二次創作小説(新・総合)
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- マスターさんは晩御飯に悩んでいる。(完結)
- 日時: 2019/02/02 11:37
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
原作『衛宮さんちの今日のごはん』『fate/grandorder』
この小説は原作者もちょくちょく描いているらしいFGOの平和世界をうちなりに書いてみたものです
【注意】
基本俺の使っている鯖が登場し、持っていないキャラは出ないかもしれない
俺は無課金プレイヤー
他で見ない主人公のキャラ付け
原作とは違い料理のことはあまり知らないので、あくまで『あの作品のような平和な世界』を重視していきたいと思います
料理は基本的にレシピサイトからの引用
- Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.13 )
- 日時: 2018/12/24 17:03
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
その夜のことだ、朝とは打って変わって扉を叩く音が
「おかあさん、誰か来たよ」
「そうみたいだ...誰だ?宅配便が連続で来るはずもないし...」
「やあ」
「うわ」
扉を開けたら、この間の茶髪の...ダ・ヴィンチさんだ
うわぁ、今日も来たよ...正直ぐいぐい来る人苦手だな...
「何しに来たんですか?今日は休日ですけど?」
「仕事なんか頼まないさ...いや、ある意味仕事だけど、ほらおいで」
ダ・ヴィンチさんの後ろに引っ付いて現れたのは...えっ、なんで?
「マシュ!?」
...
「君の晩御飯がどうしても気になったようでね、引っ張り出してきた」
「私は別にいいとは言ったんですけどね...」
「ここあんまり広くないんだからそんな来られても困りますよ...」
「仕方ないんだよ、前にも言わなかった?カルデアで料理出来るのは君ぐらいなんだ」
「カルデアは日本に限らずアメリカや中国に、ヨーロッパ、アフリカやエジプトまで世界中に支部があって、私のような管理係も沢山いるじゃないですか!」
「言い方を変えよう、サーヴァント相手にここまで熱心になれるのは君だけなんだ」
「え?それって何の繋がりが...」
「まあそれに関しては話せるときに話すよ、ほら」
「お邪魔します...」
入れるとは言ってないような...そんなことも聞かず二人は部屋へと入っていく
「いや、無理です!ダメですって今日は!晩御飯揚げ物ですよ!?」
...そう、揚げ物。
今晩私が作ろうとしたのは『れんこんチップス』私の二番目くらいの大好物だ
料理を初めて分かったが、油を使う料理は想像以上に危険、まだハンバーグを作っただけのマシュにこれを手伝えというのはあんまりだろう
「へー、れんこんで揚げ物ねぇ、随分面白そうじゃない」
「いや面白いとか抜きに!油危険なので!」
「心配無用、こんなこともあろうかと」
ダ・ヴィンチさんが義手を叩くと、なんか給食の時に使ったようなビニールの軍手が飛び出す
「ダ・ヴィンチちゃん特製の火傷0%の特別な品だ」
「あの人いつもそんなの用意してるの?」
「大体変なもの作ってたりしてますね...」
うわぁ、本部って本当に...とんでもない英霊を出したな、マスターの顔を見てみたい
- Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.14 )
- 日時: 2018/12/25 10:26
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: N7iL3p2q)
「れんこんは?」
「...もう切ってあります」
れんこんチップスは細かく切ったものを酢水に付けてアク抜きを行い、ザルで水気を取る必要があるらしい
まさかこんな手間が掛かるとは思わなかったが、大好物のためなら面倒なことだってやってやるさ
「つまり後は揚げるだけってわけね」
「そう、だから危ないから...」
「じゃあやってみよう!」
「あのぉ!! 」
...
れんこんの山をザルから上げ、揚げるための油を入れ...そこに蓮根を入れる...小麦粉もなしに揚がるなんて不思議だと思ったが、そういえばポテチもそうだったな
おやつ感覚にならないように沢山切って沢山入れたが...食べきれなければ私が食べればいいだけか
「ほら、マシュもやるよ!」
「は、はいっ!」
ダ・ヴィンチさんに後押しされるようにマシュも蓮根を油へ投入していく...本当に大丈夫だろうか?もし火傷でもしたら大変なことに...
「君、少し過保護すぎないかい?親か何か?」
えっ
「今私の心読みました?」
「ああ、特殊な装置とか無しにね...何となく分かるんだよ、君は」
...そ、そうなのかな、言われるほど単純な気もしないけけどなぁ...そうなのかな
「おかあさん!」
「あっ...やっば!!」
ぼーっとしていたら泡が少なくなって色付いていた、いかんいかん、すぐに皿に移して新しい蓮根を入れる
「せ、先輩...」
「情けないなぁ私」
「やれやれ、この人も困り者だ」
「...」
なんだろう、この光景
ずっと前の私にはあり得なかったであろう風景だ
あの頃は無力でダメダメだった...まだ、それほど経っていないのにずっと前に感じる
.本当に、あの頃の私は...なんて出来損ないだ
...
「出来た...」
マシュの手を借りてわりと早く切った蓮根を揚げる事が出来た
いい色、いい形...子供の頃から憧れていた山盛りのれんこんチップスが今目の前に居る
「あああ...凄い...凄い...」
いつ食べてもこれは美味しい、私にとってはお菓子じゃない、立派なご飯だ、フライドポテトみたいなものだ、ああ美味しい美味しい
「おかあさん!」
「あっ、すまない!一人で食べちゃいけないよね...二人も食べるんだよね?」
「ああ!もう夜だからね!」
「ダ・ヴィンチちゃん、着いてきただけじゃないですか...」
「正確には君を引っ張り出して来たんだがね!」
- Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.15 )
- 日時: 2018/12/25 11:17
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: N7iL3p2q)
れんこんチップスをテーブルに乗せ、四人で輪になって一個ずつつまんでいく
「そういえば先輩はどうして料理を始めたんですか?」
「え?独り暮らしをするなら普通じゃないかな?コンビニ弁当やカップ麺ばかりじゃ体に悪いし」
「...とは言っても最初はご飯を炊いたり味噌汁を作った程度で、おかずは買ってばかりだったさ」
「じゃあ、いつからハンバーグ等を作るように?」
「ジャックが来てからかな」
「おかあさん、いつもていねいにつくってくれるから」
「へぇ...本当に珍しいな、日本のDチームで手料理を英霊に与えてるのは男性だと君ぐらいだよ」
ああ、熱心になれるとはそういうことだったのか...
確かに手を抜いてる人も少なくはない、だが生きている人間と過ごす以上健康面には最大限気を使うべきなのだが...
「私は言うほど凄くないですよ、一度失敗してしまいましたから」
「失敗?」
「...私は一度、英霊に受け入れられなかったもので」
忘れもしないあの頃、私はある英霊の管理係となったが、私はあの人を満足させられるほどの人間ではなかった
無理もない、今のような生活をジャックがどう思っているのかは知るよしもないが、間違いなくあの人は嫌っていたのだから...
だからせめて、料理だけはちゃんとしたものを与えたいと、そういう一心で...
「ジャックを召喚したときは失敗したくないとずっと思っていた、でも」
「でも?」
「...ジャックと一緒にご飯を食べて仕事して寝て、またご飯を食べる生活が大好きになっていったんだ」
「ありがとう、おかあさん」
「何言ってるんだ、ありがとうを言うのは私の方じゃないか...」
「マシュ、君は中々見る目があったようだ」
「...そうですね」
「で?その英霊ってなんて名前なの?」
名前...そういえば、召喚した瞬間ぐらいだな、名前を言ったのは
「...確か、メイヴという名だったような」
「女王か!確かにここの生活は窮屈だろうなぁ」
「そうですね、私にはとても相応しくない人を呼んでしまったんです」
「だから次に会うときは...もう少し、少しでも彼女に追い付けるほどの人間になろうと思ってるんです」
窓から空を見ると綺麗な雪が降っていた、あの人の服も雪のように白くて綺麗だったな
女王メイヴ...貴方は私の挫折点であり、目標です
いつか私が貴方のそばに居ても恥ずかしくない存在になれるように、私はもっと頑張ります
『END』
- Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.16 )
- 日時: 2018/12/25 15:22
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
『クリスマス特別編』
「夢のサーモン祭り」
今日はクリスマス...貧乏と言えどジャックという子供が居る以上私にとっても無関係な行事ではない。
小さな女の子が喜ぶようなプレゼントを事前にダ・ヴィンチさんから聞き、デパートにまで寄って買えそうなものを探しているのだ
「人形かぬいぐるみかどっちかだな...」
後欠かせないものといえば、クリスマス料理
七面鳥だとかケーキだとか、そういうのをよく聞くが私の家の場合個人的にチキンナゲットが好きなので大量のチキンナゲットを用意してくれたのだ、母さんいつもありがとう
「ナゲットの詰め合わせを買ってこの間の蓮根をチップスにすれば...ん?」
私はナゲットの袋に手を取り出した瞬間、信じられないものを見た
『鮭の切り身30円』
安い、信じられないくらい鮭が安いのだ
巷ではあらゆる魚が中々捕れずに値上げしていると聞き買うのはいつも慎重にしている魚が...
どういうことだ、何故クリスマスに鮭を安売りしてるんだ、この日は鮭でも食ってろという何者かの陰謀か?
だがそんなことはどうでもいい、鮭が安いなら今のうちに買わなくては!!
「すいません!鮭ください!!」
...
私という奴は...安いからって衝動買いしてしまった
鮭フレークにサーモンの刺身に鮭の切り身、鮭尽くしだ
ナゲットは買えなかったがこれだけあればパーティー規模のものが作れるな
すぐさまレシピを検索し紙に書いて献立表を作った
しかし聖夜だというのに私は一人で料理作りか...いややめよう、まだ家族と過ごせるだけマシだし、泣いてないし、これ隠し味だし
...
まずはご飯だ、ご飯を炊きながら鮭をレンジにいれ、温める間にレタスを刻む
レンジから出した鮭の骨を取りだし、卵二個と一緒に放り込み、米を入れ、最後にレタスと塩コショウ、醤油を入れてじっくり炒める
検索すれば案外色んな料理が出てくることが驚きだ、子供の頃は鮭なんて焼くか寿司ぐらいでしか聞かなかったのに
「よし、まだまだ余ってるな...次!」
クリスマスに変なテンションで鮭料理を作る私
よくよく考えると意味不明だな、一人でよかった
ジャックはひとまずダ・ヴィンチさんに預けたが...来るんだろうなぁあの人
- Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.17 )
- 日時: 2018/12/25 17:17
- 名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
「えーと次は鮭を四等分、ジャガイモを半月切り、玉葱を薄切り...と」
...気が付けば一時間、ずっと鮭を捌いていた、最初に作った料理が冷めないうちにとやっていくうちに最後の鮭を使いきっていた
無我夢中すぎた...えーと作るたびに献立表書いてたんだった
献立表を見ると真っ黒だった、ハイテンションにも程があるぞ私
一息付いていると携帯からバイブレーション音が鳴る...カルデアから?まさかここまでやって仕事に来いと?
「もしもし?」
『ダ・ヴィンチちゃんだけど?』
「なんで私の電話番号知ってるんですか」
『それはいいよ、君の英霊がそろそろお腹すいたみたいでさ、もういいかな?』
「あっ、はい...今日はありがとうございました」
『いいってことだよ、それにしても...あの子本当にロンドンを騒がしたっていう「ジャック・ザ・リッパー」なのかい?何の問題も起こさなかったからさ』
「ええ、いつもは普通の少女みたいなものですから...戦えと命じたときぐらいですかね、危なっかしいのは...」
『ふーん...まあそんなことはいいさ、今日はクリスマスだ、分かるかな?』
「...言いたいことは分かりました、今日は多いんで来たって構いませんよ...ていうかここ最近ずっと私の家で晩御飯食べに来てるような...」
「不満かい?美女を家に入れて食事なんて、こんな羨ましい聖夜はないぜ?」
確かに羨ましいかもしれない、その美女の中身がレオナルド・ダ・ヴィンチでなければの話だが
何が悲しくて中身男性の女性と夜を共にしなくてはならないのか、どうせなら元から女性だった人が良かった、
「...まあとにかく、鮭料理はいっぱい用意しましたので、来たかったらどうぞ」
「ふーん、いっぱいか...期待しておくよ」
「はいはい」
電話は切れ、私は携帯を机へと移す
さて、この部屋の小さなテーブルに...沢山の料理が入りきるだろうか?
ひとまず皿を詰める限り...と、移してる最中インターホンが鳴る
来るの早いよ...
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