鬼  ご  っ  こ ―――---。 作者/燈 ◆Cydpxggyeo

・・・†・・・1話・・・†・・・



「瑞希ッ、在ったよ!!!」
 放課後、学校の図書室である本を見つけた友達が叫んだ。
「在ったの?見せてッ!」
私はその本を見つけた友達、結奈に駆け寄る。
その本の題名は“鬼ごっこ”。
「瑞希、読んで見る・・・?」
結奈が本を見つめている私に聞いた。
「勿論だよッ!何の為に探したのさぁッ。」
私は結奈の持っている本の一ページ目を開いた。
一ページ目に、早速鬼の絵が描いてある。
そのページに書いてある事を私は声に出して読んで見た。
「『雛菊町は、50年に一度、鬼が復活し鬼ごっこが始まる・・・。
そして、参加者達は鬼につかまれば喰われる。
最後までにげ切れた者の勝ち。
もし、鬼が勝ってしまったら・・・この町の者を全員残らず喰う。』だってぇ。
怖いね・・・。」
「橘 瑞希は平気でしょッ!私は無理ッ。」
「結奈、私だってやりたく無いよ・・・。他の荷とにやって貰いたいもん。」
結奈と同じで私もこの鬼ごっこなんてやりたくない。
でも、何故この本を探したのかと言うと調べてみたかったのだ。
つい最近、お祖父さんの独り言がキッカケでこの本探し・・・鬼の情報収集が始まった。
『今年はちょうど50年目か・・・。鬼が現れるな。』
この一言。そう、お祖父さんの一言。
“鬼”という言葉が心の奥に残り気になった私は友達と共に調べ始めた。
「橘と志木、何やってるんだ?」

急に誰も居ないはずの図書室のドアが開き、声がした。
「稲垣と加藤?何してるの?」
声の持ち主はクラスメートの稲垣龍樹と加藤龍祐だ。
「俺等は、学校体験でもしてたんだ♪それよりも、もう夜だぜ。
一緒に帰らないか?」
龍樹が私達に言った。
「良いけど・・・?」
この、放課後に見つけた本が始まり・・・。
翌日どんな事になるなんて―――---。
この日の放課後から鬼ごっこは始まっていたんだ・・・。