鬼 ご っ こ ―――---。 作者/燈 ◆Cydpxggyeo

・・・†・・・6話・・・†・・・
「龍祐、止めてよ・・・。龍・・・ス・・・・ケェ---。」
ポンッ。
龍祐が私の背中を押した。
落ちる・・・落ちる・・・落ちる・・・・。
しかし、奇跡的に服がベランダの柵に引っ掛かり、落ちずに済んだ。
「チッ―――---。」
落ちなかった私を見て、龍祐が舌打ちした。
「しょうがネェ・・・。喰ってやるよォ。」
「龍祐ッ・・・!!!?」
突然、龍祐は真っ二つに割れ、中から鬼が出てきた。
青鬼が・・・。大きい青鬼。
「龍祐・・・、ねぇ、龍祐は何処!!?」
私は鬼に向かって叫んだ。鬼は笑って答えた。
「龍祐はとっくに喰われてるぜェ。お前等が本を開いた日にな。」
龍祐は喰われてた・・・?嘘・・・。
「龍祐を返してよ、ねぇ、返してッ!!!」
「喰われれば会えるぜェ。」
鬼は、私の方を見て、走ろうとした。
勿論走らなければ喰われる・・・。私は走った。
鬼が走って追いかけて来る。
その時、放送が鳴った。
「そうだ。鬼は倒せないよ?じゃあね。」
倒せない・・・。倒せないなんてッ―――---。
勝ち目が無いじゃないの・・・・。

PR
小説大会受賞作品
スポンサード リンク