二次創作小説(新・総合)

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マスターさんは晩御飯に悩んでいる。(完結)
日時: 2019/02/02 11:37
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

原作『衛宮さんちの今日のごはん』『fate/grandorder』

この小説は原作者もちょくちょく描いているらしいFGOの平和世界をうちなりに書いてみたものです

【注意】
基本俺の使っている鯖が登場し、持っていないキャラは出ないかもしれない
俺は無課金プレイヤー
他で見ない主人公のキャラ付け
原作とは違い料理のことはあまり知らないので、あくまで『あの作品のような平和な世界』を重視していきたいと思います
料理は基本的にレシピサイトからの引用

Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.38 )
日時: 2019/01/21 18:41
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

「出来たよ」

「わーい!」

話していくうちに三個のハンバーグが焼き上がり、皿に置いていく...今日も上手く焼けたな

「へぇ、随分成長したじゃない」

「そうでもないよ」

「そうね、まだどうしようもないから普通になってきたぐらいよ」

...それでもいい、女王にちゃんとした食事を与えることが私の最初の夢だった、高望みはしない、これでいいんだ

「それにしても、まさかあんたが令呪を手にするまでになるとはね」

「悪かったかな?」

「思ったより早かったっていうのが私の感想よ、もう少し家を賑やかにしたらどうなの?」

「食費で精一杯だよ、この間だってサーヴァント預かったのに食費をね...」

「はぁ?」

...

「それ、軽くナメられてるわね」

「次から断った方がいいかなぁ」

「ナメられてるのはあんたじゃなくてサーヴァントよ」

「え?」

「そのマスター、サーヴァントを都合のいい何かとしか思っていない...なんだと思っているのかしら、召喚されるのはそこらの一般人とかには比べるのも恥ずかしい格のある者達なのに」

「...ある意味ではクー・フーリンさんが言ってたような状況だな」

「クーちゃんが何か言ってたの?」

「え、聞いてないんですか?」

女王になら、話してもいいかな...この間のクー・フーリンさんの事

...

「ふーん...」

「私の思い違いだといいけど...だってカルデアは...」

「そういう場所だと言い切れるの?大体どこで知ったのよ」

「.....ちょっとチラシを読んだ程度だった、でもこれだけで夢中になれた、人間に対しての一目惚れに近いものだよ」

「バカみたい」

「バカかもしれないな、こうやって突っ走って独り暮らしなんかして...こんな生活でも悪くないと思っている私は」

「.....」

「ただ...あと何万くらい貰えたらジャックも楽に暮らせるかな」

「マシュとかダ・ヴィンチさんとか、貴方とか...お客さんが来るようになって私のつまらなさを実感したよ」

「もっとこう...テレビとか、ゲームとか、おもちゃとか、あと外でも遊べるものがないと、年頃の子はキツいよな...」

「...」

「あっ、ごめんなさい変なこと愚痴って」

「別にいいわ、もう寝ましょう」

...

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【お知らせ】
今書いている地の文がなんか上手くいかないのでまた書き方を変えます

毎度毎度申し訳ありません、全然よくわからないんです、地の文

星新一とかも地の文がなんか細かいんですよね...別にそこまで説明しなくてもなぁ...と思いながらもそれが普通なんだなと思って、でもな...そこまで思い付かないんだよー!

Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.39 )
日時: 2019/01/21 22:41
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

真夜中。皿洗いを終えジャックが布団に入って眠りに入った頃、立香はようやく風呂にはいる、風呂といっても時間と水道代が掛かるのでシャワーを軽く浴びる程度でしかないのだが
起こさないように爪先で一歩ずつ歩き浴槽に入る...シャワーの準備を始める頃、扉の向こうからメイヴのシルエットが写る

「ねぇ、あんたいつもこの時間に入ってるの?」

「まあね」

通る途中時計の針をちゃんと確認している...現在は午後十時、子供は眠りに入り年頃はドラマを見終えるそんな時間だが、立香にとってはまだ寝るには早い時間である

扉越しなのでどのような表情をしているのかは分からないが、今までからは感じられなかった口振りでメイヴは喋りだす

「ねぇ、もしサーヴァントがマスターに反乱したら...どうする?」

立香は考える暇もなく口に出す

「それはもちろん、私がその程度のマスターだったと言うことだ」

シルエットのメイヴは鞭を取りだし素振りの後、立香の方に手を当てる

「私は今ここで貴方を殺すことも出来る、そして今の貴方は令呪でそれを阻止させることも、私を殺すことも出来るわ」

令呪によるサーヴァントの殺害...すなわち『自害』の命令
本来はあまり推奨されない力だが、緊急時には発動する者も多い

「何故私が貴方やジャックを殺さなくてはならないのですか?私よりずっと上手く生きている貴方達が?」

立香は分かっていた...というよりは、当たり前の事だった、人間がサーヴァントに敵うはずがないと、だからこそ...信頼していると

メイヴは扉を明け、隙間から目を覗かせる

「マスター、正直に言ってメイヴちゃんの為に血と汗を流すその姿は素敵だと思っている...けどそうやってどこか諦めたような、脱け殻みたいな性格は嫌いよ、私の隣と前に立ちたいのならもっと男らしくなりなさい」

その瞳はどこか悲しそうにも、呆れているようにも見えた

立香はそれを眺めた後、ゆっくりと扉を閉じた

...

翌日、二人が目を覚ますと既にメイヴの姿はなかった
立香は気も落とさずいつも通り朝御飯を作り、いつも通りの道を通ってカルデアに向かう

『もっと男らしくなりなさい』メイヴに課せられた新たな使命を胸に掲げながら...

END

Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.40 )
日時: 2019/01/23 22:25
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

【第八話】
『好物は誰かのために』

「そういえば先輩、ずっと気になっていたのですが...」

休み時間、マシュと立香はリラックスルームで缶コーヒーを飲みながら話していたところ、マシュが唐突に打ち明けた

「これまで先輩のおかげで色んな料理を覚えていきましたが、まだ分かっていないものがあります...先輩の好きなものです」

そう、好物...立香はこれまで大好物の料理を打ち明けていない、れんこんチップスも好きかと言われると二、三番目ぐらいで一番好きなものをマシュはまだ知らないのだ

「私の好物?別に気にしなくて良いよ、くだらないものだし」

立香が普通にいなすも、マシュは引き下がらない

「聞くぐらいなら良いじゃないですか、どんなものでも私は笑ったりしませんよ」

「うーん、そういうことじゃなくて...まあいいや、料理であることは変わらないし」

立香は携帯を取り出して検索サイトを開き、画像を探してマシュに見せる

「肉料理...ですか?」

「肉巻きだよ、もやしとか人参とかじゃがいもを肉で巻くんだ」

「へぇ...」

肉巻き、野菜を焼いた肉で巻くという簡単な料理で、料理を始めたばかりの立香が作っていたもの、大好物な理由は当然作りやすい上に味も良いからだ、しかしジャックが来てからは健康の事を考えて普通の料理を作るようにしていた

「まぁ、肉巻きなんてね...美味しいけどあまり出すものじゃないよ、手抜きと思われるからね」

「料理に手が込んでるも手抜きもありませんよ、分かりました...肉巻きですね」

マシュは紙に何かを書き込んで、立香の元を去っていく

「...?なんだったんだろう」

...

その日の夕方、マシュはDチームで資料をまとめたり、立香ら先輩達のアシストをしていると...時計の針が5時を回りアナウンスが鳴る

「はい、5時になった!定時だからさっさと帰ってくれ!」

カルデアにも定時がある、この時間になると強制的に仕事が片付けられ帰宅準備をすることになる、そしてこのとき仕事が途中だった場合評価にマイナスが掛かるのだ

立香は時間配分を見ながら上手く終わらせ、すぐに片付けマシュに挨拶し、鞄を持っていく

「それじゃあマシュ、また明日」

「お疲れさまでした、先輩」

マシュは『先輩達』を見送って...一人残った彼女は壁に触れて隠し部屋に入っていった

Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.41 )
日時: 2019/01/23 23:22
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

...扉の先はマシュの部屋、申し分程度のソファと本棚と台所とベッドがある単調な場所
これでも自分の部屋と比べたらまだまだ快適な方であると立香は述べるだろう

マシュは仕事を終えてすぐソファに持たれ込んで休息を取る...マシュは今これしか『やりたいこと』がない。
しばらく横になっていると入ってきた方の壁が開いて右手に古文書を抱えたダ・ヴィンチが現れる

「今日もご苦労だった、マシュ、今回はどうだったかな?」

「本日不達成、途中終了はBチーム7名 Cチーム3名 Dチームは12名です」

誰も知らない、感じていないマシュの本当の仕事...それは日本支部の人間の評価の報告だ、裏から情報を調べあげ、本部のサーヴァントであるダ・ヴィンチへと送られるという簡単な流れ
マシュはこのために本部から派遣され、皆の後輩として振る舞っているのだ

「ふんふん、Dチームは最近動きがよくないみたいだな、リストラを考える頃合いだろう...サーヴァントからの評価が低いものから切り捨てよう」

「辞めさせるのですか?」

「うちもちゃんとした仕事だからなぁ、出来ない奴は切り捨てられる...当然のことだ」

「.....」

世界中の色んなところでマシュは人間を評価し切り捨てていった
そんな毎日を送り、ぼーっと生きていた

...しかし

「ダ・ヴィンチちゃん、今日の晩御飯ってまだ決まってませんよね」

「ああ、ご要望があればなんでもいいたまえ、それとも君が作ってみるかい?」

「私が?」

初めて日本に来て、初めて料理を経験し、初めて楽しいことをやった...

藤丸立香、彼との出会いがマシュのなにかを変えていった
彼が聞けば「私で変わるのなら誰であろうとマシュを変えることはできた」と笑うだろう、しかし今のマシュにとって立香という男は特別であることには変わらない

「では...私、作ってみたいものがあるんです」

この日...ずっとカルデアから決められたものを食べ続け、自分の意思で料理をしなかったマシュ・キリエライトは....初めて献立を要望した
ダ・ヴィンチは驚くこともなく、静かにマシュを撫でる

「そうか、君がそんなことを言うようになるなんて...で、何を作る気なんだ?」

「えっと...」

Re: マスターさんは晩御飯に悩んでいる。 ( No.42 )
日時: 2019/01/25 08:35
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

夜の7時半 ダ・ヴィンチが用意した野菜と肉を分けながら包丁を取り出す

「...今日は先輩は隣にいない」

立香が料理をする姿を彼女は何回も見てきた、慣れていたからこそ一人で料理することにどこか寂しさを感じていた

「ダ・ヴィンチちゃん」

「どうしたんだい?」

「藤丸先輩はどうして資金面に余裕がないのに魔力補給に料理という手段を使っているのでしょうか、血液採取やカルデアの電力変換等方法は沢山あるのに」

「一番一般的なのは料理だ、彼みたいな魔力を持たない人間がサーヴァントに供給するには食事をさせるしかない、まあ手を抜く輩が多いのも事実だが」

「では何故先輩はわざわざ手料理を?」

「...そうすれば喜ぶと心から思っているからさ、今時はいないぞそんな奴」

「そうなんですか」

「ほら、ぼーっとしてると怪我するぜ?」

「あ、すみません」

マシュは野菜を刻んでフライパンに入れ、人参ともやしじゃがいもを炒めていく、火の扱いも経験を得て段々慣れていった

「でしたら、何故他の先輩は料理を行わないのでしょうか?失礼ながら資金面や生活費が最低質なのは藤丸先輩で、他は食費に当てても足りる額を貰えているのに」

藤丸立香は一番給料が少ない、何故かというとマシュを除けば一番最後に雇われたからだ
長く滞在しているものは給料も多いが、わずか数ヵ月の立香程度では貧乏暮らしもやむを得ないほどしか与えられない。
だが最も異例の早さで令呪を与えられた彼の事だ、いつか彼自身が驚くような金額が飛んでくるだろう

その時立香は...どうするだろう?そんなことを考えながらマシュは肉を捌き、一枚ずつ焼いていく

「それにしても随分とあの男を気に入ったようだね」

「はい、いけませんか?」

「いいや?彼は他の奴と比べたら性格面ならまだマシだが、良い人間かと言われるとそうでもない」

「悪い人...?」

「悪人って訳ではない、ただ善人としてはどこかおかしい所がある...我々的に言えば『混沌・善』という奴だ」

「おかしい所とは?」

「ロマニの報告を見るに向上心はあるようだが、それが自分に向いてない、出世欲とかそういうのさ」

「言われてみれば確かに、彼は生活を楽にしたいとは言っていますが成り上がりたいという話は聞いたことも...」


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