鬼 ご っ こ ―――---。 作者/燈 ◆Cydpxggyeo

・・・†・・・5話・・・†・・・
「ゆ・・・なァ・・・?」
「何?早く皆と合流しようよ。」
結奈の人間のものでは無いような顔を思い出すと寒気がする。
「瑞希ってさぁ、怖がり?」
「ハ?」
急に結花が私に聞いてくる。
「え・・・・。如何してさ。」
「オゥーィッ、お前等何やってるン?」
答えようとした時、龍祐が来た。
龍祐だけ。何時も一緒の龍樹は居なかった。
「早く、クラスに戻ろうぜ?今さっき、また喰われた。」
「喰われた?誰が?」
龍祐が、不気味な笑顔を作った。
「クラスメートが、3人程。」
―――-―――ッ!
結奈の笑顔と同じだ・・・。龍祐の笑顔・・・。
「龍祐ってさ・・・、龍樹と仲良いのに何で別行動?」
怖いのを我慢して私は龍祐に聞く。
「ア?俺、アイツ嫌いだぜ?」
「え・・・?」
驚いている私の横で急に結奈が話しかけた。
「瑞希って、知らないのォ?龍樹って嫌われてるんだよ?」
結奈も龍祐も何か変だよ・・・。可笑しいよ。
「アイツ、居なくなって欲し。」
龍祐が耳元で呟いた。
そして不気味な笑顔になった龍祐は私にこう言った。
「お前も、ジャマだね。龍樹よりもさ。」
「りゅ・・・龍祐ェ?」
もう、すでにコイツは龍祐では無いのだと・・・。もう鬼のような者だと。
私は危険を感じたのか、結奈を探す。
「結奈ッ・・・。何処に居るの!?」
何時の間にか・・・結奈は居なくなっていた。
「結奈?」
教室の隅で呟く私に龍祐が近付いて来る。そして龍祐は私の髪の毛を掴み、
ベランダに出た。
「龍ス・・・ケ・・・、痛・・・--―-イ・・ョ。」
声がドンドン掠れて行く。
龍祐は私を落とそうと、私の背中を押そうとした。

PR
小説大会受賞作品
スポンサード リンク