作品のような平和な世界』を重視していきたいと思います
料理は基本的にレシピサイトからの引用
- Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.73 )
- 日時: 2019/01/31 23:48
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
「そういえば先輩、正義の味方は親に見せられなかったと聞きましたが」
「そう、父さんも母さんも何故か正義の味方を見せたがらなかった...理由も分からずしまいさ」
「恐らくですがこれが原因かと」
マシュはスマホのタブ表示で正義の味方のWikiサイトのキャストとニュースサイトを同時に見せる...立香は正義の味方しか見ていなかったので作成者までは把握してなかったのである
「これが何か?」
「このドラマの監督がスタッフに暴行を加えテレビ局から追放されたという事件があったようです、それが原因で正義の味方も35話で打ち切られたとか」
「打ちきりだったのか!キリが良くて知らなかったよ!」
「きっと先輩のお母様は気を使って.....」
「確かにあの頃ならショックを受けたかもしれないよ、今知れて良かった...マシュ?」
マシュはキャストの監督の欄をまじまじと眺めていた
「あっ、いえ...なんでもありません先輩、オムライスの材料を探しましょう」
...
「おい、メイヴ...お前まだあの胸糞悪い番組見てんのか」
「...途中で視聴を切るのはプライドが許さないのよ」
メイヴとクーは同じ頃『正義の味方』を視聴していた、立香のような純粋な見形も出来ず、ただただ悲しさと苛立ちが増えていく
「正義の味方もよく挫けないわね...あれだけ尽くしてるのに不満も漏らさず怒りもせず、そんなに信頼出来るようなやつなのかしら?それになんか脚本もドラマというよりはアニメ臭いのよね...」
「どういうことだ?」
「人形劇見せられてるような気分よ、ただ台本通りに動いてるだけでドラマの魅力である人間臭い演技も演出も何もない、作品としても三流よ」
「そんなにか」
「ええ、そんなによ...ある意味では次が気になるわね、マスターが正義の味方しか見てなかったのが幸いね...」
テレビの中の正義の味方は第30話の次回予告へと移り変わる
そこでは正義の味方の家が燃やされ、保険も黄金類も何もかも奪われ次々とビルが立っていく姿が撮される
序盤のような正義の味方によるありがたい言葉も無く、ニタニタと気持ち悪い気分になっていく
「どんな気持ちでこんな作品を作ったのよ...」
「おい、少し貸せ」
クーはリモコンを取って停止ボタンを押し、ゆっくり再生でキャストを確認していく
「どうしたの?」
「いや、俺の気のせいかもしれないが...ちっ、気のせいだった方がマシだったようだ、こいつなら頷ける」
「ちょっと、クーちゃん?」
「メイヴ、あんたに頼みたいことがある」
「勝手に話をすすめないでくれるかしら?」
- Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.74 )
- 日時: 2019/02/01 18:23
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
それから何日ものの月日が経ち、すっかり平凡に仕事をしていた時のこと、ある朝立香とジャックが出社すると玄関が騒がしい、立香が令呪を手に入れた時のように人混みが多く壁には張り紙があった...それも一枚ではなく2枚や3枚ものの数が貼り付けられており、立香達も中々近付けない
人込みを払って見てみると、そこには...前々から噂になっていたリストラ表が貼られていた
「これ...遂にリストラか...色んなチームで色んな人間が解雇されるなぁ...ん?」
立香は複数あるリストラ表の中でもDチームの欄に妙に名前が多いように見えた
「な、なんだ一体...ちょっと失礼します!」
立香は嫌な予感を感じ人混みを抜けてDチームへと向かっていくが...
「...少ない」
立香は比較的遅め、しかし遅刻はしない程度に出社が遅く既に社員は出揃うのが当たり前だったが今日は立香が来ているのにも関わらずたったの数人しか座ってなかったのだ
「藤丸!大変だ、うちのチームはリストラの嵐だ!」
「どういうことですか!?」
「サーヴァントをコキ使って酷い待遇を行い虚偽の報告をしてた奴がこんなにもいたんだ!」
他のチームにもリストラされた者がいないわけではない、しかしDチームのみが他より数倍ものの人間が解雇され、残るのは立香やリーダーを含めて僅か数名...つい昨日まで話していた者達も影も形もなく消えていった
立香は崩れ落ち、リーダー達は頭を抱える
「そ、そんな...こんなにいるなんて思わなかった...」
「俺もだ...こんな数では昨日までの仕事なんてとてもこなせないぞ...なんてことだ」
と、その時Dチームのマイクから聞き覚えのある声が響く
【あー、あー、現在もまだ残ってるDチームの諸君、全員揃って来てくれないかな、話がある、以上!】
プツッ
「ダ・ヴィンチさんの声だ...」
「ダ・ヴィンチ!?ダ・ヴィンチというとあのカルデア本部のレオナルド・ダ・ヴィンチか!?全員整列!本部を待たせると後が怖いぞ!!俺に続けーっ!!」
リーダーの掛け声でDチームは縦に並び、客室に行進に向けて行進していった
- Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.75 )
- 日時: 2019/02/01 22:54
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
「来たかい」
ダ・ヴィンチは客室のソファに優雅に座り、立香達を出迎え、その隣にはマシュが立っていた
「マシュ!」
「先輩...とりあえずそこの席にお掛けください」
立香達が揃って椅子に座ると、ダ・ヴィンチが資料を渡す
「ここでネタばらしだが、今回のリストラに貢献してくれたのはマシュだ」
「え!?」
「...申し訳ありません、私は支部にやってきては切り捨て対象となる人間を判断し解雇させるのが役目なんです」
「日本に来たのもその為さ、私は興味本意だけどね」
立香は不思議と驚かなかった、本部からの人間なんて何か理由でもあったのだろうと...ずっと思っていたからだ、自分や皆に近づいたのも観察のため...
「最初はリストラを終えたら挨拶を済ませ、すぐに本部に戻る予定でしたが...」
「何かあったのかい?」
マシュは立香に近づき、手を握って答える
「私は偶然貴方と出会ってしまい料理を作ることの楽しさを覚えて...日本から離れたくなくなってしまいました」
「え?」
「その、私は...まだ作っていない料理も沢山ありますし、それに...まだ先輩に料理を振る舞ったこともありません!だから...」
「そういうわけだ、もうしばらく彼女の面倒を見てやれないかな?...Dチームとしての参入を希望する」
「それは構わないのだが、Dチームは現在人員不足で一人増えただけでは...」
「心配無用!面接や試験を済ませ新入りを入れる準備は出来ているさ、6割をそちらに回そう」
「感謝します」
Dチーム一同はダ・ヴィンチに向けて頭を下げる
「さて、後は【アレ】だが...藤丸君、こっちに来なさい」
「あっ、はい」
「ある意味真相に近付けたのは君のおかげだ、感謝する」
「は、はぁ...よくわかりませんが、ありがとうございます」
「分からなくていい...実はカルデア全体の問題になってきたんだ、だから」
「先輩は今後の件には関わらないでほしいんです、巻き込みたくないので」
「は、はあ...いまいち状況が飲み込めません」
「...時期にわかるさ、だが君に話したらとんでもないことになるだろうから...な?」
「...分かりました」
仕事のため、立香は客室を出ようとしたとき...マシュは笑顔で呟いた
「先輩」
「ありがとうございます」
END
- Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.76 )
- 日時: 2019/02/01 23:28
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
【最終回】
「これからも、貴方と君と」
次の日、立香は有給を与えられ家でおとなしくしていたが
「マスター」
メイヴが家にやってきて立香を引っ張りだし、そのまま車に乗せられた
「女王、車持ってたんだ...」
「私だって腐ってもライダーよ、こんなの乗りこなせるわ」
運転席からハンドルを離さず、後ろも向かずメイヴは話す
...一体何の気まぐれだろう?立香はずっとそんなことを考えていた
「ねぇマスター、私も見たの...『正義の味方』」
「!」
「酷い話だった、ただただ報われない陰湿な苛めよあんなの」
「どうして?あの人は懸命に...」
「第一話で車に引かれそうになった子供覚えてる?」
「え、ええ...」
「アレは当たり屋よ」
「えっ?」
「それと第18話、正義の味方が配りものをしていたシーン」
「ああ、手作りのバッグやドレス...あの人あんなことも出来るなんてすごいよな」
「あれは数分後に売り飛ばされていたわ」
「えっえっ」
「正義の味方は確かに正義を通した、だけど住民はそれを利用し続けた...そして死んだときには誰も気にかけもしない」
「.....」
「正義の味方の死を悲しんだ者は、誰もいなかった...新たなカモを今か今かと待ち続ける、それが正義の味方のラストシーン」
「.....」
「ごめんなさいね、貴方の思い出を壊すような真似をして...でもこれが真実なの、貴方は随分と可哀想な人に影響を受けてしまった」
立香はなにも言えず、固まる
ようやく分かってしまった...何故親が見せたがらないのか、何故マシュが見ることを止めたのか
何故...私は正義の味方になれなかったのか
「けどね」
「藤丸立香はサーヴァントに対しては間違いなく『正義の味方』になれた」
「え?」
「貴方が愛し信じてくれる限り、私たちはそれに応える...それがマスターとサーヴァントというものよ」
「あ、ああ...」
「そして、サーヴァントはマスターが不要と判断すれば切り捨てる...クーちゃんのようにね」
立香はここで気付く、普段ならメイヴとべったりであるクー・フーリンの姿がない
「あの人はどこにいったの?」
「自分のマスターとケリを付けてくると言ってたわ...そして、こんなことも言っていたわ」
『あいつは俺が来るずっと前から、救いようが無かったんだな
「あいつって? 」
「貴方も知っているはずよ、クーちゃんのマスター...実はそいつはね...」
- Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.77 )
- 日時: 2019/02/01 23:49
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
一方カルデアでは、ロマニとダ・ヴィンチが一人の男を呼び寄せていた
「やあやあ、よく来てくれたね...君は随分えらいことをしてしまったようで」
「何のことだか」
年配の男性はとぼけたように言うが、ロマニは冷静に資料を置く
「とぼけても無駄だよ、サーヴァントをドレイのように扱おうとした件...解雇した者を徹底的に絞り上げたところ、皆君に関わっていたことが明らかになった」
「それに君がそういう考えを持っていたということ...まあ、そっちはたまたまなんだけど」
「そういう考え?何を根拠に?」
ダ・ヴィンチはポケットからDVDを取り出す
「『正義の味方』...!!何故こんなものが!!」
「いやいや、日本は君の作品の大ファンがいたみたいでね...あくまでも主人公だが...さて、マイナーな作品だからと調査を怠った我々にも非はあるが、何か反論はあるかい?」
「何年も前にスタッフに暴行を加え芸能界から追い出された、映画監督さん?」
...カルデア日本支部を混乱させ、賛同者を集めサーヴァントをコキ使った首謀者...それは立香が愛してやまない正義の味方の...創造主だった
「なんで?なんであんな立派なヒーローを作れる奴がこんな真似を?」
「立派なヒーロー?...あんなものが!?スタッフやあいつと同じで思い通りにならず勝手に死んだ奴が!?」
男性はDVDを掴んで投げ飛ばし、何度も何度も踏みつける
「...正義の味方を殺したのは、脚本と俳優のアドリブなんだ、私が指示していないのに勝手に...コキ使われる方が死んだ方がましだって...たかがキャラクターに同情なんかしてどうする!?」
「使えるものはなんでも搾りカスになるまで利用し!使えないなら捨てて!どんなものでも思い通りにならなくては気がすまない!それが人間だろう!!」
「正義というのは正しいとい漢字があるんだ!自分が正しければなんでも正義だ!そして...」
「力があり上位に立てるものこそが正義なのだ!!」
男の力説の最中でダ・ヴィンチはロマニに問いかける
「あれがマウンティングって奴かい?」
「ああ、どうやら彼は何がなんでも思い通りにならなければ気がすまないらしい、自分の都合が働くのは創作の世界だけさ」
「だが創作の世界でさえもうまく行かなかった!!何故スタッフは拒んだ!固有結界も巻いたのに!」
「固有結界だと?」
「あっ」
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